ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~ 作:水名(仮)
それではどうぞ~
追記:50話突破しました!(だからと言って特に何もしませんが)
しばらく船を進めると第4層の迷宮区タワーが見えてきた
「まさかとは思うけどあそこに行くつもりは無いわよね?」
「違う違う 目的地はこっち」
アスナは迷宮区タワーに行くと思ったらしくキリトさんに質問したがキリトさんは南東方向に舵を切った
そして1時間ほど右へ左へと船を進めると白い壁が見えてきた
「ちょっと! 行き止まりよ!?」
「大丈夫! あそこが目的地だ!」
アスナがキリトさんの方を向いて叫ぶがキリトさんはより一層強く漕ぎ始め、周囲の景色は霧へと変わっていった
「でも先が見えないしもし先に壁があったりしたら…」
「平気平気 ただの霧だから」
アスナが不安そうにキリトさんに聞くとキリトさんはただの霧だと言ったがその直後に「いや ただのじゃないな…」と付け加えた
そしてティルネル号は濃霧の中に突入した
これって確かマップ切り替えの…?
「この霧ってもしかして…!」
アスナも分かったみたいでアスナのそんな声が聞こえた瞬間、さっきまでの霧が嘘のように晴れた
そこにあったのはフィールドボスと戦った湖より広い湖でそれに加え、降りしきる雪が水面の大部分を白く染めていた
しばらくその景色をしばらく見ていたが櫂を立てて船を泊めていたキリトさんが櫂を上げ、また船を漕ぎ始めた
しばらく白銀の世界を進んでいると前方に巨大なシルエットが見えてきた
そこからさらに進むと如何にも中世っぽい城…もとい砦が見えてきた
先ほどから降っている雪と同調するように白い大屋根には高さの違う尖塔が伸び、その先端には野営地でも見た漆黒で三角の旗が掲げられており その旗には角笛と曲刀が交差された紋章が描かれていた
「あの旗ってダークエルフの…!?」
アスナもその旗を覚えていたみたいで声に出していた
「綺麗…」
少しずつ近づいてくるダークエルフの砦を見ながらアスナはそう呟いた
「現実で見たどんなお城よりもずっと綺麗」
「それって某鼠のテーマパーク? それともヨーロッパあたりの本物?」
「さぁ? どうかしら?」
アスナが今までに見た城よりきれいだと言うとキリトさんはどの城なのかと質問したがアスナは少し笑ってはぐらかした
そして正面から伸びる大桟橋の空いている場所にティルネル号を停泊させ、慣れたようにアスナがキリトさんに向かって舫い綱を投げるとキリトさんは青銅製の係留所に舫い綱を結んだ
船から降りて大桟橋の中央ぐらいまで歩くと再び城を見上げた
まだ正門からは離れてはいるもののそれでも大きく、無数にある
私がその景色に見とれていると隣から声が聞こえてきた
「…ありがとう キリト君 とっても素敵なプレゼントね」
「私からもありがとうございます」
「ま…まぁそう言ってもらえるとここまで漕いだ甲斐があると言いますか…何といいますか…」
アスナがキリトさんの方を向いてお礼を言ったので私もキリトさんの方を向いてお礼を言うとキリトさんは頬を指で搔きながら少しだけ恥ずかしそうにしていたが私達の方をちらりと見るとニッっと少しだけ笑った
「でも実はプレゼントはまだ半分なんだよな」
「え? それってどういう…?」
キリトさんがそう言ったのでアスナはどういう意味か聞こうとしたがキリトさんがアスナの背中を押して先を急がせたため私達もキリトさん達を追いかけた
しばらく桟橋を進むと巨大な正門が見えてきた
正門に5メートルぐらいまで近づくと左右にいる斧槍を持ったダークエルフの衛兵に止められた
「止まれ!」
「ここは人族の立ち入ってよい場所ではない!」
そしてその衛兵たちは斧槍を高く交差させるとキリトさんがベルトポーチからスクロールもとい紹介状を取り出し、それを高く掲げた
「俺の名前はキリト! 城主にお目通り願いたい!」
紹介状を見た衛兵たちは斧槍を垂直に戻すと正門は大きな音を立てながら左右に開いた
「わぁ…!」
そして私達が中に入るとそこにあったのは一面の銀世界だったがさらにそれがランプに照らされており、それがまるで絵画のような幻想的な雰囲気を出していた
私達はその景色に見とれていたが後ろの正門が閉じ始めたのをきっかけとしてまだ足跡のついていない雪の積もった前庭を通り抜け、奥に見える大扉へと向かった
大扉の前へと到着して中へと入るとそこには赤い絨毯が敷かれ、中央に大理石の噴水がある巨大なロビーもといエントランスがあった
奥には大階段があり、左右にも広い通路があるのも相まって私は昔に家族でイギリス旅行に行ったときに泊まった高級ホテルのエントランスもこんな感じだったなと思っていた
どこからか聞こえてくるバイオリンの音色に合わせるようにして歩くのは見慣れたダークエルフのNPCだったが3層の時とは違い、武装している人の数は少ない
「プレイヤーは…いないみたいね…」
アスナは周りを見渡してそう言ったがすぐに納得したように頷いた
「それはそうね 湖に入る時に通った霧でインスタンスに切り替わったんでしょう?」
「ご明察 ここじゃぁ他のプレイヤーに出会わないからどんだけ騒ごうが自由だ」
「さ…騒がないわよこんなところで… それより早く色々と見回ろうよ」
アスナがさっき通った霧でインスタンスマップに切り替わったことをキリトさんに確認するとキリトさんはそうだと言った
その為ここでどんなことをしようと構わないと言ったがアスナは口を尖らせながらそんなことはしないと言ったがすぐに顔を綻ばせてキリトさんのコートの右袖を引っ張った
「それもそうだな でも最初の行き先は決まってるんだ」
キリトさんは「こっちだ」と言うと右の通路を進んでいったので私達はキリトさんの後を追った
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道中でこの城の名前が{ヨフェル城}ということと上から見たらコの字型になっているという事をキリトさんから聞いたり何人かの兵士たちとすれ違いながら通路をしばらく歩き、左に曲がって正面に見えてきた小さい扉をキリトさんは開けた
そこは前庭ほどではないが神秘的な場所だったが小さい黒い花をつける茨の生垣が迷路のようになっているため先を見ることはできない
青白いランタンを頼りに雪の積もった石畳を進んでいるとうっすら誰かの足跡があった
私達は顔を見合わせ、足跡を追いかけて茨の迷路を抜けるとそこには立派な針葉樹が周囲にある美しい庭園があり、木の周囲にはレンガを積んで作られた花壇と青銅製と思わしきベンチが交互に置いてあった
木から伸びる枝が雪を遮るせいで庭園の入口から先には足跡はなかったが立ち尽くすキリトさんとアスナの視線の先のベンチに腰かけている華奢な人影を見たことで私は思わず一歩前に出ていた
するとその人影は私達に気が付いたのかベンチから勢いよく立ち上がり、花壇を飛び越えて目の前に着地した
「キリト! アスナ! テオロング! タコミカ!」
その人は私達の名前を言うと私達を強く抱きしめた
温かくも強い抱きしめに耐えているとキリトさんは懐かしい名前を言った
「久しぶり、キズメル」
タコミカは小さい頃に案外海外旅行に行ってます
それではまた次回に~