ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~   作:水名(仮)

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まだ寒いですね…

それではどうぞ




15話:再開

それからキリトさんとておさんは解放されたが私とアスナはそこからしばらく抱き合い続けた

 

そしてようやく体を放すとアスナは右手の人差し指で目尻を拭って混じり気のない笑顔を浮かべた

 

「またすぐに会えるって信じてたけど…こうして会えて本当に嬉しい」

 

アスナのその言葉にキズメルも笑顔で頷いた

 

「私もだ 霊樹を通ってこの城に来てからずっとお前たちのことを考えていた気がするよ」

 

先ほどまでは気が付かなかったがキズメルは3層の時とは違い、武装はしておらず代わりに濃い紫色のロングドレスを着ていた

 

私がキズメルを見ていると視線をキリトさんに移し、笑顔のまま質問した

 

「それにしても4人共 よく私がここにいるとわかったな この城は初めてのはずだろう?」

「あ…あぁ… なんとなく…かな」

 

キリトさんのなんとなくという返事を聞くとキズメルは笑みを深め、頭上に枝葉を広げる大きな針葉樹を見上げた

 

「このジュニパーの樹からは妹が好きだった精油が取れるんだ そのせいかついこの場所に来てしまってな…」

「へぇ…」

 

キズメルがこの樹について説明してくれたため私もジュニパーの樹を見上げてみながら香りをかぐと清涼感のある木の香りを感じられた

 

「これジュニパー…セイヨウネズの樹なのね」

「セイヨウネズって確か盆栽にあったような…?」

 

アスナも香りをかいだのかこの樹は私達の世界ではセイヨウネズだと言うとておさんはその名前に聞き覚えがあるみたいで盆栽に確かあったはずだと呟いた

 

「そうね 園芸用とかもあるけど薬やお酒の香り付けにも使われることもあるわね」

「ほう そうなのか いつか試してみたいな… 何はともあれ4人共よく来てくれた 天柱の塔の守護獣を首尾よく突破できたのだな」

 

アスナがておさんの呟いたことに捕捉するように薬やお酒の香り付けにも使われると説明するとキズメルは感心しながらいつか試してみたいと言った

 

そして私達に向き直ると私達に労いの言葉をかけた

 

「だから言ったでしょ? 私達なら大丈夫だって」

「それもあるけど野営地の司令官が毒に気を付けろと教えてくれたおかげが大きいかな」

 

それに対して私は3層で別れるときの言葉を思い出したがそれに対してキリトさんは野営地の司令官さんがアドバイスをしてくれたおかげだと言った

 

「うむ 彼は信頼に当たる人物だ 私も早く3層に留まっている先遣部隊と合流したいのだがな…」

 

キズメルはそう言うと自分の着ているドレスを見下ろして眉をひそめたがすぐに笑顔を取り戻してアスナの背中を軽く叩いた

 

「さぁ 城の中に戻ろうか ここまで漕いで来たのなら腹が空いただろう?」

「えぇ とっても」

 

キズメルはそろそろ城の中へ戻ろうと言うとアスナはそれに答え、並んで歩き始めたため私達もそれに続いた

 

 

~~~~~~

 

 

しばらくキズメルの後を追いかけて行くと大食堂にたどり着いた

 

扉を開けるとおいしそうな香りと賑やかな談笑に加え静かな雰囲気の弦楽器の音色が流れていた

 

「すごい…! 映画のセットみたい!」

 

開いている場所はないかと辺りを見回しているとふとアスナが声を上げた

 

「なんか某魔法学校の食堂みたいだな」

「テオ君も知ってるの?」

「親がよく見てたからそれで」

 

ておさんが某魔法学校の食堂みたいだと言うとアスナが知っているのかと聞いたのでておさんは親がよく見ていたと答えた

 

「奥のあの場所が開いていますね」

「あそこにしようか」

 

そんな中私がきっちり並べられたテーブルの奥の方に開いている場所を見つけたためそこを指すとキズメルもそれに賛同してくれた

 

 

私達が奥のテーブルに向かっている途中多くいるレザーアーマーの兵士たちとは違うローブを被った人たちがふと気になったためキズメルに小声で聞いてみるとキズメルは小声で答えてくれた

 

「ねぇ キズメル? あの人たちは?」

「あぁ 彼らは9層の王城から派遣されてきた神官達だ 彼らは聖大樹に仕えているのだがそれ故なのかプライドが高い者が多くてな… あまり関わらぬ方がいい」

 

彼らは聖大樹に仕える神官らしいけどプライドが高い人が多いからあまり関わらないほうが良いらしい

 

私がキズメルの話を聞くと今度はアスナが小声でキズメルに質問していた

 

「あの子たちは?」

「あの子たちは城主の子どもたちだ みんないい子だよ…」

 

2人の視線の先を見てみると数人のダークエルフの子どもたちが遊んでいるのが見えた

 

私が子どもたちの様子を見ているとキズメルが声をかけてきた

 

「タコミカもあの子たちが気になるのか?」

「気にならないって言ったら嘘になるかな…」

 

キズメルが気になるのかと聞いてきたため私は少しだけ気になると答えた

 

「タコミカはそちらに関しては無頓着だと思っていたが子を設けたいと思っていたのだな」

「え?」

 

あれ? なんか勘違いされてる?

 

「キリトとアスナは分かっていたがテオロングとタコミカも番いであったな」

「「「「だから番いじゃない!」」」」

 

そんな私達の反応を気にすることなくキズメルは席につきながら続けた

 

「番いが子を欲することは自然なことだ 恥じる必要は無いぞ?」

 

キズメルが私達をフォローするようにそう言ったけど私達は料理が来るまで終始無言だった…

 

 

 

しばらくすると運ばれてきた料理はスープと前菜から始まるコース料理でしかもメインは鶏のローストだったので私達は驚いた

 

「これって…」

「どうした? 何か苦手なものでもあったか?」

「いや 違うんだ」

「人族の文化で今日はクリスマスイブっていう日で丁度その日に食べる料理と似てたの」

 

それに対してキズメルは何か苦手な食べ物でもあったのかと聞いてきたのでキリトさんが否定し、アスナが私達が驚いた理由を説明した

 

「そのくりすます…?とはどんな日なのだ?」

「どんなって言われると…」

「家族や大切な人たちと一緒に過ごす日…かな?」

 

するとキズメルはクリスマスについて聞いてきたためアスナは少しクリスマスについてどう言おうか悩んでいたため私は当たり障りのない回答をした

 

家族と祝う…か…

 

私の言葉を聞いたキズメルは呟きながら中身の入ったグラスを持つと月の見える窓の方を見て少し笑うと

 

「ティルネルと義弟に…乾杯」

 

月に向かってグラスを掲げた

 

 

~~~~~~

 

 

「ごちそうさまでした」

「美味しかったです」

「コース料理自体あんまり食べないけどこういうのもいいな」

「だな β時代とは比べ物にならないほど旨かったよ」

 

デザートの果物(ケーキはなかった)を全員が食べ終えたタイミングで私達はそれぞれ感想を言った

 

「ありがとうキズメル とっても素敵な晩餐だったわ」

「礼を言うのは私の方だ 久々に食事を楽しめたよ」

 

アスナがキズメルにお礼を言うとキズメルは私達に対してお礼を言った

 

「それでは部屋まで案内しよう 丁度部屋が1つ余っていたところだ」

 

キズメルが開いている部屋に案内してくれるらしいので私達はそれに甘えることにした

 

 

 

~~~~~~

 

 

 

そして案内してくれたのは城の東翼側の4階にあるホテルのスイートルームっぽい部屋だった

 

共用の居間に左右にそれぞれ寝室があり、4人ぐらいだったら問題なさそうだった

 

「城に逗留している間はこの部屋を自由に使ってくれ」

 

そうキズメルに促され、部屋に入った

 

「わぁ…! 素敵な部屋…!」

 

するとアスナが大声を上げ、奥の窓に向かって行ったがようやくそこで左右の扉に気が付いたのか交互にその扉を眺めると微妙な顔でキリトさんの方を見た

 

恐らく違う部屋にしてほしいと思ってるのかな…

 

とはいえ流石に他の部屋にしてくれとは言えないし…

 

そうしているうちにキズメルは口を開いた

 

「それでは私は左隣の部屋にいるから用があるなら遠慮せず言ってくれ 今夜はゆっくり休むといい」

 

キズメルはそう言うと私達を残して扉を閉め、遠ざかっていった

 

 

残された私達はしばらく無言でお互いを見ていた

 

「…まぁこういう事はこれが初めてっていうわけじゃないし…」

 

少しするとアスナがそう言ったのでキリトさんはそれに便乗するように頷いた

 

「攻略を最優先にするなら避けられないと思うし… だから…その…」

「そうね でもこれだけは言っておくわ」

 

キリトさんが少し焦っているように見えたのは気のせいではないはず…?

 

でもアスナがキリトさんに向き直ったことによってキリトさんは首を傾げた

 

「キズメルとこうして再会できたことがあなたのクリスマスプレゼントだったんでしょう? それについては本当に嬉しかった ありがとう」

「私からもありがとうございます」

 

アスナがキズメルと再会できたことに対してお礼を言ったので私もすかさずお礼を言った

 

「あぁ… どういたしまして…って俺が言うのもあれだけど…」

 

するとキリトさんは照れながら答えた

 

「再会できたのは俺も嬉しいけどなんかキズメル雰囲気が違ったよな…」

「確かにテオ君の言うとおりね あのドレスも好きで着てるっていう感じじゃないし…」

「剣も鎧も装備してなかったからな この城に留まっているのは意に染まぬ状況っていう事なのかな…」

 

確かに3人の言う通りキズメルの様子は何かおかしかったような気がする…早くこの場所を去りたいというか…そんな感じがした

 

キリトさんも同じようなことを考えているのかキズメルのいるであろう部屋の方を見ていた

 

「まぁ 明日時間があれば聞けばいっか ねぇ キリト君」

 

アスナは一旦キズメルのことは後回しにするみたいでキリトさんに声をかけたがキリトさんの反応はなかった

 

「ちょっと… ちょっと、キリト君」

「え? あっ…ごめん 何だっけ?」

「まだ何も言ってないわよ」

 

そこからさらにキリトさんに声をかけるとキリトさんはようやく気が付いたみたいで反応した

 

「あなたはどっちの寝室使いたいとかってある?」

「ないけど… テオには聞いたのか?」

「さっき聞いたわ そうしたらどっちでもいいって」

 

どうやらどっちの寝室を使いたいのかという相談だったらしいがキリトさんとておさんはどっちでもいいらしい

 

「じゃぁ私達はこっち使わせてもらうけどいいかしら」

「ど…どうぞ…」

 

アスナは東側の扉を指さしながら言うとキリトさんは了解してくれた

 

そっちはさっき見てみたけどバスルームとクローゼットがあるからね

 

「でも確か城の3階に超大きいバスルームがあったと思うけど…」

「超…?」

「うん 超」

 

キリトさんが思い出したように3階に大きいバスルームがあったかもと言うとアスナとキリトさんはどこかでやったようなやり取りをした

 

「男湯と女湯って分かれてる?」

「うーん… どうだったかな…」

 

アスナが男湯と女湯は分かれているのかと聞くとキリトさんは考え始めた

 

「なんだか嫌な予感がするけどとりあえず行ってみましょ」

「行ってみましょって俺も行くのか?」

「だって私達場所知らないもの」

 

アスナがとりあえず行ってみようというとキリトさんは自分も行くのかと質問したのでアスナは場所を知らないと言ったのでキリトさんは頷いた

 

そして私達はスイートルームを後にして大浴場に向かうことにした

 

 

 




話の途中に出てきた某魔法学校…もうわかりますね

それではまた次回に
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