ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~ 作:水名(仮)
今回は第5層開放日の話です
それではどうぞ~
1話:瞬きと崖のレストラン
キリトさん達が第5層に向かってからしばらくした後、私達も第5層へと向かった
迷宮区の出口から第2層や第3層、第4層同様少し歩くと第5層の主街区である<カルルイン>へと到着した
この5層のテーマは⁅遺跡⁆でその象徴である主街区の<カルルイン>という町はβ時代同様遺跡を再利用した街と言ったような感じで所々崩れかけている部分もあるが街の中心部では革や布の天幕が道の両脇に張り巡らせられているのと人も行きかっているので活気がある
その人たちの中にはプレイヤーの姿もあったので既にキリトさんとアスナが転移門をアクティベートさせた後だということが分かった
「そういえばここってどこから圏内なのかわかりにくいですよね… β時代からこんな感じだったんですか?」
ふとポテトさんが私達に向かってどこからが圏内なのかわかりにくいと言ってきた
確かに前の層までは大きなアーチがあったりして結構わかりやすかったが<カルルイン>はそのアーチがないためどこからが圏内なのかわかりにくい
「そうですね… 一応β時代には目印を立ててた人もいたんですけれども目印にしたアイテムは時間経過で消えちゃいますからね」
「自分自身が気を付けるしかないってこと」
私がそう言うとひま猫さんは私の言葉に捕捉するように話すとポテトさんは納得したように頷いた
「それで…今はどこに向かってるんですか? ひま猫さん」
「ついてくれば分かるよ」
因みに今はひま猫さん先導でどこかに向かっている最中である
そして路地裏を5分ほど歩き、途中木戸やらアーチやらをくぐっていくと行く手に暖かい色合いの光が見えてきた
そこから少し進むと両側にランタンがぶら下がっている木製の扉が見えてきた
「お店…?」
更に近づき黒っぽい板材を薄板状に切り出されたと思しき看板を見てみると{Tavern Inn BLINK&BRINK}という店の名前と思しき物がチョークで書かれていた
その下にはメニューと思しき物 そして一番下には日本語で『注意! お店に駆け込まないでください!』と書かれてあった
「確か…Lの方は瞬きでRが縁っていう意味でしたっけ?」
「そうだな 縁は他の英語でも表せるがそこは言葉遊びだろう」
「へ~」
私の問いに対してリオンさんが答えた
「今更だけどひま猫はここに向かってたのか」
「正確にはここで食べられるもの目当てだけど」
意識さんとひま猫さんの会話を横目に扉に付いている鋳鉄のリングを握り、引っ張ると同時に扉の向こう側から冷たい風が吹き寄せてきたがすぐに止んだので私が中を覗くと四角いテラスがあった
正面と右側が鉄製の手すりで左側がお目当てのレストランの建物みたいだった
そして私が扉を潜り、テラスに向かうと全員後に続いた
「これって空だよね…?」
「空だね」
テラスから空を見ながら朱猫さんがひま猫さんに対して聞くと見たまんまの答えが返ってきた
「確かにこれは縁ですね…」
私も店の名前を思い出しながらテラスから空を見て話すとておさんがひま猫さんに質問した
「因みにここから飛び降りたらどうなるんだ?」
「どうなるって…普通に死ぬよ?」
「え?」
「え?」
ひま猫さんの答えに対してておさんは思わず聞き返すとひま猫さんも同じく聞き返した
「小ネタだけどβ時代では開店と同時に扉から全力ダッシュで左のお店に入ろうとして途中で曲がり切れずにテラスから落下したプレイヤーもいるからそこは注意しといてね」
「成程… 外の看板ってそういう…」
木を取り直してひま猫さんが注意点を言うとたまさんは納得していた
「さてと… 少し早いですが夕食にしましょうか」
「そうですね」
ポテトさんがそう言ったので時間を見てみると18時を過ぎていたので私達はレストランに入った
流石に11人全員は同じ席に座れないので4人と4人と3人に分かれて座ることにした
「何にしましょうかね…」
私はメニューを見ながら何にしようかと考えながら呟いた
「こっちにも回してほしいんだけど…」
「あっ… すみません…」
同じテーブルに座っているめらさんに催促されたので私はメニュー表をテーブルに寝かせて4人で見ることにした
「このバフ付きメニューっていうのがひま猫の言ってたやつかな?」
「そうかと」
めらさんは〖ブルーブルーベリータルト〗という名前を指さしながら聞いてきたので私は多分そうじゃないのかと答えた
「私は決まりました」
「俺も決まったかな」
「僕も決まったよ」
「店員さん呼ぶか?」
「じゃぁお願いします」
「すみませーん」
私達は決まったみたいなのでキャラメレさんが店員を呼ぶと黒のドレスエプロンを着た女性NPCのウェイトレスさんが足早にやってきて一礼をしてからテーブルにお冷のグラスを置いた
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「はい 〖ディアブロステーキ〗と〖シュブル・リーフと10種チーズのサラダ〗、それと食後に〖ブルーブルーベリータルト〗と〖リメインミルフィーユ〗、それから〖スタットプディング〗と〖ランプベリーサバラン〗をください ステーキの焼き加減はレアで」
私がメニューを言い終え、メニュー表を持ち上げてておさんに渡すと3人は少し驚いていたけどすぐに切り替えて次はておさんが注文した
「俺は〖ポロポロ鳥のロースト、丸パンつき〗と〖あつあつグラタンスープ〗、それから食後に〖ブルーブルーベリータルト〗を」
「同じやつをもう一つずつで」
ておさんはめらさんにメニュー表を渡そうとしたがめらさんは右手を軽く上げて断るとておさんが頼んだものと全く同じものを注文した
「じゃぁ俺は〖ディアブロステーキ〗焼き加減はミディアムで、〖あつあつグラタンスープ〗、それと〖フィックルワイン〗のボトル1つと食後に〖ブルーブルーベリータルト〗をお願いします」
ておさんからメニューを受け取ったキャラメレさんが注文を言い終えるとウェイトレスさんは完璧に復唱してから立ち去った
「たみちゃんデザート頼みすぎじゃない…?」
「お会計別ですし問題ないですよ?」
「いやそういう問題じゃ…」
私とキャラメレさんが話している間にさっき頼んだ料理がもう運ばれてきたので私達は料理をそれぞれ受け取るとそれぞれ食べるために準備を始めた
そしてキャラメレさんがウェイトレスさんからワインボトルを受け取ると手慣れた手つきで開けると私達にワインをいるかどうか聞いてきた
「ワインいる人~」
「お願いするよ」
「じゃぁ僕も~」
「たみちゃんはいる?」
「私はいらないです」
私達の反応を聞いたキャラメレさんはワイングラスにワインを注ぎ始めたが2つ目のワイングラスに注ぎ始めた時にさっきのワイングラスに注いだワインとは色が変わってることに気が付いた
「あれ? 色が変わってません?」
「ん? あれ ほんとだ」
キャラメレさんもそれに気が付いたようで注ぎながら返し、3つ目のワイングラスに注いだ時もさらに色が変わった
「あ~ だからフィックルだったんだ~」
「どういう事?」
「フィックルっていうのは気まぐれっていう意味なんですよ」
「へ~」
それに対して私はようやくなぜフィックルというのかが分かったので思わず声に出すとておさんはどういうことかと聞いてきたので私が意味を説明するとておさんは納得していた
「で どれにする?」
「じゃぁ俺は赤にするよ」
「僕は白にしよっかな」
「ほいよ」
「どうも~」
「ありがと」
キャラメレさんはておさんに赤のスパークリングワインをめらさんに白のワインを手渡した
「では少し… 白の甘口だ これ」
めらさんは早速手渡されたワインを飲むと感想を言った
「そろそろいただきましょうか」
「そうだな」
そして私がそう言うとておさんは同意して私達は食事を始めた
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やや適当に頼んだ料理だったけど結構おいしかったと私は思っている
〖シュブル・リーフと10種チーズのサラダ〗は葉っぱ自体が仄かにマヨネーズっぽい風味がしたし〖ディアブロステーキ〗はステーキ自体がちょっと辛かったけど…
めらさんが丁度ワインを飲み終えたタイミングでデザートがやってきたので早速〖ブルーブルーベリータルト〗を頂くことにした
一口大の大きさにカットして口に運んでみると爽やかなベリーの甘酸っぱさと濃厚なカスタードクリーム、それからサクサクのタルト生地が絶妙に合っており、私は思わず声が出てしまってた
「美味しい!」
そこからは一切れがあっという間になくなってしまった
その時ふとHPバーに見慣れない目のマークのアイコンが付いたのが見えたので思わずコーヒーと思われるものを飲んでいるひま猫さんの方を見てみるとテラスの方を指さしたのでテラスに行ってみるが暗視の効果が付いたわけではないらしい…
他のスイーツを残していたのもあったので席に戻ろうとすると近くで何かが光っているのが見えたので拾ってみると銀貨なのは銀貨だけど見慣れた100コル銀貨ではないようだった
その銀貨に書かれていた紋章は簡略化された浮遊城ではなく横に並ぶ2本の樹で、裏返しても見たことのない紋章があるだけだった
さっきまでは見えなかったよね…っていう事はこれがバフの効果なのかな?
早速ひま猫さんに聞いてみることにした
「もしかしてひま猫さんがここに来たのってこのバフの為ですか?」
「そそ この〖ブルーブルーベリータルト〗を食べると『遺物発見ボーナス』っていうバフが付いて上手く探すことが出来たら大金を稼げるっていう寸法」
「成程…」
「β時代は大盛況でタルトがすぐに完売したから人の少ない今のうちに食べて拾っておこうっていう魂胆よ」
「ほぇ~」
ひま猫さんの話を少し受け流しているとひま猫さんは続けた
「因みに運がいいと稀に宝石やらアクセサリーも拾えるよ」
「本当ですか! それ!」
「う…うん…」
私はひま猫さんの言葉を聞くと思わず大声で聞き返したのでひま猫さんは少し困惑していた
「食べたらすぐ行きましょう!」
「そ…ソウダネ」
私が多少興奮しながら言うとひま猫さんはちょっとだけ引きながら答えた
その後は席に戻りかなり早く他のデザートを食べ終えると丁度全員食事が終わったみたいなのですぐさま会計を済ませると大急ぎで広場へと向かった
因みにほかのデザートも結構おいしかった
タコミカはβ時代では遺物拾いの事は全く知りませんでした(あくまででも観光メインにしてたのと5層ではフロアボス戦にも参加したので)
それではまた次回に