ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~ 作:水名(仮)
それではどうぞ
第4層に戻ってきた私達は早速朱猫さんに説明しつつ、屋台を探した
第4層が解放されてからしばらく経ってはいたもののまだ観光客はずいぶんと多かった
「え~っと… 確か転移門広場にあったはず…」
私が少し辺りを見回すと例の屋台を無事に発見した
「あった!」
そう言って屋台のところへ向かうために走り始めるとておさんと朱猫さんも私の後に続いた
そこで私と朱猫さんはパニーニをておさんはまたシーフードピザを買うと近くのベンチに座り、早速食べることにした
私の記憶が正しければパニーニはまだ食べていなかったはずだけど思っていたよりもおいしかった
「パニーニも美味しいですね」
「だよね~ 確かにこれはテオがおすすめするのも分かる」
「肝心なておさんはピザを食べてますけれどもね…」
「美味しいからな ぶっちゃけこれ目当てだし」
そして食べ終わるとこれからどうしようかという流れになった
「これからどうしましょうか?」
「どうしよっか…」
「ん?」
「何か見つけたんですか?」
そんな中ておさんが何かを見つけたみたいな声を出したので私は何か見つけたのかとておさんに質問した
「いやぁ… あそこに見覚えのある人が…」
「あれって… エギルさんですよね?」
ておさんの視線の先を見てみるとどこかで見たカーペットを広げて商売をしているエギルさんが見えた
「行ってみますか?」
「行ってみよっか 運が良ければ何か良いアイテムとかあるかもしれないし」
「だな 可能性は低めだけど」
少し相談して私達はエギルさんの所へと行ってみることにした
「こんばんは エギルさん」
「おぉ 誰かと思えばお前らか」
「こんばんは エギル」
「よっす」
私が声をかけるとエギルさんは気づいたようで返し、朱猫さんとておさんも挨拶をした
「エギルさんはここで商売をしてるんですか?」
「まぁな ある検証も兼ねてここで夕方から露店を開いてる」
「検証?」
「ここで取引すんのとNPCのショップで売るのとどっちが稼げるかっつう検証をな 折角こいつがあるのに有効活用しねぇともったいねぇだろ?」
私と朱猫さんが質問するとエギルさんがカーペットを軽く叩きながら答えた
今思い出したけどこのカーペットって確かネズハさんが使ってたやつだったね
「で 進捗はどうよ?」
「今のところは物によるっていう感じだな ゴンドラの素材なんかは割と強気な値段でも行けるが食材とかはそこまで売れてないな」
「へぇ…」
「本気で商人をやろうと思うなら様々な情報収集と宣伝が大事という結論になった」
「成程… 確かに宣伝は大事ですよね…」
ておさんが売れ行きについて聞くとエギルさんは顎髭を人差し指でさすりながら答え、2人の会話を聞いた私は頷きながら言った
「そこら辺は現実と同じだな」
「そうですね 色々な申請が不要な分現実より始めるのは簡単ですけども」
「そうだが信頼が第一っつう部分は変わらんぞ?」
「客商売は信頼あってこそですもんね」
私とエギルさんが会話を続けていると朱猫さんが会話に割って入った
「えーっと… エギル 話してる途中で悪いんだけど商品見せてもらってもいい?」
「おう ゴンドラ用の素材はねぇが食材系や非戦闘系のブーストアクセならあるから見ていってくれ」
朱猫さんがエギルさんに商品を見せてほしいと頼むとエギルさんは直ぐに私達に商品を見せてくれた
~~~~~~
エギルさんが見せてくれたものの中には様々なものがあったがその中で私は裁縫スキルブーストの指輪を購入し、朱猫さんはひま猫さんに料理をしてもらうために食材アイテムを数点購入した
「やっぱりこういうのって良いですね」
「ね いつか私も料理スキル取ってみよっかな…」
「そういえばお前ら 何で第4層にいるんだ? 真っ先に第5層の攻略始めてただろ?」
私と朱猫さんが話しているとエギルさんが質問してきた
「夕食を食べるためにちょっと寄っただけだよ そんで食べ終わった時にエギルを見かけたからあわよくば何か買おうと」
「成程な」
エギルさんの質問にておさんが答えるとエギルさんは納得した様子だった
2人の会話を聞きながら時計を確認してみるとすっかり午後9時半になっていた
「これからどうしましょうか?」
「どうしよっか~ 第5層に戻る?」
「だな もう今日は遅いからな」
その為私は朱猫さんとておさんにどうしようかと聞いてみると2人からは今日はもう第5層に戻って休もうと言う答えが返ってきたので私達といつの間にかカーペットを丸めて店じまいをしていたエギルさんは転移門に向かっているとその転移門から誰かが出てくるのが見えた
それ自体は特に珍しいことではないがその出てきた人達が驚きでアスナとキリトさんだった
何というか偶然ってすごいなって思いました。
エギルさんも2人に気づいた様子で声をかけていた
「よぉ 2人も来たのか」
エギルさんに声をかけられた2人はこちらに向いた
「うっす」
「こんばんは エギルさん」
「おう」
雑に挨拶をしたキリトさんとは対照的にアスナは一礼をしてから挨拶を済ませた
「やっほ~ キリト アスナ」
「こんばんは2人とも」
「よっ!」
エギルさんに続いて私達も挨拶すると2人は驚いた様子だったがキリトさんが朱猫さんに対して質問していた
「朱猫!? 何でここに!?」
「何でって… 夕食食べに来たついでにエギルに会ったから…」
そんなキリトさんの質問に朱猫さんは少し驚くとちょっとだけ間を開けてから答えた
そして朱猫さんに続いて今度は私が2人に対して質問した
「そういえばお2人はどうしてここに? 明らかに夕食には遅い時間ですよ?」
「子爵様に報酬アイテムを貰いに来たんだけど… お前らは違うのか?」
「え?」
報酬…? なんの?
「ほら… お城の…」
「あ~! すっかり忘れてた!」
アスナに言われて第4層のエルフクエストの報酬を受け取っていなかったことを思い出した
「どうしましょうておさん ゴンドラありませんよ」
「どうしようって言われても… 朱猫達のゴンドラがこの主街区にあるか聞くほかないだろ…」
何か会話をしているエギルさんとキリトさんを横目に私達は小声でゴンドラがないためどうやってヨフェル城まで行くかを相談していた
「朱猫さん朱猫さん」
「ん? どうしたの? たみちゃん」
「ゴンドラって主街区にありますか?」
「あ~… 多分ゴンドラ迷宮区のところだ…」
「え… どうしよ…」
そんな時に朱猫さんがいたことを思い出しゴンドラを貸してもらうよう頼んだが朱猫さんはゴンドラを迷宮区の所に置いてきたと答えたので私は本格的にどうしようと悩んだ
その時エギルさんが声をかけてきた
「ついでだ お前らも俺達の船に乗ってけ」
~~~~~~
エギルさん達の船ピークォッド号に向かってる途中、キリトさんにどういうことかと聞いてみるとどうやら事情を聴いたエギルさんが仲間に許可を取ったところ許可が下りたらしく船を貸してくれることになったらしい
転移門広場の東桟橋でエギルさんが舫い綱を外してくれた中型ゴンドラに乗り込んだ私達はエギルさんと朱猫さんに別れを告げメイン水路を南に進み始めた
少し進んだところで櫂を漕いでいるキリトさんがさっきのことについてコメントした
「いやぁ… やっぱり持つべきものは気前のいい知り合いだなぁ…」
「次会ったときにちゃんとお礼言いなさいよ 手土産げつきで」
「それって4人で割り勘でいいんだよな…?」
キリトさんが心配そうに返したがアスナは微笑しながら進路方向に向き直った
私が空(と言っても上を見ても第5層の底しか見えないけど)を見ている間に<ロービア>の南門を抜け、フィールドを蛇行する川へと出た
そしてフィールドボスと戦った中央カルデラ湖を抜けてさらに南に進む
途中何回か戦闘はあったもののほとんどソードスキル一発で倒し、<ウスコ>のある三日月湖を素通りして渓谷地帯へと向かった
船を岸壁に擦らないように渓谷地帯を漕ぐこと数十分、ようやくマップ切り替えの目印である白い霧が見えてきた
その白い霧を通過すると目的地のヨフェル城がある湖へと到着した
そのままキリトさんはゴンドラを漕いで水面を進みヨフェル城の桟橋にゆっくりと接舷させた
但しいつものようにゴンドラの舫い綱を駐留柱にかけてしまうとこのゴンドラの持ち主であるエギルさん達以外外せなくなってしまうためそのまま桟橋へと飛び移ることにした
私達の乗ってきたピークォッド号の隣にはアイボリーホワイトとフォレストグリーンの船体のティルネル号が係留している
それを見た私達は小さく頷き合うと城門の方へと向かって行った
前に来た時と同じく城門はしっかりと閉じられており斧槍を携えた衛兵がしっかりと守っている
しかしキリトさんが左手の指にはめている〖シギル・オブ・リュースラ〗を掲げると衛兵が敬礼をして城門も重々しく開いた
城の正面玄関を通過して大階段を上り、5階に到着すると右側に見えるがっしりとした扉へと向かった
キリトさんがノックをすると直ぐに中から聞き覚えのある声で「入りなさい」と返事が返ってきたのでキリトさんはアスナに視線を送ると扉を引き開けた
初めてこの部屋に訪れたときは全体的にかなり暗かったが今ではヨフィリス閣下の顔が確認できるほど明るかった
私達の姿を確認したヨフィリス閣下はその顔に微笑みを浮かべると私達の名前を呼んだ
「キリト アスナ テオロング タコミカ 戻ってきたのですね」
「はい えぇっと…城主様と約束しましたから…」
流石に正直に報酬を受け取りに来たとは言えないのでキリトさんは少し歯切れが悪く答え、私達はキリトさんの言葉の後に一礼した
「夜遅くにお邪魔してすみません 城主様」
「構いませんよ この城を守ってくれたそなた達であればいつでも歓迎です さあ こちらにどうぞ」
ヨフィリス閣下に手招かれた私達は机の前まで移動した
少し辺りを見わしたアスナはヨフィリス閣下に質問した
「あの… キズメルはどこに?」
その質問を聞いたヨフィリス子爵は短くかぶりを振ると答えた
「残念ながら彼女はもうこの城にはいません」
「「えっ…!?」」
アスナとキリトさんは同時に声を上げた
私も少し驚いたけど声を上げるほどではなかった
ヨフィリス閣下はデスクの上で両手を組み合わせると落ち着いた声で説明し始めた
「騎士キズメルは神官団の指示により〖翡翠の秘鍵〗と〖瑠璃の秘鍵〗を第5層の砦へと運ぶ人に着きました 今頃はもう到着しているはずです」
「そうだったんですね…」
失望を抑えながらアスナが言うとヨフィリス閣下は頷きつつも口許を綻ばせながら続けた
「キズメルもそなたたちに会いたがっているでしょう 機会があれば砦に行ってみなさい その
「はい! 必ず!」
「なるべく早く行ってみます」
「ありがとうございます!」
「どうもありがとうございます」
私達がお礼を言うとヨフィリス閣下は再び微笑み右手で部屋の壁際を指さしたのでそっちを見てみるとしっかりとした造りのチェストが置かれていた
「そなた達には我が城を守ってくれた謝礼と褒賞を渡していませんでしたね 改めてあの箱から好きなものを2つずつ持っていくといいでしょう」
それを聞いたキリトさんは露骨にほっとした顔をし、アスナがそんな様子のキリトさんを肘で小突こうとしたがその前に私達の視界にクエスト報酬の選択ダイアログが表示された
私はその中からネックレスとブーツを貰い、その日はそのままヨフェル城に泊まることにした
タコミカは結構中古アクセサリーは好きです
それではまた次回に