ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~ 作:水名(仮)
それではどうぞ
追記:お気に入り登録30人突破しました! 本当にありがとうございます!
するとほぼ同時にボスの両手足が現れたので私達もボスの顔から降りて攻撃を再開しようとしたところで
「ありましたあああぁ!」
ネズハさんが半ば裏返ったような声で叫んでいた
ネズハさんの方を見てみると左足の膝裏辺りを指さしていたが足のストンプ攻撃の後の衝撃波にやられたのか倒れている状態だった
肝心の左足は攻撃を終えて天井へと戻っていく途中で届きそうになかったが
「逃がすかっ…!」
キリトさんが走りながら剣を構え、≪ソニックリープ≫をその足に向かって放とうとしたがその前に黒い影がキリトさんに近づいた
「頭を下げロ! キー坊!」
キリトさんに指示を出したアルゴさんは反射的に上体を丸めたキリトさんを踏み台にして飛び上がった
そして頂点に達したとき、右手に装備したクローに紫色のライトエフェクトをまとわせ、アルゴさんの体が縦に高速回転しながらまるで弾丸のように加速してソードスキルをボスの足に向かって放った
その様はアルゴさんの頬にある髭のペイントも相まってアルゴさんの普段の二つ名である鼠とは真逆のネコ科の肉食獣っぽかった
アルゴさんの攻撃を受けたボスは口を大きく開いて叫んでいて、その衝撃でリーテンさんとシヴァタさんは舞い上がって、仲良く落下した
2人を吐き出した【フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス】の顔は床に沈み、その後には下りの階段が元通りにある
そこから一呼吸おいて周囲の人たちが歓声を上げた 特にハフナーさんは感極まったようにシヴァタさんに飛びかかり、リーテンさんはオコタンさんに手を貸してもらいながら立ち上がっていた
これにて一件落着…じゃなかった! まだボスがいるんだった!
私が何かに引っ張られるように天井を見上げるとボスの顔は再び天井に出現しており、奇妙な笑い声を響かせていた
「皆! 喜ぶのはボスを倒してからにしてくれ!」
キリトさんは剣を振りかざしながら叫んだ
「変化したパターンも大体わかったからもう少し戦闘を続けてみよう! ただしシヴァタは階段を下りてHPを回復してくれ!」
その指示を聞いたシヴァタさんは装備フィギアを開きながら大声で言った
「悪いがその指示は拒否させてもらう! ボスを倒すまであの階段は絶対に下りない!」
「でも鎧が…」
「万が一の時にも対応できるよう予備ぐらいは持ってきてる! まだいけるさ!」
そう言ったシヴァタさんは別の鎧を装備した
「…解った でも無茶だけはしないでくれ!」
キリトさんがそう言うとシヴァタさんはポーションを飲みながらキリトさんに向かって親指を立てた
私達の繊維が戻ったのを確認したかのようにボスは再び奇妙な笑い声をあげると床のラインが動き始めた
そこからの戦闘は先ほどのようにパターン安定とはいかずとも何とか危険な状態にはならずに進んでいっている
やっぱりボスの顔が床に移動したときは紋章もどこかに移動するみたいでデバフボイスのキャンセルが間に合わないことが結構あって最初に受けた防御力低下のほかにも視覚明度ダウン、聴覚ダウン、平衡感覚ダウンなどVRゲームならではのデバフも結構受けたと思う
まぁそんな感覚異常系のデバフを受けた人たちが何回か腕に掴まれたり足に踏まれたりするのは避けられなかったが即席のレイドメンバーたちは見事なコンビネーションでその人たちのフォローに回っていた
そしてボスのHPバーは30分ぐらいかけて4本目、5本目と削られて行き、ようやく最後の1本になった
すると天井の顔は今までで最大のボリュームで怒声を上げると両目のリングを赤く染め上げた
キリトさんはパターンが変わるのを見越して私達に叫んだ
「またパターンが変わるぞ! POTが足りないやつは返事してくれ!」
「ちょっと危ねぇ!」
「ワシもじゃ!」
「こっちにも欲しい!」
ハフナーさんとウルフギャングさん、キャラメレさんが叫ぶとキリトさんはポーション入りのバッグを3つ実体化させ、3人に渡す
その間も私は床の青いラインを見ていたがこれまでとは違う動きを見せていた
床の中央部の階段に広がるラインから壁に向かって縮み始め、そのまま壁を這い上がると天井中央にあるボスの顔に集まり始めた
私達が身構えていると青い光を鬣のように蠢かせているボスの顔が下に迫り出した
ラインが4本の太い束になってその先端に予測円が出現し、真下にいたプレイヤーは回避したが出てきた両腕と両足の動きは今までに比べるとかなり遅かった
じわじわと出てくる両腕と両足は肘や膝が現れてもそのまま湧出し続けてやがて肩や腰まで出てきて体がそれに続くように天井から出てくる
そして先ほどを上回るボリュームの雄たけびを上げて【フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス】は人型のゴーレムになって天井から分離した
「後退っ!!」
キリトさんは咄嗟に叫んだがそれより前に全員がボス部屋の南側にダッシュした
その直後に激しい轟音と衝撃と共にボスが着地する
体長が10メートル以上はありそうな巨体の表面には先ほどまで床にあった青いラインがびっしりと刻まれている
それらが顔から順番に真紅へと染まっていくとボスは再び咆哮を響かせ、ハンマーのように先太りになった腕を振り上げた
「ボスが人型になったら最初の作戦通りに戦えるぞ! A隊がブロック B、C、D隊がそれぞれローテーションでアタック! ヘイト管理を最優先にしてくれ!」
「わ…解った!」
ボスの気迫に押された私達の様子を見てキリトさんが咄嗟に叫ぶとA隊のハフナーさんが答え、ボスを取り囲むように陣形を整えるとそれぞれ武器を構えるとキリトさんが大声を出した
「ラスト1本! 全力で行くぞ!」
『応!!』
私達の声に反応したかのようにボスは右足を前に踏み出した
それにすかさずリーテンさんとシヴァタさんが前に出て左手で盾を掲げ、右腕をほぼ同じ動きで振り上げるとぐっと左手を突き出すと盾が銀色に輝いて大音響を発した
確か盾スキルの≪スレットフル・ロアー≫という挑発技だったかな…?
ボスのタイプによっては効かないボスもいるが幸い【フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス】には効いたようで怒声を轟かせながらスピードを上げた
ひと声上げたボスは右拳を天井すれすれまで高く上げると2人に向かって叩きつけ、それを2人は掲げた盾で受け止めようと試みる
直後、大量の光芒と衝撃音をまき散らして盾とボスの拳が激突する
並んで立っている2人はタンクだからかノーダメージだったが流石にそのまま踏みとどまることはできずに2メートル近くノックバックした
攻撃を終えて一瞬動きの止まったボスの右腕にすかさずハフナーさんが≪カラタクト≫を発動させボスの6本目のHPゲージを3%ほど削る
「よし…俺達も行くぞ!」
キリトさんが合図を出すとアスナがそれに応じ、ボスの左足のふくらはぎ辺りにキリトさんは≪バーチカル・アーク≫を叩きこみ、硬直時間が終わるや否やアスナにスイッチしてすぐさま後退した
そして代わりに出てきたアスナはキリトさん同様ボスの左足のふくらはぎ辺りに≪ダイアゴナル・スティング≫を打ち込んだ
キリトさんとアスナが攻撃している方とは反対側の右足を見てみるとエギルさんとひま猫さんが攻撃しており、地道ではあるけどダメージを重ねていった
両足を攻撃されたボスは仰け反りながら吼えたので多少警戒したが幸いタゲが移ることはなかった
先ほどもボス戦だったけどようやくボス戦らしくなってきたなと私は考えていた
しばらくすると私達に順番が回ってきたので私達はボスの左足に向かうとふくらはぎ辺り私は≪カラタクト≫をておさんは≪バーチカル・アーク≫を叩きこんだ
人型状態の【フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス】は両拳の単純な殴り攻撃から両足の連続ストンプ攻撃、厄介なデバフ付きの咆哮、両目から発せられるレーザー攻撃を経て最終段階へと狂乱モードに変化した
時々タンクをリーテンさんとシヴァタさん、やる気君とじんじんさんと2人ずつの交代で務めてくれたので私達は攻撃に専念することが出来た
そしてラストのHPバーも赤くなり両腕を竜巻のように振り回すボスの攻撃をA隊の6人が一塊になって耐え凌ぎながらシヴァタさんはキリトさんの方を向くと大声を出した
「キリト! LAはくれてやる! その代わり派手に決めてくれ!」
「了解! じゃぁ遠慮なく貰っておくぜ!」
それにキリトさんは得意げに叫び返すと片手剣を右肩に載せ、全力でボスへと走っていった
外周沿いを走っていたキリトさんだったがそのままのスピードでなんと壁を走り始め、防御に専念しているA隊の斜め左をほぼ真横にすり抜けていき、ボスの近くで思いっ切りジャンプした
勿論その様子を見たA隊の何人かは驚いており、そちらに顔を向けている
ボスがキリトさんの存在に気づいてそちらに顔を向け、凄まじい咆哮を挙げていたがキリトさんもそれに負けないように大声で叫ぶ
「これで…終わりだあああぁ!!」
キリトさんは剣を左脇に構えると≪ホリゾンタル・スクエア≫を発動させた
ボスの額の紋章にプロペラのように1回、2回、3回、4回と刻み込まれると紋章がボスの額から剥離し、そのまま光の粒となって消えた
そしてリング状の両眼が不規則に点滅し、全身に走る赤いラインが先ほどより眩く輝き炎にも似たような閃光を幾筋も立ち上らせると…第5層のフロアボスである【フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス】はこれまでより一際大きなエフェクトを上げて爆散した
そこからはボスの消滅エフェクトが消えても誰一人声を上げようとしなかったが不意に床が〔ゴゴゴ…〕という音とともに揺れ始めた
最初は何事かと思ったがふと天井の方を見てみると石でできた巨大な螺旋階段が現れた
「…お…終わった…」
それを見て誰かが呟いたことをきっかけとしてレイドパーティのメンバーたちは歓声を爆発させた
タコミカがソードスキルをある程度知っている理由はホームページを見たからです
それではまた次回に