ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~ 作:水名(仮)
ちょっとだけ劇場版プログレッシブ 星無き夜のアリアの要素が入るかな?
それではどうぞ
目を開けると木製の天井が目に入った
ふと時間を見てみると8時20分で慌てて身体を起こすが昨日のことを思い出して何とも言えない気持ちになった
〔コンコン〕
しばらく俯いていると扉をノックする音が聞こえてきたので私は落ち込んだ気持ちを抑えて返事を返す
「どちら様ですか?」
「ポテトです 昨夜はよく眠れましたか?」
「お陰様で」
私がそう答えると安堵の溜息が聞こえてきた
「それは良かったです えぇっと… もう出れるのでしたら下のレストランに降りてきてください これからのことを話し合いたいので」
「分かりました 少し待っててください」
ポテトさんにそう伝えると私はベッドから立ち上がり、ウィンドウを開いて装備を整えたり髪型のセットをし直すとドアを開いた
~~~~~~
階段を下りて待ち合わせ場所のレストランへと向かう途中、軽く欠伸をして目を擦る
「おはようございます 皆さん」
「あっ! たみさん! 良かった その様子だともう大丈夫みたいだね」
「すみません ご心配をおかけしました…」
「いいって あの後じゃそうなるのも可笑しくないから」
私の姿を見たやる気君が勢いよく立ち上がったので私は申し訳ない気持ちになり、謝罪したがめらさんが代表するような形で首を横に振る
私は空いてる席に腰かけると部屋で聞いた話題を口にした
「早速ですけれどこれからどう動きますか?」
「それだけどまずは朝食食べてからにしない…?」
「朝食まだなんですか?」
「そうだね~ 言っちゃえば俺達もさっき起きたばっかりだから…」
そうだったんだ なら仕方ないね
「じゃぁ先に朝食にしましょうか」
「そうだね」
一先ず私達は朝食を先に取ることにして、私は丸パンと牛乳と何かのフルーツを切ったものを頼んだ(意外と高くて後悔した)
~~~~~~
食事を終えた私達はどうしようかということを話し合っていた
「うーん… 僕は昨日も言ったけど早めに街を出ることに賛成だな~」
「それに関しては俺も同意見 いずれ覚悟を決めてモンスターを狩る人が多くなってくると思う そうしたら絶対<はじまりの街>周辺の敵はまともに手が付けられない状況になる だからその前に次の街を拠点にした方が経験値を稼げる」
「私もひま猫さんと同じくめらさんに賛成です 理由もほとんどひま猫さんに言われちゃったんですけれどMMOの本質はリソースの奪い合いですから」
私がそう言うと全員頷き、ておさんがポテトさんに訊いた
「じゃぁ早速<はじまりの街>を出る?」
「うーん… そうしましょうかね」
じっくりと考えたポテトさんがテーブルに手をついて立ち上がったので私達も立ち上がり、宿屋の外へと出た
街の外に出る為、ひま猫さんを先頭に路地をしばらく歩いていると、そういえば冷蔵庫のプリンを食べるのをすっかり忘れていたことを今になって思い出し、思わず声を上げてしまった
「あー!!」
「えっ!? ど…どうしたの!?」
つい大声が出てしまったことに気が付いた時にはもう遅く、やる気君が私の叫び声に驚いて振り向くとそれに続いて全員が私へと振り向いたので私は咄嗟に両手を口に当て、首を左右に振って謝る
「あっ! いや 何でもないです! 驚かせてすみません…」
「お…おう…」
全員呆れたような視線を私に向けながらも前を向き、気を取り直して私達は再び歩き始めた
しばらく歩くと道具屋が見えてきたのでひま猫さんはそこで歩みを止める
「ここでポーション等を絶対に補充お願いします」
「りょ~」
私達はポーションを十二分に買って、他に必要なものを買い揃えるとお店の外へと出た
未だに喧騒が広がる転移門広場を通り過ぎ、街の外へと続く大通りを早足で抜け、昨日は特に気にすることなく通過した門の前まで来るとひま猫さんが止まってマップを開いて私達に見せる
「今から<ホルンカの村>に行くけど正直に言って例え最短かつ戦闘なしでいけたとしても着くのは昼ぐらいになると思う だからどうせ時間がかかるなら昨日のおさらいやレベリングも兼ねて行こう」
「そうですね 昨日は色々ありすぎたので軽くおさらいしましょう」
ひま猫さんの提案にポテトさんが賛成したので私達も頷くと早速門を潜った
<はじまりの街>周辺の【フレンジー・ボア】を狩りつつ昨日のおさらいをしていると栗色っていったっけ? そんな感じの髪色でロングハーフアップの女性プレイヤーと紫色っぽい髪色でポニーテールの女性プレイヤーが狩りをしているのが遠巻きに見えた
昨日のを見せられて絶滅危惧種だと勝手に思っていた女性プレイヤーが2人もいることに驚きながらも彼女たちの様子を見ていると後ろの方から声が聞こえてきた
「たみさーん そろそろ行きますよ~」
「はーい」
私はまた彼女達に会えたらいいなと思いつつ、振り返るとそのままポテトさん達の元へ小走りで戻った
~~~~~~
途中で何回か【フレンジー・ボア】や【イエロー・ワスプ】等を狩りながら移動していると視界に森が入ってきたところでひま猫さんが後ろを向いて私達に話しかけてきた
「この森を抜ければ次の街に着くのであとひと踏ん張りですよ」
「ここまででβと特段変わったことはありませんでしたね」
私はβ時代のことを思い出しつつ現時点でβ時代と特段変わったことが無かったことを口にする
「まぁね このままβから変更点が無かったら案外楽に進めるかも」
ひま猫さんはそう言うと前を向き再び進み始めた
~~~~~~
予想通り結構な時間森の中を歩き、ふと時間を確認してみると12時を過ぎていたので、少し休憩しようかと話し合っていた頃やる気君が何かを発見したようで私達を呼んだ
「あれってカブトムシだよね? ひま猫さん たみさん あの敵知ってる?」
やる気君が指差した方向を見てみると確かに茶色の巨大なカブトムシがそこにいた 名前は【フォレスト・ビートル】というらしいがあんな敵はβ時代には見たことがないので私達は素直に首を横に振った
「知らないかな」
「私もですね」
カラー・カーソルもマゼンダ色だったので下手に触れないほうが良いと思ってその場を後にしようとしたが…
「ねぇ なんかあのカブトムシなんかこっち見てない?」
めらさんがそういうので振り向くと例の巨大なカブトムシと目が合った
普通のカブトムシだったら可愛い程度で済むのだろうけどそれが2メートルぐらいの大きさだったら話は別だ
それは数歩後ろに下がったと思ったらこちらに向けて突撃してきた!?
「ひっ…!」
私は本当にギリギリで回避すると【フォレスト・ビートル】は樹に激突し、頭を左右に振ってこちらに向いた
「絶対タゲこっちに向いてますよね…!?」
「どうすんだ!?」
「ど…どうするっていわれても…!」
そんな慌てている私達の様子を無視して私の方を向くと角で攻撃したので咄嗟に〖スチールブレード〗でブロックした
「むぐっ!」
角の攻撃は防ぐことが出来たが両手剣はそろそろ限界が近そうに嫌な音を立てている
「うぐぐっ…!」
もう少しだけ耐えてくれという私の願いも叶わず〖スチールブレード〗は真っ二つに折れ、その機会を狙っていたと言わんばかりに角で私を突き飛ばした
「あがっ!?」
「たみさん!」
勢い良く吹っ飛ばされて背後にあった樹に叩きつけられ、HPが一気に減って残り3割ぐらいになる
その後地面に落ちた私はふらふらと立ち上がるがもうすぐ目の前まで【フォレスト・ビートル】が迫っていた…
後ずさろうとするが直ぐに背中が樹に当たる
「い…いやっ…!」
咄嗟に出た声が敵に聞こえるわけもなく、再び角の攻撃が来ようとしていたので思わず目を瞑ったが攻撃が来ることはなかった
それに疑問を持ち、思わず目を開けると【フォレスト・ビートル】は別の方向を向いていた
気になってそちらを向いてみるとやる気君が何かしらのヘイト管理系のソードスキルを使ったようで硬直しているのが見えた
冷静になって見てみると【フォレスト・ビートル】の動きはそこまで素早くなくやる気君が走って離れるとあっという間に距離が空き、その様子を茫然と見ていた私の腕を誰かが引っ張る形でその場を後にした
~~~~~~
少し落ち着いてきたところで当初の目的地である<ホルンカの村>へと到着し、圏内に入ったという表示を確認した途端に安堵したように全員一息ついた
「し…死ぬかと思った…」
「全員いますか…?」
やる気君が膝に手を当てながら呟くとひま猫さんは辺りを見回し、全員いることを確認したのか軽く頷いた
「…よし いるみたいだね」
それに続くようにポテトさんが話し始める
「一応目的の場所にはついたけど…これからどうします?」
「どうしよ… というかたみさん大丈夫?」
ひま猫さんはふとこちらを向くと全員が私の方を注目したのに気が付いて首を大きく横に振る
「えっ? あっ 大丈夫ですよ 武器は予備でもう1本買ってますので」
慌ててメニューを操作して予備の〖スチールブレード〗を取り出すとひま猫さんは心配そうに更に続ける
「いや…武器じゃなくて…まぁそっちもだけどメンタルの方」
「そっちも大丈夫ですよ 走ってるうちに落ち着きました」
本当はちょっとだけ大丈夫じゃないけど、これ以上心配させるわけにはいかないので大丈夫なように装うとひま猫さんは少しだけ疑ってるような視線を向けるがしばらくすると渋々納得したように頷いた
「そう…? ならこのまま今後の動きを説明するけど…」
ひま猫さんはそう前置きをおいてから続ける
「まぁ全員知ってるとは思うけど経験値を稼ぐにはクエストを片っ端からこなすのが最善なんです だから当面はクエストに掛かりきりになるけどそれでいいですかね?」
「このゲームに関してはひま猫さんとたみさんの方が詳しいと思いますんでお二方に任せますよ」
「そうだね マップとかクエスト内容とかは2人の方が絶対詳しいし僕も任せるよ」
ひま猫さんが今後の流れの説明を終えるとポテトさんは私達に任せると言い、それに続いてめらさんも任せると言ってておさんとやる気君も同意するように頷いた
「じゃぁ早速ですけどクエスト受けに行きましょう」
ひま猫さんは辺りを見回してクエストを受けに行こうと提案したがさっきからお腹が空きっぱなしなので私は待ったをかけた
「そういえば昼食って食べてないですよね…?」
「あっ… すっかり忘れてた」
えぇ… 昼食忘れるって…
私の中で上がったひま猫さんの好感度がちょっとだけ下がったところでポテトさんが案を出した
「じゃぁまずはお昼にしましょう」
「その後でクエストですね」
「僕もお腹空いたよ~…」
ポテトさんの案に私とやる気君は同意し、まずは食事ができるところを探すことから始めることになった
~~~~~~
昼食を食べた後、クエストを1つだけやったら予想以上に時間がかかりすっかり夜遅くなってしまったので本日は解散する流れになり、今は昨日と同じく1人部屋でベッドに横になった
しかし今日のことを思い出してしまい中々寝付けずにいた
瞼を閉じたり、ベッドから起き上がって窓から外の景色を見たりしても中々寝ることが出来ないため、諦めて部屋の外に出て階段を降り、宿屋の1階にある待合スペース的な場所にある椅子へと腰掛ける
しばらく椅子にただ座っているとひま猫さんが降りてくるのが見えた
「あれ? ひま猫さんどうしたんですか?」
「たみさんこそどうしたの? やっぱり眠れない?」
「ま…まぁそんなところです」
ひま猫さんはこちらに近づいて、私の座っている所より2人分ぐらいの距離を開けて座ると話しかけてきたので、私は苦笑いを浮かべながら返す
そこからは会話が続かず気まずい空気が流れたが、ひま猫さんがふと口を開いた
「そうだ たみさんこれ」
「? 何ですか?」
そしてメニューを操作してあるものをオブジェクト化してこちらに投げ渡してきた
広げてみるとそれは深緑色のフード付きのショートケープだったので、なぜこんなものをという疑問が出てきた
「このショートケープは?」
「ほら これから人が増えてくると思うし…それを着ておいた方が動きやすいと思って」
「確かに女性プレイヤーは少ないですしね…」
私が訳を聞くとひま猫さんから最もな回答が返ってきたので、頷いてしばらくそのショートケープを眺めていた
ひとしきり眺めてストレージにしまい、お礼を言おうとひま猫さんの方を見たが、当の本人の姿がなくなっていた
「あ…あれ…? ひま猫さん?」
椅子から立ち上がって辺りを見回していると、ひま猫さんがわずかに湯気の出ている木製のカップを2つ持ってこちらに向かってきているのが見えた
「どこに行ってたんですか? あとそれは?」
「ちょっとホットミルクを入れてきた なんか夜に飲むとよく眠れるってどこかで見たから」
「確かに私もどこかで見たような気がしますけど… よく手に入りましたね…」
「牛乳さえ手に入ったら案外直ぐだったよ」
ひま猫さんからホットミルクを受け取り、軽く口に含むと心地良い温かさが口の中に広がる
「…ホットミルクってこんなに美味しかったんだ…」
「確かにじんわりと広がる温かさだね」
僅かに呟くようにして言ったが、しっかりとひま猫さんには聞こえていたらしく私と同じく感想を口にしていた
飲み終わりしばらく余韻に浸ってから、ひま猫さんの方を向いて改めてお礼を言う為に口を開いた
「えっと… 今日は色々とありがとうございます」
「気にしないでいいよ それより明日から忙しくなるからもう大丈夫そうだったら早めに寝たほうが良いかな」
「そうですね じゃぁそうします じゃぁおやすみなさい」
「うん おやすみ」
ひま猫さんに勧められたのもあって、私は寝るために自分の宿屋の部屋へと戻ることにした
ベッドに横になると、先程ホットミルクを飲んだこともあってか昨日とは違って、直ぐに眠りにつくことが出来た
オリジナルMOB紹介
【フォレスト・ビートル】
<ホルンカの村>周辺の森に出る茶色の巨大なカブトムシ レアMOB 適正レベルは7
周辺のMOBの中でも防御力がトップクラスだが突進時以外の移動速度はそこまで早くない
書き終わった後に気が付いたけどこの時系列で行くと少しだけ矛盾が出てくるな…それに関してはあんまり気にしない方向で…(汗)
これからミトもちょっとずつではあるものの出していこうかな…?
それではまた次回に