ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~   作:水名(仮)

83 / 141
皆さんお待たせいたしました いよいよ今回から月夜の黒猫団編へと入ります

月夜の黒猫団編は基本的にメラオリンサイドで話を進めていきたいと思います

それではどうぞ~


2話:☆[月夜の黒猫団]

SIDE:メラオリン

 

 

 

2023年4月8日 第11層主街区<タフト>にて…

 

「我ら[月夜の黒猫団]に…乾杯!」

「「「「乾杯!」」」」

 

全体的に黄色い装備の男性プレイヤーの掛け声でギルドメンバーグラスをぶつけるとその人らはこちらを向いた

 

「そして! 命の恩人の…キリトさんとメラオリンさんとひま猫さんに…乾杯!」

「「「「乾杯!」」」」

「「「か…乾杯…」」」

 

僕たちはその勢いに押し切られグラスを前に出す

 

そして乾杯を終えると口々にお礼を言ってくる

 

 

こうやって丁重にもてなされているのにはしっかりと理由があり、それは数時間前に遡る

 

 

~~~~~~

 

 

僕が第11層の迷宮区にいたのは両手槍のスキル熟練度を上げるためである(最前線で上げるよりこっちの方が上げやすい)

 

もうすぐで熟練度が600になるので次のフロアボス戦までに上げておきたいという本当に個人的な理由でここまで降りてきた(勿論この行為は褒められたものではないので誰にも見られないように周囲に細心の注意は払って)

 

その道中でこっちは武器の素材集めをしていたキリトに偶然出会い、更に料理素材を集めていたひま猫とも合流した

 

 

そしてそれぞれの目的を達成して帰っている途中にモンスターの群れに追われながら撤退している彼らに遭遇した

 

僕の彼らの第一印象ははっきり言ってバランスが悪いパーティということである

 

前衛はメイスと盾を装備した男性であとは短剣使いに棍使い、それと両手槍使いが2人

 

仮にメイス使いのHPが減っても交代できるようなメンバーがおらず後退は必然であろう

 

彼らのHPバーを見てみるとまぁこのまま何もなければ普通に脱出できるような残りHPであったので僕はそのままにしておこうと思ったがキリトとひま猫は違ったらしく隠れていた脇道から飛び出してリーダーと思わしき棍使いに声をかけていた

 

「少しの間前、支えますよ」

 

ひま猫が声をかけると棍使いは少し迷ったが直ぐに頷いていた

 

「すみません お願いします やばくなったら逃げて構いませんから」

 

頷き返すとひま猫はメイス使いにスイッチの指示を出すと同時にモンスターの群れに無理やり割り込んだ

 

相手は散々僕が屠ってきた武装したゴブリンの集団である

 

ひま猫とキリトは問題なくソードスキルを用いて倒してゆくが武装ゴブリンのうちの一体を討ち漏らしてしまい彼らに襲い掛かる

 

そこで僕はようやく脇道から飛び出して両手槍の通常攻撃でそのゴブリンを倒す

 

「油断大敵だよ」

「っ…すみません!」

 

僕の少しだけ嫌味を含んだ物言いにメイス使いは素直に謝罪した

 

 

そこからは時々ポーションで回復したメイス使いとひま猫とキリトがスイッチを繰り返して討ち漏らした奴を僕が対処するという形を取り、ものの数分でゴブリンの群れを全て倒した

 

途端、5人は盛大な歓声をあげてハイタッチを次々に交わし勝利を祝う

 

そして僕たちの方を向くと代表でリーダー格の男性がお礼を言ってきた

 

「本当にありがとうございます 恩着せがましいんですけどもしよかったら出口まで護衛お願いしてもいいですか?」

「あ~ 僕たちも帰るところだったし良いよ」

「ありがとうございます!」

 

僕がそう言うとリーダー格の男性はお辞儀をした

 

 

道中特に問題なく迷宮区を抜けるとお礼がしたいと言われ、そのまま彼らが拠点にしているという宿屋へと向かって行った

 

 

~~~~~~

 

 

そして今に至るという訳である

 

改めて自己紹介を終え、場も落ち着いてくると僕の近くにいた[月夜の黒猫団]のリーダーのケイタは僕に対して小声で申し訳なさそうに聞いてきた

 

「あの~…メラオリンさん つかぬことをお伺いしますがレベルっていくつぐらいなんですか?」

 

本来レベルを聞くのはマナー違反なんだけどな… まぁいっか

 

「もうすぐで41かな 因みにキリトは40でひま猫は39」

「まじですか!? 僕たちはレベル20ぐらいなのに… もしかして攻略組だったりしますか!?」

「そうだけど…」

 

僕たちが攻略組だと言うとキリトが思わずこっちを見るがケイタはそんなのお構いなしに質問をしてきた

 

「じゃぁどうしてこんな下層にいるんですか?」

「僕はスキル熟練度上げの為だけど… ねぇケイタ 敬語はやめにしない? 年も近いみたいだし 何より同じプレイヤーだろ? それと僕のことはメラでいいよ」

「そう…そっか じゃぁさ メラ 急に申し訳ないんだけど俺たちのギルドのコーチをしてくれないか? 勿論キリトとひま猫も一緒に 僕たち将来的には攻略組に加わりたいって思ってるんだけど今のままだと前衛ができるのがメイス使いのテツオしかいないからバランスが悪くて…サチ ちょっとこっちに来てくれ」

 

テツオはサチと呼ばれた黒髪で小柄な女性を近くまで呼び寄せた

 

グラスを持ったままやってきたサチは軽く僕に会釈するとケイタはサチの頭に手を置きながら話を続ける

 

「こいつ もう一人の槍使いのササマルに比べて両手槍のスキル熟練度が低くてさ、今のうちに盾持ちの片手剣に転向させようと思ってるんだけど中々修業が出来ないのと立ち回りがよくわからなくて ちょっとコーチしてくれないか?」

「何よ 人を味噌っかすみたいに…」

 

ケイタの言葉を聞いたサチは頬を膨らませてケイタの方を向く

 

「だってさ 私ずっと敵から遠い位置で攻撃してればよかったじゃん それを急に前に出てきて接近戦やれって言われてもおっかないよ」

「盾の陰に隠れてりゃいいんだよ」

「全く… お前は昔っから怖がりだなぁ」

「むぅ~…」

 

彼らの様子を見ていたが本当に仲が良さそうだった

 

しかしそれとこれとは話が別である 前衛…タンクは特に危険が大きい、ましてや今日の戦い方を見ているとサチはどう考えても前衛ができるような性格ではない

 

でも今日が偶々かもしれないし攻略組が3人もいれば普通にやっていれば万が一は起こらないと思うから彼らのレベルアップの為にも付き合ってあげよう

 

「解った でも僕たちが向いてないって思ったらすぐに中断させるよ? それでいい?」

「それでいいよ これからよろしく!」

 

ケイタがそう答えると他のメンバーも口々に僕たちを歓迎してくれた

 

攻略組は26層を超えてから明らかにペースダウンしてるけど[ドラゴンナイツ]改め[聖竜連合]や[血盟騎士団]、そして僕たちのギルドの[フリッツ・フリット]がいれば大丈夫だろう

 

 

 

~~~~~~

 

 

 

次の日から僕たちは本格的に[月夜の黒猫団]へのコーチを始めた

 

とはいってもアドバイスや動き方などを教えるのに限っている

 

 

最初の問題だったサチの盾持ち片手剣への移行だけど中止になった

 

僕の懸念していた通りやっぱりサチは性格上盾持ち片手剣には向いていない

 

それを他のメンバーにも実例を挙げながら説明すると納得してくれた様子だった

 

現状肝心な問題のパーティバランスに関してはしばらくの間ひま猫が前衛で防御に徹底することで代理を務めることとなった

 

 

それ以外にもいろいろと問題は浮上してきたのだがそれも難なくこなしている

 

そんなこんなで約一ヵ月が過ぎ、彼らのレベルは初めにあった時より見違えるほど上がっていた

 

それに比例してプレイヤーレベルと装備レベルも上げていき当面は体力が減るとパターンが変更する敵に慣れるという目標の元頑張っている

 

 

そして今はひま猫の作ってくれた弁当を食べながらキリトとケイタと共にいる

 

因みにこの弁当だけど黒猫団からはかなり好評であるし本人も嬉しがっていた

 

ひま猫は他のメンバーたちと一緒にいる はっきり言って彼の馴染み具合は凄まじい

 

「攻略組第28層突破か… 凄いな…」

 

ケイタは寝転がりながらこの世界の新聞であるウィークリーアルゴを見ている

 

1ヵ月でたった2層しか進んでいないのは少し問題かもしれないけど…

 

僕がサンドイッチを食べていると不意にケイタが話しかけてきた

 

「なぁキリトとメラ 攻略組として聞きたいんだけど 僕たちと攻略組の差って何だろう?」

 

その質問に僕は少し考えると答える

 

「レベルやプレイヤースキルもそうだし時間もそうだな… あとケイタは指揮能力か?」

「嫌味か?」

「ごめんって でも間違ってはいないだろ?」

「そりゃぁそうだけどさ… 僕が言いたいのはもっと根本的なとこだよ」

 

この1ヵ月間で僕も黒猫団に大分馴染んできたと思う 現にケイタとはこうやって冗談を言えるような仲にもなったし

 

ケイタの言葉に今度はキリトが答える

 

「じゃぁ情報力かな 攻略組の連中は効率的に経験値を稼ぐ方法やどうやったら強い武器が手に入るかも知ってるしな」

「それもあるけどさ 僕は意志力だと思ってるんだよ」

「と言うと?」

 

僕が聞くとケイタは体を起き上がらせて遠くを見ながら話し始めた

 

「仲間を…全プレイヤーを守ろうっていう意志の強さっていうのかな そういう力があるからこそ彼らは最前線で戦い続けるんだと思っているんだ 僕らは今はまだ守ってもらう立場だけどさ気持ちでは彼らにも負けてないつもりだよ 勿論 仲間の安全が第一だ でもいつかはキリトやメラ達と最前線で肩を並べて戦いたいって思ってる」

「そっか…そうだな」

 

ケイタの考えにキリトが返事を返すとケイタは照れながら頭を掻き、先程まで上にいた黒猫団のメンバーたちがこちらまで降りてきた

 

「よっ! リーダーカッコいい!」

「俺達が[聖竜連合]や[血盟騎士団]、[フリッツ・フリット]と肩を並べるってか?」

「なんだよ 目標は高く持ったほうが良いだろ? 取り敢えず午後からビシバシ行くぞ!」

「え~ 今でさえキツイのに…」

「攻略組と比べたらあんなの比じゃないぞ? 本気で攻略組目指すんだったらもっと頑張らないと」

 

僕はそんな彼らの様子を見て攻略組は一部(たみやポテト、ひま猫など)を除き、そこまで他人のことを考えているような人たちではないと思った

 

~~~~~~

 

今夜は[月夜の黒猫団]がホームにしている宿屋に泊まる日だが今日はケイタに言われて全員が同じ部屋に集まっていた

 

「えー みんなに報告がある 今回の狩りで20万コルが貯まりました!」

『お~!』

 

ケイタの報告に僕たちはそろって声を上げた

 

「そろそろ俺達のギルドホームも視野に入ってきたな!」

「ギルドホームを持つのも大切だけどそろそろサチの装備を更新する頃合いじゃないか?」

「わ…私はいいよ…」

「遠慮すんなって 装備の更新は大切なことだからさ」

「ひま猫がそういうなら…」

 

なんか最近ひま猫とサチの距離が近いような気がする…確かにサチが危ない場面をひま猫は何回も助けてるけど… これが噂に聞く吊り橋効果っていうやつ?

 

~~~~~~

 

そして全員が寝静まった頃、僕はいつものように宿屋を抜け出した

 

その途中で同じように抜け出してきたキリトとひま猫に合流し今日も経験値を稼ぐために第28層へと向かって行った




原作からの変更点

サチが両手槍を伸ばす方向へと変更(メラオリンが早々にサチの性格を見抜いて盾持ち片手剣への転向を中止させたため)

[月夜の黒猫団]の大幅な強化(攻略組が3人もいればそりゃぁね)

それではまた次回に
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。