ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~ 作:水名(仮)
それではどうぞ
SIDE:メラオリン
第28層に着いた僕達はすぐさま{狼ヶ原}へと向かう
ここにいる【ブラッディ・ウルフ】は簡単に言えば経験値効率が良く、昼は経験値を稼ぎに来るプレイヤーが非常に多い
その為比較的人が少ない夜の時間帯に僕たちは経験値を稼ぎに来ているのだが今回は2パーティほど見知った顔がここに来ていた
「クラインとタコミカ…?」
キリトが呟いた通りそこにいたのはクライン率いる[風林火山]とたみとテオ、意識と朱猫に廻道とじんじんのパーティだった
しばらく戦いを見ているとクラインとたみはこちらに気が付いて手を振ったのでこちらも振り返す
そしてひと段落着いたところでこちらに近づいてきた
「キリトにひま猫にメラ! 最近最前線で見かけねぇって思ったらこんな夜中にレベル上げかよ!」
「ちょくちょくメッセージはくれてましたけど直接会うのは第26層のフロアボス戦以来ですね」
相変わらずフレンドリーに話しかけてくれる2人に対して僕は返す
「まぁね久しぶり 2人共 ところで何でたみは[風林火山]と一緒に狩りをしてるの?」
僕の質問に対して答えたのはたみではなくクラインだった
「偶然な そうですよね タコミカさん」
「クラインさんの言う通り本当に偶然ですよ 最初はクラインさん達[風林火山]が狩りをしていたのでその後で狩りをやろうと思ってたんですけれどもクラインさんがよかったらご一緒にどうですかと言ってくれたのでお言葉に甘えて一緒に狩りをやってるんです」
「クラインの誘いか…」
たみから詳しい理由を聞いたひま猫が呆れたような表情をする
クラインはたみと話すときにはなぜか口調がバグる…理由は何となくわかるけど
「それでどうするんですか? 私達はもう十分狩ったので譲りますけれども…」
「じゃぁ次狩るよ」
「了解です」
そしてたみ達が次の順番を譲ってくれたので僕たちはただひたすら【ブラッディ・ウルフ】を狩った
~~~~~~
しばらく狩った後、[月夜の黒猫団]が拠点にしている宿屋がある第11層へと戻ってくると同時にメッセージが届いた
メッセージを開いてみると差出人はケイタで内容はサチが外出したっきり帰ってこないので見かけたら連絡してほしいという内容だった
「サチが行方不明らしい」
「え!? それホント!?」
ひま猫が驚いていたのでウィンドウを可視モードにして2人にも見せると2人はそろって驚いていた
「僕はケイタ達の方に行くからキリトとひま猫でサチを探してくれないか?」
「解った! メラだったら大丈夫かもしれないけど十分に気をつけろよ!」
「了解!」
僕は迷宮区に向かうと2人に伝えるとキリトは頷いた
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SIDE:ひま猫
メラは迷宮区に向かって行ったので俺とキリトはサチを手分けして探すことにした
キリトと別れた後、主街区を探すことになった俺は迷わずウィンドウを開いてスキル一覧の所から索敵スキルの上位スキルである追跡スキルをオンにする
すると今まで見えなかった薄緑色の足跡があったのでそれを辿る
その足跡は俺の予想に反して主街区の外れにある水路へと消えていたのでそこへ向かうと最近手に入れた隠蔽スキル効果のあるマントを羽織って水路の近くに座っているサチの姿があった
「いた…」
俺の声を聴いたサチは少し驚きながら呟いた
「ひま猫…どうしてここが…?」
「ちょっとずるだけど追跡スキルっていうのを使ってね」
「…そっか 流石だね」
僕の正直な答えを聞いたサチはかすかに笑うとマントに付いているフードを被った
「みんな心配してるよ? 俺も一緒に謝ってあげるからさ 一緒に帰ろ?」
俺のかけた言葉にサチは答えずそのまま数分経過し、聞こえなかったのかと思ってもう一度声を掛けようとするとサチが口を開いた
「ねぇ ひま猫 一緒に逃げよう?」
「逃げるって…もしかしてみんなから?」
サチの唐突な発言に俺は驚きながらも返す
「そうだね…でももっと単純にこの世界から SAOから…」
「それって…心中のお誘い?」
俺は恐る恐るサチに聞くとサチは小さく笑って水面を見る
「それもいいかもね…ごめん 忘れて そもそもそんな勇気があったらこうやって主街区にいないもんね …それよりいつまででも立ってないで座ったら?」
サチに諭されて俺はサチから少し離れたところに座る
そして俺が座って少しするとサチがぽつりと呟いた
「…私…死ぬのが怖い 怖くて夜もあまり眠れないの」
突然の告白に俺が驚いている間もサチは続ける
「ねぇ 何でこんなことになっちゃったの? 何でゲームなのに出られないの? 何でゲームなのに本当に死ななくちゃいけないの? こんなことに何の意味があるの…?」
サチの言葉に俺は言葉が詰まったが俺が思ったことを正直にぶつけるのが一番だと思いそれを口に出した
「怖いなら怖いでいいと思うよ 実際俺も死ぬのは怖いし」
「え…?」
俺の言葉にサチは思わず俺の方を向いた
「死の恐怖なんてそう簡単に消せるようなものじゃない 実際攻略組の中にもそんな人は普通にいるし」
「だったら何で…?」
サチがそんな疑問を口にする無理はない… 俺はその疑問を予想していたように答える
「仲間が信じてくれてるから…かな? 俺はそれで頑張れてる サチにもいるでしょ? 黒猫団のみんなが」
「…こんな私でも信じてくれてるのかな…」
「だと思うよ じゃなきゃ必死にサチを探してくれないよ」
俺がそう言うとフードに若干隠れてて分からないがサチの表情はほんの少しだけ明るくなったような気がした
~~~~~~
しばらくした後、俺はケイタ達とキリト達にメッセージを送りサチと共に宿へと戻った
そしてサチは早々に部屋で休ませて俺はケイタ達が返ってくるのを待ってサチは主街区にいたことと本人は先に休ませたことを伝えた
ケイタ達は心配より先にサチが無事に見つかったことに関して安堵していた
その翌日の夜からサチが俺の部屋にやってきて最初はサチが眠るまで傍にいるぐらいの事しかしなかったけど3日ぐらいから一緒に眠ることになった
彼女曰く俺が近くにいると安心して眠れるのだという
俺の存在が彼女を癒せるのであれば俺としては本当にただ純粋に嬉しい限りである
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SIDE:メラオリン
サチが行方不明になったという騒動から約1ヵ月、僕たちもコーチを続けそれの副産物としてお金もどんどんと溜まっていき遂にギルドホームが買える金額が貯まった
ケイタはそのお金を持って僕たちもお世話になったギルド向けの一軒家を売り出している不動産仲介プレイヤーに会うため<はじまりの街>へと向かって行った
それを見送った僕たちはしばらく転移門を眺めていたがふとテツオが1つの提案をした
「なぁ ケイタが帰ってくるまでに少し稼ごうよ」
「新しい家具を揃えてびっくりさせようっていう魂胆か?」
ダッカーがテツオの目論見を見通したように言う
「いいね やろうよ!」
「どうせだったら上の階層で稼ごうぜ」
それにサチが賛同しササマルが上の階層で稼ごうと提案する
「それには賛成だけど具体的にはどこらへんで稼ぐつもり?」
「えーっと…27層ぐらい…?」
ひま猫がササマルにどのへんで稼ぐのかと聞くと27層ぐらいだと答えた
「27層かぁ… 正直言って危険じゃない? この層からトラップが凶悪なものに変わってくるし…」
「俺たちのレベルなら大丈夫だって!」
「前科があるのに?」
「それを言うなよ~…」
それに対して僕は正直に危険だと言うがダッカーが大丈夫だと言うので僕は2週間前ほどにトラップに引っ掛かったことを言うとダッカーはしょんぼりした
その僕たちのやり取りに他のメンバーは笑ってた
「でもいいんじゃないか? 俺達がいれば罠解除はできるし 変に宝箱を開けたりしなければピンチになることも絶対とは言えないけどかなり低いと思うから」
「そうかもしれないけどさ…」
ひま猫が前向きに黒猫団のみんなに賛同するがキリトは僕と同じで少し渋っている様子だった
「じゃぁこうしよう 誰か1人でもピンチになったらお金稼ぎは即中止! それでいいな?」
「それで大丈夫だよ」
そんな様子にひま猫がある一つの提案をするとテツオは了承した
「じゃぁ早速 レッツゴー!」
『おー!』
ひま猫は今度は黒猫団全体に掛け声をかけると全員掛け声を合わせる
4人が転移門へと向かって行ったのでその様子を見ていると不意にひま猫から声がかかった
「今回は今まで以上に十分に警戒するぞ」
「解ってる もしピンチになったら彼らだけでも逃がすぞ」
「ピンチになる状況にならないことを祈るけどね…」
それに僕とキリトは返すと黒猫団の後に続いた
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第27層迷宮区 ここは今までの迷宮区と同じでかなり入り組んでおり、それに加え凶悪なトラップがある始末である
その為攻略組も匙を投げ、マッピングを途中で断念した
しかし敵自体は特に問題はなく道中は特に苦戦することなく進んでいった
「だから言ったろ? 俺達なら大丈夫だって」
「そういう油断や慢心が死につながるって散々教えたけどなぁ…」
ダッカーの軽口に僕は呆れながらも言う
「ん?」
「どうした?」
しばらく駄弁っているとダッカーが何かに気が付いたみたいだったのでひま猫が声をかける
「ここの壁…何か変じゃないか?」
「言われてみれば確かに…」
ダッカーが模様のある壁を指さしたので僕は咄嗟に見てみると確かにいかにも何かありそうだった
「じゃぁ僕が触ってみる」
その為僕はダッカーを下がらせてその壁に触れてみるとギミックが動き始め、扉が現れた
「隠し扉…? 何でこんなところに?」
「なぁ 開けてみてくれないか?」
キリトが不思議そうに呟くがササマルは早く扉を開けてくれとせがむ
そして扉を開いてみると中央にあからさまに不自然に宝箱が置かれただけの部屋があった
「お! ラッキー! トレジャーボックスじゃん!」
その部屋にダッカーが入ろうとするので僕は首根っこを掴んで静止する
「言ったそばからお前は! 罠かもしれないという可能性を考えろ! ひま猫! 確認!」
「あっ…はい!」
制止させたダッカーに叱ると同時にひま猫に確認に行くように伝えるとひま猫は一瞬びくっとしたが直ぐに部屋の中へと入っていった
しばらくすると鍵開けスキルを使ったと思うひま猫がこちらを向いて首を横に振った
「あっぶねぇ…」
「あっぶねぇじゃないぞダッカー お前はあれをろくに確認せずに開けようとしたんだぞ…」
もしあれを開けていたらと想像したのかダッカーは顔を青くしながら呟くが僕は呆れた顔でダッカーに向かって言う
「確かに不用心だったな…」
「次からは気をつけろって言ってもまた同じことやりそうだなぁ…」
本人は反省してるみたいだけど僕は前例もあるからまた次も同じことをやりそうだと考えていた
時間もいい感じになったのでそこでお金稼ぎは終了となって僕たちは帰ることにした
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僕たちが宿屋に到着してから10分ぐらいでケイタが戻ってきたのでギルドホームは買えたのかと訊ねると無事に買えたとの事
その日はギルドホームに今日稼いできたお金で買ってきた家具を粗方設置するとそのままギルドホーム購入記念パーティを開催してお開きとなった
パーティの途中でダッカーが罠にかかりそうになったということをついうっかり話すとケイタはダッカーに対して怒鳴りそうになったので僕とひま猫、それからテツオが慌てて静止した
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その翌日僕とキリトは黒猫団を後にすることになった
理由はもう僕たちが教えることは何もないこととひま猫が正式に[月夜の黒猫団]に加入することになったからだ(決して見限ったわけではない)
この事は昨日のパーティの後で話し合って決めた
そして今は黒猫団が転移門のところまで見送りに来ている
「俺たちはもうそろそろ行くよ」
「ひま猫 黒猫団のみんなの事頼むよ?」
「任せて!」
僕とキリトはひま猫と拳を合わせる
「僕の無理なお願い聞いてくれてありがとう 2人に教わったことを生かして絶対攻略組に追いついてみせるよ」
「キリト メラ またいつでも来てくれよ 歓迎するからさ!」
「2人と会えてすごく嬉しかった それとメラ ありがとう」
「たまにはメッセージとかくれよ? じゃないとこっちが寂しいからな!」
「俺達、絶対追いつくから2人も死ぬなよ!」
続いて黒猫団のみんなが声をかけてきたので僕たちも返す
「おう! 待ってるぞ! みんな!」
「ダッカー! もう罠には引っかかるなよ! でももし罠に引っかかりそうになったら殴ってでも止めてくれ?」
「解ってるって! というか最後不穏だぞ!」
僕はダッカーに対して皮肉交じりに挨拶を交わすとダッカーは冷や汗をかいていた
そんな彼らを楽しそうに見ながら僕とキリトは最前線へと戻っていった
メラがダッカーを事前に止めたので黒猫団生存ルートに入りました
次回は時系列順なのでホープフルチャントの話になります
それではまた次回に