ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~ 作:水名(仮)
個人的にこの話が今一番書きたかった
それではどうぞ
SIDE:朱猫
2024年2月23日 第35層 {迷いの森}
私達はある人物からの依頼で木の上から望遠鏡を覗きながら
「そっちはどうだ? 意識」
「いないな~ そっちは?」
「こっちもダメだ」
しばらく望遠鏡を覗きながら探していると…
「いた!」
「本当か!?」
私はその人のいる方角を指差しながら意識に言う
しばらく様子を見ていたがその人物は頭にふわふわしてそうな竜を乗せているツインテールの少女と何やら揉めている様子だった
そうこうしているとツインテールの少女が怒った様子でパーティから離れていった…
「意識! お前は引き続き赤髪の女を見張っててくれ! 私はツインテの女の子を追う!」
「了解!」
意識にそう告げると私はツインテールの女の子を追うことにした
~~~~~~
そうかっこよく言ったはいいものの… 完全に見失ってしまった
「あ~ も~! どこに行ったのさ~…」
その時【ドランク・エイプ】の雄たけびが聞こえてきた
「! あっちか!」
私は【ドランク・エイプ】雄たけびが聞こえた方向へAGI極振りのステータスを生かして全力で走る
「ピナぁ!」
そして少女の叫び声が聞こえてきた方向へと急ぎ、とうとう発見した
「いた! お願い 間に合って!」
私は呟きながら≪ラピッドバイト≫を発動させて3体いた【ドランク・エイプ】を一気に全滅させる
「ふー… 何とか間に合った…かな…?」
軽く呟くとその少女の方を見てみるがさっきまでいたふわふわしてそうな竜がいなくなっている
「あたしを独りにしないでよ…ピナ…」
少女は何かを抱えてうずくまって泣いている…恐らく少女が持っているのは…
「ごめんね… 私がもうちょっと早かったら…その子も…」
助けられたかもしれないのに… と言う前に少女は震えた声で私に向かって言う
「いいえ…あたしが馬鹿だったんです… 1人で森を抜けらるなんて思いあがって… あの…助けてくれてありがとうございました…」
ちょっと不謹慎かもしれないけど抱えてるそれって… 私は少女に遠慮がちに聞いてみる
「ねぇ? その羽根ちょっと見せてくれる?」
私がそう言うとその少女は羽根をタップした すると半透明のウィンドウが表示されそこには〖ピナの心〗と表示されていた
それを見た少女は再び泣き出してしまった
「わわ…ごめんごめん…別に泣かすつもりは無かったの」
私は少女の力になってあげたいと思って記憶を全力で探る
そして昔やる気君から聞いた話をその少女に教えることにした
「これは友達から聞いた話だけどね? 心アイテムさえあればまだ蘇生できるかもしれないの」
「え?」
私の言葉を聞いた少女は慌てて顔を上げたので私は続ける
「私もあんまり詳しいことは知らないんだけど 47層の{思い出の丘}っていう場所に使い魔蘇生できるっていう花のアイテムがあるらしいの」
「本当ですか!?」
彼女にとっては藁にも縋る様な思いだったのだろうが直ぐに顔が暗くなる
「47層…」
確かに装備だけ見てみてもとても10層も上の層に行けるようなレベルじゃなさそうだ
「うーん… 私が行ってきてもいいんだけどね… 肝心な本人がいかないと花が咲かないらしいんだ…」
私の言葉に少女は少し微笑むと言った
「いえ…情報だけでも本当にありがたいです 頑張ってレベルを上げたらいつかは…」
「そうもいかなくてね… 使い魔は死んでから3日以内に蘇生しないと二度と蘇生不可能になっちゃうの…」
「そんな…!」
少女は思わず叫ぶ
酷だけどレベルはもうどうしようもない 今から頑張ってレベルを上げても3日ではせいぜい3レベルぐらい上げるのが限界だろう
でも逆に言えばそれ以外だったらまだ何とかなる
例を挙げると装備などである
私は立膝のまま少女にトレードウィンドウを飛ばし、私が昔使っていた〖イーボン・ダガー〗と〖シルバースレッド・アーマー〗、〖ムーン・ブレザー〗、〖フェアリー・ブーツ〗、〖フロリット・ベルト〗とあと装飾品数点をトレードウィンドウに飛ばす
「あの…」
少女は申し訳ないと思ったのか口を開くが残念ながら拒否権はない
「この装備があればざっと5レベルぐらいは底上げできると思うし私達も一緒に行けば…多分何とかなると思う」
「何で…そこまでしてくれるんですか?」
少女が警戒するのもなんとなくわかる 甘い話には裏があるなんていうのが基本のこの世界だ 実際私も何回かはそういった経験はある
でも今回は私も完全善意ではないんだよね…でも正直に理由をいう訳にもいかないし…他に理由があるとすれば…
私は今も最前線で戦っている女性プレイヤー…たみの姿を思い浮かべながら答えた
「彼女ならそうすると思ったからかな…?」
「彼女…?」
「うん 私の…戦友にして友人」
私がそう言うと少女は笑い始めた…えぇ…
「フフフフ…アハハハ…」
「なんで笑うのさ…」
「ごめんなさい…つい…」
それに私は若干落ち込みながら答えると少女は目尻を拭いトレードウィンドウを操作する
「あの…こんなんじゃ全然足りないと思うんですけれど…」
「あ~ 大丈夫大丈夫 お金はいらないよ 使い古しだから」
私はそれをキャンセルさせOKボタンを押す
「本当に何から何まですみません 自己紹介がまだでしたよね あたし シリカって言います」
少女改めシリカは自己紹介をすると手を差し出してきたので私も自己紹介をする
「私は朱猫 よろしくね」
そして私も手を差し出して握手を交わした
~~~~~~
私達は第35層の主街区の<ミーシェ>へと辿り着くと意識へこれまでのことを書いたメッセージを飛ばした
すると直ぐにこの街にいると返信が届き、その数分後に意識と合流した
「あの…朱猫さん…この人は?」
「あぁ これは意識 第1層からの腐れ縁っていうやつ」
「お前な… もっと他に紹介あったろ」
意識の大雑把な紹介にシリカは笑い その隙に意識に追跡結果はどうだったのかを聞く
「で? そっちはどうだった?」
「んー… 一応ここについてからは目立った様子はなし」
「そっか」
そこから意識は少しだけ離れたところで歩く(本人曰く因縁つけられたら面倒だからとの事)
大通りから転移門広場に入ると早速私達に声がかかった
「おっ! シリカちゃん発見!」
「ずいぶん遅かったね 心配したんだよ?」
「あ…あの…」
「今度パーティ組まない? 好きなところ連れて行ってあげるからさ!」
「知り合い?」
「え…えぇ…」
声をかけてきた2人の男性について聞くとシリカは困惑しながらも答えた
なんか危ない香りがするなぁ
「あ…あの… お気持ちはありがたいんですけれどしばらくこの人達とパーティを組むことにしたんで…」
シリカはそう言うと私の腕を掴んだ
すると声をかけてきた2人の男性は私の方を見た
「へぇ~ 女の子と組むことにしたんだ~ あんたも俺達とパーティ組まない? 好きなところ連れてってあげるよ?」
えぇ… 私が女顔なのはわかってるけどそれにしたって節操なさすぎない? まぁ変に女の子に絡むよりはいっか
「じゃぁお願いしようかなぁ? 私達これから47層に行くんだけどボディガードしてくれるの?」
「「えっ!?」」
私は笑顔を作りながら冗談交じりに言うと声をかけてきた男性たちはそそくさと引いていった
「すみません…迷惑かけちゃって…」
「別にいいよ それにしてもシリカちゃんって結構人気あるんだね」
「そんなことないです マスコット代わりに置いておきたいだけですよ きっと それなのにあたし いい気になっちゃって…竜使いなんて呼ばれ始めて舞い上がってたんですよ…それであんなことに…」
そう呟いていたシリカの目には涙が浮かんでいた
「大丈夫 必ず間に合うから」
私はそんな彼女を優しくなでた
するとシリカは涙を拭い私に微笑み、チラッと横にある建物を見た
「ところで朱猫さん それから意識さんも ホームってどこにあるんですか?」
「ん~ ホームは25層だけど…」
「今から戻るのはめんどいし今日はここに泊まるよ」
「そうですか!」
私達がここに泊まると言うと嬉しかったのかシリカは両手をポンと叩く
「実はですね ここのチーズケーキが結構美味しくておすすめなんですよ!」
「それホント!? 是非とも食べてみたいな~」
シリカが私の袖を引っ張りながらその建物に入ろうとするとそれを呼び止めるように隣の建物から出てきた
「あら シリカじゃない」
「ど…どうも…」
「へぇ~ 森から脱出できたのね 良かったじゃない」
ロザリアは続けて口の端を歪めるようにして笑うと言った
「でも今更戻ってきてももう遅いわよ ついさっきアイテムの分配は終わっちゃったから」
「いらないって言ったはずです! 私急ぎますから」
シリカは早く会話を切り上げようとしたが彼女はまだシリカを開放するつもりは無いらしい
目ざとくシリカを見ると嘲笑うような笑みを浮かべる
「あら あのトカゲどうしちゃったの?」
何処に行ったのかは彼女も知っているはずなのにわざとらしく言葉を続ける
「…もしかしてぇ?」
「えぇ 死にました でも絶対に生き返らせます!」
シリカがロザリアを睨みつけると先程まで嘲っていた様子だった彼女の目がわずかに見開かれた
「へぇ… っていうコトは{思い出の丘}に行くつもりなんだ でもあんたのレベルで攻略できるの?」
「できるよ」
そこでシリカの顔が少し暗くなったのですかさず私が言う
するとロザリアは如何にも品定めするような目で私を見る
「あんたもその子に誑し込まれた口…っていう訳じゃ無さそうね 見たところ女みたいだし」
「見た目で判断しないほうが良いよ」
流石に少しだけ頭に来たので私も言い返す
「ふぅん… まぁいいわ せいぜい頑張りなさい」
すると明らかに怒ったように眉をひそめたが直ぐにその言葉を私に投げかけ、去って行った
その後私達が話をしている間どこかに行っていた意識が戻ってきた
「終わった?」
「意識!? 今までどこに!?」
「ちょっとね それであいつと話してみた感想は?」
「やっぱり黒だと思う」
「そっか」
私は意識にロザリアと話してみた感想を言うとシリカのおすすめの宿屋兼レストランへと向かった
朱猫の性別は設定にもありますがあくまででも不詳です
それではまた次回に