ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~   作:水名(仮)

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基本的にオリキャラ勢が着ている金属製以外の装備は基本的にタコミカ製作です

それではどうぞ


7話:☆食事と花の都

SIDE:朱猫

 

 

 

宿屋に入るとまずはチェックインを済ませ、それからレストランで食事をとる為に空いている席を探す

 

意識はカウンター上のメニューを操作してたけど私は特に気にせずにそのまま腰掛ける

 

私の向かい側の席にシリカは座ると恐らく先程のことを謝ろうと口を開きかけたが私は軽く手を挙げてそれを制止させる

 

「まずは食事にしよっか」

 

私がそう言うと同時にウェイトレスが何やら湯気の立っているマグカップを3つ持ってきて私達の前に置く 中を覗いてみると何やら緑色の液体が入っていた

 

意識の方をちらりと見てみるとどうぞと言わんばかりな顔をしていたのでひとまずパーティ結成を祝って3人で乾杯し、一口飲む

 

するとマスカット特有のフォクシー香が口いっぱいに広がった

 

「美味しい…」

 

私がそう呟くとそれに続いてシリカは意識に訊ねる

 

「あの…意識さん これは?」

 

それを聞いた意識はにやりと笑って答えた

 

「実はNPCレストランにはボトルの持ち込みができるんだ それでそれを使って〖エメラルド・リース〗の持ち込みをしたっていうワケ 因みにそのカップ一杯で最大守備力が1上昇するよ」

「そ…そんな貴重な物…」

「いいのいいの うちの酒豪たちに飲まれるよりはこうして飲んでくれた方が俺も嬉しいからさ」

 

意識が冗談を言うとシリカは笑いながら再びカップに口をつける

 

 

やがてカップが空になって、食事が来たので食べてその余韻に浸っているとふとシリカがぽつりと呟いた

 

「何であんな意地悪言うんだろ…」

 

それに私は口を開く

 

「ねぇ シリカってもしかしてMMOはSAOが?」

「はい 初めてです」

「そっか じゃぁ覚えとくといいよ オンラインゲームは長時間プレイしていると人格が変わる人が少なくない 進んで善人を演じる人もいれば悪人を演じる人もいる まぁ私は昔はそれも一つのプレイスタイルとして見ていたんだけどね…」

 

私はそこで一旦区切ると真剣な表情になる

 

「でもSAO(ここ)は違う そりゃぁみんなで協力っていうのは現実的じゃないけどさ やっぱり人どこまででも恐ろしいって思うよ それがまだ攻略に向けられているんだったら良かったけど… それを他のプレイヤーに向ける奴が多すぎる」

 

私は少し俯くとさらに続ける

 

「私はこの世界で好き好んで犯罪に手を染める奴はもう救いようのない奴なんだと考えてる」

 

そこで顔を上げると私は少し気配に押されたような表情をしているシリカの顔が見えたため私は今までの明るい表情に戻すと「まぁでも」と笑いながら続ける

 

「私も人のことはあんまり言えないけどね… 人助けなんてあんまりしないし」

「朱猫さん…」

 

私が自虐的にそう呟くと意識はこちらを心配そうに見る

 

しばらく重い空気が流れたが突然シリカは私の手を両手で包んだ

 

「朱猫さんはきっといい人ですよ だって見ず知らずのあたしを助けてくれましたし それにそんな朱猫さんと一緒にいる意識さんもあたしはまだよく知らないけどきっといい人だって思いますよ」

 

突然のことに私達は少し驚いたが直ぐに腕の力を抜く

 

「そっか… ありがと シリカ」

 

私が素直に感想を言うと急にシリカの顔が赤く染まっていって慌てて私の手を離した

 

「どうし…」

 

そう言いかけた途中でなんとなく察してしまい 気まずくなって俯く

 

「すみませ~ん! デザートまだ来てないんですけど~!」

 

シリカはそんな空気を紛らわせようと店員を呼ぶ

 

 

ふと意識の方を向くと物凄くいい顔をしていた

 

「やっちまったな」

 

私はこの時の意識をすごく殴りたくなった

 

 

~~~~~~

 

 

その後デザートのチーズケーキを食べ(すっごく美味しかった)、私達はそれぞれの部屋で休むことにした(シリカは1人部屋で私と意識はいつも通り2人部屋)

 

私は落葉色のマフラーと空色に黄色のラインが入ったベストを外しベッドに横になってくつろぎつつ同じく紺藤のマフラーを脱いでベッドの上で胡坐をかいている意識に聞いた

 

「それで…どうだろ」

「どうって?」

「明日奴らが来るかどうかだよ」

「来るんじゃない?」

 

私が明日奴らが来るかについて聞くと意識は来ると答えたため理由を聞く

 

「理由は?」

「明日取りに行く予定の〖プネウマの花〗は一部の所に高価で取引されているからな あいつらが金を稼ぐんだったらこんなうまい話に飛びつかないわけないよ」

「成程」

「言っとくけどまだ仮説だからな? ホントに来るかどうかはわからんぞ?」

 

意識があくまでさっき言ったことは仮説だと付け加えると扉からノックする音が聞こえてきたので返事をしながら扉へと近づく

 

「どちら様ですか?」

「シリカです」

「あぁ! どうぞ~」

 

するとシリカの声が返ってきたため私は扉を開けた

 

「お邪魔します…」

 

そして部屋着であろう可愛らしいチュニックを着たシリカが私達の部屋に入ってきて扉を閉める

 

「どうしたの?」

「あのー…47層の説明をまだ聞いてなかったなって思って!」

「そういえば すっかり忘れてた どうする? 下に降りる?」

「いえ…貴重な情報ですし… 誰かに聞かれたら不味いと思うのでここでお願いしてもいいですか?」

「それもそっか 解った じゃぁ少し待ってて」

 

私達はシリカをベッドに腰かけさせるとテーブルと椅子を少し動かして簡易的な話し合いの場を作る

 

そして私はウィンドウを開いてギルドの共有タブから〖ミラージュ・スフィア〗を取り出し、それをテーブルの上に置くとシリカが聞いてきた

 

「朱猫さん それは何ですか?」

「〖ミラージュ・スフィア〗っていう 簡単に言えば立体的なマップって感じかな」

 

私がそれを慣れた様子で手早く操作しているとシリカが「綺麗…」と呟いていた

 

そして第47層に合わせるとOKボタンを押す

 

すると第47層部分が拡大したのでそれを使って説明を始める

 

「ここが第47層の主街区の<フローリア>でこっちが{思い出の丘} それで{思い出の丘}に行くにはここの道を通らないといけないんだけど…」

 

そこまで言ったところで部屋の外から音が聞こえてきたため意識に無言で合図する

 

「朱猫さ」

 

そして私はシリカに静かにするように合図をし、それと同時に意識が勢い良く扉を開ける

 

誰だ!

 

しかし私の耳には誰かが勢いよく階段を駆け下りる音しか聞こえず、意識は苦虫を嚙み潰したような顔をしていたので私とシリカは意識の後ろから顔を出す

 

「聞かれてたみたいだ」

「そうだね…」

「でも ノックなしだとドア越しの声は聞こえないんじゃ…?」

「聞き耳スキルが高いとその限りじゃないの と言っても大雑把にしか聞こえないけどね」

 

シリカの質問に答えながら私はシリカの背中を押して部屋に戻らせる その後意識が部屋の扉を閉めると椅子に座って考え始めた

 

「でもなんで立ち聞きなんて…」

「多分 すぐにわかると思うよ 意識 メッセ送っといて」

「解ってる」

 

私は意識に依頼人にメッセージを送るように声をかけると机の上に置きっぱなしにしていた〖ミラージュ・スフィア〗をギルドの共有タブに戻し椅子と机をもとの場所に片付け始めた

 

「一先ずメッセージは送った」

「了解 シリカ そろそろ…」

 

私がシリカに部屋に戻るように声を掛けようとするがシリカは私のベッドで眠ってしまっていた

 

「どうしよっか…」

「俺に聞かないでくれ…」

 

結局私は机に突っ伏して寝ることにした

 

 

~~~~~~

 

 

「…猫さん…朱猫さん起きてください」

「う…ううん…?」

 

誰かに私の名前を呼ばれた気がして目を開け、辺りを見回してみると私が昨日あげた装備を着ているシリカの姿があった

 

「おはようシリカ 朝早いね」

「おはようございます もう朝8時ですよ それはそうと昨日はすみません…ベッドを占領しちゃって…」

「いいよ別に この世界じゃどんな体勢で寝ても筋肉痛にならないから」

 

私は直ぐに椅子から立ち上がり、大きく欠伸をする

 

そして辺りを見回すとシリカに訊ねた

 

「そういえば意識はどこ?」

「意識さんだったらもう下にいると思いますよ?」

 

あいつ早起きだな…と思いつつ私は装備しなおすと私達は意識の待っている一階へと降りていった

 

 

 

~~~~~~

 

 

宿屋の隣の道具屋でポーション類を補充すると私達は転移門広場へと向かって行った

 

そして転移門に立つと3人一緒に掛け声を合わせる

 

「「「転移! <フローリア>!」」」

 

 

 

一瞬の転移感覚の後、エフェクト光が薄れた私達の目に様々な色彩の乱舞が飛び込んでくる

 

「うわぁ…! 凄い…!」

 

その光景を見たシリカが目を輝かせながら歓声を上げていた

 

第47層の主街区の転移門広場は無数の花があふれかえっており、広場を細い通路が十字に貫いていてそれ以外の場所は煉瓦が積まれた花壇になっていてそこには様々な草花が咲いている

 

「この第47層は通称⁅フラワーガーデン⁆って呼ばれてて主街区の<フローリア>だけじゃなく層全体が花だらけなんだ」

「そうなんですね! いつかここにホーム買ってみたいなぁ…

 

私がこの層の説明をするとシリカは私に笑いかけるとそっと呟き、近くの花壇の前でしゃがみ込んだ

 

辺りを見回すとほとんどが男女のカップルで全員しっかり手を繋いだり腕を組んだりしているのを見て私は自然と彼女たち(たみとテオ)がそうしているのを想像する

 

しかし気持ちを切り替えて私はカップルたちの方を見ているシリカに声をかける

 

「そろそろ行くよ~」

「は…はい!」

 

私の呼びかけに応じてこちらに戻ってきているシリカの顔はなぜか赤かったような気がした

 

~~~~~~

 

雑談をしながら歩いているといつの間にか主街区の南門まで辿り着いていたので私の隣にいるシリカに声をかけた

 

「さてと ここからいよいよ冒険開始になるんだけど…」

「はい」

 

シリカは真剣な表情で頷く

 

「シリカのレベルとその装備があればここのモンスターに苦戦はしないと思う でも…」

 

そう言いながら私はベルトに付けてあるポーチから〖転移結晶〗を取り出してシリカに渡す

 

「フィールドでは万が一が起こるかもしれない だから私か意識が逃げろって言ったらどこの層でもいいからそれを使って飛んで」

「でも…」

「私も意識もシリカが思ってるより強いから大丈夫だよ それに私達も〖転移結晶〗を持ってるから」

 

私はシリカを安心させるような声で大丈夫だと言うと二っと笑い圏外の方へと向いた

 

「じゃぁ行こうか!」

「レッツゴー!」

「はい!」

 

掛け声をかけると私達は圏外へと走り始めた




オリジナルアイテム紹介

〖エメラルド・リース〗

話にもあるがカップ一杯で最大守備が1上がる緑色のお酒

味はすっきりとした白ワイン


次回で黒の剣士(この小説ではキリトは出てこないけど…)編は最後です

それではまた次回に
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