ソードアート・オンライン ~PotetoEdition~ 作:水名(仮)
それではどうぞ
2024年4月11日 59層<ダナク>
私は狩りに一緒に行くためにておさんを探していた
「全く… どこに行ったんですかね…?」
そう呟きながらも探していると転移門の近くの芝生にある木の陰で昼寝をしているキリトさんを見かけたのでちょっとだけ声をかけてみようと近づくと索敵スキルにある接近警報をセットしていたのかキリトさんが目を開けた
「ん? あぁ タコミカか」
「キリトさん ておさん見かけませんでしたか?」
「テオならそこにいるぞ?」
「本当ですか?」
キリトさんが視線を向けた方向に顔を向けると確かにキリトさんのいる樹の反対側にておさんがいた
「ておさん 狩りに一緒に行きません?」
「悪い パス」
「即答ですね」
「今日は昼寝するって決めた」
「そうですか…」
ておさんの返答を聞いた私はておさんの近くに座ると蜘蛛を模した頭装備を外すと隣に座った
確かに今日は日差しが温かいな…
「あれ? 狩りに行くんじゃないのか?」
「ておさんが休むんだったら私も今日は休みますよ」
[フリッツ・フリット]は安全マージンさえ保っていれば基本的には自由なのでこうやって自分の気分で休息をとることもできる(ちなみに私のレベルは78)
一応ポテトさんにメッセージを送っていると前よりは少しだけ落ち着いた様子のアスナがやってきて再び目を閉じていたキリトさんに声をかけていた
「何してるの」
少し不機嫌な様子のアスナを気にすることなくキリトさんは軽くあしらう
「なんだ… あんたか」
「攻略組のみんなが必死に迷宮区に挑んでいるのになんであんたはこんなところで昼寝してるのよ」
「おんなじことをあいつらにも言えよ」
!? 唐突にキリトさんはアスナを私達に振った
キリトさんに言われて私達の方を見たアスナは呆れと苛つきが混ざったような顔をした
「何でタコミカ達まで休んでいるのよ…」
「私達のギルドは自由が売りなの 私のレベルは78なんだから文句は言わないでね」
「あのねぇ…レベル云々の問題じゃなくて 攻略組のみんなの気持ちを考えたことはあるの!?」
アスナは私を怒ったが私はそれを躱すようにして言った
「根の詰めすぎは良くないってリオンさんに言われたばっかりじゃなかったっけ?」
「そうだけど… それとこれとは…」
まだ言い訳をしようとするアスナに不意にキリトさんから声が聞こえてきた
「今日はアインクラッドで最高の季節の更に最高の天候だ こんな日に迷宮区に潜ったらもったいないだろ?」
「貴方も解ってるの!? こうやって一日無駄にした分 現実の時間が失われていくのよ!?」
「だからって急いでも空回りするぞ?」
「テオの言う通り 俺らが今生きているのはこのアインクラッドだ」
アスナはキリトさんの方を見るとアスナは怒ったがておさんがアスナに向かって言うとそれに続くようにキリトさんが言う
「ほら… 日差しも風も…気持ちいいだろ?」
「天気なんて毎日一緒じゃない」
「あんたもこうやって横になってみればわかるよ」
キリトさんの言葉の何がアスナをそうさせたのかは分からないがアスナは横になると1分とかからずに寝始めた
「寝ちゃったよ…」
「疲れてたみたい」
私は少しておさんの隣を離れるとアスナの元まで向かい、ブランケットを取り出すとアスナにかけると軽くアスナの頭を撫で、私はておさんの元へと戻った
~~~~~~
ておさんが寝たので私はお店の休憩時間のやる気君と他愛もないメッセージをやり取りしているとキリトさんが起きた
「あれ…? このブランケットってタコミカのか?」
「そうですよ」
「そっか… 優しいんだな…タコミカは」
「私はただ親友に無理をしてほしくないだけですよ」
キリトさんは寝ているアスナにしばらく優しい視線を向けていたので私も寝ることにした
「そうだキリトさん」
「どうした?」
「私も寝ますからあとお願いしますね」
「え!?」
私もここ最近は働きづめでウトウトとしていたためあとはキリトさんに任せることにして私も寝ることにした
私は欠伸をすると寝ているておさんの肩に体を預けるようにして眠りについた
~~~~~~
私が目を開けたときにはておさんに膝枕をされており、なぜかておさんの着ている紺色のコートの左袖を掴んでいた
ておさんを見上げると空はすっかり茜色に染まっており、寝ていたておさんもすっかり起きていた
私は軽く欠伸をすると、声をかける
「おはようございます ておさん」
「おはよう よく眠れた?」
「結構よく眠れましたよ」
ておさんと雑談をしてキリトさんにお礼を言おうとキリトさんの方を見てみるとアスナがキリトさんに向かって抜刀しかけながらご飯一回を奢ると提案しているというまぁまぁカオスな状況だった
「第57層の主街区にNPCレストランにしては結構いける店があるからそこにしようぜ」
「…いいわ それにタコミカも起きたみたいだし一緒に行きましょう」
「? なんで?」
「なんでも とにかく私がそういう気分なの」
私はアスナからブランケットを受け取るとそのままアスナは大きく伸びをした
~~~~~~
第57層の主街区の<マーテン>は最前線よりわずか2つ下の階層の大きな町ということもあって攻略組の拠点的な街兼有名な観光地にもなっている
その為、このような夕食時ともなれば上の層で狩りをしていた最前線プレイヤー達や下の層から食事を食べに来たプレイヤー達で大いに賑わうことになる
第59層の転移門から<マーテン>へと移動した私達は並んで歩くアスナとキリトさんの後ろからキリトさんお勧めの店へと向かうことにした
すれ違う人たちの何人かは私を見て驚いているような様子を見せた
前にじんじんさんから聞いた話だけど何でも私のファンクラブなるものが存在するらしくそうやって注目されるのは私としても少しだけ嬉しい気もしなくはないがそれが毎日続くと気疲れぐらいはする
そこから5分ほど歩くとキリトさんが足を止めたのでそのお店を見てみるとやや大きめのレストランだった
「ここ?」
アスナがキリトさんに訊ねるとキリトさんは頷いた
「そう 俺のお薦めは肉より魚だ」
店に入るとアスナは奥まった窓際の席を目指したため私達もそれに続く
そして席に座ると店員NPCがやってきたので私達はコースメニューを注文することにした(私はキリトさんのお薦めを無視して肉を注文した)
速攻で届いた果実水に唇をつけていると周囲のプレイヤーたちが口々にアスナの2つ名である"閃光"や私の2つ名である"
この"
私がグラスの中の果実水を見ながら料理が来るのを待っているとアスナが口を開いた
「まぁ… なんていうか…今日はありがと…」
「えっ!?」
キリトさんは驚いたがアスナは気にせずにもう一度お礼を言った
「ありがとうって言ったの ガードしてくれて」
「あぁ… いや… ど、どういたしまして…」
キリトさんは不意にそう言われたので緊張したのか少し噛んでしまっていたがアスナはそんなキリトさんの様子を見ると軽く笑い、椅子の背もたれに体を預けた
そして私の方を見ると声をかけてきた
「それとタコミカもありがと ブランケット貸してくれて」
「別にいいよ そのままだと体冷やしちゃうし」
別にブランケットはあっても無くてもどっちでもいいけどそう答えておく
「なんだかあんなに寝たのは久々かも…」
「いつもはあんなに寝てないの?」
「うん… 普段は3時間ぐらいで目が覚めちゃうから…」
私は毎日6~8時間ぐらい寝てるのに… そう思っているとておさんが訊ねる
「それって前みたいにアラームで起きてるんじゃなくて?」
「うん 不眠症って程じゃないんだけど… なんだか悪い夢を見ちゃって…」
「そうか…」
ておさんはそこで気まずくなったのか言葉を区切る
アスナの言うことは何となくだけど分かる気がする 私もSAOが始まった次の日に死にかけてそこから約1ヵ月ほどは悪夢で起こされるということが多かった
その時はどうしたんだっけな…確かひま猫さんにホットミルク作ってもらったっけ…?
「あっちじゃホットミルクを飲んだりとか軽いストレッチをするといいらしいけど… それがこっちにも当てはまるとは限らないし…」
「うん… そういうのはやってるんだけど中々良くならなくって…」
やってたんだ… 私が「むむむ…」と言いながら考えているとキリトさんが口を開いた
「あ~ その…なんだ… 俺がどうこう言うべきではないのかもしれないけどまた今日みたいに昼寝をしたらいいんじゃないのか?」
キリトさんの言葉にアスナは驚いていたが軽く微笑むと頷いた
「…そうね また今日みたいな気象設定の時にはお願いしようかしら」
2人の雰囲気がいい感じになったところでNPCがサラダを持ってきたので私達は早速食べることにした
私達がサラダを食べているとキリトさんが呟くように言った
「そういえばここでは栄養とか関係ないのになんで生野菜とか食べてるんだろうな」
キリトさん…急に我に返るのはやめて…
「え~ 美味しいじゃない」
「キリトさん そういうことを言うのは野暮っていう奴ですよ」
私達がそれに反論するとておさんも口を開く
「まぁキリトの気持ちは分からなくもないな… せめて
「ておさんが
私がておさんの言ったことに同意するとアスナも続けて言う
「あー それは凄く思うわ」
「そうだよな… 主にあっちにあった調味料が欲しいよな」
「例えば?」
キリトさんも私達に同意するとておさんがどんな調味料が欲しいかと訊いていた
「ん~ そうだな… 例えばソースとかか?」
「そうね 私はケチャップとかマヨネーズとかが欲しいわね」
「私はめんつゆが無性に欲しいかな…」
「あ~ 全部わかる… 俺は七味とかデスソースとかが欲しいわ…」
ておさんの七味とかデスソースとかが欲しいっていうのはちょっとわからないがておさんの意見は大いにわかる
「でもやっぱりあれが欲しいですね」
「あれ…? あぁ…そうね」
『醤油!』
私が一番欲しい調味料のことを言うと3人は解ったようで同時に叫ぶと私達は笑い始めた
その直後…
「きゃぁあああああ!」
外から女性の悲鳴が聞こえてきた
テオロングは某カレー屋さんの10辛を普通に食べられるほど辛い物が好きです(何だったら更に香辛料を持ち込んでかける)
それではまた次回に