インフィニット・ストラトス ~Bird of prey~   作:Hans Ulrich Lutz

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原作開始前
プロローグ


日本のどこかで。

 

 

「いや!誰か助けて!」

 

「何で!?どうして攻撃が効かないのよ!?」

 

「いや!来ないで…いや!いやぁぁぁ!!」

 

 

女の恐怖に満ちた悲鳴が響き渡る。

 

日本のどこかにある研究所の中で所属不明のISと複数のラファール・リヴァイブが交戦していた。

 

「何なのよこいつ!?まるで効いてないじゃない!!」

 

「いいから黙って撃ち続けなさい!」

 

リーダー格の女がそう指示するも、攻撃を全てよけられ、弾も残り少ない。

 

「隊長!弾がもうありません!」

 

「バカ!無線を使えといっただろう!」

 

弾がないと言ったラファールのパイロット目掛け、所属不明機が一気に間合いを詰め、腕についたブレード発振器でラファールをパイロットごと真っ二つに切り裂く。

 

「何で絶対防御が効かないのよ!?」

 

絶対防御。それはパイロットを確実に保護するための機能。しかしそれもシールドエネルギーが無ければ動かず、絶対防御でカバー出来る範囲を超えた時も同じである。

 

「だめです!このままじゃ全員死にますよ!」

 

生き残った最後の部下がリーダー格のラファールパイロットを見て言う。

 

「分かってる!それでもこいつを抑えなきゃ撤退できないでしょうが!」

 

リーダー格の女も部下の方を見て言う。

 

そう言った瞬間、所属不明機は間合いを一気に詰め、2機のラファールをバラバラにする。

 

「…」

 

血まみれの通路を振り返って見る所属不明機のパイロット。

 

顔を血の付いた黒いバイザーが覆っている。

 

全員を殺したかどうか確認すると通路の先にあるコンピュータサーバーに近づき、ケーブルを繋げる。

 

数秒後、目当てのものが手に入ったのかそうでないのか分からないが、パイロットがケーブルを抜き取り、天井目掛けロケットを発射し、空いた穴から飛び立った。

 

彼の行方は、誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…またですか」

 

「ええ…今回は一段とひどいですね」

 

黒いスーツ姿の女性2人が周りに大量の血と死体が至る所に散乱し、ボロボロになった研究所を見て顔色を変えず、少し驚く。

 

「それで…犯人は?」

 

()()()と同じです。例の所属不明機がまたカメラに。」

 

「…そう」

 

「この研究所は一体何をしてたの?」

 

白色の髪の女性が茶色の髪をした女性に聞く。

 

「例の遺伝子操作計画にかかわっていました」

 

「やっぱり…」

 

()()()から遺伝子操作計画に関する研究所への攻撃とデータの強奪が次々と…でもなぜ?カメラの記録に残っているパイロットと機体はモザイクがかかっているけど大体は同じ…一体何が…何の為に…?)

 

何か感じたのだろうか。白髪の女性が電話を掛ける。

 

「もしもし、ええ、私ですが?ええ、少し調べてほしい事がありましてね…内容についてですけど…――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織斑一夏の失踪と生い立ちに関する事を、調べてほしいんです。ええ、分かりました。それでは。」

 

白髪の女性が電話を切ると青いジャージを着た男が話しかける。

 

「お話は済みましたか?」

 

「ええ、それで…何に関するデータを抜き出されたの?」

 

「また()()()()に関する物が完全になくなっていました。」

 

「…そう、わかったわ。早めに調査を終わらせて撤収しましょう。日本の政府にばれると色々面倒だしね」

 

「解りました」

 

そう言って男が居なくなった後、女性は胸のポケットからタバコとライターを取出す。

 

「…」

 

タバコをくわえて火をつけ、一服する。

 

「…いつになったら彼を見つけられるのかしらね」

 

誰もいない場所で1人でそう呟く。

 

(もし、()()()にミスをしていなければ…こんなことにはならなかったでしょうに…今更言ったって仕方ないけれど…)

 

 

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