インフィニット・ストラトス ~Bird of prey~ 作:Hans Ulrich Lutz
あれから3日後。
「…いつまで私たちはこんな事続けるのかしら?」
「そいつを見つけるまでだろう?それが私達の仕事だ」
話し合う白髪の女性と茶髪の女性。
夜12時の誰もいないバーで今までの事件を纏めたファイルに入った書類を見る。
「それで…今は何処まで進んだの?」
「奴が何かしらの目的を持って研究所を襲っていること、背後には誰も居なくて、一人で活動してること、ISを操縦できて、絶対防御を貫ける武装を持っている事。これぐらいだ。」
「一番重要なのは…何かしらね?」
「データを奪う目的。やっぱりそれだろう」
「日本との政府やIS委員会、挙句の果てには各国政府のデータ貯蔵施設まで襲ってるぐらいだ、何かしらの共通点があるさ」
「ほら、いつものを作ってきたぞ」
ショットグラスを両手に持って2人に声を掛ける。
そこには灰色の髪に赤い瞳を持った女性が立っていた。
「ありがとう。それで…貴方はこの事どう思う?」
そう言ってファイルに入っていた写真を見せる。
「さぁね。傭兵稼業から足を洗ったからね。それに、政府のせいで今まで使えた情報源は今じゃ殆ど使い物にならなくなったからね」
「そう。ありがとう。お金はここに置いておくわね」
そう言って2人はお金を机に置き、バーから出ていく。
「…」
その時、彼女たちは1人の若い男とすれ違う。
「…こんな時間でも来る人がいるのね」
誰にも聞こえないように呟く。
ガチャ。パタン。
ドアを開け、車に乗り込んですれ違った男のことを聞く。
「今の男、どう?」
「少し怪しかったが…まぁいいだろう。ほら行くぞ」
車のエンジンを掛けて走り去る。
――――
side ???
「久し振りだね。元気だったかい?」
「まあな」
「それで…どうしてここに来たんだ?」
「フッ、なに…――
ワタリガラスから噂話でも聞こうと思ってね」
「…ふふっ、だと思ったよ」
まるでそう答える事が分かっていたかのように返事を返す。
――――
side 更識
「ふむ…これは本当かね?」
「はい。昨日、大型の地下研究所が襲撃されました。職員や警備員は全員死亡。施設防衛の為のISやシステム、研究を進めるための装置や設備の9割が完全に破壊され、重要なデータラックの4つが破壊され、1つが盗まれました」
「そうか…君は…一体誰がこのような行為をしていると思う?」
「やはり…最近起こっている研究所の襲撃事件の者かと」
「…あれは…襲撃事件は何時から起き始めた?」
「最初の襲撃事件は第2回モンドグロッソ大会で織斑千冬が優勝した時と同じ時間に起きています。それ以降は1年に1度。4~5ヶ月、2~3ヶ月、1ヶ月という風に周期が短くなっています。襲撃が行われるのは殆どが白騎士事件が起きた際とほぼ時間帯か、0時30分のどちらかです」
「そうか…いったい誰が襲撃事件の犯人なのかを調べろ。国内外問わずだ、いいな?」
「畏まりました」
ガチャ、パタン。
ドアが閉まる。
「いったい誰がこんな事を…行方の分からなくなっている織斑一夏も疑うべきか…」
(しかし、なぜ研究所ばかりを…?一体何故?襲撃事件の共通点も見つけなくては…)