インフィニット・ストラトス ~Bird of prey~ 作:Hans Ulrich Lutz
ドイツ、とある研究所
指令室の中で。
「クソッ!?一体どうなってる!?」
「分かりません!ですが全ての護衛ユニットが暴走しています!」
「警備部隊は何をしている!たかが機械だぞ!」
「ですが…"ケアテイカー"が制御不能に陥っており、周期的に"ケアテイカー"から発せられる電波がユニットに何かしらの影響を与えていると考えられます!」
「クソッ…役立たず共め!たかが機械ごときに何を!これぐらいどうとでも…――」
その瞬間、指令室は眩い光に包まれた。
Side 黒ウサギ隊
コンコン
ドアをノックする音が聞こえる。
「入れ」
ガチャ、パタン。
「隊長。緊急招集がかかりました。第1会議室に移動をお願いします。」
「わかった…」
ふぅ…と息をつくのはシュバルツェア・ハーゼ―――通称・黒ウサギ隊隊長のラウラ・ボーデヴィッヒ。
ここ最近世界各国で増加している研究所等への襲撃事件に関する書類を纏めた終わったばかりである。
「…またか」
ほぼ1ヶ月ごとに何処かの研究所が襲撃を受けており、襲撃への対処が新たな任務となった事もあり黒ウサギ隊全員の疲労がたまっている中での緊急招集。
「早く行かなければな…」
そう言って軍服に着換え直す。
――――――――
「…全員集まったな?それではブリーフィングを始める」
「今回の目的はこの研究所の状況の調査と最近増加している襲撃事件の犯人との関連性を調べる事だ」
「すいません。少し宜しいでしょうか?」
そう言って手を挙げたのは黒ウサギ隊のマークスマンであるマチルダ・ドーチェルだった。
「ああ、構わない」
「先ほど襲撃事件の犯人との関連性を調べると言いましたが、それはどういう意味ですか?」
「実はその研究所に配備されていた警備用の機械が暴走して攻撃を受けたという通信を受けていた。我々軍上層部はその襲撃者によって引き起こされたと考えている。」
「…なるほど」
「先程の質問で話した通り、今回は機械との戦闘が起こる可能性が非常に高い、注意してくれ。それと、施設内の防衛機構がハッキングを受けている可能性が高い。君たちの判断で交戦してもらって構わない」
「他に質問は?」
「「「…」」」
「なさそうだな。出撃は午後10時だ。それまでに準備をして、しっかり休息を取るように。解散!」
そう言って互いに敬礼をして、会議室から出ていく。
――――――――
「こちらハーゼ6、狙撃ポイントに到達しました。いつでも行けます」
「こちらハーゼ5、配置に付いた」
「こちらハーゼ4、3と共に待機中」
「こちらハーゼ1、了解した。これより作戦を開始する。今回は屋内戦だ。十分注意して動け」
「「「了解!」」」
――――――――
「…隊長、この匂いって…」
「…死体の匂いだ」
「生存者はいないみたいですね…どうします?」
「"ケアテイカー"からデータを取り出して、それから脱出する」
「了解しました。」
――――――――
「もうそろそろデータ保管庫です」
「わかった…今からは今まで以上に警戒を強めて行け。
「了解!」
「用意はいいな?」
「何時でもどうぞ」
ドアを蹴り開ける
バァン!
「…誰もいない?」
「分からん。警戒しながら散開して調べろ」
「了解」
そう言って一気に別れる黒ウサギ隊の隊員。
部屋の真ん中には逆さまになった大きなピラミッドの様な機械と、データの保管倉庫があった。
「隊長!ドローンの内のいくつかが無くなってます!」
マチルダはそうボーデヴィッヒに言う。
「分かった。それで…他には――『警告。データ保管倉庫付近に未確認のISを検知』!?」
さっきまで石のように固まり、動きすら見せなかったケアテイカーが突然起動する。
「何だ!?どうなっている!?」
「分かりません!」
『防御プロトコル発動。未確認機への攻撃を開始。』
「チッ!敵味方の識別すらできていないのか!?」
「隊長!どうします!?」
「やむを得ん!破壊するぞ!」
「交戦を許可する!ケアテイカーと護衛のドローンを破壊しろ!」
「「「