星女神の系譜-三界駆ける冥府の灯火-   作:haruhime

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トリウィアヘカテ―にうまぴょいした人?の話

読まなくても今後の展開に支障はないはず。




第一話 女神に撃ち落とされる日(物理)

 20xx年某月某日

 天界 オリュンポス山

 ヘカテ―神殿

 

 神々が住まう栄光の地、オリュンポス山。

 十二神を始めとした偉大な神々は上の方、私のような木っ端神は麓に住む格差社会の権化のような場所。

 中腹当たりを山手線内とすれば、秩父とか北関東のあたりになる麓の森の一角に、私の神殿がある。

 

 かつてラギナの地にあった神殿を元に、何百倍も増改築された建物。

 天界にまでやってきて私を信仰する奇特な連中が、魔術の力で組み上げた私の住居。

 訳のわからないレリーフや、おどろおどろしい画風で描かれた化け物の絵や像(しかもそれが私だという!)で飾られた、はた目には邪神の神殿のように見える建物の奥底。

 外からは決して見えない、元の神殿の礼拝室が私の私室だ。

 

 周囲を勝手に増築された建物で覆いつくされ、太陽の輝きが一欠片も入らない静かな場所。

 私好みの黒と紫を基調とした内装を、冥府の蒼い炎がぼんやりと照らしている。

 大きな天蓋付きベッドの上で、紫のジャージで身を包んで長い金髪をヘアバンドでまとめ、日がな一日アニメや漫画や配信を楽しみ、AMAZONES.COMでグッズを漁るが私の日課だ。

 最近ツキヨミちゃんが送ってくれたブルーライトカットの伊達メガネは私のマストアイテムとなった。

 薄暗い部屋で画面見てても目が疲れにくくなって、オタ活がはかどることはかどること。

 信者たちも私が求めている藻を理解しているようで、最近はAMAZONESギフトカードを捧げものに入れてくれるしな。

 

 それにしてもこの部屋はいい。

 

「暗いし」

 

 光が入らないから魔導書や偶像(同人誌やフィギュア)も劣化しにくいし。

 

「静かだし」

 

 神殿中で繰り広げられている邪教の儀式、信者どもの奇声や生贄の断末魔も聞こえないし。

 

「狭いし」

 

 自称友人共が入ろうとするのを断る口実にもなる。

 

 最高である。

 

 なによりオリュンポスから離れているから、陽キャが寄ってこない。

 

 ヘラの神殿でS○X(由緒正しい女の自殺)しようと誘ってくる脳みそチン○共(ゼウス以下男神)とか。

 だれかの信者の結婚式のたびに金のリンゴ投げて誰かが地獄見てるのを爆笑する邪神エリス(不和の女神)とかに絡まれない。

 私の信者の時は、私が金のリンゴを渡されてひどいことになった。

 

 万年処女こじらせ女騎士(アテネ)はプライドずったずたで顔真っ赤にして大人げなく槍向けてくるし。

 アレはそろそろ処女捨てたほうがいいよね。プライドオリュンポスツンギレ鉄壁万年処女とか処女厨でもマイナス点じゃん。

 

 むかつく視線を人の胸に向けながら、たまには貧乳もいいよねとかほざくエロ親父共(ゼウス以下男神)はいつも通りクソだし。

 あいつら全員ヒュドラの毒でも股間に垂らした方がいいんじゃないか。世のため女神のためだぞきっと。

 

 それをを睨みながら嫉妬BBA(ヘラ)が垂れ流した呪詛が、黒い蛇とか化け物になって襲ってきたし。

 ヘラは週に一回くらいカナートスの泉にダイブして処女性取り戻した方がいいよ。

 

 おかげで巨神戦争(ギガントマキア―)以来久しぶりに松明ブンブンする羽目になって、数日間全身筋肉痛で一歩も動けなかったんだから。

 

 顔ひきつらせながら無駄にデカい胸の脂肪を揺らして”まぁ、貧乳好きに私は魅力的じゃないわよね”とか言った無駄肉半裸痴女(アフロディテ)は絶対に許さん。

 あのクソ痴女め、そのうち無駄乳もぎ取ってやる。

 

 まぁ信者君の三女神共の下劣な誘惑に負けない信仰の強さを感じた喜びでテンション振り切って

 

 ”私みたいな貧相木っ端女神に金のリンゴ持ってかれてどんな気持ち? ねぇどんな気持ち? 美・貌・の・女・神・様・達プークスクス!!! ”

 

 とかやったのはちょっと言い過ぎたかなって反省してるけど。

 

 数年前に起きた悲劇とやらかしを思い出し安息の地(ベッドの上)でのたうっていると、何やら神殿の上の方がうるさくなってきた。

 

「人がゆっくりしてるときに騒ぐなよもう」

 

 東方の友人であるクレインちゃんから送られた超高級羽毛布団からのそのそと起き上がり、騒ぎの方向に()()()()()()

 

 私の可愛くも忌々しい信者たちが右往左往しながら、様々な術理に基づく多重防御を上空に向けて貼りめぐらしていた。

 物理系よりも対神力防御が多いってことはヒュドラとか怪物じゃなくて神とか眷属が相手ってことだな、今度は何しやがったあいつら。

 

「なんだなんだ、またアルテミスの狩場で生贄捕まえたのか? それとものぞき見してるゼウスでも捕まえたのか?」

 

 私の神殿が矢が九、空が一な矢の天蓋(恋愛クソ雑魚狩猟神の絶技)とかブチギレ雷霆ブンブン丸(ナンパ失敗クソ爺の逆ギレ)によって、素敵なオブジェ(がれきの山)に劇的ビフォーアフターされるのはまれによくあることだ。

 状況によっては手助けしてやらんこともない。アルテミスならこっちが悪いので見捨てるけど。

 

 状況を見極めるために視線を信者が見ている空に向ければ、奇怪極まる暗黒神殿に()()()()()()()()()()()()()()()()が降り注ごうとしていた。

 

「は?」

 

 ひと際大きく輝く星の輝きに焦点を合わせれば、星の煌めきを織った薄絹一枚の黒髪星女神(歳考えろBBA)と目が合った。

 

「何考えてんの! うわっ!? ぐべぇ!?」

 

 恒星に匹敵する概念質量を光の速さで無数に叩きつけるとかいう魔法殺しそのものを受けて、信者たちの作り上げた防御と神殿、ついでに私が飛ばした視点も消し飛んだ。

 弾き出された目という概念が光速で戻ってきて、私の頭が凄まじい勢いでベッドを突き破り神殿の床に埋まる。

 乙女が出してはいけない効果音が口から洩れてしまった。

 なけなしの筋力を総動員してエクソシストのポーズから復帰し、頭を引っこ抜いた。

 大理石の欠片を髪の毛から払いのけていると、この部屋と神殿を繋ぐ唯一の鉄扉を叩く音がした。

 

「ヘカテーちゃーん、いるんでしょー。開けなさーい」

「か、母様」

 

 この間延びしたゆるふわボイスは、忌々しいことに私の神話生物学的母親であるアステリア―のものだ。

 ついさっき私の神殿外装を消滅させた張本人でもある。

 

「こ、言伝や依頼でしたらこのまま承ります、どうぞそのまま」

「直接お話ししたいのよー。んー、面倒だし消しちゃおうかしら」

 

 やべぇ、今日は相当気が短いぞ。

 このままじゃ星の光でお掃除されてコレクションが全部消えちゃう。

 

「開けます! 開けますから!」

 

 慌ててダッシュし、魔法鍵とオリハルコンの閂を解除して扉を開けて外をのぞく。

 

「久しぶりねー、ヘカテーちゃーん」

「お、お久しぶりです母様」

 

 夜を思わせる豊かな黒髪を結い上げて銀の月桂冠を乗せた、星の輝きを纏っただけのほぼ全裸女神が輝くような笑みを浮かべていた。

 

「歳考えろBBA」

「ん?」

いえ何でもないです

 

 痴女スタイルに思わず余計な言葉が口から洩れたが、母様の笑みが強くなる。

 笑顔とは本来攻撃的であるとは誰の言葉だったか。

 ゼウスをぶちのめしているヘスティア様の、返り血まみれな笑顔を見た誰かが言ってた気がする。

 ちょーこえーですよ。

 

「ところで、何の御用でしょうか。母様がわざわざ出向くなんて珍しい」

「今日はねー、ヘカテーちゃんに協力してほしいことがあってきたのよ」

 

 そういうと母様は薄絹で覆われていない、女神の秘密のポケット(スマホが隠せそうな谷間)へ手を突っ込むと、創作でよく出てくる一人用コクーン型冷凍睡眠装置みたいなの取り出して床に置いた。大理石が軋んだ。

 いや、谷間から出してはいけないサイズには目をつむりましょう。けれどもトン単位で重量ありそうですけど女神の細腕で片手はダメでは? イメージ的に。

 

「これも読んでねー」

 

 予想以上にパワー系だった母様におののいていると、今度はメモ帳サイズの冊子を取り出し渡してきた。

 体温で生暖かいのが気持ち悪い。

 冊子の題名は”おいでませ理想世界-今日からあなたも主人公-”とかいう頭の悪いものだった。

 パラパラとめくると、なんとも頭の悪いことが書いてあった。

 何でも創作世界のパラメータを入力し、その登場人物として干渉することができる装置らしい。

 神としての権能を持ち込むこともできるし、その世界の普通の存在として生きることもできるとか。

 創世神や太陽神、月神といった時間運航に関わる神々の権能が込められているため、最大一晩で百年程度の体幹時間加速ができるとか。

 プリセットデータなら夢小説の愛され主人公として逆ハー体験できるとか。

 なんかヘファイストスとかドヴェルグが筐体作って、オベロンとかロキが神にも有効な幻術を組み上げ、名だたる創世神がその力の欠片を溶かし込み、この概念を地上にもたらすためだけにプロメテウスが解放されたとか書いてある。

 下界にフルダイブVRができた時点でまた磔にされたのだとか。ケイローン君に救われたのに核分裂反応を教えて磔にされてから不死は誰もプロメテウスのために死んでないからなぁ。残念でもないし当然。

 それにしても技術と権能の無駄遣いが過ぎる。

 

「ヘカテーちゃんは栄えあるギリシャ代表テスターに選ばれましたー。おめでとー、ぱちぱちぱち」

「正気ですか」

 

 こんなもの与えたら私は現実世界に帰ってこなくなるぞ。いいのかそれで。

 いや、ほかの神とほとんど交流していない私なら別にいいのか。

 権能もほかの神に丸投げできるくらい被ってるし、現世で私を信仰する魔術師(ウィッカ)なんて限りなくゼロだし。主流は悪魔だしな。

 

「まぁいいですけど。テスターというと、プリセットで遊べばいいんですか?」

「そうよー、逆ハー物ではないけどねー」

「逆ハーより甘々おねショタがものがいいです、黒髪純真ショタを赤面させるのが至高(鋼の意思)」

「性癖と欲望に素直なのはギリシャ神族の血って感じよねー」

「イエスロリショタ、ノータッチ! 変態野郎(アポロン)とは違うので!」

 

 思わず性癖語りしてしまったが、その間に体は無意識にVRマシンに寝転がっていた。

 欲望に逆らえないのを目の当たりにするたび、自分もゼウスとかアポロンの同類(ギリシャ神)だなと自覚してしまう。

 

「黒髪ショタとおねショタはできるわよー、よかったわねー」

「ッシャオラァッ!」

 

 ぐっとガッツポーズを決める。

 いきなり神生最高のシチュエーションが来たな。マジで帰ってこれなくなりそう。

 

「残念ながら異種姦になっちゃうけど」

「は?」

 

 なに、どういうこと? 意味わかんないんですけど。

 

「原作はウマ娘プリティーダービー、架空馬として生きて、ウマソウルに転生、架空ウマ娘の一生を体感してもらうわー」

 

 つい最近(神様基準)いつも通り東方から持ち込まれた擬人化物じゃん。神界でも人気なのは知ってる。

 けどあれにショタ出てこないじゃん! トウカイテイオーでも愛でろってか! 

 いやおねロリも全然いけるが! ただおねショタならもっと良い。

 

「おねショタはッ! 黒髪ショタはどこに!!!!」

「お馬さんになった時よー。持ち主の子供がそう、あらかわいい。一杯触れあえるみたいよ、よかったわね」

「んぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!」

 

 母様に見せられたのは、ちょっと癖っ毛な黒髪のギリシャ風正統派ショタの完成系だった。神代に居たら変態野郎共(アポロンとかゼウスとかポセイドン)に攫われるレベル。

 畜生、どうしてこんな美ショタと人型でキャッキャウフフできないんだっ!!!! 

 あ、これから畜生になるんだったわ。

 

「発狂しそう」

「血涙流してるし、もう発狂してるんじゃないかしらねー」

 

 目元をぬぐうとほんとに血涙出てた。ドン引きである。我ながらどんだけ黒髪ショタと戯れたかったんだよ。

 

「自分にドン引きするとか相変わらず器用ねー、さ、行ってらっしゃい」

「チェンジ! チェンジでお願いします!!! せめてウマ娘の時も触れ合わせて!!!!!!!!」

「熱意がすごいわねー、(けどそんなチャンスは)あげません!!!!」

 

 スぺちゃんに無茶苦茶似てるぞ!? 

 あ、クソ、心話まで使った芸に驚いた隙を突かれて開閉装置をロックされてしまった。

 

「母様声真似上手!」

「コス合わせの時に必須だものー」

「ウソでしょ……」

 

 母親の意外な趣味に驚愕していると、意識がすっと遠ざかっていく。

 あ、これヒュプノスの権能も入ってんな。

 さらに魂が肉体から引きはがされてく感覚ってこれ死神の権能は入ってるよね。

 これ事故ったら神でも死ねるやつでは? 

 

「ぁ」

「ゆっくりたのしんできてねー」

 

 閉じていく視界の中、母様が笑っているのだけは分かった。

 畜生、絶対ウマ娘になってショタと戯れてやる、絶対にだ!!!!!!!!! 

 




神様(が)転生というよくあるパターン。
そしてうまぴょい(馬憑依)への流れ。

正直読まなくても全く問題がないようにはする予定。

ヘカテーさん
ギリシャ神族が誇る変態ショタ好きオタク女神。
金髪ちんちくりん貧乳内弁慶コミュ障毒舌陰キャ。
巨乳コンプレックスが非常に強い。
インドア派で二次元向きかつイエスショタノータッチ甘々おねショタ派なので脅威度は低め。
一度畜生道に落ちてからウマ娘になるという創作ネタ、神様が転生をリアルに体験することになる。
昔ギリシャ男神総ショタ化おねショタ本を描いてオリュンポスコミックマーケットで頒布した報いを受けたのかもしれない。(女神総ショタ化おねショタ本も描いたが頒布前にアテネに見つかり、ヘスティアにより焚書されている)
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