パクパクですわ!のキャラに転生したんだけど、何か違いますわ…… 作:クレナイハルハ
この話はバッドエンドで終わらせると言ったな
あれは嘘だ
まだ暫く続くぞ☆
【エイプリルフール企画】ゼロからやり直すウマ娘生活
上も下もない、真っ白な空間で二人のウマ娘が話をしている。
「さて、どっちを選ぶんだい?子羊ちゃん、君たち全員が消えるか。それとも、君が全員のウマソウルを受け継いで走るか」
片方は褐色の肌に赤いドレスのような上着とズボンを身に纏った、何処か神々しいウマ娘。
「私は…………」
そんなウマ娘と向き合い話しているのは、芦毛でロングヘアーのウマ娘、彼女は覚悟を決めた様子で口を開いた。
「────」
「ふふふ、君ならそう言うと思ったよ。これはオレからの餞別だよ、受け取ってくれ」
そう言って褐色の肌のウマ娘はその手に浮かぶ光の球体を対峙しているウマ娘へと向ける。芦毛のウマ娘の元への飛来した光はゆっくりと彼女の右腕へ向かい形を変えながら、小さなガントレットへと変化していく。
そしてそのガントレットの手の甲の部分に嵌められた光輝く宝玉へと青、緑、桃色の三つの光が入っていく。
「─────、─────、─────。」
「それじゃ」
「────ッ!」
声が、聞こえる………誰?
「───ちゃん。起きて、起きて!」
意識が段々と浮上する、目の前に飛び込んで着たのは見覚えのない………いや、最近見慣れた天井と芦毛のボブカットのウマ娘。
「クワトロスタイルちゃん。起きて、起きて!」
ネクストステージちゃんが私の顔を覗き込んでいた。
「おはよ、やっと起きた……」
「おはようございます、ネクスさん」
ベッドから起き上がり、洗面所に向かう。鏡には眠そうな目をした芦毛にそれぞれ色の違う3本のメッシュが入ったロングヘアーのウマ娘が写っている。
ささっと洗顔と歯磨きを済ませてパジャマから制服に着替える、ふと着替えながらネクスさんを見れば既に制服に着替え終えていた。
「
「了解です、いってらっしゃい」
部屋を出ていくネクスさんを見送り、教材の入った鞄を手に取り枕元に置いておいたソレを右手に付ける。
右手を軽く振り、ソレが外れないことを確認して私は携帯をポケットに入れて部屋の鍵を鞄に入れる。
「いってきます」
トレセン学園への通学路を歩く。私の他にも沢山のウマ娘が歩いており、雑談しているが見える。
まさか私が、トレセン学園でこのように生活するだなんてあの時からは想像出来ませんわね。まぁ、私の知る学園といま目の前に広がっている学園は別物なのですが。
今日も、私にとっての新たな日常が始まる。トレセン学園中等部、クワトロスタイルとしての一日が。
今日の授業が終わり放課後、私はある目的から一つの部屋へと向かっていた。その目的は、チームに所属してレースに出られるようにする事だ。
私は『チームスピカ』と書かれた部屋の扉をノックして入室する。
「失礼します、担任の先生に紹介されチームへの体験練習に来ました。」
30代くらいの歳に見える少し特徴的な癖毛を後ろで一つ結びに束ね、左側頭部を刈り上げた髪型の男性が椅子に座っていた。
「良く来たな、あんたが■■先生の言ってた?」
「中等部のクワトロスタイルです……あの先ほどから私の足元に視線が行っているのですがゴミでも付いているのでしょうか?」
「いや、少しトモを触ってどれくらい鍛えられてるのか知りたくてなぁ。触っても?」
へ、変態だぁ……いや、これが普通のトレーナーなのだろうか?確かにトレーナーなら走る前に足を触診したりして調子を確かめることもあるのだろうし。
「構いません」
そう言いながらトレーナーが足を触りやすいよう近くの椅子に座り靴下を片足脱いでおく。
「んじゃあ、遠慮なく……そういや聞くがお前、初対面の奴にそんな簡単にトモ触らせるとか凄いな、スペの時は蹴りあげられたんだが」
若干くすぐったい気がするが、我慢する。と言うかこの人さっきウマ娘に蹴られたって言いました?
「よく死にませんでしたわね……まぁ、貴方はトレーナーなのでしょう?ならばこれは貴方が私を鍛えてるのにあたって必要なことなのでしょうから、許容範囲内ですわ」
ふと、右手に付けたソレに嵌められた宝玉を見つめる。シオン、これが貴方達の知るトレーナーとの関わり方なのでしょうか?
何故だろうか、何処からか『絶対に違うねぇ』と言う声が聞こえた気がした。
「それ、なんだ?」
「
「へぇ、大事なものなんだな。よし、特に故障や変なクセも無さそうだし練習始めるか。アイツらも自主練習して待ってるし」
「分かりましたわ」
そう言いながら靴下を履き直してトレーナーの後をおい、見覚えのあるウマ娘達が練習している場所へと向かう。
「ところで、お前の目標は?」
「私の目標は彼女達の勝ったレースに勝つこと。有馬記念に皐月賞、高松宮杯。そして……春の天皇賞に勝つことです」
「ッ………そう、か」
一瞬だが、沖野さんの声が詰まったような気がした。もしかしたらこの人が育てていたウマ娘が、さっき挙げたレースの何れかを目指しているのかもしれない。
私は、このチームから離れた方が良いのかもしれませんわね。
テーテーテ♪テーテーテテー♪
テーテーテテーテーテー♪
╲ガコン!!╱
「例え共にいなくても、私達の魂は繋がっているッ!」
NEW!
〔Take Over Souls〕
クワトロスタイル
☆☆
固有スキル『因子継承ーフュージョンライズー』
【容姿】
アーリースタイルの容姿はそのまま、真っ白な髪には青、桃、緑色のメッシュ生えている。
【キャラクター設定】
元の世界からズレたウマ娘世界の修復を行うため、元から存在してはいけなかったアーリースタイルが消え、ちゃんとしたウマ娘として生まれ変わり、ナナシノテイオー、アグネスルクシオン、ワイドネイチャの魂を引き継いで誕生した新たなウマ娘。
【勝負服】
ワイドネイチャのブーツ、ルクシオンの試験管を太ももに三本づつ飾り、原案マックイーンのドレスの上からナナのマントを羽織り、右手には三女神から受け取ったソウルスパーク(タイガスパーク)を装着している。
【キャラクターイメージボイス】
「私はアー…いえ、今の私の名はクワトロスタイル。四つの魂を繋ぎ走る者ですわ」
「例え共にいなくてもッ」
「サングラスや赤い服を着るか?いえ、ありませんが………」
「新しい時代を作るのは、常に新しい人、ですわよねぇ」
「さぁトレーナーさん、お手をどうぞ。ウィナーズサークルへお連れしますわ」
エイプリルフールネタで書きたくても間に合わなかったifの話ですが、せっかくなので投稿ですわ。
ご愛読ありがとうございます
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