パクパクですわ!のキャラに転生したんだけど、何か違いますわ…… 作:クレナイハルハ
皆さんのお陰で30、31日の間に日刊で初めて1位をパクパクすることができましたわ!
いつも愛読本当にありがとうございますわ!
今年もよろしくお願いいたしますわ!
メジロマックイーン(原案)side
「釣れないですわねぇ……」
思わずボケーっとしながら一切動かない釣竿を眺める。
以前のレースから数週間。一応、ネットで近くに釣りの出来る海があることが分かったので、早速100円ショップで釣竿やバケツを購入した。他にもキャンプ用のカセットコンロ等を買い、本格的に食べ物は自分で手に入れる感じの思考になってしまっていましたわ。
まぁ、その場で調理した方が美味しいと言いますし……コンロは無駄な出費ではありませんですかね?はぁ、どうしてこうお金が入ったら使いたくなってしまうのでしょうか?まぁ、買ったのは仕方ないですし、有効活用させて頂きますわ。
そう思いながら釣竿を一度上げて餌を外し新しい餌を付け直し再び糸を垂らす。考えてみれば海釣りなんて初めてですわね。
せめてアジかサバ、イワシでも釣れたら良いんですけどねぇ。
そんな事を考えながら遥か先まで続く青い海を眺める。
さすがに今回は勝負服ではなく、パーカーの下に昔に買った『I Love スイーツ』と描かれたTシャツを着てズボンを履いた服装で来た。レース以外で勝負服は着ることないでしょうけど。
あのレースの後に次のレースも出場するように頼まれ、次のレースも参加が確定してしまいましたわ。ま、頼まれた以上は楽して稼がせて頂くとしますが。
それにしても、釣りをしてるウマ娘って凄く浮きますのね?さっきから観察するようにジロジロと見てくる視線が凄いですわ。
………と言うか、なんであんなに泳いでいるのに一匹も掛からないのかしら?と言うか近くを泳いでいる魚達は煽ってるのかしら?煽っていますわ、絶対にあの魚達私のこと煽ってますわ。
「……フフフ、よろしいですわ。なら戦争ですわ、一匹も残らず捕まえて差し上げますわ!」
そう言いながら買っておいた100円ショップで売っていた網を手に取りズボンを捲り荷物の近くにパーカーを脱いで置く。
「フフフ、魚ごときが私を煽るのが悪いんですわ。」
そう言いながら海に入り網を慎重に動かし魚を網に入れまくる。
はいそこ!次!その隣!と、どんどん取って行く。食べられる魚なのか、毒のある魚なのか、単純に食用に向いてない魚なのかを考えずにひたすら網を動かす。だって
「はぁ、はぁ……大漁ですわ。これだけあれば食べられる魚もいるはずですわ、きっと」
網で取りまくった魚達を一気にクーラーボックスに入れる為、私の荷物が置いてあった場所へと向かう。
「はぁ、疲れましたわ」
「やぁ、お疲れさま。ずいぶん大漁のようだね」
「そうなんです、の?」
あれ?私、誰かと一緒に海なんて来ましたっけ?
そう思いながら声の聞こえてきた方を見ると、栗毛のふわふわショートウマ耳、頭頂部から奔放すぎるアホ毛が伸びており、ハイライトの無い瞳、海にはおおよそ相応しくないであろう白衣を着たウマ娘が立っていた。
見れば、ハイライトのない瞳には狂気が滲んでいる。そう例の『はーやーくー!』やヤンデレで有名なあのウマ娘、アグネスタキオンである。
でも何処か雰囲気が違いますわね?気のせいでしょうか?
「まぁ、半分は毒魚のようだけどね。」
「え………」
思わず魚の入った網を見る。嘘でしょ?この半分が、パクパク出来ないの!?
「まず、それとこいつは食べられる。食べられる物からクーラーボックスに入れていこうか」
取り敢えず、タキオンさんに言われた通り魚を食べられる魚と食べられない魚で分けていく。取り敢えず、4日は大丈夫そうですわね。
あとは食べられる野草と、コンビニとスーパーの割引商品を買いまくればヨシッ!ですわね。
「さて、一つ質問があるのだけど」
「な、何ですの?」
「君は
え、そう言えば先ほど感じた違和感。それにアグネスタキオンはトレーナーがべったりで、そもそもトレセン学園からこんな所まで来るのでしょうか?それにコートも少し違いますわね?それに靴もスニーカーではなくヒール?
ま、まさか!
「あ、貴方も!」
「私からすれば、君も……だね。所でマックイーン君、一つ君に言いたい事がある」
ま、まさか私以外にも原案のウマ娘が!?それに言いたい事って、まさか私が本当のメジロマックイーン(原案)では無いと見抜いたのかしら?
私はゴクリと喉を鳴らし、アグネスタキオン(原案)の次の言葉を待った。
次の瞬間、アグネスタキオン(原案)は言った。
「君の家に居候させてくれないか?」
「………え?」
「君も分かるだろ?突然こんな別世界に転移したんだ、更に言えばこの世界の私が学園にいる。つまり私には家が無いんだ。」
「な、なるほど。分かりましたわ」
うぅ、お魚は2日で無くなりそうですわ……。
取り敢えず、アグネスタキオン(原案)に私がメジロマックイーン(原案)になった普通の人だとばれないよう頑張らなければなりませんわね。
そう思いながら私は、アグネスタキオン(原案)と共に重くなったクーラーボックスを持ち家へと向かうのであった。
???side
私の名前は
私はウマ娘の走る姿が好きだ。可憐に、強く感動するレースを見せてくれる彼女達が好きだ、そんな彼女達を守りたい、そう思いURAの潜入捜査官となった。
この世界は明るい事ばかりではない。ウマ娘の違法賭博やレースが毎年100件近く報告されている。そのレースに出るウマ娘のほとんどがトレセン学園に入る事すら出来なかった子達だ。
そんな彼女達が出来るレースを、賭博として使う。一時でも夢であるレースをさせてあげる代わりに勝者以外には賞金を払わず自分達ばかり儲けようとする奴らを捕らえるのが私の仕事だ。
そう、いつも通り違法賭博の場所へと
そう思いながら、次に来るであろう賭博参加者を待つ。その時だった、瞳に一人のウマ娘が映り込む。
嘘だ、あり得ない。あり得るわけがない。
そのウマ娘は、見覚えのある勝負服。
僅かだが、白く見えるよう細工したのであろう綺麗な紫色の長い髪。
なんで、なんで貴方が……貴方のような人がここにいる!?
そこに居たのは、あのメジロ家の令嬢であり天皇賞を優勝したウマ娘であるメジロマックイーンだった。
まさか、彼女もこのレースに……いやあり得ない。
どうか勘違いであってくれ、そのまま通りすぎてくれ。そう願うが現実は違った。
メジロマックイーンはまっすぐ違法レースの受付である自分へと向かって歩いて来ていた。
思わず口が開いたまま動かない。嘘だ、あんなに頑張って、走っている彼女が違法賭博とレースに関与しているなんて。
その時だった。
「何時まで口を開けているの?はしたなくてよ?」
その声が彼女である事を示していた。あの天皇賞優勝と言う名誉を手にした筈の彼女が、なぜ。
メジロマックイーンと言う彼女に対して抱いていた思いが崩れる。いつも動かずに笑顔をキープしているはずが、笑顔どころか悲しい顔のままだ。
「すいません、お名前をお願いします」
どうにか笑いながらそう言って名簿を渡すと、彼女はすぐに書いて返してくる。彼女の書いた名前の欄にメジロマックイーンの名はなかった。あるのはアーリースタイルと言う偽名。
そう言えば今のメジロマックイーンの勝負服は白い物だった。だけど、その前の勝負服は確か黒。アーリースタイルと名乗った彼女の着ている勝負服はメジロマックイーンが以前に使っていた勝負服。
だから、
いやまて、確かに彼女の容姿は間違いなくメジロマックイーンそのもの。だけど、まさか双子なのか?
いや、確かメジロ家の令嬢としての繋がりは確かメジロドーベルとメジロライアン、メジロアルダンにメジロブライトだったはず。
メジロマックイーンに双子がいたなんて情報は……まさか。
考えられるのは……彼女は、アーリースタイルは恐らくメジロ家の悲願であったはずの天皇賞、それにメジロマックイーンより先に目指すよう教育されていたが、メジロマックイーンが天皇賞達成した事により、必要なくなった為に廃棄され、家名すら名乗れなくなってしまった無名のウマ娘。
他にもメジロ家の男性陣の不倫によって生まれ忌み子として捨てられた。どうにか生きてきたが、お金が無くなり賞金目当てでこの闇レースを見つけ参加した。
クッ、取り敢えず考えても仕方ない。彼女のレースを見れば分かるかもしれない。
そう思いレース場を見た私は言葉を失った。
レースをかけるウマ娘の中の一人。目立つ彼女は走りながら笑っていた。まるで、獲物を前にした肉食獣のように、圧倒的な走りで全てのウマ娘達に大きな差を付けて勝利したのだ。
更には走り終わった彼女は速度を緩めながら、観客席へと手を振っている。その様子はまるでウマ娘の公式のレースのようだった。
彼女は、一体…………とにかくURAに報告ね。
一方その頃。
「えー、紅茶は無いのかい?」
「遠慮がありませんわ!?」
みんな》メジロマックイーン!メジロマックイーン!
メジロマックイーン!メジロマックイーン!
タキオン(原案)》わたしだ!
そんな訳で、新キャラアグネスタキオン(原案)出走ですわ!
ご愛読ありがとうございました
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