パクパクですわ!のキャラに転生したんだけど、何か違いますわ…… 作:クレナイハルハ
念のためキャラ崩壊注意ですわ。
メジロマックイーン(原案)side
「じゃ、じゃあアーリーちゃんポップ頼んだよー」
そう言って雇い主であるスーパーの店員が、表のレジへと向かって行くのを見送り、私は目の前に置かれた紙とペンを眺め悩んでいた。
「そもそもバイトにポップを任せても良いのでしょうか………」
今日はスーパーマーケットにバイトしに来ていた。家にはシオンがいるので、留守は問題ないのですが変な薬品やらを作ってないかどうかだけが不安ですわ。
それにしても、休憩ついでに書いてみてと言われましたが……どう書けば?思い付かなかったら、最終的にはあの謎構文を書きましょうか?むしろスーパーマーケットならやらなければならない気が……。
そうして完成したのが
【『チョコが一番ですわ!』ワッフルと言えばコレですわ!種類はいっぱいありますけどもチョコですわ!これだけあれば勝ちですわ!!】
と言う、何とも不思議なポップであった。まぁ、売れたら売れたで良かったと考えましょう。さて、少し休憩したら品出しに戻りますわ。
そうして休憩後に品出し等を終え、ついでに売れ残った割引商品もゲットし家へと向かう。それにしても、バイトをしている私を皆が見て驚くのですから不思議ですわ。
しっかりネームプレートにアーリースタイルと書かれているのに、おかしい話ですわね。
そう言えば、一度ウマ娘の方に話しかけられましたわね。珍しい赤髪……この世界では普通でしたわ。赤髪をツインテールにし、トレセン学園の制服を着ていたウマ娘に『あんたもバイトするんだ……まぁ、その……頑張って』と話しかけられましたわね。
まぁ、本人ではないので気にしませんが……でも何故でしょう?彼女を見ていたら『イケメンの彼氏募集中』と言う言葉が頭に浮かんだのですが、まぁいいですわ。
そんな事を考えていると、アパートの借りている部屋の前まで来ていた。
「ただいま、ですわ」
「あぁ、お帰りアーリ」
その声が部屋から聞こえてきた、何でしょう。一人暮らしでしたから、返事が来るのは少し変な感じですわね。
「今すぐご飯の準備をするので待ってて下さい」
手を洗い、台所に入り、かけておいたエプロンを身に着ける。早速買ってきた惣菜の中で揚げ物のパックを一度開け、100円ショップで買った耐熱皿に盛り、少し水をかけ電子レンジへと入れる。
そして買っておいたお米を洗い炊飯器へと入れてスイッチを押す。後は、買ってきた惣菜や冷凍食品を冷蔵庫へと入れる。
さて、お米が炊けるまでに何かもう二品作りますか。
「さて、あともう二品……ポトフが無難ですわね、簡単ですし。」
早速切ったじゃがいもを鍋へ入れ煮込みながら続けてキャベツを切り鍋へと入れる。
そしてベーコンを刻み鍋へ投入し、軽く混ぜてからコンソメを入れ、塩コショウを入れて味を整えつつ煮込む。
八百屋から仕入れた野菜は全て新鮮なのに安くて助かりましたわ。
「さて、後一品」
にんじんを輪切りに切って面取りをし、耐熱皿へ入れる。シオンも私も一応ウマ娘ですし、にんじんを摂取しておきますわ。それにしても、そう思い切り終えたにんじん達を見る。
ウマ娘の世界のにんじんって凄い甘いと描写されていましたが、実際どうなんでしょう?品種改良でもされてるんでしょうか?
そんな考えをしながらにんじんの入った耐熱皿にバター、砂糖、水、塩を少々入れてラップをする。
揚げ物の温めが終わったアラームを聞き電子レンジから揚げ物の入った皿を取り出しにんじんの入った耐熱皿を入れて加熱する。
その時、炊飯器からご飯が炊けた音が鳴る。即座に軽くかき混ぜ、蓋を閉めて蒸しておく。
鍋から皿にポトフを盛り付け、揚げ物の皿と共にシオンのいるリビングへと運ぶ。
「ご飯が出来ましたわよ」
「分かったよアーリ、皿を運ぶのは任せたまえ」
炬燵のテーブルにポトフと揚げ物を置き、台所に戻ると電子レンジにいれていたニンジンのグラッセも出来ていたのでそのまま取り出しラップを取ってから炊飯器と共に炬燵へと運ぶ。
そして二人で炬燵に入り食事をはじめました。
「それにしても、何処で料理なんて覚えたんだいアーリ?」
「まぁ、色々と仕込まれましたから。そう言えば、今日は何をしていましたの?」
そういいながら揚げ物を口にいれ咀嚼し、白米を頬張る。
「そうだねぇ、テレビやパソコンで情報収集をしていたよ。我々の世界とこの世界は大きく違うようだね」
ふむ、ポトフはいい感じでじゃがいもが柔らかくなっていますわね。
「どう言う事ですの?」
「今日確認した限り、この世界のライスシャワーは僅かだが前向きのようだね。そう言えば、この世界の君のレースが再放送されていたよ」
「そうですか」
さてさて、ニンジンを食べて見るとしますわ。一体、どんな違いが……。
「君はこの世界の君自身に興味は無いのかい?」
「ありませんわ、私は私ですから」
そういいながらニンジンのグラッセを口へと入れる。
……普通、ですわね?普通のニンジン、甘さも普通ですし食感も何も変わらないですわね。
まぁ、甘いものはスイーツパラダイスに行きたいところですが半額の商品で我慢をすれば良いですし。
『スイーツワールド!沢山のケーキやクッキーといったお菓子をバイキング形式で楽しめます!ウマ娘も大歓迎!!今ならカップル割引キャンペーン中!是非とも当店へとお越しください!!』
そのCMが聞こえた瞬間に私はテレビを見つめ、即座にシオンの方へと向き口を開いた。
「シオン、明日の予定は?」
「アーリ…まさかだが」
そう聞くと、シオンは少し呆れた様子で私を見つめる。
「そのまさか、ですわ。それに、今時カップルが男女のみだなんてあり得ませんわ」
有名な言葉である『男の人は男の人同士で。女の子は女の子同士で恋愛すべきだと思うの』が正しいならば、私とシオンでもカップル割引が成立するはずですわ!
フッフッフ、待っていなさいスイーツワールド。久しぶりにスイーツを沢山パクパクしに行きますわ!
次の日、早速私達はスイーツワールドへと来ていた。一応、家を出て店の近くになってからカップルだと見られるようにシオンと手を繋いで歩いていましたが、まぁ視線が凄かったですわ。
それに、何故か何処からか救急車が来て頭にリボンを着けたウマ娘の方が搬送されていきましたが、大丈夫でしょうか?
まぁ、そんな事はさておき。
やはりスイーツは最高ですわ!
「美味しそうに食べるねぇアーリ……」
「そうでしょうか?」
「少なくとも、普段学園で見かけていた君とは思えないほどだね」
そう言って昨日と同じように呆れた様子で私を見る。まぁ、原案のメジロマックイーンはスイーツ好きと体重の増減が凄いことは隠していたみたいですし?別に私は気にしないのですけどね。
「はい、アーリ」
「?」
そう言ってシオンは手元のモンブランケーキをフォークで一口分くらい掬うと私の方へと差し出した。
「えっと……」
「何を困ってるんだいアーリ?私達は一応カップルを装ってるんだ。これぐらいはしておかないと怪しまれるだろう?」
「そ、そうですわね」
そう言って差し出されたモンブランケーキを食べる。ふむ、この店のモンブランはバリうまですわ!ウマウマですわ!
「ではお返しに」
そう言って手元にあるショートケーキを一口分掬いシオンへと向ける。
「ありがとうアーリ」
そう言って恥ずかしがる様子も見せずあーんしたケーキを食べるシオン。
「ふむ、たまには甘いものも良いね。」
「そうですわね、やっぱりスイーツは最高ですわ!」
こうして私達は時折食べさせ合いつつ、スイーツワールドにてスイーツを満喫したのだった。
オグリキャップside
休日、私は友人であるタマモクロスと共に町へと出掛ける約束をし、買い物に来ていた。
中央のトレセン学園の付近は凄いな。こんなにも料理店や服屋、ゲームセンターに本屋等が揃っている。
それにしてもタマは何処だ?
そう思い周囲を見回しながら歩いていると、スイーツワールドと言う店に目がいった。店内が見えるガラス張りで美味しそうなケーキを頬張る人達が見える。
旨そうだな……ん?
スイーツワールドの前に佇むタマモクロスの姿を見つけ、私は即座に彼女の元へと向かう。
「タマ、すまない待たせてしまったな」
「………」
「タマ?」
話しかけるが、タマは先程から変わらずに三女神の像のようにピシリと固まったままだ。どうしたのだろう?体調でも悪いのだろうか?
そう思いタマの顔をみるが体調を崩している様子では無さそうだ。
「タマ、さっきから何処を見ているんだ?」
タマの見つめる先、スイーツワールドの店内を見ると、そこにはテーブル席に座り美味しそうなケーキを食べさせ合うメジロマックイーンとアグネスタキオンの姿があった。
それにしてもメジロマックイーンの髪はあんな感じだっただろうか、何時もと違い白く見えるが。それにアグネスタキオンは学園で何時も通り薬を作っているはずだが、息抜きだろうか?
「二人は仲が良いんだな………タマ、もしかしてこの店に入りたいのか?」
「ありえへん……オグリ、ウチが見てる光景は夢か?」
「大丈夫か、タマ?」
「よし、現実やな。って!どうなってるんアレ!え!?メジロマックイーンとアグネスタキオンってアレなんか!?」
先ほどまで固まっていたのがありえないと思える程に早口で喋り出したタマ……本当に大丈夫だろうか?
「アレ友人やないやん!なんなん!?あ、あーんを少しも恥ずかしがらずにしあうなんて!?そんなんもう恋人やカップル越えて夫婦の域やろアレ!?」
「お、落ち着けタマ」
「てかアレか!?前からデキてたんかあの二人!?学園で接点まったく無かったやろ!?」
いや、友人とかなら普通にあーんとかすると思うのだが……。
その後、タマが元の状態に戻るまで30分かかった。
後日、トレセン学園での授業が終わり昼休み。
私とタマは昼食をとる為、カフェテリアへと向かっていた。
見ると少し先でトウカイテイオーとメジロマックイーンが談笑しながら歩いていた。どうやら彼女達もカフェテリアへと向かっているようだ。
「うぅ、昨日の店での一件を思い出してしもた……気になるぅ」
「なら直接本人に聞いたらどうだ?」
「無理や!?そんな勇気あらへん、それにこの件は言わずに見守った方が──」
「なら私が聞いてくる」
「なっ!?ちょ!オグリー!?」
少し歩く速度をあげ、メジロマックイーン達へと向かい声を掛けた。
「すまない、少し良いだろうか?」
「確か君は……」
「オグリキャップさん?私達に何かご用でしょうか?」
そう言って振り返り、首を傾げるメジロマックイーンとトウカイテイオーに私は頷いて返す。
「メジロマックイーン、君はアグネスタキオンとその……付き合っているのか?」
「は、はい!?」
「えぇー!?嘘でしょマックイーン!?!」
「先日、君とアグネスタキオンがスイーツワールドと言う店でケーキを食べさせ合っていたが──」
「オグリーッ!そう言うのは本人に聞いたらアカーン!!悪いなお二人さん!ほな!!」
そう言ってタマが私の腕を引っ張ってその場から離れる。
「ど、どうしたタマ?」
「どうしたもこうしたもあらへん!そう言うのはせめて彼女らともっと仲良くなってから聞くのが普通や!」
その後、カフェテリアに着くまでタマのお説教が続いた。
タマが気になると言ったから聞いたのだが……。
「……ねぇマックイーン、さっきの話って」
「誤解ですわ!?私まだスイーツワールドには行けてませんし……」
その後、学園ではメジロマックイーンとアグネスタキオンが付き合っていると言う噂が流れたのであった。
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