パクパクですわ!のキャラに転生したんだけど、何か違いますわ…… 作:クレナイハルハ
皆さんお待たせいたしましたわ!
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「さて、どうするか……」
久々の休暇、何をすべきか分からず一人そう呟く。
「全く、彼女達は心配しすぎだ。急に休め、などと……ふふ、いい仲間を持ったものだな。」
私の名はシンボリルドルフ、トレセン学園に在籍し生徒会長の役職についているウマ娘だ。
昨日、いつもと同じように生徒会の書類を確認しサインをするなどの作業を行っていたところ、生徒会のメンバーに『たまには休んでください』と言われ、こうして突如として次の日が休みとなった。
しかし、本当にどうするべきか……。
片手にアゴを乗せて考える。そうだな、取り敢えず走ってトレーニング、では休暇ではないか?ならテイオーと出掛ける……いやテイオーも今日は休暇で出掛けていたな。
そうだな……久しぶりに私も街に出掛けてみるか。
そう思いながら久々に着る私服を身に纏う、最近は生徒会の仕事で忙しかったから、こうして私服を着るのも久しぶりだ。
久しぶりの外出、何をすれば良いのか分からないことに悩みつつ私は町への道を走る。
街には着いたのは良いのだが私のファンと思われる人達が反応し、それをウマッターにあげたりする者もいたのか、すぐに囲まれ握手やサイン、写真等を求められ断れずファンサービスをしてしまった。
フフ、これではエアグルーヴに『これでは休日とは言えない』と怒られてしまうな。
結局、沢山のファンに囲まれゆっくりとした休日では無いが楽しい休日を過ごせた気がする。
日が傾き門限の時間が近付いて来る、町には仕事終わりの人が多く歩いているようだ。
「さて、私も寮に──」
寮に戻ろうと座っていたベンチから立ち上がった時だった。聞き覚えのあるウマ娘の声に思わずウマ耳をそばだてる。
「全く、最近ついてませんわ!」
「仕方ないさアーリ、給湯器が故障したんだ。近くにある銭湯に行くのは仕方ない事さ」
思わず聞こえてきた方向を見る。
後ろ姿だけだがあれは……
見えたのは、バッグを持ち黄色くケロリンと書かれた洗面器を持つメジロマックイーンとバッグを持ったアグネスタキオンが並んで歩いている姿だった。
「まさか、彼女が学園の実験室から出るとは……」
そう呟き、彼女達の後ろを歩く。別に銭湯に行きたい訳ではない、もうすぐ寮の門限になってしまうことを伝える為に追いかけるのだ。
けっして銭湯に行きたいという訳ではない。
誰に言うまでもなく、心の中で何かにそう話した私は彼女達を追跡する事にした。
それにしてもメジロマックイーンとアグネスタキオン、一体どんな接点があって共に銭湯に?確かアグネスタキオンの同室はアグネスデジタルで、メジロマックイーンはイクノディクタスのはずだが。
「そういう割にはずいぶんとご機嫌な様子だねアーリ?桶まで持ってずいぶんと気合いを入れてるじゃないか」
「せっかく銭湯に行くのなら堪能した方が良いに決まってますわ!今から行く銭湯は色々な湯があるようですし」
この近くに銭湯があったのか、知らなかった。
どんな湯があるのだろうか?
よくウマ娘同士やトレーナー同士で温泉や銭湯に行った等の噂を聞くことはあるものの、実際に行ったことが無い故に、興味をそそられる。
「確か……電気風呂、打たせ湯にサウナ、後は露天風呂があったはずですわ」
「へぇ、それは楽しみだね」
電気風呂………どんな湯なのだろうか? そもそも湯の中に電気が出ていれば感電するのではないか? 打たせ湯、一体どんな湯なのだ?
だが露天があるのか……
彼女達の話が確かなら寮に帰っても風呂は壊れて使えない、なら私も銭湯に入ってから帰るべきなのではないか?
だが、タオル等の入浴用具は寮室に……
「そう言えばシオン、ちゃんとタオルは持ってきましたか?」
「当然だとも、バスタオルを忘れるはずが」
「いえ、長く小さなタオルですわ。ほら頭に乗せたりする」
「………忘れてしまった」
「なら百円ショップに寄りますわよ、最近の百円ショップは結構何でも揃いますわ!」
なるほど、急がねばならない!
この日の為に鍛えて来たと言わんばかりの速度で二人の入っていった100円ショップに入り入浴用具を入手する。
聞いた通り本当に最近の100円ショップは凄いな、日用品だけではなくリュックやイヤホン、お菓子まで揃っているとは。
ささっと買い終えた物達のタグを外し、店から出てきたメジロマックイーン達を追いかけていくと『スーパー銭湯人参』と言う看板のある建物に入っていった。
ゆと描かれた暖簾をくぐり、即座に受付で入浴代を払う。店員には驚かれたものの、何も言わず対応してくれた。
流石はプロフェッショナルだ、今度もう少し早い時間に来たときにサインでも残していこう。
そう思いながら女と描かれた暖簾をくぐると大きな空間に数ヶ所で分けられた湯船があり、手前に体を洗う場所と思われるシャワーが並んでいた。
服を脱ぎながらふと、目に入った入浴時のルールを確認する。
入り口から銭湯に入ると、暖かい空気を肌に感じた。早速入浴時のルールに則って体を洗い、髪と尻尾を洗ってから湯船へと浸かることにした。
チラリと確認すると、先程の二人は外に繋がる扉へと入っていっていた。流石にこれ以上追跡する必要はないだろう。
そう思いながら、気になっていた電気風呂なる湯船を探し早速中に入る。すると、まるで電気マッサージに似たピリピリとした電気の感覚が肩や腰などに現れた。
「ふぅ……」
書類仕事で固まった体をゆっくりと解してくれた。しばらく電気風呂を堪能し次に打たせ湯に向かってみた。何となく入ってお湯を浴びた時に、修行僧が滝行している様子が脳裏をよぎったが、落ちてくる湯が肩に当たりさらに肩のコリが解れていくように感じた。
続いてサウナ室に入る事にした、外から見るに湯船は無さそうだが。
そう思いながら扉を開いた瞬間に、銭湯で感じていた暖かい空気より遥かに暑い風が体を襲う。それに耐えながら中に入り座る。
説明文を見るにサウナとは、遠赤外線や蒸気などで高温になった室内に入り、体を温め発汗する温浴法。 別名「蒸し風呂」とも呼ばれ、 サウナはフィンランド発祥と言われている。
ふふ、自慢できる豆知識が増えたな。今度はテイオーも連れて来るのが良さそうだ。いや、それよりエアグルーヴ達を連れてきて共に電気風呂に入る方が先だな、彼女達も疲れているだろうし。
そう思いながら最後に露天風呂に入る、外の湯船だからか吹く風に寒気を感じる。暖かそうな湯気を漂わせる湯船に浸かる。ゆっくりと息を吐き温かい湯船を堪能する。
そう言えば、メジロマックイーンやアグネスタキオンの姿が見えないな。恐らく私より先にあがって帰ったのだろう。
まぁ、給湯器が壊れたのなら他のウマ娘達も通常より遅く帰るだろうしもう少しぐらいゆっくりしても構わんだろう。
と、思っていたのだが。
「一体こんな時間まで何処に行ってたんだい!?」
帰ってきてそうそうヒシアマゾンからの雷が落ちた。
「い、いや給湯器が壊れたと聞いて銭湯に……」
「そんなの聞いてないぞ?」
バカな、確かに彼女達は給湯器が壊れたと……。
「わ、私以外にも銭湯にいたウマ娘達がいたのだが彼女達も帰ってきて」
「ん? 今日の外出届はアンタとテイオーしか出ていないよ? テイオーは外泊届を出していたから帰ってこないのは当たり前だが」
「バカな、確かにメジロマックイーンとアグネスタキオンが外にいたはず……」
どう言うことだ?確かにあの時見たのはメジロマックイーンとアグネスタキオンのはず。買い物だってしていた、幽霊ではない。
「それについては後で聞くとして──」
その後ヒシアマゾンの説教は十分程続いたのだった。
「カイチョー、ボク先にあがるよ」
「待て待て、まだまだ他に堪能するべき湯船が──」
「オフロナガイヨカイチョー………ボクノボセチャッタヨー」
ご愛読ありがとうございます
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お待ちしています。
「お風呂は自分のペースでのびのびと、ですわ♪」
「誰に向かって言っているんだいアーリ……」
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