パクパクですわ!のキャラに転生したんだけど、何か違いますわ……   作:クレナイハルハ

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パクパクですわ!!(挨拶)



筆がのりました、そしてゴルシウィークですわ!

トレーナーの皆様、頑張って下さいですわ!




レースですわ!(一緒)

メジロマックイーン(原案)side

 

 

朝、私はご飯を作りながら闇レースのサイトを見ていた。以前に私は楽にどかんと稼ぎたい、稼がないと生活が不味い。そう考えて闇レースへと挑み、賞金を得た。

 

8人でのレースは参加し勝利したウマ娘に賞金が配られる。だが今回出るレースは以前と違い私が出た時よりはるかに多い人数の参加するレースで参加するウマ娘の募集数は18人、その中の上位者3名は賞金を得られる。

 

故に、私は考えた。

 

私一人のレースで手に入れた賞金で暫くはどうにかなる。

 

でも、これからはウマ娘3人で過ごしていく。故に食費、ナナの日用品を買うのに使うと一気に無くなってしまう。

 

ならば今回はシオンとナナを誘って行くしかない。誘って、3人で1位2位3位の上位に入れば暫くは楽が出来るだろう。

 

ついでだが、ナナとは先日私のおうちにお迎えしたトウカイテイオーの渾名である。改めて考えたら私達が彼女をテイオーと呼ぶのは明らかに不味い、そう考え渾名をナナシノテイオーから取り『ナナ』となった。ついでですが私の提案したナナチは却下されてしまいましたわ……。

 

「シオンにナナ、私と一緒にレースに出ませんか?」

 

「……………?」

 

「急にどうしたんだいアーリ……」

 

こたつに入ったまま黙ったまま首を傾げるナナに困惑した様子で口を開いたシオン。

 

 

「うちも人が2人から3人に増えましたし、ナナのベッドやら布団やら服やらを用意しなければなりませんわ。一応、用意は出来るのですが、それをすると一気にお金が無くなるのですわ」

 

まだバイトのお給料が出るのも先ですし。

 

「なるほどね、分かったよアーリ」

 

「………ボクはいいよ」

 

よし、言質とりましたわ!

 

「では登録は私がやっておきますわね。当日は勝負服を持っていき向こうで着替えますわ」

 

フッフッフ、向こうで勝負服に着替えれば前みたいに注目されることなく行けますわ。まぁ、私はともかくシオンかテイオーが確定で2位に入って勝利を取ってきてくれるでしょうし、これで勝ちですわ!

 

まってなさい賞金!そしてスイーツワールド!勝ってとにかくパクパクしに行きますわ!そう思い、早速電話しようと考えながらこたつから立ち上がり───

 

「ッ!?」

 

目の前の光景が少しブレた様に見えた気がして片手で額を押さえて瞼を閉じた。

 

「アーリ?」

 

「マックイ……アーリ?どうしたの?」

 

疲れてるのでしょうか? 最近何処かボーっとすることも増えましたし、ストレスでも溜めすぎているのでしょうか?

 

「いえ、何でもありませんわ」

 

取り敢えず二人にそう返し一度アパートの廊下に出て裏レースへと二人の参加を伝えた。なんとか募集内に入りきることが出来たので、一安心ですわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

降矢 零菜side

 

 

あの日、あの闇レースで彼女を見てから何度か闇レースが開催された。違法賭博とはいえ、証拠を掴むことが出来ずいまだに潜入を続けている。

 

最近、何故か学園の外で一人のウマ娘を見たと言う報告があった。そのウマ娘の名はアグネスタキオン、ウマ娘の肉体に強い関心を持っており、持続的に身体能力を向上させる研究を主軸に様々な薬品や機械を作り出している。

 

他者を研究に躊躇なく巻き込むため、学園にいる同期からは彼女の話を聞く事が多い。そんな彼女が学園の外で、様々なウマ娘に何かを聞いて歩いていたらしい。

 

質問されたウマ娘に聞いたところ、何でも自身の噂やトレーナーが付いているか等の質問を何度もしてきたらしい。

 

彼女は一体なにをしているの?

 

さらにはメジロマックイーンが夜に山へと入っていく所を見た、スーパー等でアルバイトしている姿が見られた、他にもアグネスタキオンと共に銭湯に入っていたと言う証言やトウカイテイオーが泣きながら夜の町を走っていた。

 

そんな証言が多く報告されている。

 

報告者の中には、トレセン学園からの声も少なからず存在する。あのシンボリルドルフからも報告は出ているのだ。しかも報告されたウマ娘達は、皆必ずその時別の場所にいたり、寮室にいたと証言する。

 

彼女達に似たウマ娘が存在する?

 

だとしても多すぎる、一体何が起こっている?

 

そんな事を考えながらも安良 灯香(やすら とうか)として私は受付に来たウマ娘に笑顔で対応をする。

 

これまで来たウマ娘は15人、残っているまだ来ていない3人のウマ娘に来ないでくれ、こんな闇に足を踏み入れないでくれ、と願わざるを得ない。

 

そんな願いは、最悪の形で裏切られた。

 

此方へと向かってくる三つの足音、聞こえてきた方向を見る。

 

そして私は、信じられない光景を見て思わず目を見開いた。

 

なんで、なんで貴女が……貴女達が。

 

失望、悲しみ、苦しさ、絶望、驚愕。

 

それらの感情が全てミキサーにかけられた様に思考がぐちゃぐちゃになり混乱する。そこには以前に私の前へと現れたウマ娘、メジロマックイーンが二人のウマ娘を連れて此方へと歩いて来ていた。

 

メジロマックイーンは以前に使っていた黒い勝負服を身に纏っている。そんな彼女の姿だが、以前より何処か危なげな、そんな嫌な何かを感じた。

 

そしてそんな彼女の連れた一人のウマ娘、試験管がホルダーに入った白衣を来ている少女……アグネスタキオンがそこにいた。何故?実験の為とはいえ違法賭博にまでも手を出すのか?

 

そんな悲しみの感情を上手くポーカーフェイスで隠そうとした。でも、もう一人のウマ娘は……目の前にいることを、存在していることを信じたくなかった。

 

沢山の人の前で、再び走ることを決め見事に復活した彼女の姿。心の中で、何度もあんな風に夢に走り目を輝かせるウマ娘の力に成りたいって、そう願ってこの仕事についた。

 

潜入捜査が苦しくても、罪悪感に押し潰されそうになっても、彼女らの力に成っているならと、そう思い頑張ってきた。

 

なのに、今目の前にいるのは赤い勝負服の前に着ていたマントの付いた皇族のような服を着用し、暗く光の無い瞳で歩くウマ娘、トウカイテイオーだった。

 

彼女達は私の差し出した名簿にスラスラと偽名を書いていく。ほとんど彼女を指すような、隠す気すら感じられない偽名。彼女達がレース場へと向かうのを見送ったあと、私はポーカーフェイスを崩し膝を突いた。

 

彼女達はどうしてこうなった?一人は全く表情を変えず光の無い瞳で、一人は実験の結果を待ちワクワクしたような様子で、一人は何処か危なげな様子でレース場へと歩いていった。

 

目から溢れそうになった涙を堪え、レース場へと向かう。

 

今回のレースに参加したウマ娘達の名簿を証拠の1つとして撮影してから会場へと向かうと既に沢山のウマ娘がゲート前でスタンバイしていた。

 

見れば、アーリースタイルはゲートに入って片手を胸に置き深呼吸し集中しており、ナナシノテイオーは何度も映像で見たあのテイオーステップを踏んでいた。

 

どう見てもトウカイテイオーとメジロマックイーンにしか見えない彼女達。

 

『出走バを紹介いたします。1番、シルバークロウ。2番、グラックランディ。3番、アークインパルス。4番、フユサクラ。5番、ハナミズキ。6番、バグルバイザー。7番、ゲンムムソウ。8番、ハリボテエレジー。9番スターゲイザー。』

 

ウマ娘を賭けの対象にする違法レースは開催する側も、参加する側も重罪。一度でも闇のレースに出れば罪となる。

 

『10番、ルプスレクス。11番、チェイサーマッハ。12番、クリアウィング。13番、スターダスト。14番、ダイバーエース。15番、アースリィー。16番、アーリースタイル。17番、アグネスルクシオン。18番、ナナシノテイオー』

 

このレースに参加する全てのウマ娘は、このレースをまるで本当のレースのように考えて走っている。

 

本気で、こんな偽物のレースに全力を尽くす。あるものはウマ娘としてのレースや走りに対する本能で、あるものは賞金を目当てに。

 

会場が最後の3人の容姿と勝負服に驚き、ザワザワとした話し声が会場に木霊する。

 

『各ウマ娘、ゲートに入りました。』

 

そんな観客を他所にゲートが開きウマ娘達はレース場のコースを走り出した。やはりか、あの3人が他のウマ娘達より遥かに前を走りだした。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーリースタイル、彼女はレースを開始してから、恐ろしいほどに調子が良かった。

 

自身の望む通りに、想像通りに体が走っていた。少し前に感じていたボーッとしたり、物がぶれて見える事もない。

 

そして以前よりも早くあの光景が目の前に広がった。

 

私は、沢山のウマ娘達を追い抜き前を歩いていた。ゆっくりと、彼女達の一番前を優雅に歩む。

 

『蹂躙の時間ですわ』

 

変わっていく、体が速く走るための形へと。

 

『全てを奪いにいくとしましょう、覚悟はよろしくて?』

 

加速していく、共に上位3位に入ろうと約束していた彼女達の遥か先へと、1位になる為に────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アグネスルクシオン、彼女にとって今回の闇レースは酷く久しぶりのレースだった。

 

この世界に転移し走ることが無くなってしまった。別の世界に転移し、この世界の自身やウマ娘について調べる。だが、ある()()()を彼女は忘れず覚えている。

 

今、突如として先程よりも加速し目の前を走って1位を争っている二人のウマ娘。

 

共に上位へと入ろうと約束した二人。

 

もうここまで走れば私達以外で上位3位はあり得ない。ならば、ここからは一人のウマ娘として彼女達を超えて、1位になるため走ろう。

 

故に、彼女は自身の走り方を変えた。

 

次の瞬間に、気が付けば彼女にとって馴染みのある実験室に立っていた。そして彼と過ごした日々が綴られているアルバムに触れる。

 

『────────』

 

彼の声が、聞こえた気がした。

 

一度目蓋を閉じて手を離し、目蓋を開くと背を向けたアルバムのある方向へと微笑む。

 

『君が教えてくれた走りで、勝ってくるよ。見ていてくれ、モルモットくん。』

 

自身をスカウトし、日常生活や実験すら支えてくれた彼と共に学んできた……かつて三冠を手にした超光速の走りへと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナナシノテイオー、彼女は今まで出場したレース全てに勝利したウマ娘。

 

どんなレース、状況でも必ず1位となる絶対無敗の帝王である。今までのレースで手にした記章が付けられた勝負服がそれを証明している。

 

このレースに於いて、1位になる必要はない。上位に入れば3位でも2位でもよい。そんな思いで来たはずなのに、彼女は、彼女の心は彼女に求めるのだ。

 

ボクは、絶対1位でなければ意味がない。

 

ボクは無敗、絶対無敗のウマ娘。

 

絶対に勝たないと、意味がないんだ。

 

たとえ、どんなレースでも勝つんだ。

 

故に、そんな自身を抜き加速していく二人を見て彼女もまた同じ世界へと足を踏み入れた。

 

『見ていてよ』

 

気づけば彼女は今となっては懐かしく感じるレースの控え室。背後にいるあの人へと話しかける。

 

「ボクは()()、勝って帰るから!」

 

勝負服に付けられた沢山の記章が光る中、後ろへ振り向き笑うと、目の前の1本の道へと走り出す。そんなボクの背中を、何かが押した。

 

次の瞬間、アーリースタイルに並ぶため足に力が入る。大地を踏みしめ、蹴り飛ばす。先程まで以上の速度で加速してアーリースタイルに並ぶ。

 

並ぶだけじゃダメだ、ボクは勝つんだ。

 

ボクは彼女の前へと───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メジロマックイーンに似たアーリースタイル。

 

トウカイテイオーに似たナナシノテイオー。

 

アグネスタキオンに似たアグネスルクシオン。

 

その3人のウマ娘が見せた走りは、同じくレースを走るウマ娘や来ていた観客に本物のレース、それもG1レースを見ているような錯覚をさせた。

 

それぞれが全く前を譲らず走り、最後の直線を走りゴールへと突き進む。

 

それは、ゴールまであと200mと言った時だった。突如としてアーリースタイルが減速した。だが、ナナシノテイオーの速度は下がるどころか、最後の加速でアグネスルクシオンを抜き去り1位を手にした。

 

『今、ナナシノテイオーが1着でゴール!続いてハナ差でアグネスルクシオンが2着!続いて2バ身差でアーリースタイルが3着です』

 

ナナシノテイオーは自身が1位だと、片手で指を1本だけ伸ばし上に掲げる。

 

「さすがは無敗、と言ったところかな」

 

「まぁね、それより」

 

「あぁ」

 

そんな放送が流れる中、アグネスルクシオンとトウカイテイオーはそれぞれ疑問に感じた事があった。アーリースタイルが最後に減速した事だ。あれは一体なぜ? そう思いながら彼女達は、彼女達の方へとふらふらと歩いてくるアーリースタイルを見た。恐らくは全力で走ったから少し疲れているのだろう。そう思い、二人はいつものように話しかけようとした、その時だった。

 

彼女達へ近付いてきたアーリースタイルがフラリと傾き、そしてそのままレースの会場へと倒れ───。

 

「マックイーン!」

 

そうになったところを近付いたナナシノテイオーが滑り込んで抱き止め、アーリースタイルが頭を打つことは免れた。

 

「タキオン!マックイーンは!?」

 

抱き止めたナナシノテイオーはアーリースタイルの顔を覗き込む。彼女は気絶したのか、静かに眠っていた。

 

片膝を突きアーリースタイルの脈や状態を正確に分析するアグネスルクシオンにナナシノテイオーは安堵の様子で息を吐いた。

 

「見たところ、脚が折れたり腫れたと言った怪我のような物は見られない。」

 

「良かった………」

 

「だが、何故………取り敢えず彼女を連れて帰らないとね。彼女を背負うのは頼んだよトウカイテイオー」

 

「うん、任せ………あ」

 

そんな会話を繰り広げる二人を回りのウマ娘や会場の客、そして闇レースを運営している人たちに見られていた。

 

そして走り終え近くにいるウマ娘たちには聞こえたであろう、二人が彼女を……そして自身をなんと呼びあったのか。

 

緊急ではあった為に真名を呼びあってしまった、冷や汗を流すアグネスルクシオンと真っ青になるナナシノテイオー。

 

周囲の人々がヒソヒソと話すなかで、二人はアーリースタイルを抱えて控え室へと走り出した。

 

 

 

 




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╲ガコン!!╱


「見ていてよ……ボクは絶対に勝ってくるから」


 NEW
   〔絶対無敗〕
      ナナシノテイオー
            ☆☆☆

固有スキル『nameless crowns(名も無き宝冠)

キャラクター紹介

トウカイテイオーの酷く似た謎のウマ娘。
ルクシオン、アーリースタイルに続く謎のウマ娘であり、瞳に光はない。
彼女曰く、一度もレースで負けたことがないらしい。


みんなはどのウマ娘が好き?

  • 雑穀精神!?ライスシャワー
  • 鹿毛嫌い!?スペシャルウィーク
  • 妹現る?アドマイヤデネブ
  • 闇の化身?ヤミノビジン
  • 元モブ娘?ブリッチコンプ
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