パクパクですわ!のキャラに転生したんだけど、何か違いますわ…… 作:クレナイハルハ
パクパクですわ!!(挨拶)
タイトル詐欺ではありませんのよ?
駿川たづなside
彼女達を引き留めるため、私はレースで決めようとそう口にした。
「たづな、彼女達は……」
「いいえ、まだです。ウマ娘である限り走ることからは逃げられない」
そう、走る事はウマ娘にとって本能であり存在意義であり自らを構成する骨子。
故に、
たとえ彼女達が闇レースの住人で、その脚に誇りを持つことが無くても、走ることを忘れ去る事はない。レースによって魂を燃やす感覚は絶対に忘れられない。
魂を燃やす死闘の果てに、金の杯を掴み取り。
敵の血に満たされたそれに唇を接ける。
一度でもそれを行えば、その魂の基幹に焼き付けられる呪いにして祝福、ウマソウルにとって至高の悦楽なのだから。
一度でも潤う事を知れば、その血の渇きからは逃れられない。
「しかし!」
今だけは契約上の上下関係を意図的に無視する。
すみません理事長、明日の私がどうなってでも、ここで彼女らを逃せば、URAにも学園にも災禍を招く事になる。
ナナシノテイオー、彼女の『ボクが稼ぐ』と言う言葉から彼女らがまだ闇レースに出る事を完全に止めたとは思えない。
だからここに捕まえ、はっきりとさせないといけない。
「闇レースは摘発のリスクを排除できません。今日、明日は良くても何年先まで闇レースで賞金を得続ける事が出来るとは言えないんですよ」
自身の胸に手を当てて、必死に私が説明するのは彼女達の未来。
今は闇レースが黙認されていても、それで賞金を得られるとしても、近い未来で闇レースが摘発されて無くなる可能性はある、そうなればレースに参加したウマ娘に対しての罰を逃れることなんて不可能。
まとまった収入は闇レースしかないはずの彼女達なら、絶対にこの言葉に不安を覚えるはず。
「そうだね、私達だって今の生活が不安定であることくらいは理解している。」
アグネスタキオンと似た姿を持つアグネスルクシオンの言葉に、内心で引き留めることが出来たと手応えを得る。
「けれど悪夢は巡り、終わらないものだろう?もはや誰も
アグネスルクシオンはそう笑って、さらに言葉を重ねた。
「レース以外というのなら私はミレニアム懸賞金や医学方面の研究投資などの方法がある。ナナは圧倒的すぎる身体能力があり、アーリのサバイバビリティには全く脱帽する。それぞれの方向性で適当に稼いで暮らすくらい問題はないよ」
「なら尚更にトゥインクルで……」
「最初から、前提が間違っているんだ。私達は
その言葉は私の思考を停止させるのに十分だった。
そんなバカな、ありえない。
走ることを好み、生きる事と等しく本能とするウマ娘が走りたくない、そう言ったのか?
チラリと横を見れば理事長は驚愕でからか扇子を取り零し、呆然とした様子だ。
どうすれば彼女達を引き留められる?此方へと引き入れられる?
そう思っていた時だった、メジロマックイーンの姿に似た容姿のアーリースタイルがおずおずといった様子で手をあげ口を開いた。
メジロマックイーン(原案)side
なんでこんな状況になったのだろうか?
普通に『学園に入学の件はお断りさせて頂きますわ。おほほほほほ、ごきげんよう』そんな感じで帰ろうと思ってたのに、何故私達はこんなに理事長達を追い詰める側になってしまっているんでしょうか………。
折角引き留められてしまったのですし、先程伝えわすれていたまず戸籍の問題をどう考えてるんでしょうか? そう思いながら私はその疑問を問うべく小さく手をあげてから口を開いた。
「え、えーと……理事長さん。今更なのですが……そちらに迎え入れて貰った際に彼女たちの戸籍ってどうなりますの?」
彼女たち、そうアグネスルクシオンとナナシノテイオーの事である。
ノテイオーの事である。
今更だが、メジロマックイーン原案の姿になってから部屋のパソコンを置いてある机の引き出しにしまっている私の戸籍や通帳の入ったファイルを取り出して確認したのだが、何故か戸籍は以前の社会人の自分の戸籍ではなかった。
顔写真にはメジロマックイーン原案の写真が貼られ、名前の欄は何故か空欄だった。
当時はナナやシオンに出会うとは思っていなかったし『戸籍はありますし、通帳は名前だけ変わってお金に変化はないですし大丈夫ですわねー』なんて考えていた。
だが、こうなるとあの戸籍は見せられない。そもそも名前が空欄の戸籍なんてあり得ないですわ。
見ると先程までの驚愕した様子から更にポカーンと口を開けており、その手から扇子がこぼれ落ちた。
あ、また落ちた。
あれ?
良く見ればたづなさんも「戸籍?」と不思議そうな言葉を漏らしている。
「えっと、そもそもなのですが私達は……」
チラリとナナとアーリの方を見る。私たちが別の世界から来た、と言う風に説明しても良いのか迷った。二人にはその事を話す許可をもらっていないからだ。
見ればナナは少し不安そうにしながらも黙って頷き、シオンは仕方ないと言った様子ですくめる。
「やれやれ、折角逃げられる様に会話を持っていっていたのに。仕方ないねぇ……話すと良いよアーリ。」
では遠慮なく。
「信じられないと思うのですが、私達は公式に存在しないのですわ。」
「公式に、存在しない?」
その言葉を聞いた二人は黙って私の言葉に耳を澄ませる。
「えっと、私の戸籍は名前が空欄でナナとシオンは戸籍が無いのですわ。私達の戸籍を作り、学園に通わなくても良いのであれば、貴方の保護を受け入れますわ。」
戸籍がない、その事実に驚いた様子の理事長とたづなさんは私の保護を受け入れると言う言葉に驚いている。
少し理事長とたづなさんが小声で話し合う、その間に出された紅茶のおかわりを頂きながらナナの頭を撫でる。先程は凄くSAN値ピンチな感じでしたし、これで少しは落ち着いて下さると良いのですけど。
「取り敢えずこの案を飲んで下さるなら、私やナナ、シオンは普通に暮らせますし。どうか了承して下さるといいのですが」
「アーリ、随分と思いきったねぇ」
その時だった、理事長は私の方を向き新たな扇子を持ち直していた。私は即座にティーカップをソーサーの上に置きナナの頭の上に置いていた手を膝の上に戻す。
すると理事長がバッと扇子を開く、そこに描かれていた文字は承諾の2文字。
「承諾!学園に通って貰えないのは少し残念だが、それで君たちを保護出来るなら」
理事長はそう言うと笑い、少し申し訳なさそうに口を開いた。
「猶予、戸籍に関しては少し待って欲しい。」
ふぅ、取り敢えずこれでもう闇レースには出なくて良さそうですわね。そう思い安堵の息を漏らした。
さて、即座に帰ろう。そう思いながら立ち上がった時だった。
「それはそうと、レース場に向かいましょう」
『なしてぇ!?なしてぇぇえええ!?』私の中の何かがそう叫ぶ。
レース場?レース勝負はなくなったはずですわよね?何故ですの!?
「レース勝負は無かったことになったはずなんだけどねぇ……」
「3人の力量を確認したいので、貴女方の中で代表を一人決めて学園のウマ娘とレースをして頂きたいのです」
やっぱり緑の悪魔。しっかりとレースはさせるつもりですのね……
そう思いながら私達はレース場へと向かうのだった。
『私たちの未来』 『読者の声』
『ストーリーの果て』 『大切な誓い』
『思い出の小説』 『大切なスイーツ』
『全ての感想を紡ぎ』
「物語はしばらくは続きますわ!!」
今回、この小説は凍結せず暫く続けていくことを決意しました。今作品を今後ともお楽しみ頂けたら嬉しいです。
また、ここで告知させて頂きます。
第19話より以前から、進んでいた話なのですが天津神さんの作品「アグネスじゃないタキオン」とのコラボが決定いたしました。
コラボ話に関しては、天津神さんの作品で投稿されますのでお楽しみに。
天津神さんの『アグネスじゃないタキオン』のURLはこちらです。
https://syosetu.org/novel/270034/
アグネスタキオンと似た容姿を持つあるウマ娘のお話です。
面白いので是非読んでください。
あと、とうとう自分もウマ娘を始めました。
まだチュートリアル中です、パソコンで始めました!
以上で報告を終わります。
ご愛読ありがとうございます
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お待ちしております
※2022年7月11日、文章を一部変更しました
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