パクパクですわ!のキャラに転生したんだけど、何か違いますわ…… 作:クレナイハルハ
パクパクですわ!!(挨拶)
注意、今回の話は多大な遊戯王ネタが含まれています。というかほとんどデュエル描写です。
それでも良いと言う読者(デュエリスト)の皆様、どうか楽しんで読んでくださると嬉しいです。
それでは、本編どうぞですわ。
メジロマックイーンside
平和な朝、寮から学園への道のりをゆったりと歩きながら空を眺める。鳥が歌い、近くをたくさんのウマ娘が楽しそうに雑談しながら歩いている。
「清々しい朝です─────」
次の瞬間に、ビュンッ!と私や他のウマ娘を避けるように見覚えのある二人のウマ娘が通りすぎた。
頬が引きつる、それと同時にまるで体を燃やされているかのような羞恥心が私を襲う。
「コーナー貰いッ!ゴルシちゃんの先攻だな!」
「なんの!たかが先攻を取られただけですわ!私は負けませんわよ!」
そう、何度見たか……注意したかも思い出せない芦毛に勝負服を来て走っているのは腕に何やら変な道具?を着けたゴールドシップ。
「じゃあいくぜぇ?」
「もちろん!」
そしてそんなゴールドシップの横を並ぶように走るトレセン学園の制服を着た、私にそっくりなウマ娘。アーリースタイルがゴールドシップと同じ物を腕に着けて走っていた。
何やってるんですの?え、なにやってるんですの本当に!?しかも、何故か走りながら紙のような物を持っていますし!?
「「ランニングデュエルッ!アクセラレーション!!」」
「あぁ、いい朝でした……」
そう言って駆け抜けていく先に緑色の服を着た女性と帽子を被った幼い少女の姿が見えた気がした。
「よろしいですわ、ゴールドシップ並びにアーリースタイル………メジロを持って命じます、ちゃんと叱られなさいなッ!!」
私がそう叫んだと同時に、緑色の服を着た女性、たづなさんがゴールドシップとアーリースタイルの服の襟を掴んで強制停止させたのだった。
メジロマックイーン(原案)side
トレセン学園の廊下、周りに人が居ないことを確認して私は段ボールから外に出た。
「ふぅ、このメタル○ア段ボールがなければ逃れられませんでしたわ」
ゴールドシップさんとのランニングデュエル中にリアリストであるたづなさんに拘束され捕まった私はゴールドシップさんと共に何故か反省室に連れていかれていた。
反省室に入れられた私達はお互いに頷き、何とかこの部屋からの脱走を図ったのである。私は段ボールを被り誰かが外から扉を開けるのを待ち、気が付くとゴールドシップさんは部屋から消えていた。
そしてゴールドシップさんを呼びに来たウマ娘が、誰も居ない室内に驚いているうちにこうして抜け出してきた訳である。
本日の予定としては、理事長からワイドネイチャの戸籍が完成したらしくそれの受け取りだ。つい先ほどまでゴールドシップさんとのデュエルしようとしていた訳ですが、悔しいことにどちらもカードを出す前に制圧されてしまいましたわ。
これだからリアリストは!目と眼があったらデュエル!デュエリストのお約束ですのに!
腰のベルトに繋いでいるデッキケースに触れる。
「ズァーク、今度こそ決着を付けますわよ」
何故だろうか、ズァークの遠吠えのようなものが聞こえたような気がしますわ。
「さて、取り敢えず他の方々は授業で忙しいでしょうし屋上で時間でも潰しましょうか」
授業をしている教室を眺めながらのんびり屋上へと向かう。教師の講義をする教室がある廊下を堂々と歩くなんてこと、学生時代じゃあり得ない経験ですわねぇ。
真面目すぎて相手の弄りを弄りと捉えられず、何度帰りたいと呟いたことか。
「はぁ、帰りたい……おっとと。久しぶりに口癖が出てしまいましたわ」
真面目な自分にさよならバイバイ!今はゴーイングマイウェイな自分ですし、気を取り直して行きますわ。
階段を上がって屋上へと出る、そよ風が吹いている光景と何故かデッキをシャッフルしているスーツのトレーナーと思わしき男性がいた。
しかもカードはスリーブで隠れていて裏面は分からないが遠目でも分かる。あれは、遊戯王のカードですわ………彼は
「君は………」
「不登校の生徒の1人ですわ」
「なるほど、君が例の……」
なるほど、私の事を知っている?だとしたらこの人は生徒会のウマ娘の誰か、シンボリルドルフに関係する人の可能性がありますわね。
「さて、ここにデュエリストが二人揃いましたわ。やることは分かっているでしょう?」
そう言いながら腰のベルトに付けているデッキケースを外して相手に見えるよう正面に構える。
「やれやれ、これはルドルフの為に組んだデッキなんだがな」
やはりシンボリルドルフの関係者でしたのね……ですが、デュエルにおいてそれらの情報は不要。
背負っていたリュックから二つのデュエルディスクを取り出して片方を男性へと差し出す。これは今朝ゴールドシップさんから頂いたデュエルディスクで、彼女曰く「他所の生徒からデュエル吹っ掛けられてな?勝ったら、このディスク以外みんな消えちまってた」らしい。
………え、アカデミア?襲撃来たの?この世界に???
「やけに本格的だな」
「貰い物ですの」
お互いに左腕にデュエルディスクを装着してデッキケースから取り出したデッキをデュエルディスクへとセットする。
「さぁ、デッキから剣と言う名のカードを引きなさいッ!」
そう言いながら私はデッキからカードを五枚引いて構える。
「ルールはアニメ通りライフポイントは4000点だ。」
そう言いながら男性はデッキからカードを五枚引いて右手で持つ。お互いに少し距離を開けて向かい合い、同時に開始の宣言をする。
「「
相手の男性のデュエルディスクから反応が出たので、私は後攻ですわね。今日は後攻ばかりですわね。
「魔法カード、『ビンゴマシーンGO!GO!』を発動っ!?」
男性がカードの名前を宣言してデュエルディスクに置いた時だった。空中にカードと同じビンゴマシーンが空中に投影された………へ?
「最近の技術は凄いな……さぁ、この三枚のうち1枚を選んでくれ」
いきなりサーチカード、ですがそのカードを使ったことで相手が何のデッキなのかは把握することが出来た。間違いない、これは社長の嫁である
「真ん中ですわ」
「なるほど、次に君にこのカード『
そう言いながら男性がデュエルディスクにカードを置いた次の瞬間、恐ろしいとも感じる何かの咆哮と共に空から何かが降ってきた。
いや、飛んできた。
白銀の美しき龍、恐らく遊戯王を知るものは知らないであろう伝説のドラゴン。先程男性の宣言したカードのモンスター『
うそ、これおもちゃのデュエルディスクじゃないの?へ?え?
「カードを二枚目伏せて、ターンエンドだ」
『
ATK3000/DEF2500
伏せカード、2。
「めちゃくちゃ威圧感ありますわね……」
私へとターンが回って来た事に慌ててデッキへと手を置く。このデュエルディスク、もし本物なのだとしたらテンションあがりますわ!こんなの原作のような召喚口上とか振る舞いをするしかありませんわよねっ!!ねっ!!!!!
「私のターン、ドロー!」
引いたカードと手持ちの五枚のカードを見つめ、脳内で戦略を組み立てていく。そしてカードを一枚を魔法、トラップゾーンの左端に置く。
「私は『覇王眷竜ダークヴルム』をペンデュラムスケールにセッティング、ダークヴルムの効果で右端にデッキから『覇王門
私の左右にセットしたカードが浮かび、大きな振り子が左右へと揺れ始める。
「これによりレベル6から12のモンスターが召喚可能。揺れなさい、運命のペンデュラム。青空へ描け光のアーク!ペンデュラム召喚ですわ!」
私の手札から四枚のカードをモンスターゾーンへとセットする。それと同時にモンスターゾーンへと四体のモンスターが降り立ち目の前の敵を睨み付ける。
「雄々しくも美しく輝く二色の
二色に輝く眼よ、天空に描かれし軌跡を映せ!『オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン』!二色に輝く眼を持つ竜よ!魔法を纏いて我が敵を殲滅せよ!『オッドアイズ・ウィザード・ドラゴン』!次元の狭間に潜みし龍よ!二色の眼を輝かせ、光と共に降臨せよ!『オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン』!!」
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
ATK2500/DEF2000
オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン
ATK2700/DEF2000
オッドアイズ・ウィザード・ドラゴン
ATK2500/DEF2500
オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン
ATK2700/DEF2000
私が口上を叫ぶ度に、呼ばれたオッドアイズドラゴン達が咆哮を上げる。何処か嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか?
「1ターンで、高レベルのモンスターを四体だと!?バカな……まだ攻撃力はこちらが3000、相手は一番強くて2700……」
驚いている男性に思わず顔が笑顔になる。
「ふふふ、まだ私の召喚は終わってません!お楽しみはこれからですわ!」
そう、このデッキにおいてペンデュラム召喚は起点。これからがこのデッキの本番。私の言葉に男性の顔が強張るのを感じつつ私は、デュエルディスクの上に並べられたカード達を操作する。
「私はフィールドの『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』と『オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン』二体をリリースする事で、融合召喚するッ!」
目の前で二体のドラゴンが輝きながら、向かい合い重なり姿を変えていく……それにしても本当に演出が神ですわねこのデュエルディスク。
「出でよ、覇王の眷属にして我が僕よ『覇王眷竜スターヴ・ヴェノム』!」
覇王眷竜スターヴ・ヴェノム
ATK2800/DEF2000
「更に『オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン』と『オッドアイズ・ウィザード・ドラゴン』をオーバーレイッ!絶対の名を冠せし異色の眼を持つ竜よ、凍てつく風を身に纏いその力を轟かせよ!『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』!」
オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン
ATK2800/DEF2500
新たに現れた二体のドラゴンは先程の四体のドラゴンのような咆哮を上げる……今更ながら、近所迷惑で訴えられたりしませんわよね?
「融合とエクシーズを同時に……」
「私はこれで、ターンエンドですわ!見せてくださいまし、貴方のデュエルを」
さぁ、果たしてどのような手を打ってくるのか楽しみですわ。
とある教室にて、先程突如として聞こえた獣の咆哮に授業をしていた先生達は驚き、即座に自習をするよう生徒へと伝え職員室へと向かった。
残された教室では、芦毛の幼い見た目のウマ娘が額に手を当てて疲れた様子で口を開いた。
「あー………これはあかんわ。すまんオグリ、ウチ引退考えなアカンかもしれへん、幻覚見えとるわ」
そう言うウマ娘、タマモクロスは窓の外から見える屋上の摩訶不思議な光景を眺めており、その隣では同じく芦毛のウマ娘、オグリキャップが屋上を眺めていた。
「……それはあの蛇のことだろうか?」
「いやどこが蛇やねん!どう見てもドラゴンやろ!?」
「中央は凄いなタマ、あんな動物は笠松でも見たことがない!」
「そうやろなぁ、そもそも現実に存在しとらんはずなんやけどなぁ……」
目を輝かせるオグリキャップへと疲れた様子でツッコミを入れるタマモクロスは、ゆっくりと椅子に座ると机に突っ伏した。
そして別の教室では、教師のいなくなった教室で窓から屋上を眺める二人のウマ娘がいた。
「おいおい、逃げた方が良いんじゃないかスカーレット……」
鹿毛のウマ娘、ウオッカは恐る恐るといった様子で隣で集中して屋上の光景を観察している艶やかな栗毛のスーパーロングツインテールのウマ娘、ダイワスカーレットへと話しかける。
「バカねウオッカ!ホログラムよ!それより早く屋上には行くわよ!一番近くで観戦するんだから!」
「おっおい!授業中だぞスカーレット?スカーレットォオオ!??」
ダイワスカーレットに手を引かれて連行されていくウオッカは授業中にも関わらず屋上へと走り出したライバルへと困惑しか感じられなかった。
またまた隣の教室では一人のウマ娘が興奮した様子で叫び声をあげていた。
「タイシン!タイシン!タイシン!!見てみて屋上のあれー!うぉぉぉおおおおお!あれブルーアイズホワイトドラゴンだよね!本物だ!」
目を輝かせて屋上のモンスター達を眺めていたウマ娘、ウイニングチケットは近くにいた小柄で鹿毛の何処かむすっとした表情を浮かべているウマ娘、ナリタタイシンを引き寄せて窓ガラスから屋上を指差す。
「あぁもううっさい!そんなに言わなくても見えてるッつーの。それにあれブルーアイズじゃなくてオルタナティブの方だし……」
「一緒に見に行こうよ!」
「はぁ?ちょっ!?引っ張るなぁぁあ!!」
「はぁ、二人を放っておく訳には行かないな」
チケットに袖を引かれて連行されていくナリタタイシン、そんな二人を見つめそう呟いた芦毛でメガネをかけたウマ娘、ビワハヤヒデは何処か楽しそうに二人を追い駆け出した。
そうしてとうとう理事長室、秋川やよいは窓から自分の学園の屋上に広がる光景を眺めていた。
「驚愕!歓喜!!絶景!!!」
そう理事長である彼女は屋上に広がる光景と身覚えのあるモンスターに、思わずそう叫びながらセンスを広げる。アーリースタイルの家で遊ぶ際に久しぶりに遊戯王に触れた彼女は、久しぶりに遊戯王へと復帰するためカードを集めていたのである。
更には少ない休憩時間を全てをカードプールの勉強に使っていた。もしかしたら、ウマネストを用いてあのアニメの世界のような遊戯王が出来るのではと、秘書であるたづなに黙って密かに計画していたのだが、夢にまで見ていた光景が屋上に広がっていたのだ。
「は!?すぐに確認に行かねば!」
そう言って猫を落とさぬよう理事長室から屋上へと向かうため駆け出した理事長の胸の中にあったのは、ワクワクとした幼少期のような感情であった。
あれから、男性トレーナーとのデュエルは苛烈を極めた。互いに誇りと意地、トラップや魔法の駆け引きやドラゴンとドラゴンのぶつかり合いは続いた。
そして私の切り札であり相棒、覇王龍ズァークや覇王眷竜達も墓地へと落ちていってしまった。手札も使いきり、私の残りのライフは1000点。そして相手も1000ポイント残っている。
「このターンが、最後の希望……」
ふと周りを見れば、屋上の入り口に沢山のウマ娘達が立っており私達のデュエルを見ていた。あれ、何で理事長さん達がいるの?仕事はどうしたのですの?授業は?
とりあえず深呼吸しながら目を瞑り、デュエルディスクにセットされたデッキへと手を置く。この状況を引っくり返すには、あのカードしかない。
それにこんなにも沢山の人達が見守っているのだから、少しはエンターテイナーしましょうか。
「ファイナルターンッ!」
その声に周りの人達が息を飲む音が聞こえた。
「カード、ドローッ」
水平に引いたカードを確認し、私は笑った。
こんな神引き、もはや私はデッキに愛されている……いやカードの精霊が宿っているに違いありませんわ!
「確かに、ズァークやオッドアイズドラゴン達は墓地へ落ちました。ですが、私もカード達もまだ諦めていませんわ!さぁ、これからが私の逆転劇!ドローしたカード、速攻魔法発動『オッドアイズ・フュージョンゲート』ですわ!」
デュエルディスクへとセットしたカードが空中に投影される。
「な!そのカードは!?」
相手の男性がカードをみた瞬間に驚いた表情を浮かべる。
「?会長さんのトレーナーさん、何であんなに驚いてるんだろ?」
「………あれは遊戯王ARC-Vの主人公、榊遊矢の使用したアニメのオリジナルカード。あのカード、公式でまだ作られてないはずなんだけど」
「作られてないって、そんなに強いカードなの?」
「あれは強いなんてものじゃない、存在自体が禁止カードの部類に入るし、なんなら『超魔導竜騎士ドラグーン・オブ・レッドアイズ』でも持ち込まない限りは止められない。なんであのデュエルディスク反応してんの……」
「詳しいな……」
「まぁ、ネットの遊戯王の方ならランク潜ったりしてるし……」
私はカードの効果を読み上げながら、デュエルディスクを操作する。
「効果により、エクストラデッキから『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』、墓地の『スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』をモンスター効果を無効にし特殊召喚し、この二体で融合召喚しますわ!」
現れた二体のドラゴンが再び光り輝きながら重なり新たな姿へと進化していく。
「来るのかッ!」
「期待ッ!」
私はデュエルディスクを付けていない方の手を空へと掲げながら召喚口上を唱える。
「二色の眼の竜よ、毒持つ竜と一つになりて、覇道へ導く力に変われ!融合召喚!!現れなさい、慈愛の玉眼輝けし竜『覇王紫竜オッドアイズ・ヴェノム・ドラゴン』!」
「通させないよ。トラップカードを発動、『神の宣告』。ライフポイントを半分払い君のドラゴンは効果を無効にし、破壊する!」
相手のトラップカードの効果の説明を聞き、思わずにやけそうになるのを押さえる。ドラゴンが相手のトラップカードから現れた神らしき老人から放たれた光により『覇王紫竜オッドアイズ・ヴェノム・ドラゴン』が消滅する。
「うるさい」
確かに凄まじい雷鳴でしたが、そんなことよりも。
「この瞬間を待っていましたわ!」
「!?」
「『オッドアイズ・フュージョンゲート』の効果。フィールドのこのカードの効果で融合召喚したモンスターが破壊された時、デッキから『オッドアイズ・シンクロゲート』を手札に加えますわ!」
「またゲートのカードだと!?」
「そのまま『オッドアイズ・シンクロゲート』を発動しますわ。EXデッキの『オッドアイズ・ペンデュラムドラゴン』と墓地の『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』を特殊召喚し『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』をレベル1チューナーとして扱い『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』にチューニング!」
カードが空中に投影され、墓地から現れた『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』は空中で光の輪となり『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』がその光の輪の中を飛行する。
「二色の眼の竜よ、光輝く翼を得て新たな姿となりて舞い上がれ!シンクロ召喚!出でよ烈破の慧眼輝けし竜!『覇王白竜オッドアイズ・ウィング・ドラゴン』!」
モンスターゾーンに現れたのは光輝く純白のドラゴン、それも生物ではなく何処か機械的なデザインのドラゴンの姿にウオッカは目を輝かせ、ダイワスカーレットはシンクロゲートの存在に驚いていた。
「すっげぇ!スカーレット、あのドラゴンめちゃくちゃカッコいいぜ!」
「融合の次はシンクロのゲートまで………」
「ならば、再びトラップ発動。『激流葬』だ、君のフィールドに召喚されたモンスターを全て破壊する!激流葬!」
男性の声と共に相手のフィールドに伏せられていた最後のトラップカードが開かれる。だが、それでも私の進撃は止められない。
「『オッドアイズ・シンクロゲート』の効果を発動しますわ、先程と同様にシンクロ召喚したモンスターが破壊された時、デッキから新たに『オッドアイズ・エクシーズゲート』を手札に加えそのまま発動しますわ!」
「まだあるだと!?」
「エクストラデッキから『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』、墓地の『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』をモンスター効果を無効にし召喚し、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンをレベル7に!」
「レベル7モンスターが二体並んだ……来るぞトレーナー!」
「ルドルフ……!」
なにやら向こうでも意思疎通を取っているようですが、会話フェイズの優先権は私にありますわ、行きますわよ!
「二体のモンスターでオーバーレイ!二色の眼の竜よ、その黒き逆鱗を震わせ刃向かう敵を殲滅なさい!エクシーズ召喚!怒りの眼輝けし龍、『覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン』!」
モンスターゾーンに現れたのは雷を纏った漆黒のドラゴン。咆哮を上げる姿は非常に威圧感があり、相手のブルーアイズにも負けていないかっこ良さがある、やはり久しぶりですがデュエルは楽しいですわねぇ。
召喚された『覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン』も何処か楽しそうな表情を浮かべているような気がしますわ。
「攻撃力3000……ならまだ
「ふふふ『オッドアイズ・エクシーズゲート』の効果を発動、このカードと墓地の『オッドアイズ・フュージョンゲート』『オッドアイズ・シンクロゲート』の3枚を除外し、フィールドの『覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン』の攻撃力を1000アップする!」
「攻撃力4000………僕の負けか」
「バトル!『覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン』で攻撃ですわ!反旗の逆鱗、ストライク・ディスオベイ!」
次の瞬間『覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン』のブレスが相手の
そして空中に投影されたライフポイントを示す数値がゼロと表記された。さて、これをやらないわけには行きませんわね。
「ガッチャ!楽しいデュエルでしたわ」
ウインクしながらポーズを取る私に男性がポカンとした表情を浮かべたあとに笑顔を浮かべながら返事を返してきた。
「懐かしいなそれ、こっちも楽しかったよ。デュエルなんて久々だったからね」
こうして私達の戦いは終わりを迎えた。
いつのまにか屋上に集まってきていた沢山のウマ娘達には驚いたが、次の瞬間に授業の終わりを告げるチャイムが鳴りウマ娘達はそれぞれ自分の教室へと帰っていく。
これは久々に対人でデュエルをしたことに満足していた、そんな私へと「懇願」と言う扇子を向けながら理事長が突撃してくる五秒前の事であったのだった。
・覇王龍デッキverアーリースタイル
覇王龍ズァークを切り札とし、魔術師や覇王系統のカードでペンデュラム召喚を行い、様々な覇王眷竜を召喚して戦うデッキ。
アニメオリジナルカードである速攻魔法「オッドアイズ『フュージョン』『シンクロ』『エクシーズ』ゲート」を手にしている。どれもアーリースタイルがウマ娘の姿となる前に町外れにあるボロボロのカードショップで入手したカード達で構成されたデッキである。
何故か引き運も強く、最速で覇王眷竜を並べ2ターンでズァークを召喚する事が多い。また最低でも3ターン内にズァークを召喚する。現実にある『覇王龍の魂』やオッドアイズペンデュラムグラフドラゴン等も所持している。
※実はアーリーのデッキの大半がカードの精霊である。
続いて前回、書き忘れたクワトロスタイルの勝利演出。
~G1勝利ポーズ~
走りながら跳躍し数回宙返りしてから着地してソウルスパークを着けた手を広げ上に掲げた後に手を握りしめる。
「私達の繋がりは、決して途絶えないッ!」
~勝利ポーズ~
拳を握った右手のソウルスパークを目の前には突き出す。
「例え共にいなくても」
握った拳を胸に当ててソウルスパークを見せるように構える。
「私達は繋がっている!」
以上です。
ご愛読ありがとうございます。
感想、お気に入り登録、高評価
お待ちしています。
次回
アーリースタイル、エンカウント
みんなはどのウマ娘が好き?
-
雑穀精神!?ライスシャワー
-
鹿毛嫌い!?スペシャルウィーク
-
妹現る?アドマイヤデネブ
-
闇の化身?ヤミノビジン
-
元モブ娘?ブリッチコンプ