パクパクですわ!のキャラに転生したんだけど、何か違いますわ…… 作:クレナイハルハ
異なる世界から現れたウマ娘達の過ごすアパートでは、シンボリルドルフとのレースを終え共に銭湯で汗を流し帰ってきたメジロマックイーン(原案)こと、アーリースタイルは自身の部屋の窓から空に浮かぶ月を眺めていた。
夜、他のウマ娘達は既に眠りについた深夜はどこか神秘的に感じられる月が窓から見える。
パジャマ姿の私は、シンボリルドルフとのレースの中で見たあのウマ娘の姿を思い出していた。
メジロマックイーン、現実で存在した名馬と呼ばれる存在達を擬人化させたウマ娘プリティダービーという作品に存在するキャラクター。
原作、正確にはアニメやゲームの世界でトウカイテイオーのライバルでありライスシャワーとの熱いレースを行ったメジロ家と呼ばれる名家のご令嬢。
この姿になった時、あるいは人間だったときに初めてこのメジロマックイーンというキャラクターを見た時からずっと私は違和感を感じていた。
違和感、正確に言い表すのであればそれは
確かに私はこの姿を、彼女をみた時に感じていたのだ。懐かしいと、そして今日レースをしていたとき私は思い出した。
走るのを、勝つのを諦めようとしたとき私の周りが真っ暗な世界へと変化した。
でも、支えてくれた沢山のウマ娘達の声が聞こえてから一変して青空となり、
折角だから、星が見える空でも眺めに
みんなを起こさないようパジャマから着替えてコートと念のためマフラーを巻き、いつも出掛ける際に様々な道具を入れていたリュックを背負う。
靴を履いて玄関の扉を開いて外に出る、扉を閉めた瞬間に風が吹き一瞬で体の体温を冷やしてくる。
「厚着して正解でしたわね」
街灯に照らされた道を歩く、途中でコンビニによってお茶や牛乳等を買って目的地である公園へと向かう。
町の外れにある公園、仮設トイレと滑り台、ベンチがあるだけのそこは夜、凄く綺麗な星空が見える。
高校生の時は時々こっそりと家を抜け出してそこで星を眺めていた事があったっけ。公園に辿り着くとやはり、他に人は居なかった。
ベンチから少し離れた場所にリュックから出した小さな折り畳みの椅子を出して座る。
いつものカセットコンロを取り出して地面に置き鍋をセットする。そして鍋の中に先程買った牛乳を注ぐ。
コンロに火をつけ牛乳が暖かくなるのを待ちながら、空を見上げる。
今まで見上げてきた見慣れたと思っていた星空だけど、いつみても綺麗だと思うことは変わらない。
雲が少なくて星達が綺麗に見える、牛乳から湯気が出てきたので近くにおいておいた耐熱性のコップに牛乳を注いで、温度を確かめる意味で少し口に含む。
少し熱い牛乳が口から体へと流れていくのを熱で感じる、少し熱いから飲むまで少し待たないと。
「はぁ………それにしても」
私は趣味に関する事以外の覚えは悪い、他の事は覚えたとしてもすぐ忘れる所はある。
でも本当になんで忘れてたのかな、少なくともあんな風に過ごしたなら私は…
誰もいない公園でおれは夜空へと手を伸ばす、かつて繋いでいた……彼女と繋いでいた手を。
手を下ろして耐熱性のコップを覆うように両手で持ちながら口を開いた。
「君、だったんだね」
脳裏に、今の自分の姿をした彼女がおれが人間であった頃の名前を呼んだ声が聞こえた気がした。
これは後に一人の人間が、ウマ娘へと姿を変える少し前に起こった出来事。
通常とは似て異なるウマ娘の世界、修羅の道を駆け抜けた先でナニカを失った一人のウマ娘。
多趣味で楽観主義者なお人好しの会社員の人間。
そんな二人がどの因果か出会い
共に過ごし
そして別れるまでの記憶。
パクパクですわ!のキャラに転生したんだけど、何か違いますわ……
Episode.0『プロローグ』完
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