パクパクですわ!のキャラに転生したんだけど、何か違いますわ…… 作:クレナイハルハ
町に存在するとあるアパートの一室、部屋には本棚や勉強、そして時計やベッドがあるだけの無駄のないは引っ越そうと思ったなら直ぐにでも引っ越せそうな部屋で、頬を赤くしている一人に対して化粧をしたり服に装飾品を着けている2人の少女の姿があった。
「ね、ねぇ……本当にボクがやるの?」
緑色の動物らしき耳を着けた日差しのように明るいオレンジ色の髪に白いヘアバンドを着け、右耳に球状の飾りが付き左のこめかみ付近には四芒星形の髪飾りを付けている少女らしき外見の人物。
白を基調に緑と金色が鮮やかに映えるフォーマルな印象のセーラー服調の服を着ており、黒い手袋を付け紫色のタイツにほぼ同色のショートパンツを重ねて履いていている人物……ボクは羞恥心からそう目の前の友達に話しかける。
「何よ今さら!男なら自分の発言に自信持ちなさいよね!それと一人称は『私』でしょ?スズ、ふぅ、後はケープだけね」
近くにいた長い髪をポニーテールにした彼女、ダスちゃん(本名とは全く違うけどそう呼ぶよう頼まれた)はボクの着ている衣装の胸元に金色に輝く星型の飾りと黒のリボンを飾り終えると、一息つく。
「正確にはダスちゃんが頷かせたに近いような……なんでもないよ?あはは~♪」
その近くで様々な化粧品をしまいながらもう一人の友達であるショートカットの友達、ケイちゃん(ダスちゃんと同じようにそう呼ぶよう頼まれた)がダスちゃん曰く米クイテー顔していたはボクの姿を上から下、下から上へとじっくり眺める。
や、やっぱり何処か変、かな?
「それにしてもスズくんの名前からして、そのキャラのコスプレをしなさいという運命を感じますねぇ……」
「うぅ……」
そんなケイちゃんの言葉に対して、恥ずかしさからそうな声を漏らしてしまった、若干涙目になっているのは流石に気のせいだと思いたい。
流石に男として、情けないし……。
「涙目のスズくん、最高です。推していいです?襲っていいです?」
手をワキワキと動かしながらにじりよってくるケイちゃんに思わず「ひいっ!?」と情けない声を出しながら両手で自分の体を抱き締める。
「推すのは勝手だけど襲うのはダメに決まってるでしょこのバカッ!?」
「じょ、冗談ですよ冗談!それにしても、スズくん体型とかもほぼ同一ですしもはや運命を感じます、似合ってますから安心して下さいよ~」
そんなケイちゃんの頭をパシリと叩くダスちゃんにケイちゃんは頭を押さえ悶絶する。け、結構しっかり大きな音がしたけどケイちゃん、大丈夫かな?
「はぁ、こんなのがなんで会場ではあんな儚い雰囲気だせるんだか。やっぱりアンタの衣装はミラクル違いじゃない?」
ダスちゃんは呆れたような、疑うような目でケイちゃんをジト目で見つめる。先程まで悶絶していたケイちゃんは先程までと同じようにアハハと笑いながら口を開いた。
「何をいきなり、心配ないですよ~?何のために体を絞ったと思ってるんですか。会場ではビシッと決めますよ、大丈夫です──」
言葉を途中で止めたケイちゃんに不思議に思っていると、目をつむり手を胸元に持っていく。そして目を開くと先程までの雰囲気と違い、何処か儚さを感じる笑みを浮かべながらダスちゃんへと微笑み口を開いた。
「大丈夫、ですから。安心して下さい…おれの、トレーナーさん」
「んん゛っ!?いきなり声と雰囲気似せてくるの止めなさいよ尊死するとこだったでしょっ!?」
「ふふ、お喜び頂けたなら幸いです(ドヤァ」
すごドヤ顔、でもなんかこう言う自慢できるような声真似とかコスプレ出来るの凄いなぁ。ボクも、このキャラの真似とか出来るようになった方がいいのかな?
「あ、スズくんは声真似とか動作似せようとしないでね」
「嘘でしょ……」
思わずそんな声が口から漏れる、すると何故かケイちゃんとダスちゃんが目を見開き互いに顔を見合わせた。
な、なに?も、もしかして何か不味い事でもいったかな?
「あの、スズくん本当にアニメ見てないんです?」
「う、うん……」
「えっと、スレとか反応集とかも?『ウワーッ!!?』とか『パクパクですわ!』とか、『うまぴょい』とか聞いたことありません?」
「な、ない…よ?」
「そう?」
「スズ、ちょっと『でも私の方が速いです』って言ってみなさい」
「う、うん……えっと」
これって、自信満々に言った方が良いのかな?ウマ娘って確か馬を擬人化したアニメの筈だしやっぱり自信満々に言うよりは、当たり前です見たいな口調で……。
「でも、私の方が速いです」
「………ダスちゃんの話、本当なんですね。スズくんの素の言動がスズカだと言うことがわかった気がします」
「えぇ、これでスズ以外にこのコスプレの適任がいないことにも──」
「納得ですよ、むしろ納得しかないです」
「ど、どういうこと!?ダスちゃん、ケイちゃんにボクの何を話したの!?」
「なんでもないわ、さてそろそろアイツも呼びましょ。たぶん着替え終えたでしょうし」
するとダスちゃんが携帯のメッセージを開くと、グループLINEにメッセージを投稿する。恐らくはリビングで待っているのであろう彼に連絡したのだろう。
そう思っていると部屋の扉がノックされると、ガチャリと音がして一人の男性が入ってきた瞬間に目を見開いた。
メイクを施したのか30歳前後に見える、ウィッグなのか癖毛を後ろで一つ結びに束ねており、左側頭部を刈り上げた特徴的な髪型をしている。顎周りには無精ヒゲがちらほら見えていて、何故か棒つきキャンディーを咥えていた。
「おぉ!最高に似合ってるじゃねぇか!?最高にキュートだぜ、My Best Friend!」
「ちょ、それ別作品だから!てかそのコスならスズカ呼びしなさいよ!?」
「お、オッキー!?うそ、凄い!年上みたい!」
自分と同い年である彼とは思えない姿へと変わっている友人、オッキーに驚きの声が口から漏れる。
「だっろおー?渾身のメイク、頑張ったぜオレ!ちなみに会場でオレを呼ぶときはトレーナーさんな」
「う、うん。その、トレーナーさん」
「俺はスズカ呼びになるが、そこは問題ないだろう。」
そう言うと、オッキーはボクの近くに座るとボクの着る衣装をみて『ホォー』と呟き、ケイちゃん達へと話しかけた。
「スズの勝負服、原案にしたのか?」
「えぇ、折角のコスプレでも勝負服なら他にも沢山の人がするでしょ?それならこうして原案デザインにすれば見分けやすいかと思って!」
「GOOD、最高のデザインだぜシスター!」
「誰がシスターよ誰が!ま、当然でしょ!何事も一番を目指すのがアタシなんだからっ!」
「ちょっとちょっと~私のメイク技術も誉めてもらっても良いと思うんですけど」
うう、話に着いていけない。
今からでもウマ娘見ようかな?でも、ネットのサイトは登録してないと見れないしレンタル店へいこうかな?そこなら案外あったりして。
「そういえば明日は俺らが売り子をして、新刊の会計とかは他のやつがするんだよな?」
「えぇ、サークルのメンバーが快く引き受けてくれたわ。あとは私たちのコスプレ写真を一枚、サークルのメッセージグループに送れば明日に備えるだけね」
「だな、そうとなればブラザー!今からお前のコスプレキャラについて……まぁ、このキャラにはこんな呼び方をすれば良い的な事を教えとくぜ」
「あ、ありがとうオッキー」
「おうよ!」
この日はボクの借りてるアパートが駅まで近いということで、三人がボクの家に泊まることになった。
オッキーの話でボクがコスプレするキャラに少しだけ興味が湧いて、個人でも調べて少しだけこのキャラについての理解を深められたと思う。
次の日、衣装を持ったボクたちは電車に乗って会場に向かった。朝からいつもは見ない沢山の人が改札を通って我先にと電車に乗り込んでいくのを見たボクはまるで怪獣映画の始まりみたいだと呑気に考えていた。
会場についてからも驚きっぱなしの連続だった、会場を出てまた入るには通行許可証が必要だったりと色々と驚きながらも、ボクは昨日覚えた通りに衣装を身に纒い、同じように着替えた二人から化粧を施された。
ダスちゃんは前髪のインテークにはシルバーのティアラを着けていて青空のように綺麗な青の大礼服を着ていて髪はポニーテールじゃなくてツインテールだ。
ケイちゃんは透き通るような水色の髪まるで男装の麗人って感じで寒色だからか昨日見た儚さと笑顔への心配が余計に強くなった気がする。
そして最後に昨日と同じ服装のオッキー、コスプレしているボクは知る唯一の同姓の友人という事もあり凄く一緒にいて安心できる存在だ。
衣装の準備を終えたボク達は隣のブースでウマ娘の作品をだす人たちに挨拶に行ったのだが、ボクやオッキー達をみて驚いていた。隣のブースでは別作品になるらしく、ケイちゃんとダスちゃんの友達でえっとアリアちゃん(そう呼んでほしいと言われた)と言う人がいた。
えっとふぇいと?というアニメ?ゲームだったかな?のタマモアリアというキャラクターのコスプレをして同人誌なるものを出しているらしい。
アリアちゃんがウマ娘で好きなキャラが私がコスプレしているキャラクターらしく、一緒に写真を撮って欲しいと頼まれて一緒に写真を撮った。
初めての写真撮影にポーズとかイラスト通りにで出来たのか分からなかったけど、喜んでくれたみたいで良かったと安心して笑っているとアリアちゃんが胸を押さえて崩れ落ちた。
大丈夫なのか心配したけどどうやら私が笑った姿があまりにもコスプレしているキャラクターに似すぎていて尊かった?らしい。
さて、コミックマーケット?が始まり私達以外にも沢山のコスプレをしている人がいて、まるで別世界にいるみたいに感じられた。
そのあと写真を頼まれる度、色々な人に似てますねと言われたので少しだけ自信がついてネットで見たこのコスプレをしているキャラのセリフとかも話せるようになって、段々と一人称も私で慣れてきた。
ケイちゃんとダスちゃんは販売する新刊?を色々な場所に宣伝しに行っており、ボクとオッキーはブースの前に待機しているのだがなんか凄い視線を感じる気がする。
なんか変なところあるかな?
「お、スズカ。あれ見てみろよ」
「どうかしましたか、トレーナーさん……わぁ!」
不安に感じていると、オッキーがそう言いながら何処かを指差す。指差す方向を見れば沢山のウルトラマンや仮面ライダーといった特撮キャラクターにコスプレしている人たちが見えた。
凄い!写真撮りたいっ!
この年になると、ヒーローショーとか行けないし写真も一緒にお願いするのは少しだけ恥ずかしく感じてしまって撮れないから一緒に写真を撮りたいと感じる。
でも、今はあくまでも売り子でお手伝いだし……。
「よし、許可が出たから行こうぜスズカ!」
悩んでいるとニヤリと笑いながらそう私の肩に手をおくオッキーに思わず驚きながら口を開いた。
「へ!?い、いつのまに許可を?」
「そんな行きたそうな顔されたら、
「トレーナーさん!行きましょう、早く……私たちだけの景色に!」
「はは、本当にスズカだな」
早く写真を撮りたい、憧れのヒーローと周りへの恥ずかしさ無しにお願いできる事に興奮した私はオッキーの手を引いて早歩きで仮面ライダーのコスプレをしている人達の元へと向かう。
仮面ライダーやウルトラマンのコスプレをしてる人達とのツーショットを沢山撮った。
逆に何人かのコスプイヤーさんから一緒に撮って欲しいと頼まれたりして凄く楽しかった。シン・仮面ライダーやBLACKSUNのコスプレをしている人達もいてビックリした。
少ししてオッキーと売り子に戻った、沢山のヒーローとのツーショットが映ったスマホに私は自分がコスプレをしていることも気にせず笑ってしまう。
それにしても、暫く売り子してましたけどみんな喉が渇いたりお腹が空いたりしてないかな?確か会場の近くにコンビニがあった筈だし、買ってこよう。
「トレーナーさん、その…皆さんに飲み物とか軽食を買ってこようと思うんです。外に出て大丈夫ですか?」
「構わないが、まさかその格好でか!?」
「はい、すぐそこですから。皆さんに買ってきて欲しい飲み物とお昼ご飯をメッセージ送るよう伝えてくださいね」
「ま、まぁお前がそれで良いなら構わねぇけど」
「それじゃあ走ってきますね」
「お前本当にスズカだよなぁ……」
そう言いながら私はブースで新刊を売っている人達に預けていたショルダーバッグを受け取った肩にかけて、会場の出口に向かう。
会場をでた後にもう一度会場に入る方法についてはケイちゃんとダスちゃんから聞いているから問題ない筈だ。
みんなを待たせるわけにはいかないので、少しだけ会場を出て走る。何故か分からないけど、この服はスカートではあるものの、タイツとショートパンツのお陰か走っても大丈夫だという安心感がある。
それにしても道路ってこんなに広かったかな?自転車用?のレーンがあるのか。都会って凄い進んでるんだなぁ。
「あの……」
そんな声が聞こえて、私ではないよね?と感じて足を止めるがたぶん違うよね?
そう思いそのままとした時だった、私の横を一人の女の子が走って追い付き私の顔を見つめてきた。
この子、凄く運動が出来るんだろうなぁ。
大人の私に追い付くくらい早く走れるんだし、将来はオリンピック選手だったりして。
そんなことを考えていると、その少女の頭に見覚えのあるモノを見つめ思わず足を止めた。
その女の子の頭には、私と同じようなつけ耳があった。
もしかして、さっきの会場に来ていた子なのかな?それなら頭につけ耳、そして尻尾を着けてコスプレしているのは納得だ。
「あの!お姉ちゃんってもしかして……サイレンススズカさんですか!?」
そう話す小学生くらいの女の子、この子はもしかしたらこの子の好きなキャラクターが私がコスプレしているキャラ……ウマ娘のサイレンススズカなのかな?
そう思いながらしゃがんで女の子に目線を合わせて頷く。
彼女にとっての好きなのであろうこのキャラを壊さないよう黙って頷くのが一番良いと思ったからだ。
「っ!わたし!サイレンススズカさんの走りが大好きです!いつかはトレセン学園にかよって、レースでスズカさんみたいに大逃げするのが夢なんですッ!」
嬉しそうに輝く笑顔を見せる彼女に私は、幼いときにヒーローショーで特撮ヒーローのスーツアクターさんに夢を話したことを思い出した。
あの時、ボクも目の前の女の子のように『いつか貴方みたいなヒーローにボクにもなれますか?』と問いかけた。
すると、その目の前にいたスーツアクターさんはゆっくりと、確かに頷いてくれた。
少なくともその瞬間だけは、例え中身のいるスーツアクターさんだとしても私にとって夢を肯定してくれたヒーローだった。
あの対応、子供への気配りを今度は私が引き継ぐ番で、突然行うことになるとは思ってなかったな。
そう思いながら私はその子の頭を撫でる、不審者とか言われたらどうしようと一瞬感じたけど、通報されないことを祈りつつ彼女の頭から手を離す。
「きっと出来るわ」
「わたしっ!わたしがいつか、大逃げでレースに勝てるようになったら、サイレンススズカさんと──」
「えぇ、一緒に走りましょう。でも…」
「?」
不思議そうに首をかしげる彼女に私は、この子へのエールを込めて、笑いかけながら強くこのキャラのセリフを話した。
「私の方が速いわ」
すると、私の言葉に呆然としていた彼女はやがてその瞳に熱いなにかを燃やし、両手の拳を握りしめて口を開いた。
「……負けませんっ!」
「ふふ、楽しみに待ってるわ」
彼女のその決意に満ちた表情にそう返したときだった。「パンちゃん!」と言う言葉に私と同じウマ娘のコスプレしている女の子が後ろを振り返る。
そこには、この子の両親と思われるお父さんらしき男性と私と同じようにウマミミと尻尾を着けた女性が立っており、女の子は即座に二人の元へと帰っていくのを見届けて立ち上がる。
すると、女の子の御両親らしき人物が私の方を見つめ驚くのが見えたので取りあえずお辞儀だけして、その場から離れようとしたのだが引き留められてしまい、何故か感謝されると同時に娘とツーショットをお願いされた。
ビクビクと心配していた私だけど、不審者とか誘拐犯とか言われないですんで良かった。
写真撮影を終えてコンビニへと向かっているとスマホにメッセージが届いた事を知らせるバイブレーションに、バックからスマホを取り出して確認する。
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【ダス@大天使ウララエル推し】
「烏龍茶お願いね、変な人に着いてったらダメよ?」
【ケイ@ミラミラカプ推し】
「コーラの青いパッケージの方お願いしますね♪
あとご飯系は会場の近くにハンバーガーとか色々なお店あったから無理しないでね~、たぶん近くのコンビニはだいたいコミケ参加者が買っててほとんどお弁当無いでしょうし」
【オッキー@ミホライ最高】
「だとよ、オレは取りあえずコーヒー頼む。ずっと飴咥えてたから口が甘い」
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返信したのを確認してスマホをバックにしまう。
会場に来る際に確認した道を辿っているとコンビニが無かった。
あれ、間違えたのかな?思わず立ち止まりスマホを取り出してマップを確認するけど、間違いなくスマホの地図アプリはここにコンビニがあることを示している。
「もしかして、アプリが古かった?」
そんな事を考えていると、ふと私の後ろから足音が聞こえた。誰かが通るなら道の端に行こうと思っていた時だった。
「あれ、スズカさん?」
自身の名前を呼ぶ声に振り返ると、昨日コスプレしているウマ娘のキャラクターに関連するキャラクターに載っていたウマ娘、スペシャルウィークという名前のキャラクターの制服姿をしている人がいた。
「す、スペちゃん?だったよね……」
確かコスプレしているサイレンススズカさんはスペシャルウィークさんをスペちゃんと呼んでいた事を思い出し思わずそう返事を返す。
この人もコスプレしているのかな?そんな事を考えているとスペシャルウィークの姿をしている彼女は人懐っこい笑顔を浮かべながら近寄ってくる。
「そんな勝負服姿でどうしたんですか?確か、今日はレースじゃないですよね?用事があってお出かけしてるって、聞きましたけど」
「じ、実は色々あってここの近くにあるコンビニに行きたいの。でも何処にあるのか分からなくて……」
「それなら任せてください!確か近くにコンビニがあった筈なので案内します!」
「だ、大丈夫なの?」
「はい!エルちゃん達との集合時間はまだ先ですから!」
どうやら、近くのコンビニに案内してもらえるみたい?それにしてもこの人のコスプレは凄いなぁ、キャラクターの説明の通りの話し方とか仕草だし。
そんな事を考えながらこっちですと振り返り話す彼女の後ろを着いて先ほどのコンビニより少し先に歩いていくと、コンビニの姿があった。
「あそこです!」
「ありがとうスペちゃん、その……助かったわ」
「いえいえ!あ、スズカさん勝負服にケープを追加したんですね、スズカさんに凄く似合ってます!それじゃあ私はこれで!」
そう言いながら道路の自転車のレーンに出るとそのレーンに沿うように先程の少女も驚くようなスピードで走っていくのを手を振って見送る。
もしかして、元陸上部なのかな?取りあえず自転車とぶつからないと良いなと思いながらコンビニに入る。
「いっ!?らっしゃいませ……」
「?」
店員さんが僅かに驚いた様子で挨拶をする店員さんに頭を傾げながらカゴを持って飲み物のコーナーに向かう。な、何故かコンビニに入っていたお客さん達がヒソヒソと話している気がする、やっぱりコスプレしたまま出てくるのは失敗だったかな?
無事、みんなが頼んでいた飲み物を籠にいれていた時だった。
私の目にとてもじゃないが可笑しなジュースが目に入った。
「に、にんじんジュース?」
おおよその子供、いや大人ですら買わないような名前のペットボトル飲料があった。もしかしたら前に三人が話してたウマ娘のコラボ商品なのかな?
そう思いながら三人のお土産にカゴに入れる、そして軽食を求めてお弁当コーナーに向かうと沢山の種類のお弁当達が置かれていた。
あら?ケイちゃん達の話だと会場付近のコンビニは参加者が昼食を買うからあまりないと話していたけど、たくさんある。
もしかして、あのスペシャルウィークのコスプレイヤーさんは穴場のコンビニに連れてきてくれたのだろうか。
そう思いながら軽食コーナーを見る。
『ゴールドシップ監修焼きそばDX
『ヒシミラクル絶賛、厚切り豚のお好み焼き』
『トレセン学園監修にんじんハンバーグ弁当』
『サクラバクシンオー監修バクシン的桜餅』
『トウカイテイオー監修ハチミーパン』
『サイレンススズカ監修いちご大福』
『ファインモーション殿下監修汁無し醤油ラーメン』
「わ、こんなに…ウマ娘って凄い人気なのね」
みんなへのお土産と昼食に出来そうだ、そう思いながらお会計へと向かう。少しだけ緊張した様子の店員さんにアルバイト初日だったりするのかな?と思いながら、商品の入ったレジ袋を両手で持つ、若干重いけど私は男の子だし大丈夫。
コンビニを出て通ってきた道を辿っていると会場が見えた。
通行許可証を見せて会場に入る、そして少しするとみんながいる場所が見えたので小走りで向かう。
「ただいま、みんな」
「お、戻ってきたなスズカ……ってスズ?それ本当にあそこのコンビニにあったのか?」
「スズ?ちゃんと知らない人に着いていかなかったでしょうね?」
ダスちゃんの言葉に即座に頷こうとして、脳裏にスペシャルウィークさんのコスプレイヤーさんが脳裏に過って頷くのが遅れる。
「へぇ……」
「め、目の前にハイライトがないよダスちゃん!?」
目の光がない状態でジリジリ近付いてくるダスちゃんに、またもや情けない声が口から漏れる。
「あれが噂のアンタが生むのよの顔ですね、学園でも高値で取引されるレアカードです。というかおれ、そんなにご飯が売ってるなんて思ってなかったです……てか、本当にそんなに?何件か梯子したとかでなく?」
途中から儚さが消えて話し出したケイちゃんに頷いて返す。
「そ、そういえばウマ娘のコラボ商品が沢山あったので皆さんに買ってきましたので一緒に食べましょう?」
「だな、そろそろ休憩にして良いか聞いてこようぜ。それにしても、今コンビニとウマ娘のコラボってしてないよな?見切り品とかなのか?」
「いえ、見たところ全部割引シールとか貼られてませんでしたし」
この後、私がコンビニで買ってきた商品を見て三人が驚きの声をあげることになるのだが私はまだ、知らない。
ボクの名前は
このイベントで友達三人とウマ娘のサイレンススズカのコスプレをしている、一応男です。
トレセン学園、栗東寮。
今日も走るためのトレーニングを欠かせないウマ娘達が帰ってくる家、スペシャルウィークは友人達と遊び、たった今、同室のサイレンススズカの待つ部屋へと戻ってきた。
「ただいま帰りましたー!」
「お帰りなさい、スペちゃん」
「あれ?スズカさん勝負服のケープとっちゃったんですか?スズカさんに凄く似合ってたのに……」
「ケープ?」
「そう言えばコンビニに勝負服で行くなんて、どんなことがあったんですか?」
「え?」
スペシャルウィークの言葉に首をかしげるサイレンススズカ、後日この二人のやり取りを聞いたメジロマックイーン、トウカイテイオーが理事長室に駆け込むことになるのだが、それは別のお話。
西恋 涼風《サイレン スズカ》
とあるウマ娘に外見が似ているため、友人に頼み込まれ断れずコスプレし大きなイベントへと参加した。
ダスちゃん
ダイワスカーレット似だが、胸はない(ここ重要)。そのため詰め物でコスプレしている。
ケイちゃん
友人B→ケイエスミラクル似だが、中身ヒシミラクル。頑張って体型を再現した。
オッキー
西崎トレーナーのコスプレをしている男性、西恋涼風の自称ベストフレンドで様々なアニメを教えている年上の友人。
アリアちゃん
別サークルにて、Fateのタマモアリアなるコスプレで売り子をしている。西恋涼風のコスプレに撃ち抜かれた1人。
ご愛読ありがとうございます
感想、お気に入り登録、高評価
お待ちしています
みんなはどのウマ娘が好き?
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雑穀精神!?ライスシャワー
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鹿毛嫌い!?スペシャルウィーク
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妹現る?アドマイヤデネブ
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闇の化身?ヤミノビジン
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元モブ娘?ブリッチコンプ