パクパクですわ!のキャラに転生したんだけど、何か違いますわ…… 作:クレナイハルハ
パクパクですわ……(小声)
少し広いアパートと思われる部屋、しっかりと整頓され清潔さが感じられる部屋。
そんな部屋に置いてある大きな姿見に映っているのは、白く腰まで伸びる綺麗な髪。 キリッとした顔、そして頭に付いている白いウマ耳。
丸襟で白いフリルの付いた黒を基準としたブラウス、そして黒いミニスカートを履きその上から黒いコートを羽織っている姿は何処かのご令嬢。
そう、ウマ娘プリティダービーのメジロマックイーンが映っていた。
「訳が分かりませんわ……」
メジロマックイーン。『パクパクですわ!』や『おしるこ!』、『メロンパフェもお忘れなく!』とか言ってたスイーツ好きで有名なウマ娘のキャラクターの一人。
トウカイテイオーのライバルであり、ライスシャワーとの熱いレースを行ったメジロ家のご令嬢。一方、ネットではストロングゼロや、スーパーのポップ等でコラ画像を量産。彼女の体質である太り気味のイラストなどで良く弄られるかわいいキャラクター。
そんなメジロマックイーンになっていた。うん、どう頑張っても理解出来ませんわ……。
確か昨日は普通に家に帰ってきて、流行りのコンビニスイーツを食べて眠り、休みである明日へと想いを馳せながら眠ったはず。なのにどうしてこんなことに………。
そんな事を考えながらテレビのリモコンを押せば、何故かウマ娘のレースが中継されている。普通ならこんな事はあり得ない、そもそもウマ娘のレースはウマ娘の世界での日常であり、現実ではあり得ない。
『威風堂々とスタートを待つのはこのウマ娘、一番人気トウカイテイオー。私が一番期待しているウマ娘、気合いを入れて欲しいですね』
これが最近噂のトラックじゃない転生ですのね……もうトラック転生の時代は古いのでしょうか?
そんな事を考えながらチャンネルを変えながら番組を流し見ていく。オグリキャップVSスペシャルウィークの大食い対決にスーパークリークによる子供のあやし方にぱかチューブ。ションボリ……ではなくシンボリルドルフの過去レースの再放送。これはどっきりじゃありませんわね。
私はウマ娘の世界に転生し、さらにはメジロマックイーンになった。改めて字に起こすと凄く変ですわね。あら?改めて部屋を見れば前世の私が使っていた人をダメにするソファーやSwit○h等のゲームも揃っていますのね?
う~ん、それにしても何処か違うような気がしますわ。メジロマックイーンってこんなに髪が白かったかしら?それに表情ももっと柔らかかったような気がしますわ。
『本日開店スイーツワールド!沢山のケーキやクッキーといったお菓子をバイキング形式で楽しめます!ウマ娘も大歓迎!!是非とも当店へとお越しください!』
………そんなこと考えているより今はスイーツですわ。確か財布はコートのポケットの中に……よし、スイーツパラダイス楽しめるぐらいのお金は残っていますわね。
早速部屋のテレビを消し、電気やエアコンも消しテーブルに置いてあった部屋の鍵をコートのポケットに入れ、自分の物と思われる携帯電話も持ちブーツのデザインをした蹄鉄靴を履いてから部屋を出る。
どうやら一般的なアパートの一室を借りているようですわね、少し安心ですわ。元は一般人ですし、何処かのお屋敷とかだったら少し場違いに感じてしまいますわ。
そんな事を考えながら先程の店の場所を検索し、バスに乗って向かう。
正直、私はウマ娘のキャラクターや物語もだいたいしか分かりませんし、原作なんて気にする必要はありませんわね。
今が原作のこのシーンとか言われても分かりませんし、というか先程から凄く視線を感じますわ。なんですの?ウマ娘なら走って行けとか、そう言うことですの?喧嘩売ってるんですの?良いわ、安値で買い叩いてあげますわよ?
そんな事を考えながら、私はまだ見ぬスイーツへと想いを馳せ窓から外を眺めるのだった。
「あれ、あの人……もしかして」
「パクパクですわ……」
そんな事を小さく呟きながら取ってきたスイーツを次々と口へと運んでいく。
モグモグ&パクパクですわ、甘いものは最高ですしとっても満たされますわ。
それにしてもまだ視線を感じますわね、もしかして髪にゴミでも付いてるのかしら?
そんな事を考えながらイチゴのショートケーキを口に含む。
私の座る席の後ろや左右をチラリと確認する、席のお客さん達は私を見てヒソヒソと話をしていた。まぁ、ウマ娘の聴覚なら聞こえるのでしょうけど、今はスイーツに夢中なので聞こえませんわ。
取り敢えず、このショートケーキでケーキの種類は制覇しましたわ。時間もそろそろですし、この紅茶を飲んだら帰ってLBXでも作りますわ。
ダンボール戦機はレベルファイブ最高傑作ですわ!
そんな事を考えながら紅茶を飲み干し、席を立って会計へと向かう。
「お会計をお願いしますわ」
「は、はい!その、メジロマックイーンさん……ですよね?」
「人違いですわ」
確かに私はメジロマックイーンに転生しましたわ、でもそのまま名乗れば騒がれる事は想定済ですわ。だから別人として名乗れば、勘違いで済むんですから問題ない、完璧ですわ。
「そ、そうですか………」
「そうですわ。御馳走になりましたわ」
そう言って店を出る。ふう、それにしても外にでたら出たでまーた視線を感じますわ。もういい加減にしてくださらない?
そう言えばわたくし、メジロマックイーンに転生したのだから仕事がありませんわね………取り敢えず帰ってからネットでアルバイトでも探せばよいですわ。メジロマックイーンになってしまったのもウマ娘世界に転生してしまった?のも、済んでしまったのだから、うだうだ言ってられませんわ。
取り敢えず私は私らしく、ゴーイングマイウェイで生きて行きますわ。
そんな事を考えながら私は微笑み、帰路に就くのだった。
トレーニングセンター学園。
多くのウマ娘が在籍しており、夢と希望と愛に満ち溢れた学園であり、有名なシンボリルドルフが生徒会長を務めている。
様々な機材が充実しており、毎日グラウンドではウマ娘がトレーニングを積んでいる。
そんな学園の一室にて、チームスピカに所属する一人のウマ娘、
「マックイーン、お前さ。昨日スイーツパラダイス行ったな?」
「な、なんのことですの!?」
「実は昨日、SNSでお前がスイーツパラダイスに入っていくところを見たと言う情報があってな」
「デマですわ!私、昨日はテイオーと並走してトレーニングしていましたし、スイーツパラダイスに行ってませんわ。近々、大事なレースもあるんですから」
「だよなぁ……もしかしてお前そっくりのウマ娘でもいたのか?」
「そんな事はあり得ませんわ。居たらもっと前に話が上がっていたはずですし」
そんな真剣な話をしているあいだ、当の本人はネットでアルバイト探しに勤しんでいたのであった。
ご愛読ありがとうございました。
メジロマックイーンの原案を見てふと思い付いたので短編で書いてみました。
好評でしたら二話を書くかもしれません。
改めましてご愛読ありがとうございます
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