ヨルムンガンド ANOTHER ORDER   作:マサクロ

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8話 NIGHT TIME THE RIGHT TIME 【phase2】

嵐の中、ナイトナインとココ・ヘクマティアルの私兵との戦闘は激化していた。悪天候のお陰で、ナイトナインの分隊は敵に気づかれる事なくC棟へと辿りついた。少人数ため、彼らの行動範囲は限られている。彼ら4人の目標は発電機の破壊であった。

 

「ホテルファイブ。こちらグルーム03、C棟施設内への侵入に成功した。ジャミング装置を使用する為、接続が不安定になる。アウト」

 

そう無線機で伝えると、それぞれ小型のジャミング装置をオンにした。監視カメラに映るのを避ける為だ。恐らく相手はC棟への侵入に気づいていない。FN SCAR-Lを構え、彼らは蛇の如く突き進んでいった。まだ施設内に逃げ遅れた一般人がいたが、彼らの中に"見逃す"という選択肢は無いに等しい。相手が悲鳴を上げる前に眉間に1発、心臓に2発、流れるような動作で撃った。彼らの足は止まる事なく進み、糸が切れた操り人形のように倒れる"死体"の横をナイトナインは駆け抜けて行く。足音に反応した4人の作業員達がこちらを振り向いたが、彼らが振り向くと同時に視界がガクンと揺れ、ナイトナインの姿を視認する事なく倒れた。瞬く間に4人の死体が通路に重なり、薬莢の落ちる音が響いた。

 

「発電室は次の角を右に曲がったところだ、素早く済ませるぞ。」

 

壁際に身を寄せ、通路に誰もいない事を確認すると、4人はカバーしあいながら角を曲がり、発電室前に到着した。ドアは鍵がかかっていて、厚さもかなりあった。分隊長が頷くと、一人の隊員がバックパックからプレート型の爆弾を取り出し、ドアに設置した。隊員達はドア横の壁に身を引き、爆弾を起爆した。爆音とともにドアが吹き飛び、舞い上がる煙の中を銃を構えながら突入した。部屋の中は薄暗く、無機質な機械音が響き渡っていた。隊員達は部屋の中を突き進み、安全を確保すると1人はまだ煙が立ち込める入り口付近を見張り、2人は手際よく爆弾を発電機に設置していく。残りの1人は壁にあったモニターに近づき、パネルをタッチしていた。2人が爆弾を仕掛け終わり、仲間に合図を送ると、モニター付近にいた隊員が頷き、発電機を停止させた。バツンという音と共に施設内は再び暗闇に包まれ、無機質な機械音が止まった。4人はNVGを指で下ろし、起動すると足早に部屋を去って行った。ある程度の距離を取ると、1人の隊員がスイッチを取り出し、爆弾を起爆した。その刹那、爆音とともに暗闇の中、炎が部屋から吹き出し、地響きが起こった。隊員達は目標を達成した事を確信すると、ジャマーを切り、エントランスホールへと向かった。通路を突き進み、扉を開けると生産場へと繋がっていた。一刻も早く撤退しなくてはならない彼らは、そのまま工場内を突き抜けようとしたが、足音が急速に近づいてくるのがわかった。後ろから近づいてくる足音はどんどんと大きくなり、とっさに振り返るとNVG越しの緑色の世界の中、女が突進してきたのが見えた。SCARを構えようとした瞬間、女は突然横に移動し、視界から消えてしまった。あの女は資料に乗っていた護衛のカレンだ。工場内はロボットアームやベルトコンベアー、その他の機械類が多く、非常に入り組んでいる。天井が高く、2階に位置するあたりにも足場が設置されていた。足音が施設内で響き渡り、カレンの位置が詳細に掴めない。NVGを装備した彼らは、緑の世界の中、ゆっくりと後退しながら索敵しつづけた。一瞬、上の方で暗闇の中を何かが横切り、とっさに銃を構えたが、既にその姿は消えていた。工場内の機械の上を飛び、2階の通路をかけていく音がした。隊員達の意識は上に向けられたが、それが命取りとなった。カレンは上から飛び降り、パイプを掴んで遠心力をつけながら最後尾にいた男に飛びかかった。ハンドガンを素早く抜き、男に向けて3発撃ち込んだ。弾は頭部に命中し、男は力なく仰向けに倒れた。カレンは着地と同時に転がり、落下のダメージを殺しながら体制をすぐさま立て直した。低い体勢のまま腰に固定された銃剣を素早くハンドガンに装着し、2人目に襲いかかった。相手は銃を構えたが、カレンは片手で払って銃口を逸らした。衝撃でSCARの弾がばら撒かれ、5.56mm×45弾が壁に当たり砂と共に細かい石片が落ちる。銃を払いながら身を回転させ、ハンドガンに装着された銃剣を相手の頸動脈めがけて切り裂いた。生温かい血がスプリンクラーのように吹き出て、カレンの横顔を濡らす。続いて3人目に飛びかかろうとしたが、既に銃を構えており、とっさに首を切り裂かれた男を盾にして銃弾を防いだ。鈍い音と共に衝撃で男の体が揺れ、うつ伏せに倒れかかった。倒れると同時にカレンは横に転がり込み、障害物に姿を隠した。銃撃を回避するとカレンはすぐに立ち上がり、片手を作業台の上に乗せ、体を腕一本で支えながら作業台を乗り越える様な体勢で男を蹴り飛ばした。SCARが足に当たり、反対側へと吹っ飛んだ。男は素早くハンドガンを抜き、カレンを撃とうとしたがカレンの方が速かった。蹴り飛ばした体勢のまま体を捻らせ、もう片方の足でさらに一発食らわせた。作業台をそのまま乗り越え、怯んだ男の喉元に向かって銃剣を突き刺した。喉仏の陥没する感触と共に、息苦しそうに男が喘いだ。最後の1人が銃を撃とうとした瞬間、カレンは2丁目のハンドガンを抜き、片手で喉元を突き刺したまま2丁目のハンドガンで最後の1人の頭を撃ち抜いた。男が仰向けに倒れると、カレンは喉から銃剣を抜き、男を突き飛ばした。ベルトコンベアーに叩きつけると同時にカレンは2発頭に撃ち込んだ。辺りは火薬と鉄のような血の匂いで溢れていた。顔を血で汚すその様は、まるで狼のようだった………

 

〜 to be continued

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