閃の軌跡~剣神~   作:灰色の剣神

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10話 オリエテーリング

旧校舎・1F

 

リィン達は女性教官に連れられ旧校舎に来ていた

 

「サラ・バレスタイン

今日から君たちVII組の担任を務めさせてもらうわ

よろしくお願いするわね」

 

「な、VII組・・・!?」

 

案内書に書かれてないクラスに緑髪の少年は困惑の表情をする

 

「そ、それに君たちって・・・・」

 

「ふむ、聞いていた話と違うな」

 

「あ、あのサラ教官

この学院の1学年のクラス数は5つだったと記憶していますが・・・

それも各自の身分や出自に応じたクラス分けで・・・」

 

メガネの女生徒が案内書のに書いてあったクラス数を言う

 

「お、流石首席入学

よく調べてるじゃない

そう、5つのクラスがあって

貴族と平民で区別されていたわ

あくまで、去年まではね」

 

 

「・・・・・・・」

 

リィンは聞いていた通りかと流れを見守る

 

「え・・・・」

 

「今年からもう一つクラスが

新たに立ち上げられたのよねー

すなわち君たち身分に関係なく選ばれた

特化クラスVII組が・・・」

 

メガネの女生徒の困惑をよそにサラは話を続ける

 

「身分に関係ないって本当なんですか?」

 

「冗談じゃない!!

身分に関係ない!?

そんな話聞いてませんよ!?」

 

サラの話を聞いて緑髪の男子生徒が怒ったように、声を上げる

まぁ、怒ってるが・・・

緑髪の男子生徒の怒りはこのエレボニア帝国では別に珍しいことではない

大いに口に出すのは珍しい部類ではあるが、昔から根付いている貴族と平民の確執があり

そして貴族も一部は平民を見下している者もいる

それもあって平民が貴族に不満を持つのは珍しいことではない

 

「えっと、確か君は・・・」

 

「マキアス・レーグニッツです!

それより、サラ教官

自分はとても納得しかねます

まさか貴族風情のクラスと一緒にやっていけと言うんですか!?」

 

「うーん、そう言われてもねぇ・・・」

 

マキアスの主張にサラも困惑する

1教官であるサラに言われても困るだろう

 

「同じ若者同士なんだし、すぐ仲良くなれるんじゃない?」

 

「そ、そんなわけないでしょう!」

 

「フン・・・・」

 

そんなマキアスとサラのやり取りを聞いていた金髪の男子生徒は鼻を鳴らす

 

「君、何か文句でもあるのか?」

 

「別に

平民風情が騒がしいと思っただけだ」

 

そんな態度が気に入らないのかマキアスは金髪の男子生徒につっかかる

 

「これはこれは

どうやら大貴族のご子息が紛れ込んでたみたいだ

その尊大な態度・・・

さぞ名のある家柄と見受けられるが・・・」

 

「ユーシス・アルバレア

貴族風情の名前如き覚えてもらわなくても構わんが・・・」

 

「し、四大名門・・・」

 

「大貴族の中の大貴族ね・・・」

 

「成程、噂には聞いていたが・・・」

 

「・・・・・?」

 

「ふわぁ・・・」

 

ユーシスの家名を聞き、マキアスは驚きその家名を知ってるものはそれぞれ反応する

長身の男子生徒は首を傾げ、銀髪の女生徒はそもそも興味がないのかあくびをしてる

 

「だからどうした

その大層な家名に誰もが怯むと思ったら大間違いだぞ!

いいか、僕は絶対に・・・」

 

「はいはい、そこまで

色々あると思うけど文句は後で聞かせてもらうわ

そろそろオリエテーリングをはじめないといけないしねー」

 

ヒートアップしそうなところでサラは中断させる

 

「くっ・・・」

 

マキアスは不満げだったが、切り替えサラの話を聞く

 

「オリエテーリング、それって一体何なんですか?」

 

「そういう野外競技があるのは聞いたことありますが・・・」

 

「・・・・・・・」

 

金髪の女生徒が問いかける中リィンは自身らが立っている床を足でトントンとしていた

サラは徐々に後ろに下がっていく

 

「やれやれ・・・」

 

リィンはそう言うと"範囲外"に横にそれる

 

「それじゃ、早速始めましょうか」

 

サラはそう言うと、壁にあるボタンを押す

サラがボタンを押した瞬間床が揺れ"開く"

 

「あ・・・」

 

「しまっ・・・」

 

気づいたが、もう遅い

"一部"を除いて、そのまま地下に落ちていく

 

「ほっ」

 

銀髪の女生徒はワイヤーフックを駆使し、落下を回避し吊れ下がる

 

「あんたも行かなきゃオリエテーリングにならんでしょうが!」

 

サラはそう言うと仕込みナイフを投擲しワイヤーを切る

 

「はぁ、めんどくさいな・・・」

 

銀髪の女生徒は結果を受け入れ、そのまま落ちていく

 

「あらら

あれ大丈夫なのか

明らかに受け身取れなそうな落ち方したやついたけど」

 

「ええ、心配ないわ

床はクッションになってるから受身取れなくて衝撃はないはずよ」

 

リィンの問いにサラは答える

明らかに武術の心得がないような者もいたがそこら辺は考慮されてるのだろう

 

「ふーん

一応考えてんだな」

 

「ま、一応学院だからね」

 

「それにしても聞いていたがあんたが教官やってるとはな

"紫電"のバレスタイン」

 

「あんたの親玉のおかげで路頭に迷うことになったからね」

 

「それに関しては知らないな・・・」

 

リィンは肩をすくめる

"例の件"に関してはリィンが"子供達入りする前"の出来事なので本当に無関係だ

 

「私こそあんたが入学するって知った時は驚いたわ

何を企んでるのかしら?

あんたは・・・いえ、あんたらは?」

 

「ハハ・・・

なんのことですかね

オレも丁度学院にいく年齢、それで入学しただけですが?」

 

リィンは鋭いなと内心呟く

今回の"仕事"に関しては正直情報開示をして協力体制を引いても問題ない案件だろう

だが、それと同時に開示して関係者にも情報が漏れてしまえばただでさえなにもわかってない状況なのに余計わからなくなり、事を起こされるまで迷宮入りになってしまうそれは情報局としても避けたいところだ

しばらくはリィン(一人)で地道に情報を集めていくしかないだろう

 

「よく言うわ」

 

サラはため息を吐く

"あの男"直属の部下であるリィンが入学してきたのは偶然じゃないとサラは確信する

確実に"何かが"動き出していると

 

「まあ、いいでしょう

あんたもオリエテーリングに参加しなさい」

 

「やれやれ、めんどいけど仕方ないか」

 

リィンはそう言うと床穴から飛び降り、オリエンテーリングが開催されている旧校舎の地下に向う

 

「"剣神"か・・・

大層な渾名を与えられたものね・・・・」

 

サラは何気なくリィンに与えられた渾名を声に出す

リィンの実績はサラも"前職"の時に散々耳にしたし調べもしたことがある

剣の腕の高さもさることながら優れた問題解決能力・・・上げたらきりがないほどリィンの実績はすさまじいものだった

そして革新派と一般市民からの評価も高い。

顔の良さもあってか女性からの黄色い声も多々あるみたいだが・・・

 

それと同時にやはり疑問の声もあるのも事実だ

齢17にして本当にそこまでの実績はあるのかとか誇張だとか、情報操作してるんじゃないかとか

どれも根もふたもないデマばかりだが、それも仕方ないことだと同時に思う

リィンが今まで上げてきた実績の割に"若すぎる"のだから

そしてそれは主に貴族連中からの声が主だ

革新派と貴族派・・・

この二つの派閥の水面下での対立は今に始まったことではないし、少しでも貶めたい気持ちがあるのだろう

子供相手で汚い大人だとは思う

だが仕方ないこれも社会の形なのだから・・・

そして一番は僻みだろう

 

「リィン精々みせてもらうわ

あんたの・・・あんたらの思惑をね」

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