閃の軌跡~剣神~   作:灰色の剣神

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8話 テロリスト

あの立ち合いのあと、同僚であるクレアからリィンは色々怒られた

最後の攻撃は閣下を殺しかねない、あの焔の斬撃も模擬戦で使うには危険だ等その他にも色々言われたが、ほとんど聞き流していてそれくらいしか覚えてない

ちなみにそれは態度にも出ていたらしく、あの冷静沈着なクレアがキレた

その時はもう本当に酷く、TMPの部下たちも恐れを抱いたと聞いている

一部はキレてる大尉もいいとか変態すぎてリィンはドン引きした

 

あの立ち合いのあとはリィンも他の鉄血の子供たち(アイアンブリード)も忙しなく動くこととなった

帝国を中心に暗躍してるテロリスト集団が各地で動き始め、正規軍では対応しきれなくなり、鉄血の子供たち(アイアンブリード)も動かざるを得ない状況になるのだった

その暗躍も大したことではなく、そんな大きい事件ではなかったが、なにせ件数が件数なだけに正規軍から帝国政府に打診があり、リィンたちも動いたのだった

そして、テロリストの構成員数も幹部もわからないまま、月日だけがすぎ、そしてある日ヒヤリングの結果、テロリストのリーダー格が"ある場所"に潜伏してる可能性があることが告げられた

 

 

帝都ヘイムダル・宰相執務室

 

「トールズ士官学院?」

 

「うむ、昨今裏で動いているテロリスト集団だが、そのリーダー格がトールズ士官学院の関係者かもしれないという可能性があがってな

そこで丁度、入学する年齢でもあるリィンには内情を探ってきてもらいたい」

 

「本当かよ・・・」

 

呼び出されたリィンは疑わし気に呼び出した本人、ギリアス・オズボーンを見る

 

「フフ、可能性の話だ

いるかもしれんし、いないかもしれん

それに未だになにも掴めてない今、潜入するしかあるまい」

 

「まぁ、確かにな」

 

オズボーンに言い分にリィンは同意する

オズボーンが言うように例のテロリスト集団に関してはなんの情報も得られてはいない

構成員、人数、幹部、顔、名前そのすべてが得られていないのだ

それなら、少しでも可能性のある情報に飛び込むしかないだろう

 

「おまえには"学生"として潜入し、探れ」

 

「学生としてって、試験とかあんだろ」

 

「フフ、そこはレクターに任せてある」

 

「あぁ、いつもの根回しね・・・」

 

リィンは同僚の赤髪の青年の顔を思い浮かべる

頑張って試験勉強して受かろうと必死こいてるやつらには申し訳ねぇなとリィンは内心思うのだった

 

「それにお前にとってよき縁があるかもしれんぞ」

 

「まぁ、レクターにクレアにミリアム・・・色々濃いからなここのメンツ」

 

「フフ、お前も人のことは言えぬだろう」

 

リィンはこのエレボニア帝国に来てかかわってきた人たちを思い浮かべる

鉄血の子供たち(アイアンブリード)の同僚たちに護衛と称して関わった皇族の方々

どいつもこいつも一癖、二癖あるような連中だった

そんなリィンにオズボーンは突っ込む

 

「まぁ、おまえにとってもあそこはよい経験となるだろう

潜入も大事だが、適度に楽しむといいだろう」

 

「ま、そこはレクターを真似てみるさ」

 

「う、うむ」

 

あのサボり魔をか・・・とオズボーンは若干不安になった

 

「四月から入学だ

それまでに色々準備を整えるといいだろう

言ってくれれば必要なものはこちらで揃えよう」

 

「あぁ、わかった

そん時は連絡する

あまりやるとクレアがうるさそうだけどな」

 

「フフ、あれもお前を心配してのことだ

多少は目を瞑ってやれ」

 

「あの奇行が目立つ人がねぇ」

 

あのうるさい美人がなーと内心思う

顔こそ一級品の美人だが、口うるさいのが難点だとリィンは思う

そういえばストーカー(姉弟子)も美人だが、あれもいろんな意味で台無しだよなと思うのだった

その後、少し雑談してからリィンは執務室を後にした

 

 

リィンが去ったあと・・・

 

「顔を合わせておかなくてよかったのかね

君にとっても久々の再会だろう」

 

「フフ、確かに弟弟子とは顔を合わせておきたかったけど

また機会はあるだろう

私と弟弟子の・・・いや、リィンの因果は繋がってるしね」

 

オズボーンが声をかけると、白銀の女性が姿を現す

傍らには忍び装束の仮面男と小柄な少女だ

 

「姫様、今はそんなことより

仕事の話を・・・」

 

「まぁ、シズナ様らしいですが・・・」

 

「まぁ、そうだね

帝国の実質No2のあなたが私たち"斑鳩"を雇いたいってのはどういうことなんだい?

ま、ミラさえ払ってくれればそれでいいんだけど」

 

「フフ、今は事情を話すわけにはいかないのでね

そこは了承頂きたい

仕事内容はとある日に護衛を頼みたい

それまでは自由にしてかまわない」

 

「フフ、なるほどね

それでこのミラ払いの良さは気になるけど了解したよ」

 

「日程等の詳細は後日連絡しよう」

 

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帝都ヘイムダル・ドライケルス広場

 

リィンはオズボーンとの話が終わった後、ドライケルス広場まで戻っていた

先ほどまでいた執務室の方を振り向いた

随分と懐かしい気配をリィンは感じ取っていた

おそらくは"彼女"の気配だろうと結論付ける

だが、今回邂逅しなかったということは縁がなかったということだろう

いずれまた会うこともあるだろうとリィンはあとにする

 

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S・1204年 3月31日

帝都ヘイムダル・駅構内

 

例のテロリストの幹部クラスが潜伏してるとされるトールズ仕官学院に潜入し調べるため、リィンはその士官学院があるトリスタに向かうためリィンはヘイムダルの液に来ていた

リィンはこれからトリスタに向かう

それまではよかったのだが・・・リィンの周りは賑わっていた

 

「リィンよ、お前の実力なら問題ないと思うが、油断せぬようにな」

 

「おい」

 

「クク、リィン、オレも色々根回し大変だったから

うまくやれよ」

 

「おい」

 

「リィンさん

これも任務の一環ですのであまり羽目を外しすぎないように」

 

「おい」

 

「リィン、しっかりね」

 

「お前にだけは言われたくないな」

 

「ぶー」

 

鉄血の子供たち(同僚)達が何故か出迎えに来ていた

最年少の少女ミリアムが先日、しばらく会えなさそうだから出送り行くねと言っていたのだが騒がしくなりそうだから来るなと言っていたのだが、鉄血の子供たち(アイアンブリード)総出で出送りに来たようだ

ミリアムが人の話が聞かなく来るのは想定内なのだが・・・

 

「なんであんたらも来てんだよ」

 

ミリアム以外の同僚をリィンは軽く睨む

 

「クク、まぁそう言うなよ

それこそ、ミリアムの言うようにしばらくは会えなさそうだからな・・・

まぁ8割は面白うそうだからだがな・・・」

 

「だろうな!」

 

このふざけた男が殊勝に出送りなどするわけがないとリィンは内心思う

 

「なんでクレアまで来たんだよ

目立つの分かりきってたろ」

 

「こ、断りきれなくて」

 

「あー・・・・」

 

それを聞いてリィンはなんとなく事情を察した

ミリアムに言われ最初は断ってたのだろうが、レクターが参戦し、敬愛するオズボーンまで行くとなりクレアも断りきれなくなりこの場にいるのだろう

リィンはこの日クレアに同情した

 

リィンはあまり目立ちたくなく、出送りなどいらなかったのだが、そうはいかなかたようだ

この短い期間でにリィンも有名になっていた

”剣神”の異名はこのエレボニアの地での象徴になりつつあった

最も貴族派からは疎まれてはいるが・・・

 

「おい、あれって・・・」

 

「オズボーン閣下!?」

 

「おい、閣下の近くにいるのって・・・」

 

「氷の乙女に剣神!?」

 

「そりゃ、こうなるよな・・・」

 

リィンは頭を抱える

レクターとミリアムに関しては裏で動く事が多いためそこまで知名度があるわけではないが、オズボーンは当然ながらリィンもクレアも表の知名度も高い

これで潜入捜査なんてできるのかと思わなくも無いがなるようになるだろうと考える

 

ートリスタ行きの電車が出発します

お乗りのお客様はお乗り下さい

 

駅のアナウンスが聞こえてくる

 

「っと、乗らないと、やばいな

おっさん、クレア、レクター、ミリアムそれじゃ行ってくる

・・・それと懐かしいやつにもよろしく言っといてくれ」

 

そう言ってリィンは電車に乗り込んだ

 

「フフ、行ったか

あやつならうまくやるだろう」

 

「ククク、任務はともかく交友関連は絶望的だろうけどな・・・」

 

「それは・・・」

 

「あはは、リィンはそこらへん苦手そうだからねー」

 

武の腕の高さや頭の良さは評価するが、鉄血の子供たち(アイアンブリード)以外の交友関連は絶望的だ

 

「フフ、気づかれたみたいだね

気配察知も更に高めたみたいだ

これは負けてられないな」

 

白銀の少女、シズナは駅校内の柱から姿を見せる

傍にはクロガネとカエデも一緒だ

 

「フフ、さて君達にも動いてもらおうか」

 

「ああ、ミラをもらってるんだ

金額分は働くさ」

 

 

ーーさて、リィン

今日は顔合わせできなかったけど、近い内に会おう

 

シズナは弟弟子であるリィンとの再会する日を楽しみにしながら行動を起こすのだった

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