東方幻創弾 〜Phantasm memories from Buster.〜 作:蒼いなんでも屋
……にわかってどこまでを指すのでしょうか。
やっぱり原作未プレイだと「にわか」なのですかね?
……ダンカグくらいやろうかな、と思ってます。
そんな原作未プレイヤローの作者は今日も執筆。
テスト近いのになーにやってんだボケ。
ところで妖夢といえば確かこの間の人気投票一位でしたね。
これからそんな妖夢の活躍を描けるといいのですが。
みょんみょん。
「皆さーん! 春ですよー!」
そう言いながら春風を漂わせて、博麗神社に春を告げる妖精がひとり、ふわりと現れた。
彼女の名ははリリーホワイト。文字通り春の訪れを知らせにやってくる存在、
幻想郷の人々は彼女を見て、声を聴くことで、春を感じる。自然は春色の彩りを広げ、暖かな風に運ばれていくのだ。
逆に言うとその時くらいしか活躍の出番がない、ちょっと不遇な妖精でもある。
リリーは春の訪れを感知すると姿を現して、冬眠していた生き物達を目覚めさせ、桜などの春の花を満開にし、通った場所を春でいっぱいにする。彼女の到来は花見の合図だ。
春は興奮しているので相手にしようとするとやや強いが、それ以外はあまり力を発揮できず、子供達に捕まったりもしてしまう。ただ、彼女が夏から冬の末期までは、具体的に何をしているのかあまり知られていない。
「……春、か」
そんなリリーを眺めて、星羅が呟く。
隣では霊夢も顔を上げていた。
「アイツはリリーホワイト。春ですよー、って言うだけの
「そんな妖精もいるんだね」
ふうん、と星羅が返すと、霊夢は
「春といえば、桜かしらねぇ」
と、星羅の頭に乗ったあるものを手に取った。
桜の
鮮やかなピンク色に染まり、散った物ながら生きているような印象を与えてくる。
「えっ、乗ってたの? ……なんか恥ずかしい」
「よくある事よ、気にしないで」
自分の頭に乗っかっていた事に顔を赤らめる星羅。
そんな二人の近くを、
「
とリリーホワイトがニコニコしながらさり気なく通過、人里の方へ飛んでいった。
「うぅ……」
「何顔赤くしてんのよアンタ。そういうところ変わってるわね」
「えぇ? だってなんか……恥ずかしいよ、やっぱり」
「そこまで恥ずかしがる事はないわよ? まぁ良いわ、それよりも」
霊夢は神社のお賽銭箱を見やった。
「アンタって……もしかして律儀?」
奉納金を取り出すと、そこには一枚の千円札と五百円玉が入っていた。
参拝客が皆無なことで知られる博麗神社への奉納金…それもまだ朝なのに、である。
星羅はそれを見ると、笑顔で答えた。
「まぁ、曲がりなりにも居候の身。これくらいの恩返しはしないとね」
星羅はあれからしばらく、人里でもお世話になっている。
魔理沙が大々的に(むしろ大袈裟に)、「なんでもするらしいからよろしくなー!」と宣伝したのがきっかけで、個人的にお手伝いしたり、頼まれごとをしたり、(霊夢の)お使いをしたりと、いわゆる「なんでも屋」に精を出しているのである。
星羅はそれにより、成り行きで生活資金を稼いでいた。
人里のお手伝いは自分からお金をもらっているわけではなく、基本的に無償でやっている。あくまで星羅はボランティア精神で取り組んでいるのだ。
だが、頑張りが評価されたのか、それとも魔理沙の根回しか、何故か皆こぞってご褒美としてくれるらしい。
お陰で、霖之助から貰ったポチ袋はいつもいっぱいである。
そんな彼女は毎朝、必ず少しでも博麗神社の賽銭箱にお金を奉納し、毎日お参りを済ませている。
霊夢も最初は星羅の仕業だとは思わなかったが、一週間も続いたので訝しんでいたところだった。
「別に私、そこまでしてお金を没収しようなんて思ってないわよ? 嬉しいけどさ。…アンタのために使いなさいよ、それ」
「ううん、いいの。だって」
霊夢の疑問に、星羅はサラッと答えた。
「霊夢は、私の恩人。それに大切な友達だもん。お互い様ってやつだよ」
その言葉に、霊夢はハッとする。
彼女は何よりも、やはりそういう絆とかを大切にしているのだろうか。
そういったものは、時にかえって危険を招く事もある。当然、誰もが持っていなければならないものでもある。
特に幻想郷では尚更だ。
──それでも、やっぱり霊夢は素直な嬉しさが勝った。
「……そうね。……ありがとう、星羅」
少しまごつきながら、星羅に思いを伝える。
「……うん!」
星羅も笑顔を返し、二人は笑った。
「……ねぇ、今のリリーホワイトの
「……あンの春告精……私達のこと茶化して行ったわね」
「……?」
「……おーい! 霊夢ー! 星羅ー!」
ふと、空から声が降ってくる。
見上げると、そこには空飛ぶ物体──否、箒に跨りこちらへ降下してくる魔理沙の姿があった。
「……あれは、魔理沙?」
「よく見なさい。もうひとり乗ってるわよ」
降りてきたのを見て2人駆け寄ると、魔理沙ともうひとりが立っていた。
魔理沙は彼女を指さして、星羅に紹介した。
「星羅は始めてだな。コイツは妖夢。冥界、白玉楼の剣士だぜ」
魔理沙の紹介に、妖夢は頭を下げた。
「はじめまして。魂魄 妖夢です。冥界・白玉楼にて庭師兼剣術指南役を務めさせてもらっています」
妖夢は頭を上げると、手を差し伸べる。
「魔理沙から話は伺ってます。星羅さん、よろしくおねがいしますね」
「こちらこそ、よろしくおねがいします」
二人は握手。
ただでさえ色白な自分の肌よりも白くなっているのを見て、星羅は、
「……あの。もしかして、冥界っていうくらいだし……幽霊?」
と思わず聞いてしまった。
「あー……その事なんだが……」
魔理沙が何か言いたげに反応する。
「魔理沙? 何か隠してるの?」
「人聞きが悪いな。そういうわけじゃない」
霊夢が問いだしてみると、妖夢が代わりに答えた。
「実は……霊夢達に、頼みがあるの」
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「……なっ……半霊を失くした!?」
霊夢は思わず飲んでいたお茶を吹き出しかけた。
妖夢は昨日──幽々子のおつかいの折に、共にいたはずの半霊を紛失した。そのために、今日は人里に降りて必死に自分の半霊を探していたのだ。その様子を魔理沙に見つかり、事情を話して二人で神社にやって来たという。
星羅が単に「肌が白い」という印象を抱いたのみだったのは、これが原因だ。半霊がいれば、もう少し抱いた印象は異なったかもしれない……星羅は薄っすらと思いながら、状況を整理する。
「……つまりいつもの、半霊ちゃん? ……は、妖夢の周りをふよふよ漂ってる白い霊魂、ってことで…本来は妖夢と一緒にいるのに、今はどこかに消えてしまった、ってことで合ってる?」
「うん。理解が早くて、助かるよ」
妖夢が頷くと、霊夢も気を取り直して湯呑を置き、腕を組んだ。
「特に何も、心当たりは無いのね」
「……特には、なにもない」
「となると、探すには手掛かりが無さすぎるわよ?」
正に、失踪。
忽然と姿を消したのだ。
「うーむ……やばいな」
霊夢、魔理沙、妖夢、そして星羅は流石に参った。手掛かりのひとつはあれば、人里や幻想郷の皆の協力で探す事は容易に出来る。だがそれすらも無いのでは、万事休すもいいところであった。
──そんな四人に、ふと声が響く。
「……お困りのようね? 霊夢に魔理沙、妖夢。そして、星羅ちゃん」
「……紫っ!? いつの間に!?」
霊夢が振り返ると、そこにはスキマに腰掛けたスキマ妖怪こと、紫が佇んでいた。
思わせぶりな口ぶりと、含みのある微笑み。所謂、「助っ人」としてやって来たようだ。
……星羅以外の3人が一斉に嫌な顔をしたのは、言うまでもない。
「あらあら。そんな顔をしないでちょうだい。星羅を見習いなさいな」
「星羅。アンタもじきに分かるからコイツの言い分聞かなくていいわよ」
「…?」
紫はスキマを閉じるとふわりと床畳に降り立ち、そのまま空いていた座布団へと座った。
「星羅について話しに来てみたら、妖夢の半霊が行方不明だって幽々子から聞いてね」
「えっ、幽々子様から? いつの間に…いらっしゃるのでしたら予め言っておいてくだされば、私何かご用意しましたよ?」
「ええ。割と心配していたわよ。それに行ったのは突発だったから気にしなくていいわよ」
「そうでしたか」
「アンタらねぇ…そういうとこで通じてんの何とかしなさいよ」
言いながら紫は、(神社の)お茶を(勝手に)スキマから持ってきて一口。
「まぁ、それよりも聞いてほしい事があるわ。星羅ちゃんについてよ」
「えっ、やっぱり何か知ってるのか?」
魔理沙の反応を見て、霊夢は呟く。
「いつもの事じゃない」
それを受けて、星羅は「紫さんってそういう人なんだ」思った。
あまり純粋に受け取ってしまうとアレなのは、後でわかるが。
「霊夢から星羅について聞いたけれど……あの後色々調べたら、興味深い事実が分かってきたわ」
「何だよ、それ。焦らさないでさっさと言ってくれ」
魔理沙の問いに、紫はきっぱりと言った。
「恐らく……人為的な結界侵入の可能性が高いわ」
「「人為的!?」」
霊夢、魔理沙が顔を見合わせる。妖夢も困惑した表情をしていた。
紫は3人の反応を見つつ、言葉を続けた。
「あの日…星羅が初めてやって来たというあの日の、結界の状態について藍に尋ねてみたのよ。そうしたらね……」
星羅が幻想入りしたあの日。
霊夢から一部始終を聞いた紫は、自分の式である妖怪、
「今日、なにか変わったことはあった?」
「変わった事……ですか?」
藍は、紫が九尾の狐に取り憑かせる事で生まれる、狐の式妖怪。紫程ではないものの高い実力を持ち、式でありながらさらに自分の式である化け猫妖怪、
紫は実は、暇な時もそうでなくても(ただし後者は場合にもよる)、
幻想入りすると大抵の場合、結界に何かしらの反応があるらしい。
勿論、普段は結界そのものに外の世界の常識を弾いたり、非常識をそのまま入れたりするなどの機能が正常に働いている。しかし何らかの手段により、外の世界の人間がいきなり、しかも単独で結界を通過した場合は、少し結界が揺らぐという。
「……そういえば、幻想入りの反応がひとつ」
「ふぅん。実は霊夢のところに来てるのよ。幻想入りした女の子がね」
「そうなのですか? どうりで唐突に」
藍はふむ、と顎に手を当ててしばらく考えると、ハッとしたように顔を上げた。
「でも先程の反応…言われてみると、なにか変でした」
「あら? 具体的には?」
「……そうですね。こじ開けられたような感じです。まるで、紫様の…スキマ展開能力のように、急激かつ規則的に」
自分もよく分からないといった表情で、藍は続ける。
「…スキマを開くと、その空間が少しだけ歪むんですよ。まぁ紫様が開いたとは思っていませんが。僅かな差でしたので、報告する程のものではないと思っていましたが……申し訳ありません」
「いいえ。その幻想入りした女の子も謎が多いし……今回はお咎め無し、ということにしておいてあげるわ。藍、彼女を監視しておきなさい。聞いた話では何か企むような子じゃなさそうだけど…念の為、怪しい行動を起こさないか見ておいてちょうだい」
「紫様の仰せとあらば」
藍が一礼し去っていくと、紫はぼそっと呟いた。
「………………スキマ……ね」
「じゃあ、星羅はその“人為的”な幻想入りをさせられたって事なの?」
「恐らくはそういう事になるわ」
紫の発言に、黙りこくる一同。
彼女の言ったことが正しければ、星羅の記憶も恐らく人為的に消されたのかも知れない、と予想がついてしまう。
はっきり言って非人道的過ぎる。本人が許可したならば話は別だが、もしも無断ならば黙っていられない。
仮に無理矢理星羅をこの世界に放り込んだならば、そもそも
そんなことを、霊夢達は思った。
「……まぁ、兎に角よ。こんなことを自分から言っておいてだけれど、星羅が例の侵略者どもに狙われる理由も、記憶喪失の原因もわからない以上は、まだ決め付けられないわ。地道に探してみましょう、手掛かりを」
紫の言葉には、深く考え過ぎるな、という意味が込められていた。
「……だな」
「そうですね」
「……仕方が無いか」
3人はそれぞれ納得した様子で頷き、背伸びをする。
「……………………………………」
──何ひとつ言葉を話さない星羅を除いて。
「…あぁ、そうだ。妖夢の半霊のことで困っているのよね」
紫は今更思い出した、とても言いたげに、妖夢に問う。
妖夢が頷くと、彼女はわざとらしく口元に指を置き、告げる。
「そうねぇ、じゃあヒント。“現場百遍”よ」
「紫も半霊の所在までは知らないのね……」
「流石に全てを常に見通せるわけじゃないわよ」
「どうだか。アンタのことだからね」
「…取り敢えず、今のお言葉はありがたく受け取っておきます」
「それで構わないわ」
言っていること自体は、大事なことだ。
妖夢は大人しく受け取ることにした。
「それじゃ、私は戻るわ。なにかわかったら遊びに来るから」
「遊びには来ないでよ」
「ふふ、冗談よ」
霊夢にツッコまれながら、紫はスキマへと消えていった。
スッとスキマが閉まった跡を見ながら、星羅は呟く。
「…………
「さ、
霊夢が区切り付けるように言いながら、大幣を引っ張り出した。
「…いいの?」
「みんなで探したほうが楽じゃないの?」
「霊夢、珍しく乗り気だな」
魔理沙が訝しむと、彼女は答えた。
「今は異変の真っ最中。思い立ったが吉日、行動するのが一番。……私の勘よ」
「……ははっ、だな!」
今は少なくとも、目の前の物事を解決するのみ。
そんな霊夢の姿勢に、星羅も何かを思ったようだ。
「……そうだよね! 私も行く!」
「そうこなくちゃ。行くわよ妖夢」
「…うん! よろしくおねがいするね」
「一仕事するか!」
四人は神社を飛び出し、春風の中へと飛び立った。
幽々子様といえば「大食い(?)」「遠い言い回し」「どこか天然」、あと「普通に強い」。描写が難しい……!
妖夢も敬語と素の時とで使い分けるのが大変だったりします。ていうか敬語使わない相手って最近減った……?
次回は幽々子様も登場したら活躍させたいですな。
妖夢活躍しなかったけど。
ところで、横書きゆえにセリフと本文を最低一行は開けてます。読みにくいかな、と思いまして。
いらないよ、という方はコメントおねがいします。
多かったら詰めます。
この中で、番外編やってほしいのは?
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紅魔館組
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レイマリ
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うどみょん