東方幻創弾 〜Phantasm memories from Buster.〜 作:蒼いなんでも屋
うおおおおおお!!!
全員集合ーー!!
すみません。
お待ちかね、フランドール・スカーレット降臨です。
今回も最後まで読んでいただけると嬉しいです。
どうでもいいかも知れませんが、ダンカグハーフアニバーサリーおめでとうございます。
みんなもやろうぜ!!
ちょうどイベントでもフランが出てくるようなので、偶然って凄いねと思ったり思わなかったり。
星羅の手がかり。
幻想入り。
記憶喪失。
能力不詳。
パチュリーは星羅に、わからない事だらけの現状を必ず脱するための本を探し出すと約束する。
そして美鈴から、咲夜の昔話をされた星羅。
咲夜が内に抱える何かを感じるのだった。
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「あーあ、またお姉様たちは勝手に楽しそうにしちゃって」
地下に響く、ひとりの声。
「どうせまたろくな事じゃないだろうけど……私を置いて勝手にしてるのは、ちょっと許せないなぁ」
七色の羽広げ、少女は呟いた。
「折角なんだから……私も混ぜてよ、お姉様?」
そして間もなく、階段よりこつこつと登る音が木霊したのだった。
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「悪いわね星羅、こんな夕方まで」
「いいんですよ咲夜さん、押しかけたのは私ですもん」
エントランスホールで、咲夜と星羅はすっかり遅くなった時間を嘆いていた。
なんだかんだいろいろあったせいで、お昼もここで食べさせて貰った。
星羅はとても美味しい食事に感無量だったが、咲夜曰く「ナイフの腕は料理に比例するのよ」と言う事らしい。
「結局、私とあなたの繋がりについては何もわからなかったわね」
「……でも、これで何かはあるっていう確実な証拠は得ましたから」
ポケットから取り出した、色の無いメモリを見て言う。
「今は機怪もおとなしいし……ゆっくり探しましょう」
「……そうね、焦っても何も無いか」
咲夜も頷く。
「また今度ここに来なさい、あるだけの手がかりは探してみるわ」
「はい、ありがとうございます」
と、二人が別れを告げた……
その時だった。
「私を置いて、そ〜んなに話を進めているなんて……驚いちゃったわ、咲夜」
突然の声に振り返る。
そこには赤と少し紅い白の服を纏い、レミリアとお揃いの帽子を身に着けた、レミリアと同じくらいの幼女が立っていた。
羽根は、虹色の宝石が一個一色で左右6〜7個ずつくらいでぶら下がっており、星羅には飛べるのか怪しい気がした。
だがそれ以上に、
「あら、そっちのあなた……もしかして人間? もしかしなくても、私と遊んでくれるの?」
純粋に感じる「狂喜」のオーラに、星羅は思わず表情が引きつった。
「い、妹様!? すみません、いつの間に」
「今来たばかりよ」
咲夜から妹様と呼ばれたのを見て、星羅は彼女がレミリアの妹だというのを悟った。
あの見た目であの呼ばれ方は、間違い無い。
「そうだ、はじめましてだから名乗っておかなきゃね」
あの時レミリアがそうしたように、彼女はお嬢様らしくスカート裾を僅かに持ち上げ、すっと頭を下げた。
「私はフランドール。フランドール・スカーレットよ。レミリアお姉様の、悪魔な妹。フランでいいから、覚えといて」
「……フラン、ドール……」
姉譲りなのか、それとも純粋な凶気か。
その全てを貫くような視線と微笑みに、星羅は目を離す事を許されなかった。
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「はぁ」
打って変わって、紅魔館の外。
アリスは上海と蓬莱を連れて、ひとり帰路を辿っていた。
「まさか誰にも声掛けされずに出て行くなんて……」
図書館にいた……のだが、用事(と言ってもちょっと気になった事を調べただけのこと)を済ませてそそくさと出たのだ。
そうしたらたまたま、誰も彼女とすれ違わなかったらしい。
「妖精メイドにまで会わないなんて、なんなのよ今日は……」
「シャンハーイ?」
「ホラーイ!」
「……そうね、早く帰りましょうか」
人形たちに小突かれて、アリスはまた歩き出した。
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「ふーん。それは確かに、面倒な話ね。災難続きって流石にきついわよ、そりゃあ」
フランは咲夜から事の次第を聞かされて、興味深そうに顎に手をやった。
ちょっとだけ頭を巡らせると、顔を上げた。
「なんか面白そうだし……いいわ。乗ってあげる。私も手伝うわ」
あまりにあっさりと受け入れた事に、星羅と咲夜は驚いた。
「ふぇ、そんなあっさり??」
「だって最近、すごく退屈だもの。話を聞くあたり、今噂の……機怪、だっけ? あいつらともなんかありそうだし。いい退屈しのぎになると思って」
「お嬢様……一応、事態はかなり重いんですよ? 既に白玉楼は襲われたと聞きますが」
「それくらいわかってるわよ。強敵なら私がひねりつぶすから。それに私は、単に仲間外れなのが気に食わないだけ」
「あ……それはすみませんでした」
「今更気にしてないからいいわよそれくらい」
そして星羅に近づきながら、フランは言った。
「お姉様のお墨付きみたいだから、遠慮しとくけど……
もしもうっかり私の機嫌を損ねても、
簡単には壊れないでね?」
そう言い残し、フランは再び地下へと戻って行った。
背筋が凍ったように立ちすくむ星羅は、声を絞り出した。
「……あの子が……フランドール・スカーレット……妹様……なんだ」
「そうよ。レミリアお嬢様の妹、悪魔の妹。私の仕えるもうひとりの主人にして……
【ありとあらゆるものを破壊する程度の能力】を持つお方よ」
「……え、今なんて……!?」
想定外の発言に、星羅は更に戦慄した。
ーーわかっていたけれど……、この屋敷は
星羅はそんな事を、改めて痛感した……。
あ然とする彼女に、咲夜がねぎらう。
「まぁ……あまりに下手な事しなければ大丈夫よ。安心して」
「咲夜さんがそう言うなら……うぅ、でもやっぱり怖いなぁ」
「取り敢えずまた明日、来なさい。レミリアお嬢様がもう少し話したい事があるそうよ」
「はい、今日はありがとうございました」
その後、星羅は咲夜にバレないように美鈴を起こしておいて、そのまま神社へと歩いて帰った。
進展といえば、咲夜との何かしらの繋がりが真実となった事、取り敢えず紅魔館の面々と接触し協力を得た事、パチュリーが何か役立つ物を探してくれる事、くらい。
「……お空を自由に飛びたいなぁ」
星羅は道中たまたま会ったチルノたちに、湖の出口まで案内してもらい、無事に帰れたという。
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その晩。
「お姉様、私よ」
「入ってちょうだい」
フランはレミリアの部屋へやって来ていた。
「フラン、急にどうしたの? まさか眠れないの?」
「吸血鬼なのに夜寝るわけないでしょ。それよりもお姉様、ちょっと提案があるんだけど、いいかしら」
「……提案? 珍しいわね、あなたからなんて。良いわよ、言ってみなさい」
「聞いて驚かないでね……?」
少女提案中……
「……へぇ、なるほど。いいわね、やってみましょうか」
レミリアは妹の言葉に大きく頷き、不敵な笑みを浮かべた。
呼ばれた咲夜と美鈴は、何やら自信満々なお嬢様たちに首を傾げていた。
「ご要件とは何でしょうか、お嬢様」
「咲夜、美鈴……ちょっと提案があるんだけど」
そしてその妹と同じように、提案するのだった。
「待ってなさい、星羅。
あなたの霧に隠れた運命……このレミリア・スカーレットと、この紅魔館が暴いて見せるわ!」
高らかに宣言する彼女の言葉が、紅魔館に木霊した。
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「……と、言う訳で。
星羅。あなたはこれから……
一週間、
「…………はぁあぁあぁあぁ!?!?」
翌日未明。
紅魔館にて、少女の呆れたような悲しい叫びが響いた……
Continued to the next phantasm…….
きゅっとして、ドカーン!
フランは実は頭が良い面もあるので、今回の妹様はそういうシーンも入れていこうかなと。
次回あたり、そろそろ機怪が湧いて出る頃です。
この中で、番外編やってほしいのは?
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紅魔館組
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レイマリ
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うどみょん