東方幻創弾 〜Phantasm memories from Buster.〜   作:蒼いなんでも屋

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 はい。紅魔郷編最終話。
 やっと終わります。

 まぁまだまだ序盤ですけど。

 これからも見届けて頂けると幸いです。

 指摘、感想などコメントもよろしくね。




024. 十六夜に咲き誇れ

 ついに切られた決戦の火蓋。

 

 バニッシュの、時間を超えて来る猛攻を打ち破るには星羅と咲夜、そして二人のメモリが不可欠だろう、とレミリアは語る。

 

 が、バニッシュはなんと、咲夜と同じ【時間を操る程度の能力】を宿し、さらに【時空を加速させる程度の能力】により異次元レベルのスピードを有していたのだ。

 

 その速すぎる攻撃に為す術なくやられてしまうレミリアたち。

 

 そして、真っ先に咲夜と星羅も気絶させられてしまう……。

 

 

 

 

 

 

 

 だが館内から駆けつけた魔理沙たちは、“作戦”がある、としてまだまともに戦える霊夢と共に時間稼ぎに出る。

 

 

 果たして、彼女たち言う“作戦”とは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方。

 

 

 

 

 

 倒れた星羅に、何かが起ころうとしていた。

 

 

 

________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『咲夜さん。

 

 

 

はじめはみんな、お嬢様や妹様だって、みんな初心者……はじめて、なんですよ。

 

 

 

私だってたまに怠けてしまいますが……それでもなぜお嬢様は私を解雇……仕事を辞めさせたりしないと思います?』

 

 

 

 

 

 

 

『……なんで?』

 

 

 

 

 

 

 

『それは、信頼です。

 

 

 

お仕事ってのは、信頼がないと成り立ちませんから。よくわからないようなヤツなんかより、味方だってわかる人と一緒にいたいでしょ?そういうやつです』

 

 

 

 

 

 

『めーりん……』

 

 

 

 

 

 

 

『ふふ、いずれわかります。

 

 

さ、お仕事頑張りましょう!まだまだたくさんありますよ〜!』

 

 

 

 

 

 

『め、めーりんには言われたくないわよ!ていうか信頼とか言うならサボらないで!』

 

 

 

 

 

『ぐっはぁ!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『咲夜〜、そろそろお茶会にしましょう』

 

 

 

 

『わかりましたお嬢様。お菓子はどれにいたしますか?』

 

 

 

 

 

 

『そうね、これとこれ……あ、フランの好きなこれも入れましょう。それと……パチェにこれ、美鈴にも何かあげなくちゃ』

 

 

 

 

 

 

『では持ってきますね』

 

 

 

 

 

『……あ、待って咲夜。

 

 

 

あなたの好きなもの。せっかくだから一つ持ってきなさい』

 

 

 

 

 

『え、良いんですか?』

 

 

 

 

 

 

『当たり前よ。たまにはみんなで、好きなものを共有しましょう。その代わり私たちの好きなお菓子も食べるのよ?』

 

 

 

 

 

 

 

『……はい。では、お言葉に甘えて』

 

 

 

 

 

 

 

 

『フラン〜!プリン食べ放題よ〜!!』

 

 

 

 

 

 

 

『えええ!?やったぁ!私十個食べる!!』

 

 

 

 

 

 

 

『えっ……そ、そんなに食べるんですか……!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

『冗談よ冗談、ふふふ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『……パチュリー様、また風邪ひいたんですか』

 

 

 

 

 

 

『けほっ……悪いわね咲夜。私の仕事までやらせてしまって……』

 

 

 

 

 

『いえいえ。それよりもパチュリー様の体調回復のほうが優先ですから』

 

 

 

 

 

 

『……あなたも、無理は避けなさいよ。けほっ、……私みたいに倒れたら元も子もないわ……ごほん……』

 

 

 

 

 

『……ふふ、お気持ちだけ受け取っておきます。あまり喋ると喉によろしくありませんよ』

 

 

 

 

 

 

『けほん……む、むきゅー……』

 

 

 

 

 

 

 

 

『パチュリー様〜!』

 

 

 

『ゼリーもってきました〜!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ、咲夜さん。やっぱり私が思ってた通りですね」

 

 

 

 

 ……星羅……?

 

 

 

 

 

「……そっか、私たち……お嬢様たちを、守れなくて……」

 

 

「まだ……」

 

 

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

「まだ、諦めちゃいけません!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目の前の少女に、その蒼い瞳に、「諦め」の意志は見えなかった。

 

 もう一度、立ち上がらんとする、強い意志が、そこにはあった。

 

 

 

 

 

「星羅……」

 

 

 

 

 

 

「大丈夫。お嬢様たちはわかってる。私たちならきっと勝てるって。だから……立ち上がりましょう!!咲夜さんっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちの信じる!

 

 

 

 

 

私たちが守るべき!!

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちに必要なものを!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人で、守って行きませんか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう、訴えかける少女は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いつの間にか、私が手にしていた、思い出の結晶を受け取るように、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私を受け入れてくれるように、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう私は他人じゃないと、その重荷を背負うと言うように、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その右手を、私に差し出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く……たくましく成長したわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「咲夜さんに比べたらまだまだですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、私はその結晶を彼女に「託した」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私たちの記憶って……こんなにも、輝いていたのね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「当たり前ですよ。だって…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、咲夜さんが……咲夜さんと、関わった人たちが……

 

 

思い、

 

悩み、

 

笑って、

 

泣いて、

 

楽しんだ、

 

 

 

 

 

 

 

咲夜さんだけの、大切な宝物ですから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして、少女はメモリを引き継いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時間停止……改めて、敵に回すと本当に厄介ね。ズルいわ」

 

 

 

 

 

 

 

 霊夢は吐き捨てるように悪態をつくと、ホーミングアミュレットをばら撒いて牽制しつつ、自身は結界を展開して防御に回った。

 

 

 

 

 あくまでも時間稼ぎ。

 

 さとられまいと攻撃をやめないのは、そのためだ。

 

 

 

 

 

 

 

「くらえ!マスタースパーク!!」

 

 

 

 

 

「人形のおまけ付きよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 蓬莱が抱えたミニ八卦炉に、二人分の魔力を込めたマスタースパークをぶっ放す、魔理沙とアリス。

 

 

 

 

 拡散放射で逃げ場を狭める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[だーかーらー、私には効かないと、何度言わせればわかる]

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方バニッシュは苛立ったように言うと、時空操作による瞬間移動と加速により全て避けきり、高速で斬撃を浴びせにかかった。

 

 

 

 それを霊夢は結界で弾き、またアミュレットをばらまく。

 

 

 

 

 

「パチュリー!あとどれくらい耐えてればいいのよ!?」

 

「……そうね、あと三分」

 

 

 

 パチュリーは星羅たちに強固なバリアを展開、紅魔館にもバリアを張って防衛に回っていた。

 

 

 この日のために予め体調を整えておいた、らしい。

 

 

 

「星羅と咲夜が早く起きてくれれば早まるわ」

「前々から思ってたけど運任せだな……!」

 

 魔理沙はそう零し、レーザー照射で牽制しつつ、蓬莱人形から八卦炉を返してもらった。

 

「ホーライ!」

「おう、サンキュな!」

 

 

 魔力をチャージしつつアリスに問う。

 

「アリス!動きをしばれるか!?」

 

「仕方ないわね、やってみるわ!」

 

 

 どこからか集結した人形たちが、まるでミサイルのようにランスを抱えて構えだした。

 

 

 

「悪いけど犠牲になってもらうわ、みんな……!

 

 

魔符!【アーティフルサクリファイス】!!」

 

 

 

 

 

 号令一下、人形たちは文字通り特攻を始めた。

 

 

 

 

 

 

 弾幕と共に花開く爆風。

 

 

 なんと自爆特攻だった。

 

 

 

[ふん]

 

 

 軽々と回避していくバニッシュ。

 

 

しかし、そこへ。

 

 

 

 

「かかったな!!マスタースパークだぜ!!!」

 

 

 

 

 

[なに!?シマッタ!?]

 

 

 

 爆風で行動範囲を抑制したおかげで、マスパは見事命中。

 

 致命傷とはいかずとも、ダメージは通ったらしい。

 

 

 

[グ……おのれ]

 

 

 

一部のバーニアが黒煙をあげている。何機か破壊できたようだ。

 

 

 

[だがこの程度では私の速度は落ちぬぞ!!]

 

 

 しかし流石に加速持ち。

 さほど変わっていないスピードに、霊夢、魔理沙、アリスは翻弄される。

 

 

 警戒したのかスキなく飛び回るため、折角のアーティフルサクリファイスが当たらない。これでは人形たちが、正に犠牲だ。

 

 

[ハハハ、どうしたどうした!?折角私に一撃入れられたのに、もうおしまいか!!]

 

「くっそ!霊夢!夢想封印でなんとかできねぇのかよ!?」

「放ってる暇がないわ!それに発射しても時間操作で躱される!!」

「これ以上は保たないわよ……!」

 

 

 次第に追い詰められていく三人。

 

 

 

 

[……そろそろ終わらせるか]

 

 

 

 

 ふと、バニッシュの姿が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 ……そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[博麗の巫女ォォ!!死ねぇぃ!!!]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まずい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 死角からの、閃光のような突撃。

 

 

 

 

「霊夢!!」

 

 

 

 

 霊夢が特大の結界を張った、その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神槍【スピア・ザ・グングニル】」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢の頬を涼めた真紅の槍が、バニッシュを弾き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ウォ!?!?ば、バカな!?]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 体制を立て直すと、そこには。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪いけど、死ぬのはあなたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放り投げた姿勢から、いつものカリスマあふれる立ち姿となった、レミリアがいた。

 

 

 

 そのそばにはフラン、そして美鈴もいる。

 

 

 

 

 

 

「おい、みんな平気だったのか!?」

 

 

 魔理沙の拍子抜けな声に、フランが答えた。

 

 

「あの程度じゃやられないわよ。演技よ、えんぎ」

 

「……え??」

 

 

「星羅が咲夜と一緒に覚醒するまでの時間稼ぎよ」

 

 

 

 パチュリーが引き継ぐ。

 

「あなたたちには話していなかったけど……予め決めておいたのよ。……後で星羅と咲夜には謝っておかなきゃ」

 

 

 

そして、レミリアに視線を送る。

 

 

 

 

 

 レミリアはふふ、と呟き、呆気にとられていたバニッシュを見やる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたわね侵入者。

 

 

今から最高の接待をしてあげるわ……

 

 

 

 

 

 

 

 

私の最高のメイドと、最高の新人が、ね!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それに呼応するように、突如星羅たちが光り輝いた。

 

 

 

[ヌォ!?まだ何かあるのか!?]

 

 

 

 予想外の連発に驚きを隠せないバニッシュに、美鈴が言う。

 

 

 

 

 

「いえいえ、

 

 

 

 

これからが本番(・・・・・・・)ですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《Phantasm memory confirmed……》

 

 

 

 

 

 

 響く機械音。

 

 

 

 

 

「皆さん、大変お待たせ致しました」

 

 

 

 

 

 慄然とした声。

 

 

 

 

 

 

「もう……安心ですよ!!」

 

 

 

 

 

 そして、皆の希望。

 

 

 

 

 

 

 

 

 輝きが収束し、バスターを構えた星羅と、それを一緒に支える咲夜が現れた。

 

 

 

 

 

 

「星羅、それに咲夜!!」

 

「もう、ほんと心配かけさせないでよ」

 

「良かった、ふたりとも無事だったのね」

 

 

 

三者三様の反応を見せ、

 

 

 

 

 

「「「……さて、もう心配要らない」」」

 

 

 

 

とバニッシュに向き合った。

 

 

 

 

 

 やる気満々の九人のオーラにのけぞるバニッシュ。

 

 

 

[……くっ、だが私の能力は健在だぞ。どうするんだ?]

 

 

 

 

と、ひとまず加速で錯乱しようとした−−が。

 

 

 

 

 

 

[………………な、ナゼだ!?なぜ動けない!?しかも……能力が使えないだとぉ!?]

 

 

 

 

 

 見ると彼の周囲に時空の歪みがかすかに現れ、彼を固定していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「星羅のメモリの力ですわ」

 

 

 

 

 咲夜がそう言った。

 

 

 

「発動時、攻撃目標の認識以外の一切の行動を止める。時間停止の応用です」

 

 

[な、なんだとぉ!?そんなもん貴様の特権だろう!?]

 

 

激昂する敵に、星羅は告げた。

 

 

 

 

 

 

「その特権を奪った奴に言われても!

 

 

何の説得力もない!!!

 

 

 

 

 

 

行くぞ!!幻符・改!!【サウザンダガーウェーブ】!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宣言と同時に現れる、幾千のナイフたち。

 

 そして星羅のナイフがバスター銃口にセットされ、点播したエネルギーがすべての刃を包み込む。

 

 そのうち、千本は星羅の、残りは咲夜のナイフだ。

 

 

 

 

 

 そして咲夜が指を鳴らすと、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「はああああああ!!!」」

 

 

 

 

一斉に、その白銀の刃たちが、バニッシュへ襲いかかった。

 

 

 

 

 

 

 

「フラン!」

「もちろん!」

 

 

 レミリアと、「禁忌【フォーオブアカインド】」で分身したフランも合わせた。

 

 

「「紅魔符!!【ブラッディカタストロフ】!」!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「パチュリー様!!」

「えぇ!」

 

 

 パチュリーと美鈴もまた重ねた。

 

 

「星気!!【星脈地転弾】!!!ほわったーーあ!!!」

「火水木金土符【賢者の石】!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私達も行くわよ!!神技!【八方鬼縛陣】!!」

 

「おうよ!!魔符!!【スターダストレヴァリエ】!!!」

 

「もちろんよ!魔操!【リターンイナニメトネス】!!」

 

 

当然、霊夢たちもうっぷん晴らしにと総攻撃。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ま、待て待て!?流石にそれは聞いてないぞ!?オイ!!多すぎだろ!?ていうか私速いだけで他はあんま強くないぞ!?]

 

 

 

 慌てふためくが、元を正せば自分で撒いた種。

 

 

 

 

「自業自得。弁解が遅すぎですよ、お客様……!」

 

 

 

 

 星羅の声が彼に届いた瞬間。

 

 

 

 

 

[ウオオオ!!!]

 

 

 

 

 

 弾幕が、あらゆる弾幕が彼を貫き、炉心を星羅と咲夜のチャージショットが撃ち抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

[く…………はっ…?

 

………そうか。

 

 

 

これが……創造主……マスターの…………選択、か…………]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 刹那、バニッシュはあっけなく爆沈。

 

 

 湖へと沈んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………創造主……マスター?

 

 

 

 

……星羅のこと……?」

 

 

 

 パチュリーはひとり、その爆発の中へ消えた敵を見つめながら、ひとり呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、ようやく紅魔館と湖に平和が戻った。

 

 

 

 あのあと「もう一人前でしょ」という霊夢の一言で、星羅は翌日メイド業務を終えた。

 

 即日では無かったのは「もう少し一緒にさせてもいいだろ」と魔理沙がフォローしたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして翌朝、朝食を終えた一行に、霊夢が迎えにやって来た。

 

 

 

「……なんか、顔つき変わったかしら?」

「そうかな」

「お姉様も言ってたけどふにゃふにゃ顔のままよ」

「こらフラン、変なこと言わないの」

 

 

 レミリアは星羅に向き直り、

 

 

「……短い間だったけど、ご苦労だったわね。あなたのことは覚えておいてあげるわ」

「光栄ですよ、お嬢様」

 

フランも続けた。

 

「お姉様のお墨付きなんだから誇りに思いなさい。ま、今までありがと」

 

パチュリーがこあとここあを伴って近づく。

 

「……また何か気になったら来なさい。できる限り、力になってあげるわ。それと……あなたについても調べておくから、何もなくてもたまには来なさいよ」

「またね、星羅ちゃん!」

「図書館で待ってるよ!」

 

美鈴も、名残惜しそうに頭を掻きながら、

 

「楽しかったですか?私は凄く楽しかったです。それに……紅魔館を守って頂いてありがとうございます。またいつでも来てくださいね!」

 

と、にっこり笑った。

 

 

 

 そして。

 

 

 

「……ありがとう、星羅。おかげで助かったわ」

 

 咲夜は歩み寄って、自身の思いを伝える。

 

「力になれる事があったら、遠慮なく言ってちょうだい。私も紅魔館のみんなと、これからも歩んでいくから」

「……はい。お世話になりました!」

 

 二人は堅く握手を交わし、

 

「頑張ってね。応援しているわ」

「咲夜さんも、手伝える事があれば言ってくださいね」

 

 

と、微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございましたー!!」

 

 

「またいつでも来なさい!歓迎するわ!!」

 

 

 

 

 

 

 レミリア、フラン、パチュリー、こあ、ここあ、美鈴、咲夜、そして沢山の妖精メイドに見送られながら、星羅と霊夢は屋敷をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すっかり馴染んだわね、幻想郷にも」

「まだまだ知らない事が多いけどね」

「慣れてもらう目的もあったのよ」

「……慣れ?」

 

 

 霊夢は数日前の事を話した。

 

 

 

 

 

 

 

 −−曰く、前にレミリアとパチュリーが霊夢の元へ行ったとき。

 

 

『……慣れ、ね』

『そう。習うより慣れろ、よ。経験したほうが早いと思って、あなた達に任せたの』

『任せてちょうだい。吸血鬼を舐めないでよ?』

 

 

なんて会話をしておいたという。

 

 

 

 

 

 

「星羅、あなたの事は未だにわからない事があるけど……やっぱり、今はあなたを信用するわ。それが私なりの答えよ」

「答えって……お嬢様たちへの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『星羅がいまいち信じられない?』

『……信用はしてるつもりでも、不安が拭えなくて』

 

『そうね、まずは自分から相手を思ってみれば?』

『パチュリー?』

『……博麗の巫女として得体の知れない存在に不安視するのは当然よ。だけど、今はあなたはあの子の帰る場所。唯一の家拠り所なのよ。私たちは手伝ってるだけ。……言い方は良くないとは思うけど』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……霊夢」

「ま、ぐだぐだ言ったけど……今は疑って無いわよ。二度も幻想郷の人たちを救ったんだもの、そんなの見せられたら、疑う気持ちなんて無くなるわ」

 

 

 霊夢はそう言い、微笑んだ。

 

 

 

「改めて……一緒に頑張ろ。星羅!」

 

 

 

「…………うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 快晴の陽の光の元で、二人は肩を合わせて並んで帰ってゆくのだった。

 

 

 霊夢はその中で、すっかりたくましくなった雰囲気を得た彼女に、なんとも言えない気持ちになりつつも、素直に今を喜ぶのだった。

 

 

 

 

 −−きっと、この気持ちは嬉しい気持ちだから。

 

 

 

 二人の笑顔を、太陽は優しく照らしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢様〜!!」

「あつ、暑い……(泣)」

 

 

 

 吸血鬼お嬢様には心底毒だったが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――Continueed to the next phantasm……

 

 

 

 




 実は各章の最終話だけ、タイトルを「〇〇の☓☓」ていう形にしないんですよ。

 ……バレてた?


 いやーメモリ発動してしまえばこっちのモンっていう展開をやってみました。

 たぶんこれくらい強くないと星羅が埋もれます。

 次回!
 えーりんえーりん!


じゃなくって永夜抄です!

この中で、番外編やってほしいのは?

  • 紅魔館組
  • レイマリ
  • うどみょん
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