東方幻創弾 〜Phantasm memories from Buster.〜   作:蒼いなんでも屋

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 あやもみ




 最近意味を知りました()
 というわけで山道ドライブならぬ山下りです。

 ちなみに筆者は小学校時代の遠足以外で登山したことありません。
 星羅はどうかな?





034. 千里眼と神速記者の山道記録

 守矢神社で早苗、神奈子、諏訪子と邂逅する星羅。

 

 

 その中で再び出現した、ブランクのメモリ。

 それも、二つ。

 

 

 

 

 突然の展開に早苗が困惑する中で、助っ人に現れたのは、射命丸とにとりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「えーっと…つまり、“記憶が戻る時にメモリも増える”、“星羅さんはなぜか幻想郷にいた頃の記憶がある”、そして……」

 

「“誰かとの関わり、絆が、星羅さんの新たなるスペルカードとして顕現する”……これが星羅さんの謎であり力です」

 

 

 

 

 ぱたん、と文花帖を閉じて、射命丸は早苗に頷き言った。

 

 

 

 早苗は射命丸の説明にようやく納得し、真剣な表情になった。

 

 さすがは新聞記者、説明に説得力を持たせていた。

 

 

「肝心のメモリに記録されてる内容は、断片的にしか思い出せないけれどね」

 

 星羅が付け足した。

 

「永琳さんにも頼んだそうですね?」

「まぁ、それでも完全には戻ってないです」

 

 射命丸の言葉にそう言うと、星羅は灰色のメモリ――ブランクメモリに視線を向ける。

 

「……2つ」

 

 

 そう、今回は2枚のメモリを解放する必要がある。

 不規則なメモリ生成に振り回されてきたが、よりによってファンタズムメモリが同時に作られるとは思っていなかった。

 

 長くなりそう。

 

 星羅は顔をしかめた。

 

 

 

 

 

 

「やぁ、“盟友”。私の記憶再生装置、その名も【にとりステーション】は役に立ったかい?」

 

 

 ふと語りかけられ、星羅は顔を上げた。

 

 

「盟……友?」

「私は河城 にとり。河童のひとりさ。キミの記憶を取り戻すお手伝いに来たよ」

 

 

 リュックを前に掛けると、にとりはその中から例の記憶再生装置、【にとりステーション】なるものを取り出した。

 

 

「あの薬師から色々聞いたよ。出力に限界があってすべては思い出せなかったそうだね」

「う、うん」

「んで、これはその情報を元に作り直したものさ。その名も、【にとりステーション2】!」

「…………??」

 

 どこからか、ばばーん、という音がする。

 リュックにでもスピーカーが入ってるのだろうか。

 

 

 ……どっかで聞いたことあるなぁ……?

 

 ぼんやりと星羅が思っていると、

 

 

 

 

「……聞いたことあるなぁって顔、しているね」

 

 

 

読んだようににとりが言う。

 

 

「……えっ!?」

 

「そりゃそうだもの。だってにとりステーションの名前は、“外の世界のとあるゲーム機”から名前取ってるもん」

 

 ドヤ顔で彼女は言い放つ。

 

「……外の、世界!?」

 

 目を丸くして星羅は呟く。

 にとりは後ろの早苗に問いかけた。

 

「早苗も一度は聞いたことあるだろう?」

「え?……あ、はい。何度か。もしかして……」

「そう、意図的だよ。無理矢理思い出させるのも苦ではあるけれど……外の世界で有名な言葉を使えば、自然と思い出せるんじゃあないかな、と思ってさ」

 

 

 

 

 話によれば、【にとりステーション】は、たまたま流れ着いた某ゲームハードを拾い、その色々なカセットやディスクを入れ替える機構から生み出した万能読み込み装置なのだという。

 

 バッテリーは幻想郷の様々なエネルギーで賄える他、有害物質を出さないエコなもの。

 何気に医療にも使えるのではと言うことで(半ば無理矢理だが)永遠亭にも一台プレゼントしたのだという。

 

 

「この【にとりステーション2】、一手間改良すれば君のメモリにも対応できるハズだ。君の……スペルメモリ、だったかな?それを貸してくれると助かるよ。どうかな」

「は、はぁ」

 

 

 今回はタダにするから〜、とにとりは願うと、霊夢は一つため息をついた。

 

「まったく、こういうときだけ役に立つのね……どうするの星羅。任せるわよ」

 

「……それじゃ……頼むよ」

 

 

 星羅は答えるとメモリを一枚渡した。

 

 

「おお、ありがとう。これは……炎のスペカかい?」

「恒星【バーニングナックル】。敵を思い切りぶん殴るスペカなの」

「……それ、弾幕なの?」

「あなたが言ったらおしまいですよ」

 

 霊夢のツッコミを、早苗はそう言って流した。

 

「炎か……あくまで予測だけど、“熱意”とか“怒り”とかそういうのを司っていそうな技だね。大事ににお借りするよ」

 

 しっかり受け取ると、にとりはポケットにそれをしまった。

 

「さて、少しの間時間をもらうけど……君たちはどうする?」

 

 にとりの問いに、霊夢は言った。

 

「私はちょっと早苗に話があるわ」

「私……ですか?」

 

早苗はきょとんとして霊夢を向く。

 

「別に説教とかガラじゃないからそんなのではないわよ。まぁ、言いたいことがあるだけ。そこの二神、構わないわね?」

「良いよ、私達も暇を持て余しているし」

「博麗の巫女が言うならねぇ」

「わかりました」

「じゃあちょっとこっち来てくれるかしら」

 

 神奈子らの許可を得て、二人は境内をたっと歩いていった。

 

「……それで、星羅。君は?」

 

 神奈子が言うと、星羅は苦笑いをした。

 

「…………どうしましょ」

「よかったら話し相手にでもなるよ。かしこまられるのは苦手なものでね」

「うーん……」

 

 

 迷っていると、射命丸が肩を叩いた。

 

 

 

 

「でしたら、私がこの山をご案内いたしましょうか?」

 

「「よし決定」」

 

 

「……えぇ……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 二神にも促された星羅は、射命丸と共に山道を降っていった。

 

 さすがの獣道、中々歩きづらい。

 

 

「とりあえずこの道を進めば沢に出ますよ。そこでちょっとインタビューでもさせてください」

「は、はい」

「そんなかしこまらなくていいですって。なにせ、あの霊夢さんは私より遥かに年下なのに、呼び捨てに常体ですよ」

「……あ、そうか……射命丸さん、天狗でしたっけ」

「そういえばまともに自己紹介してませんでしたね」

「あのとき押しかけてきたからなぁ」

「いつもの癖です、あはは」

 

 

 こほん、と彼女は咳払い。

 

 そして、

 

 

「幻想郷の“清く正しい射命丸”こと、射命丸 文です。妖怪の山の烏天狗でして、『文々。新聞(ぶんぶんまるしんぶん)』を発行する新聞記者です。改めまして、以後、よろしくおねがいします」

 

 

と、にこやかにはきはきと言い切った。

 

 

 

「うぉー」

「あやや、どうしました?」

「いや、何と言うかすごいなぁって」

「?」

「……なんでもないです、たぶんそのうちわかりますよ」

 

 ――射命丸さんのファンタズムメモリができるなら、きっと早くわかるんだろうなぁ。

 

 星羅は心の中でぼやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらく歩き、麓まで降りると、滝の流れる小さな沢に出てきた。

 

 

「妖怪たちが多く住む山の中でもトップクラスの住心地。その名も、“玄武の沢”です。あ、ちなみに……正確には山の一部ではなく、魔法の森近くの沢ですね」

「どんだけ降りてきたんだよ……」

「ま、散歩ですよ散歩。それに、運が良かったですねぇ、妖怪が沢山いますよ」

「ん…うおぉ、本当だ」

 

 

 なるほど確かに見てみれば、にとりと同じ光学迷彩スーツや河童印の帽子の格好をした、にとりと同じくらいのサイズの少女たち――否、河童たちが何人か見受けられた。

 

 星羅にはどうしても、彼女たちがへんてこパーツや謎のアイテムを持っているようにしか見えなかったが、たぶん発明品なんだろうなぁ、とはぼんやりと思った。

 

 

 

「あや、あそこにいるのは」

 

 

 射命丸はなにかに目をつけたようだ。

 たっと駆け出してゆく。

 

 

 

「これはこれは哨戒天狗さんではありませんか。休憩中とは暇人ですねー、ネタ集めに忙しい私とは大違いだ」

 

「……射命丸さん……はぁ」

 

 

 明らかにイヤそうな声音で、呼びかけられた天狗は、岩に腰掛けたまま答えた。

 

 犬のような狼のような、いわゆるケモミミに、射命丸と同じような頭巾を被っている。

 ポンポン(にしか星羅には見えない白い毛玉)のついた、なんとなく霊夢のそれを簡略化したような白い服を着ていて、黒地のスカートと隣の岩に立てかけた丸い盾には、紅葉が描かれていた。

 

 

「別に暇ではありませんよ?……機怪対策の特別警戒期間中なのでこれでも気を緩めてませんから」

「そうなんですかねぇ?」

「ところで……そちらの方は?」

「あぁ、諸事情ありまして同行させて頂いているのです。ご紹介します、幻島 星羅さんです」

「どうも、こんにちは。星羅です」

 

 星羅が名乗ると、彼女はすっくと立ち上がり、ぴしっと気を付けの姿勢をとった。

 

 

「妖怪の山、哨戒天狗を務めている白狼天狗の犬走(いぬばしり) (もみじ)です。千里眼を持っています。以後お見知り置きください」

 

 

 ――誰かさんとは違ってかったくるしー……。

 

 星羅は心の中で今度は苦笑すると、会釈を改めて返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、概ねわかりました。随分苦労されているようですね……」

 

 射命丸から事情を伝えられ、頷く椛。

 すると、盾を背負ってまた立ち上がった。

 

 

「では私も護衛役として同行しましょう」

 

「ほえ?」

 

 射命丸が首を傾げた。

 

 

「どうした風の吹き回しですよ、自ら護衛を買って出るとは」

「いきなりこんな場所に飛ばされてまだ数ヶ月でしょう?でしたらそれなりに護衛役がいないとですよ。それに今は……機怪とかいう侵略者が、いつどこで現れるかわからないのですよ?」

「……それは、確かに」

 

 

 言われて射命丸は、しまった、と思った。

 

 今は現在進行系で、明確な“敵”、機怪がいる。

 狙いは彼女、星羅なのだ。

 

 彼女をひとりにするわけにはいかない。

 

「……確かに……味方は多いほうが良さそうですね」

「こんな状況なのにどうして呑気にしていられるんですか?そもそもあなた一人に任せるのもどうかしてます」

「それはなんか傷付く」

 

 

 

 そして椛は前を向く。

 

「犬走 椛、幻想郷と星羅さんを守るための任に就かせていただきます。守り通して見せましょう!!」

 

 そう言って、剣を天に掲げ、椛は星羅に宣誓するのだった。

 

「私そんな大層な身じゃあないよ」

「クセです」

「なんなの天狗ってへんてこなクセしか持ってないの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 沢を3人で歩きながら、星羅は色々な妖怪を見かけた。

 

 

 なんかくるくる回っているゴスロリ調の少女。

 

 ちょっと季節外れな気もする秋の色を纏った姉妹。

 

 新聞作りやその他に走る色んな天狗。

 奇想天外なモノを作っては自慢し合う色んな河童。

 

 

 その中にどこか偉そうな天狗とお付きなのかわからない管狐がいたが、射命丸から「とりあえず無視で」、椛からも「関わるとろくな事無いです」と言われてしまったので、星羅は「?」と思いながらも通り過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 記憶がないからか、全てが新鮮に、斬新に見えた。

 

 見るもの全てが、彼女に感動と喜び、興味を与えた。

 

 

 星羅はひとしきり山の中を巡った。

 

 

「どうでしたか?」

「すごい!!やっぱり大自然は良いですね!」

 

射命丸の問いに、星羅は心からの感想を零した。

 

「色々な妖怪がいるって霊夢からは聞いていたけれど……実際に見てみると全然印象と違って、新鮮でした」

「……そういえば星羅さん」

「…?」

「人間なのに、我々を怖がらないのですか?」

 

 椛が訝しむと、

 

 

「確かに怖いです。でも……

 

 

みんな、とても楽しそうでしたから」

 

 

と、星羅は笑った。

 

 

「楽しそう……?」

 

 

「妖怪だろうと人間だろうと、人生が楽しくないと……生きて行けないですから。

 

確かに今は敵がいる。でも、怯えていたら思うツボ。

仮初でも今ある平和を謳歌しなくちゃ、楽しくないですよ」

 

 

 

「……星羅、さん」

 

 

 記憶が無いながらも、今を精一杯楽しもうとする姿勢。

 

 欠けたものを、無意識ながらも取り戻そうとする心。

 

 

「……人生楽しく、か……なるほど」

 

 そんな彼女に、椛も自然と笑い、頷いた。

 

「ちょっと気負いすぎていたかもしれませんね」

「あはは、笑ってくれた!」

 

 

 

 すると、

 

 

――カシャ、となにか音がする。

 

 

「良い笑顔頂きました☆」

 

「?」

 

 

 射命丸がカメラを星羅に向け、シャッターを切っていたのだ。

 

 撮られた事に気が付き、星羅は顔を真っ赤にした。

 

 

「わっ、ちょっと!!」

「名付けて!“妖怪の山を新人がレビューしてみた”!!新しいトクダネ、いや……新しいトピックスですよ!いい記事になりそうですねぇ〜!!」

「射命丸さぁん!」

「さて、帰りましょう!!」

「切り上げないでぇ〜!!」

 

「……全く、この方ときたら……」

 

 

 カメラを取り合う二人を、椛は呆れ顔になりながらもニヤけて見守っていた。

 

 

 

 

 

 

 ――妖怪も、笑う。

 みんな笑える。

 

 

 それが幻想郷。

 

 

 

 そんなことを星羅は感じながら、射命丸と椛の速い足を追うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「お疲れ様。獣道の観光は面白かった?」

「どうでしたか、山下り?」

 

 

 守矢神社へ戻ると、霊夢と早苗が聞いてきたので、

 

 

 

「……めっちゃ、貴重な体験だったよ!」

 

 

 

と、満面の笑みで、星羅は答えた。

 

「なら良かったわ」

「星羅さんも私と同じですね!!」

「?」

「……幻想郷にすぐに慣れるってこと?早苗」

「ハイ!!」

「えっへん」

「まぁ、何かあるみたいだしね」

 

 

 星羅はふと、気が付いたことを問う。

 

「……そういえば……霊夢と早苗ちゃんは、何を話していたの?」

 

 

「……」

「えーと……」

 

 

 二人は気まずそうに顔を見合わせ、

 

 

「……星羅の話」

 

と、霊夢は一言、零した。

 

 

「え、なんでそんなに気まずそうなの??」

 

 星羅が首を傾げると、早苗は言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……星羅さんがここにやってきてからの、

 

 

……“機怪異変”が、星羅さんを中心に起こっている、という話です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 友達にあややと椛が推しのやつがいるので、色々と参考にさせてもらいました。

 椛はかわゆす。
 


訂正

 玄武の沢の描写を変更
 会話を補填

この中で、番外編やってほしいのは?

  • 紅魔館組
  • レイマリ
  • うどみょん
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