東方幻創弾 〜Phantasm memories from Buster.〜   作:蒼いなんでも屋

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 MAX POWER!
 MAX SPEED!




 ……あ、これ違ったわ。
 MAX SPEED!!なのは事実だけど()


 というわけで最強最速烏天狗、射命丸の活躍をご覧あれ。




036. 飛び出す翼の在り処

 

 

 メモリに刻まれた凄惨な記憶に、星羅は愕然とする。

 

 立ち直れなくなりそうになる星羅だったが、早苗の言葉を受け、改めて仲間を頼り信じることを心に決めるのだった。

 

 

 一方、妖怪の山に機怪が襲来。

 

 敢然と立ち向かう椛だったが――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「……どうやらこのスペルメモリ、順序があるらしい」

 

 

 読み込みを続けてみたにとりは言った。

 

「弾符【プラズマチャージショット】。これが星羅……君の一番初めの記憶、1番メモリだ」

「……やっぱりね」

 

 霊夢が口を開いた。

 

 星羅が振り向く。

 

「えっ?」

「……最初から持っていた唯一のメモリ。メモリが記憶を宿してるんなら、ソレ……1番のメモリがあってこその星羅の人格。それは最低限の“星羅”としての体をなすためのモノだったのよ」

 

 霊夢お得意のカンが冴えた。

 にとりも肯く。

 

「その通りだよ盟友。流石だ。そうなると、記憶の回復はメモリの復元度に比例するようだね」

 

 

 星羅はメモリを並べる。

 

 2番、星剣【バスターソード】。

 4番、流星【メテオストーム】。

 5番、恒星【バーニングナックル】。

 

 3番は未だ欠けている。

 

 続いて、ファンタズムメモリも取り出していく。

 

 

 妖夢の、断命剣・改【瞑想永弾斬】。

 咲夜の、幻符・改【サウザンドダガーウェーブ】。

 鈴仙の、幻爆・改【近眼月華花火(マインドフルムーンマイン)】。

 

 

 各々、“大切な誰かを守る刃”、“主に仕えし気高き心”、“覚悟を決めた曇り無き瞳”、がトリガーとなって誕生している。

 

 

 にとりはそれらを一枚一枚スキャンを行い、そして呟いた。

 

 

「順番に記憶を取り戻すべきだったかな……早まるのは禁物だったね、改めてすまない」

 

 懺悔の念を伝えるにとりに、星羅は首を振って、

 

 

「良いよ。自分から頼んでるし、みんなもいるから」

 

 

今度はきっぱり答えた。

 

 その様子を見て、霊夢は早苗の肩に手を置いた。

 

「霊夢さん?」

「……その、お手柄だったわね。おかげでアイツ、元気になってるわ」

「えっへへ、そりゃあ同じ外からの人間ですから……」

 

 照れたように頭を掻く早苗に、霊夢はふっと笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 と、その時。

 

 

 

 突如としてけたたましいサイレン音が周囲に鳴り響いた。

 

 

「…………!」

 

 

 

 にとりは赤いランプの付いたモニタに目を走らせた。

 

 椅子を蹴るように飛び出し、キーボードに張り付く。

 

 

「……この反応……機怪だ!」

 

「……ついにここに来たのね……!!」

 

 霊夢は即座に御札と大幣を取り出す。

 早苗も同様に幣を手にした。

 

「って、にとり……なんでわかったの?」

 

 霊夢が問うと、にとりはブラインドタッチで解析しながら答えた。

 

 

「前に君たちが初めて破壊した機怪、妹紅が倒した人里に紛れていた偵察機……そして各地を襲撃した、所謂“オーダーメイド”の機怪たち。それらを分析して、固有周波数を突き止めたのさ」

「す、スゴい……でも何言ってるのかさっぱりだわ……」

「霊夢さん、要は機怪ならではのオーラを突き止めたんです」

「なるほど」

「それを元に作った探知機をこの研究所には組み込んである。で、今はその数を調べてるんだけど……」

 

 

 彼女は言いながら解析を進める。

 

 やがて、星羅を振り向いて言った。

 

 

 

「星羅、君はじっとしていてくれる?」

 

 

 星羅は思わず椅子を立つ。

 

「ええっ、なんで!?」

「君が狙いなのはわかりきっているんだ……迂闊に出たら、君の居場所がバレる。ここには一応カムフラージュ機構とレーダー遮断機能が組まれてるから、隠れるならば1番ここが良いんだ」

「安置って事ね…って、最初からカムフラージュ?しておきなさいよ!」

「無茶言わないでよ!エネルギー消費が激しいんだもん!一時間使ったら充電に30分かかるんだよ!」

 

 霊夢の言葉に返しながら、にとりは敵の数と方角を突き止め、振り返る。

 

「霊夢!悪いけれど奴らをなんとか退けてくれ!結構多いぞ……本気を出してきたみたい!」

「最初っからその気よ!そっちが本気ならもってこいだわ」

「霊夢さん、私も行きます!!」

「今回ばかりは手を借りようかしら!」

「頼んだよ2大巫女さん!」

 

 霊夢と早苗は駆け出していく。

 

 

 続こうとする射命丸だったが、

 

 

「……天狗、あんたは残ってくれ」

「……あやや?」

 

にとりに止められた。

 

「なぜ?」

「外には白狼天狗、椛だったか……あの子をはじめ、他の妖怪たちや二人の巫女、それに神様もいる。今は任せよう」

「しかし……」

「聞いてくれ、射命丸 文、あんたには大事な役割があるんだ」

 

 

 にとりは真っ直ぐ射命丸を見つめ、言い放った。

 

 

 

 

「あの時見た“他人”とのメモリ、ファンタズムメモリは2枚だった。この感じからして恐らく……

 

あのメモリたちは、あんたと早苗、二人のメモリだ」

 

 

 

「……わ、私の……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「狗符!【レイビーズバイト】!!」

 

 

 

 

 

 

 左右から、勢いよく噛みつくような弾幕が放たれた。

 

 

 そのまま数体の機怪を木っ端微塵に吹き飛ばす。

 

 

 更に剣で近くの雑魚を斬り捨て、飛び交う敵弾はその丸い盾で弾いた。

 

 

 

「もう、あの烏天狗は何してるんですか!!」

 

 

 

 椛は襲い来る無数の雑魚機怪たちに孤軍奮闘状態で挑んでいた。

 

 元々は哨戒天狗、敵わなそうならさっさと退却するのだが、今回は退却すればこの山がどうなるかわからない連中……“スペルカードルールを一方的に無視する侵略者”なのだ。

 少なくとも他の妖怪たちが来るまでは時間を稼がなければ、山が大変なことになるのは間違い無い。

 

 

 退くわけには、いかない。

 

 

 愚痴りながらも、敵を斬り、倒していく。

 

 

 

 しかし、確実に交わし続けてきたはずの敵の弾丸の一発が、盾で防げない片脚に、

 

 

「っあ!?」

 

とうとう当たってしまった。

 

 

 実弾はかなり堪える。

 当然ながらそこから血が滴った。

 

「……しまっ……!」

 

 だが、傷口を塞ぐ余裕なんてない。

 

 次々と飛来する攻撃をなんとか回避する。

 

 

 ――あまりにも数が多すぎる……!

 

 

「……くっ……!」

 

 

 

 退き際を間違えた。

 

 完全に囲まれ、逃げ場がない。

 

 

 

 哨戒天狗とはいえ実力はあっても、この数はまずい。

 ついでに脚もやられている。

 

 焦る椛に、その侵略者たちは一斉に襲い来る。

 

 

[……]

 

[……]

 

 

 

「……ううう、なんか言えっ!!!」

 

 

 

 無言の敵に椛が叫ぶと、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、泣かせてみましょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

「…………は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突如、真後ろから、まさに竜巻と言える空気砲がぶっ放された。

 

 

 

 

「どわぁ!?」

 

 

 煽りを食らって椛が吹っ飛ぶ。

 

 

 

[ヌオオ!?]

 

 

 竜巻は周囲の機怪たちを文字通り削り取って破壊した。

 

 

 そのまま奥の機怪らもすんでのところで回避するが、大きく弾き飛ばされた。

 

 ほんとに泣かせた、と椛は心の中で呟く。

 

 

 

「いやぁ……カマシすぎましたかねー。まぁ上出来ですよ、上出来」

 

 

 ばっさぁ、と翼を広げて舞う、射命丸。

 素早く布を椛の傷口にきつく巻き付けた。

 

「あーあ、これはひどい……後でお医者様に見てもらう必要アリですねこれ」

 

 それを見て、椛はため息混じりに言った。

 

 

「あなたって人は……遅かったではありませんか?」

「あはは……まぁ色々ありまして、ね。

 

 

それに今の攻撃、私のではありませんから」

 

 

 

と、振り向く射命丸。

 

 

「……えっ?風を扱うのはあなたの専売特許では?」

「それが、そうではなくなりました」

「はい?」

 

 

 

 椛が不思議がっていると、そこへ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおお!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突如飛び出した何かが、宙を駆けた。(・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

「……、あの人、飛べましたっけ……っ!?」

 

 

 椛は信じられない表情でそれを見つめていた。

 

 

 

「いや、飛べませんよ。

 

 

 

 

飛べるようになった(・・・・・・・・・)、だけです」

 

 

 

 

 射命丸は自信たっぷりに、笑って答えた。

 

 

 

 

 

 

 

「……飛べる。

 

今の私は、空を飛べる!

 

 

戦いの空を、飛ぶことができる!!!」

 

 

 

 

 

 陽の光を反射したライズバスターを、敵に向けながら。

 

 飛べるようになったその身に纏う、銀色に映るコートをはためかせながら。

 

 

 

 

 

 星羅は、空という新たなフィールドで、椛と射命丸の前に躍り出るのだった。

 

 

 

 




 千〜分の一秒で駆〜け〜抜〜け〜ろ〜♪



 ブン屋って予測変換で出てこないから変換辞書に追加するか……?

この中で、番外編やってほしいのは?

  • 紅魔館組
  • レイマリ
  • うどみょん
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