東方幻創弾 〜Phantasm memories from Buster.〜   作:蒼いなんでも屋

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 飛べ!ガンダム!


 ……違ったわ。

 飛べ!星羅!!


 真面目に空を素早く飛び回れたらどんだけ楽ちんなことでしょう?


 ……世界中がそんなことしたら前方不注意接触事故多発ですね()


 最近投稿頻度めっちゃ落ちてます。
 ごめんなさい。
 なるべく良いもの上げるので頑張って書きます。




037. ブン屋の使命

 にとりに、ファンタズムメモリの次の対応者は自分だと知らされた射命丸。

 

 

 山を襲う機怪の迎撃に向かうも、多勢に無勢で追い詰められる椛の前に彼女は現れた。

 

 

 ……空を飛ぶ、星羅を伴って。

 

 

 その時星羅は、

何を言われ、何を思っていたのか――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 遡ること、数十分前。

 

 

 

 

 

 次なるファンタズムメモリ覚醒のカギは自分である――

 

 

 にとりの発言に、硬直する射命丸の姿がそこにあった。

 

 

 

「ここまで来る道中。霊夢から聞いたんだ、今まで星羅に起こってきた出来事を」

 

 にとりはメモリの汚れを拭き取りながら言う。

 

「……彼女が言うには、ファンタズムメモリ各種は最近の大きな異変をなぞるように次々出現しているというんだ。春雪異変が先回しにされたが、紅霧異変、永夜異変の関係者たちにもその直後発生しているから……恐らくは『かつての歴史の破壊』をしようとでもしてるのだろう」

「……歴史を……?一体なぜ?」

 

 

 歴史は不変。

 

 世の理であるそれをわざわざ変えるなど、真実を追い求める射命丸にはいまいち理解し難いものだった。

 

 

「いや、理由は今はいい。それよりも異変を常に追いかけてきた射命丸ならわかるだろう?今起こっている異変の一連の出来事は全て……星羅を中心に起きてる。……だが、星羅は主犯ではなく、寧ろ意味不明な相手に追われる被害者だ。巻き込まれてるとはいえ、私達も異変に関わってる」

「……むぅ」

「んで、かつて久々に起きた3つの大きな異変のあと、発生したのが……守矢神社が起こした妖怪の山での戦い。まぁその間にもいくつかあったけれども、規模的にはまぁだいたい歴史に沿ってる」

「……でも、それならばなぜ私が?妖怪の山での戦いが今の星羅さんのメモリ覚醒のトリガーならば、先に早苗さんなのでは……」

 

 

 言って、射命丸ははっとする。

 

 

「…………そうか」

 

「そう。あの異変より前、君は一騒動起こしただろう?」

 

 

 

 

 

 

 

 妖怪の山戦争の少し前。

 

 射命丸は自身の新聞のネタ集めに、様々な人妖へ取材を(強引に)行い、弾幕と共に相手を撮影する奇行をしたことがある。

 

 

 高い機動力と正確無比な撮影技術、そして「弾幕を切り取るカメラ」によって数多の人妖たちは見事に写真を撮られたのだった。

 

 異変ではないため騒動自体の名前すらない、射命丸が引き起こしたちょっとした事件だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「奴らが、どこで君や私達がここに住んでるというのを知ったのかはわからないけど……妖怪の山に住まう私達を、恐らくは君もろとも片付けてしまおうという魂胆だろう」

「……なる、ほど……」

 

 

 一気に思考を巡らせた射命丸は、軽く頷いた。

 

 

「……要は、私に力を継承させる出番が回ってきた、ということですか。それがなければ今の幻想郷は守れない、そして私はそのためにここに呼ばれた、と」

 

「その通りだよ」

 

 

 射命丸はにやりと口角を上げると、星羅へ向いた。

 

 

「ならば、共に作りましょうよ星羅さん。スランプ状態な今を打ち破る、逆転の1手……否、逆転の記憶を!」

 

 

 

 

 

 ……しかし。

 

 

 

 

 

 

 

「…………

 

 

 

 

星羅、さん……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 星羅……がいたはずの場所には、

 

 

例のVRゴーグルが、無造作に転がっているのみであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ……同じ頃。

 

 

 

 

 

 

 

「霊符!!【夢想封印】っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 椛とは反対の上空で、8つの光球が放たれ射線上の敵を一気に焼き尽くした。

 

 

 そして、避けて散らばった機怪には、赤と青の光が一気に覆っていった。

 

 

 

「逃しませんよー!!

 

奇術!【グレイソーマタージ】!!」

 

 

 

 

 

 星形の輝きが交差するように散り、重なり、散らしてゆく。

 

 

 重なり合う弾幕に、逃げ場はない。

 

 

[!?]

[よ、避けラレナイ…だと!?]

[一旦散れ!離レロ〜!]

 

 数体巻き込まれて爆散していく。

 

 それを受け弾幕射程範囲から散らばった機怪たちを見て、早苗は言う。

 

 

「いやー、霊夢さんと組めば負ける気がしませんね!!」

 

「……もう、調子いいんだから」

 

 お祓い棒を肩に乗せ、霊夢はため息をついた。

 

「これでも数は全然減らせてないわよ。むしろ削ったのか怪しい」

「ええっ!?そんなに!?」

「紅魔館のときも凄く多かったわ。たぶん今回も場所が場所だから数多めの部隊なんでしょ」

「うぅ、小賢しいですねぇ……」

「それアンタが言って良いセリフじゃないわよ」

「幻想郷では常識にとらわれてはなりませんから」

「限度があるわよ」

「ツッコミ入れてくださる霊夢さん最高」

「うっさい」

 

 

だが、駄弁っている暇はそうそう与えてはくれないらしい。

 

[撃て〜!]

 

「!」

「おっと!」

 

 

 

 再び、砲火が二人を襲った。

 態勢を立て直した機怪が迫る。

 

 

「……根本的に諦めさせるしかなさそうね」

 

「ならば全部ぶっ倒して、懲らしめてあげましょう!!」

 

 

 幣をお互い構え直し、二人は鋼の軍団に突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「…………」

 

 

 星羅は、外を眺めていた。

 

 

 見上げるそこには、孤軍奮闘する椛が映る。

 

 多勢に無勢な彼女に、少しでもサポートをしたかった。

 

 

「……バスター……」

 

 

 

 と、腕時計(ライズバスター)へ伸ばした指先が、固まった。

 

 

 

 

 

「…………そうだ。私……飛べない……」

 

 

 

 敵も、戦場も、地上ではない。

 

 

 

 宙を舞い、その中で敵を撃たなければならない。空中戦なのだ。

 

 

 今までだってそうだ、飛べないことが原因で結構不便だったし、霊夢たちにも迷惑をかけてしまっていた。

 射撃武器とはいえ、ライズバスターの射程ではそんなに遠くを狙えない。

 多くのメモリが目覚めてきたが、“空を飛ぶ”ためのメモリはいつまで待っても覚醒しない。そのことが星羅を密かに焦らせていた。

 

 

 

「……今の私じゃ、何も……」

 

 

 

 

 ……まただ。

 また、こうして落ち込んでしまう。

 

 何も出来ない、出来ることがないと思い込んでしまう。

 

 

 

 でも今回ばかりは――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「星羅!中に入っててと言ったじゃんか!」

 

 

 

 背後から声がして、振り返ると、にとりが駆け出してきた。

 射命丸も続いている。

 

 

「……にとり、射命丸さん」

「急に、どうしたんだい?まだ君の記憶は不完全なんだ。あれだけの内容を見せておいてどうかとは思うけれども……ちゃんと取り戻さないと、全力が……」

 

「……今はいいよ」

 

 にとりの言葉を星羅は遮った。

 

「それよりも今は……目の前の人を救わなきゃ…」

「だ、だけど」

「椛さんが頑張ってるのに、見殺しにはできない!でも……今は何も出来ない!!」

「そうじゃないんだ星羅、彼女や向こうの霊夢たちは君のために時間稼ぎをしているんだよ!それに皆歴戦メンバーだ!飛べないことはわかっている!だからこそ皆体を張って戦っているんだ!!」

「一人対複数で敵うわけないじゃん!特に椛さん!」

「だから……!」

 

 焦るにとりを、

 

 

 

「…………にとりさん、後は私が」

 

 

と、射命丸は手で制止した。

 

 思わず、にとりも口を閉じた。

 

 

 

 一歩前に出ると、

 

 

 

 

 

 

「…………………一度頭を冷やしてくださいっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、全力で振りかぶって、扇で空を一閃!

 

 

 

 その場で星羅は突風に巻き込まれ吹き飛んだ。

 

 

「のわぁあ!?!?」

 

 

「ちょ、ちょっと射命丸!何を……!?そんなの人間へかましたら危ないって!!」

 

 

 

 ぶっ飛んだ実力行使に、風に耐えながらにとりが非難の声を上げるが、射命丸はさっさと扇をしまい星羅へ近づいた。

 

 

 

「……射命丸、さん?」

 

 

 何が起こったのかさっぱりという顔の彼女へ、射命丸は叫ぶ。

 

 

 

 

「星羅さん!!

 

もっと、頼るのではないのですか!

 

自分にできる事を探すのではないんですか!!

 

全部受け入れて前に進むんではないんですか!!!

 

 

……今のあなたは、すっごく不安定です。一度に色々起こりすぎて、心が落ち着けていません。

だから一旦、頭を冷やして……心を落ち着けて、話を聞いてくれませんか。

 

私個人としての、あなたへの頼みです」

 

 

 

 

 

「…………」

 

「あなたは今多いに悩んでいる。やりたいことと現状に葛藤している……だからこそ外に出たけれども何も出来ないと嘆いている、そうでしょう?」

「……」

「悩むこと、矛盾を自分で生み出してしまうことは、誰だってあります。私にもありますから。……だからこそ、頼れる人に頼って、答えを見つけて前に踏み出す。違いますか?」

 

 

唖然としてそれを聞いていた星羅だったが、

 

 

 

「…………ごめんなさい、射命丸さん。

 

…ごめんなさい……」

 

 

と、やっとの思いで、そう答えた。

 

 

 

「…あなたが泣くことは、ありませんよ」

 

 

手を差し伸べて、射命丸は星羅をゆっくり立ち上がらせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……星羅さん、一つ質問しても?」

 

 

 

 射命丸はふとそう問いかけた。

 

 

「…………なんでしょうか」

 

 星羅が首を傾げると、彼女は言う。

 

 

 

「……星羅さんって。ここでの夢、持ってますかね?」

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

「私、星羅さんをこっそり追い掛けているうちに思ったのですよ。ただただ、目の前で起こってる出来事に振り回されているのではないか、と」

「…えっ」

「その場その場で決意は固めても、現状が変われば揺れ動いてしまう。人間だろうと妖怪だろうと……所詮抱いた目標は三日坊主、揺れやすいのですから」

「……」

「単刀直入に言わせてもらうと……星羅さん、あなたはただ現実に引きずられてるだけだと思います」

「そ、そんなつもりはないです!」

「じゃあ、質問を変えましょうか。ファンタズムメモリ覚醒は確かに現状打破に必須……でもそれは本当のあなたの意志ですか?」

「……っ」

「みんな、あなたを信じて戦っているんです。目の前に迫るやつらを、最も倒せるあなたを。でも……そのためだけに記憶を呼び戻すことが、あなたの心からの願いではないですよね。現に今、目の前の誰かを助けたいという衝動がある。そのための力がないから何も出来ないと思い込んでもいる。……願えば、そんなこと簡単に出来るではありませんか。それに私達はそんなことのために、あんな辛くて苦しい記憶を呼び戻して欲しくはないですよ」

 

 

 的確な言葉に、星羅は詰まる。

 

 

 

「……私……私は……」

 

 

 うつむく彼女の頭に、射命丸はそっと触れた。

 

 

「……無理をしている。そうとしか見えないのです、私には。誰かに押し付けられた使命ばっかり全うしていたらそりゃあそうなりますよ。

だからこそ問うのです。あなたは夢を持ってますか、と。

 

夢や目標がない日々はつまらない。何かを目指すからこそ生き物は進化し強くなる。

 

あなたが記憶を無くした理由も、使命とやらを勝手に押し付けた誰かも、まだ私にはわからない。

 

でも、そんな風に、ただ流される日々よりも、自由に夢に向かって……

 

羽ばたいてみたくは、ありませんか?」

 

 

 

「……!」

 

 

 顔を上げた少女の目は、潤んでいた。

 

 

 

 どこかに常に迷いを抱えながらも、幻想郷を守りたい、みんなを守りたいという願いを確かに持っている、しかし夢が明確にない、矛盾だらけの繊細な少女。

 

 

 そんな少女を……射命丸はどこかで見た気がした。

 

 

「で、でも私……どうすれば……」

 

 

 

「安心してくださいよ、星羅さん。

 

羽なら……ここに、あるじゃあありませんか!」

 

 

 

 射命丸は翼を広げた。

 

 真っ黒く、しかし差し込む太陽の光に反射して輝く、その羽を。

 

 

 

 ひらりと翔んで見せ、彼女は叫ぶように星羅へ言った。

 

 

「さぁ星羅さん!!

一緒に飛び立ちましょう!誰にも縛られない、自由な大空へ!

 

そして、一緒に戦いましょう!その大空を汚す奴らを倒すために!!

 

……その羽を与えるのは、私達の使命ならば。

 

ファンタズムメモリ(あなたの使命)は、それを受け取るためのものではありませんか?」

 

 

 

 

「…………はい!!」

 

 

 星羅はその想いに、強く応えた。

 

 

 

「私も……飛びたいです!あの空を!みんなと一緒に……戦わせてください!!」

 

 

 滑空する射命丸へ、駆け出す。

 

 

 

「一緒に……みんなと、射命丸さんと……一緒に!!」

 

 

 一歩、二歩、三歩、大きく踏み出す。

 

 

 

 

 

 

「だから……力を、お借りしてもいいですか!!

 

もう一回願わせてください!!

 

へったくれた覚悟じゃなくて……もう二度と破らないような覚悟ができる!

そんな力を……貸してください!!」

 

 

 

 

 

「……断る理由など、ありませんよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 宙を跳んだ少女の伸ばした手を、鴉天狗はしっかりと掴んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女から飛び出す、秋色のメモリが輝く。

 

 

 

 

 

 羽ばたきに合わせて、真っ黒なハズの羽が散らばって、メモリの光を受けて照り返していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……行ってこい……盟友!」

 

 

 にとりがそう言って手を振ったのを、星羅は見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして。

 

 

 

 

 

 

 

 ……そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「今の私なら飛べる!

 

みんなのために……私が、飛ぶんだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……えっ……えっと……星羅さんって、飛べたっけ??」

 

「だから、飛べるようになったんですってば。私と……ファンタズムメモリを作って。…あやや、言い方がちょっと悪すぎますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 困惑する椛。

 

 

 それをよそに、射命丸は言った。

 

 

 

 

 

 

 

「願ったんですよ。

 

 

自由に、自分の意志で飛びたい、と」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 身体が自由に空を飛ぶ。

 

 原理はわからないけれども……今なら飛べる。

 

 

 やりたいことを、やれる!!

 

 

 

 

 

 宙で体をひねり、星羅は空を駆けた。

 

 

 

 

[な、何だと!?]

[いつの間にヤツ、飛行能力を……!]

[ええい、撃ち落とせ!]

[ナァ、アイツ飛べたっけ?]

[言ってる場合カっ!撃て〜!]

 

 

 

 敵の一斉射撃にも、星羅は怯まない。

 メモリのおかげか、自然と回避すべき方向が直感的にわかる。

 

「っ!」

 

 ひねって躱し、空中ジャンプをする。

 

 ガシャッ、とバスターを向けて、予め溜めておいた一撃を放つ。

 

 

「だぁーっ!!」

 

 真っ直ぐ飛んでゆくチャージショット。

 

[……!!!]

 

 初めての空中攻撃にも関わらず、星羅は見事に命中させた。

 

「……当てられる……これなら!」

 

 

「……あれが、メモリの……否、星羅さんの力……?あれなら、勝てるってことですか!」

 

 これには思わず椛も目を丸くし、射命丸はその場で拍手した。

 

 

「おおぉ星羅さん、流石ですね!」

「私達も加勢しましょう、射命丸さん!」

「おっと、そうでしたね! ……って、椛、ケガは平気なんですか?」

「これくらいどうってことありませんよ。それに……今の星羅さんを見て、負ける気がしなくなったので!」

「へぇ? あーでも、後でしっかり治してくださいよ?」

「そんなこと指示されずともやりますから!」

「はっは、では参りますかね!」

 

 

 ますますやる気が出たのか、射命丸は先行して羽ばたいて進む。

 それに椛も続き、刀を振るった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 反対側で戦う早苗は、ふと何かを感じて後ろを振り返った。

 

 

「早苗?よそ見してるとピチュるわよ!」

 

 霊夢の問に、彼女はぼそっと、呟いた。

 

 

 

 

 

 

「…………今の風……星羅、さん?」

 

 

 

「?」

 

 

 霊夢は首を傾げる。

 

 

「風って……何かあった?」

「え、霊夢さん何も感じなかったのですか?さっきあっちの方から風が吹いてきましたよ?」

「……何も感じなかったわよ」

 

 わからないという反応に早苗は困惑していたが、

 

 

 

 

 

 

《――早苗ちゃん》

 

 

 

 

 

 

「……っ!?」

 

 

 

 

 と、早苗は一瞬頭によぎったビジョン(星羅)を視た。

 

 

 

「……やっぱり……星羅さんですよ」

 

「……まさかだけど、アンタ……」

 

「そのまさかになりそうですね」

 

 

 二人は同じ結論に至った。

 

 

 

「さっさと倒して合流しましょう」

 

「もちろんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「わわっ」

 

 

 最初こそ次々撃ち落としてきた星羅だったが、段々と敵がこちらの動きを読んできた。

 

 既に防戦一方である。

 

 

[ヒルムナ!ヤツはまだ慣れてはいない!]

[取り囲んで落とせ!!]

 

 しかも今回の機怪、やたらと数が多いせいでキリがない。

 

「……だったら、まとめて……!!」

 

 星羅は握っていた射命丸のファンタズムメモリを、バスターにセットしようとする。

 

 

……が、

 

 

 

 

[今だ!!!ウテェ!!]

 

 

 

「えっ」

 

 

 それを狙われ、またも砲火が飛び交う。

 

「やべっ!?」

 

 とっさにポケットから引き抜いたメモリを代わりに刺す。

 

 

《Spell Memory confirmed……》

 

「星盾!!【バスタードアイギス】っ!!」

 

 

 展開したバリアがぎりぎりで弾丸を弾いた。

 

「……くそ、やってるヒマが……」

 

 

 

[後ろダ〜!]

 

 

「!?」

 

 

 

 

 声と射撃音が真後ろから響く。

 

 

 バスタードアイギスは銃口から展開するため、後ろはカバー出来ない。

 

 

 振り向いた時にはもう遅く、目前まで迫っていた。

 

 

「……うわぁ!?」

 

 

 覚悟したその時。

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから、羽ならここにあります……ってば!!」

 

 

 

 

     

ぐい、と背中を掴まれて星羅は真上に引き上げられた。

 

 

 

「たぁあぁ!!」

 

 続けざまに現れた椛が刀を振るう。

 

 

 全弾を叩き斬って落とした。

 

 

「しゃ、射命丸さん!!それに、椛さんまで!」

「あなたはひとりじゃない!いつでも私達がついてますよ!さぁ、ぶちかましてやってください!!」

「敵は引き付けます!あなたは例のスペカを!!」

「……わかりました!」

 

 

 射命丸が手を離し、星羅はまた宙に躍り出る。

 

 

 バスターを正面に向けて、メモリを取り出した。

 

 

「……ぶち抜け!秋色の風よ!!」

 

 

 星羅は再びファンタズムメモリを装填、逃げ惑う機怪らに向けた。

 

 

 

《Phamtasm Memory confirmed……》

 

 

 

 

 

「疾風迅雷――真実の、光!

 

 

 

旋風・改!【紅葉旋風砲(もみじせんぷうほう)】っ!!」

 

 

 

《Ready,go!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 星羅が反動で吹っ飛ぶ程の、巨大な竜巻。

 

 

 

 ――否、竜巻のような、弾幕が放たれた。

 

 

 

 

 

「うわっ」

 

「おぉ〜、爽快!」

 

 

 椛は弾幕を上手く躱し、射命丸はかつての日のように(・・・・・・・・・)、弾幕と星羅をしっかり写して写真を撮っていた。

 

 

 

 

 

 

「だりゃーーー!!」

 

 

[た、縦ダト!?]

[ウオオ!?]

 

 

 

 星羅は一気に横回転、無能な雑魚たちは呆気なく散ってゆく。

 

 そう。

 

 竜巻を横向きに放っている故、相手からしたら縦回転弾幕が襲いかかっているのだ。

 

 

「おー!!すっげー!!」

 

「……さっきまでの雰囲気、あなた壊しましたよね?」

 

 

 すっかり撮影にハマった射命丸を見て、椛はケガも忘れてため息をついた。

 

 

 そして巻き起こる暴風に、機怪たちの放つ攻撃も散らされていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あれ?」

 

 

 

 

 そんなふうに薙ぎ払っていた星羅だったが、

 

 

 

 

 

「…………いない、のかな?」

 

 

 

 

 

 ……完全カスタムメイド機怪(自分のことを創造主って言ってくるやつら)が、いない。

 

 

 

 やたらと数は多いが、全てあっさり片付くほどの雑魚しかいない。

 

 

「……好都合、ってことでいいのかな」

 

 今は気にせず、眼前の敵を討つ。それしかない。

 

 

 星羅は竜巻を巻き起こしながら爆進していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………うわぁ、終わっちまっていますね」

 

 

「って、なんで……浮いてるの、星羅?」

 

 

 

 

 

 早苗と霊夢が駆けつけた頃には、全て片付いていた。

 

 

 そして二人は宙に浮く星羅を見て驚いた。

 

 

「えへへ、射命丸さんと作ったメモリのおかげだよ」

「えっへん!!」

「……なぜあなたが自慢気なのですか」

「椛はいちいち細かいなぁ、そりゃあ誇りに思うでしょうが」

 

 ドヤ顔の射命丸に椛は呆れ顔を見せた。

 

 

「ま、これで順当にメモリが増えてるなら良いわ」

「霊夢さんの言うとおりです。よかったですね、星羅さん」

「うん!」

 

 笑って答える星羅。

 

 

「それに……

 

メモリは、ただの力じゃなくって、私自身なんだって。わかったんだ」

 

「……はぁ?どういうこと?」

 

 霊夢はまたも首を傾げていたが、早苗だけは

 

 

「……」

 

なんとも言えぬ顔つきで、その言葉を受け止めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はっ」

 

 

 

 ふと、何かを察して射命丸が振り向いた。

 

 

 

 

 

 

 遠くからカッと光った“何か”が、真っ直ぐ迫ってくる。

 

 

 

 

 

「……!!」

 

 

 

 星羅が、“ソレ”の正体に気づいた。

 

 

 

 

 

 

「……アレは……」

 

 

 

 

 

早苗もまた、“ソレ”に見覚えがあった。

 

 

 

 

 

 徐々に鮮明になった“ソレ”は………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夢想封印、だったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神霊!【夢想封印・瞬】っ!」

 

 

 

 とっさに飛び出した霊夢が、速度重視の小型夢想封印を連射し、全て相殺しきった。

 

 

 

 

 

 

 そして幣を構えて叫ぶ。

 

 

 

 

「誰っ!?出てきなさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 爆風を割って現れたのは――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……えっ」

 

「まさか……」

 

「本当にいたとは……!?」

 

「……!」

 

 

 

 

 

 

 

「――わた、し……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「違うわ。

 

 

 

アンタなんかと、一緒にしないで。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は――博麗 霊夢。

この幻想郷を……破壊する者よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 深紅に染まった、殺気溢れる視線を注ぎ、

 

纏うは真っ黒く塗り替えられた巫女服だったもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 もうひとりの霊夢が、紛れもなく黒い(・・)霊夢が、皆の目に写っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博麗 霊夢(いつわりのわたし)、そして幻島 星羅(うらぎりもの)

 

 

 

 

幻想郷と一緒に―――滅びなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 急展開じゃい。


 本当に遅くなり大変申し訳無いです……。
 忙しいんです。
 次は頑張って早くうpします。

この中で、番外編やってほしいのは?

  • 紅魔館組
  • レイマリ
  • うどみょん
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