東方幻創弾 〜Phantasm memories from Buster.〜 作:蒼いなんでも屋
ダンマクカグラにて香霖の中の人があの方でびっくりしていました(過去形。当時の話です)。
ご存知でない方は調べてみるのもいいかも。
因みに幻想郷の地理については、ウィキペディアさんや東方の本編描写などからまとめています。
「わぁ……!」
「綺麗でしょう?」
「しっかり焼き付けな。これが、幻想郷だ!」
一面に広がる、大いなる自然。
湖、山、里にお寺。
心地よい風と空気が、肌を伝って、気分を明るく健やかなものにさせる。
美しき幻想郷の風景が、星羅の心を潤した。
_______________
遡ること、数十分前。
「香霖堂?」
星羅はお茶を飲みながら問う。
取り敢えず一段落し落ち着く事ができた星羅は、霊夢らにこれからについて話していた。
まずはここに行くべきだ、と魔理沙が挙げた場所。それが香霖堂だという。
問い返した星羅に、2人は頷いた。
「簡単に言えば、色々な珍品を並べてるお店……のようなものよ」
「外のアイテムを拾ってきて並べてる事もあるのさ」
なるほど、と星羅も頷く。
「つまりそこに行けば、何か手掛かりがあるかも? て事だね」
「そういう事だぜ。お前が外の世界から来たってんなら、きっと見覚えのあるものもあるだろ」
サムズアップを見せる魔理沙。
「まぁ気休め程度にしかならないかも知れないけど……行かないよりはマシさ」
「行くかどうかはアンタ次第だけど……どうする?」
霊夢に聞かれて、星羅は快く答えた。
「勿論! 行ってみるよ」
しかし。
「「……飛べないの!?!?」」
「寧ろなんで飛べるのか聞きたい」
博麗神社を降りて普通に行こうとすると、人里や森との間にある獣道をゆく事になるため、空を飛んで直接香霖堂まで向かう事になった一行。
……だったのだが、星羅は空の飛び方を知らなかった。
浮遊する霊夢と魔理沙を羨ましげに見上げる彼女に、2人はため息をついた。盲点ではあったのだが。
「なんか使えないの? 霊力とか、魔力とかさ」
「なんも無いのか?」
慌てて色々問い出すふたりだが、星羅は首を振った。
「ある訳無いじゃん?」
「だよなぁー……」
「そうよね〜……」
うーん、と2人は唸る。わざわざ面倒な道をゆくのは気が乗らないし、そもそも非戦闘員な星羅を連れていけるかも怪しい。
別に守れるだけの実力が無い訳では全く無いのだが、確証もいまいち持てなかった。
と、ふと星羅はそんな彼女の箒に目をやった。
「ん? どうした?」
視線に気付いて魔理沙が疑問符を浮かべると、星羅は。
「ねぇ! だったら乗せていってよ!」
「…乗せる……? 箒に、か?」
「うんっ」
呆気にとられたふたりは顔を見合わせ、
「「……その手があったか!!」」
と、ガッテン顔で星羅を見た。
「えっへん」
星羅は何故かドヤ顔だった。
……飛べない彼女のせいでこんな話になっていることは、誰も指摘しなかった。
──という訳で、冒頭に戻る。
星羅は魔理沙の後ろで箒に跨がり、空から見ることのできる、幻想郷の美しい景色を満喫していたのである。
「ねえねえ、霊夢、魔理沙。空を飛ぶ、ってどうやるの?」
「うーん…………わりぃ、頑張れとしか言えないぜ」
「うぇ? そーなの?」
「私は魔法で飛んでるし、アイツは元からできるからな」
「別に最初から飛べた訳じゃないわよ。ある程度練習…修行させられたわ」
「確かお前、以前は亀のじーさんに乗ってなかったか?」
「うっさいわね! もう昔の話よ!」
「へぇ……?」
「気にしないでいいわよ星羅!!」
「アッハイ」
──自分もいつか、飛べるようになるのかな。
ふたりみたいに、自由に……。
そんな事を思い浮かべた星羅であった。
幻想郷ツアーはまた今度やってあげるという事で、星羅はふたりに連れられてそのまま香霖堂に向かった。
香霖堂は魔法の森の入口付近に建つ、道具屋の様な店である。
店主が幻想郷各地で時々拾ってくる、外から流れ着いた珍品やリサイクル品、果ては何に使うのかよく分からないもの、香霖のコレクションでそもそも売る気が無い非売品まで、様々なものが並んでいる。
他の場所とは比較的
最も、その店主──
「いらっしゃい。……って、なんだ魔理沙か」
「邪魔するぜ〜。っておい! “なんだ”ってなんだよ!」
──
髪は銀髪、背はそこそこ大きく、青色の着物を着ている。幻想郷では珍しく、眼鏡をかけた男でもある。
霖之助──通称、
「霊夢もいらっしゃい。君も来たのか」
「まぁ、色々あってね」
「それで、そこの子は?」
「あ、はじめまして。幻島 星羅です。…幻想入り? っていうのをした身でして……色々あってふたりにお世話になってます。これからよろしくおねがいします」
言われてすんなり応答する星羅。
しっかり礼までしてきたものだから3人は驚いた。
「あ、あぁ。よろしくね星羅。僕は森近 霖之助。ここの店主さ」
「星羅礼儀正しいな」
「まあね〜。身体が覚えているのかも」
星羅はえへ、と笑って見せる。
「やれやれ。2人にも見習ってもらいたいものだ」
「なんだよ香霖」
「毎度毎度“ツケ”であれこれ僕にやらせているのは誰だっけ?」
「うぐっ…」「ぐうの音も出ないわね……」
「……全く。それで、何があったんだい?」
香霖が話題を振ったので、
「まぁ、面倒くさい事情があってだな……」
「順を追って説明するわ」
霊夢、魔理沙は大まかに伝える事にした。
少女説明中…………
「なるほど……記憶喪失か。これは確かに面倒な事になったな」
香霖は眼鏡を直す仕草をしながら、ふむ、と星羅を見た。
──幻想郷の住人で
そもそも幻想郷自体“周りから”忘れられたものが集まる場所であって、“自分を失った”結果やってくる場所ではない。記憶しのものも自分から記憶を無くさない限り、つまり人為的以外には失う事は難しい。
単に記憶喪失の人物を見た経験がない、というだけかも知れないが。
彼女がそこらの危険な場所ではなく、博麗神社のすぐ近くに倒れていて良かった。記憶が何ひとつ無い状態でそんな風に放り出されたら危なすぎる。
「という訳で、霖之助さん、なんか関係ありそうなもの持ってないの?」
「そんな事言われてもなぁ……記憶喪失に関連するアイテムなんて、聞いたことも無いからな。まぁ、探してみるよ。今から探していたら日が暮れるし、時間をくれ」
「わかったわ。何かあったら教えて」
「頼んだぜ香霖」
「おねがいします」
「任せておいてくれ」
全会一致で、決まった。
やれやれ、これから忙しくなりそうだ、と香霖は心の中でこっそり思った。
「……ん」
ふと、香霖は視線を星羅の腕に向けた。
「……ねぇ、星羅ちゃん。それは時計かい?」
「はい?」
視線に気付いた霊夢が、腕をとった。
「香霖? もしかしてこれ?」
「あぁ」
「……腕時計ですが?」
香霖の方に向けてかざしてみせると、香霖はそれを少し見つめ、
「……これは、ただの時計じゃないな。
…………“これからの脅威に対抗するため”の、
“銃”だ」
と、告げるのだった。
「え…っ?」
「なに!?」
霊夢、魔理沙が驚きの表情を浮かべた。
そして何より、
「……じ、銃……!?」
持っている本人、星羅が最も衝撃を受けていた。
「……星羅、君は“能力”ってわかるかい?」
「え、才能とか実力とか、そういう意味…ですか?」
「うーん、合ってるけど、少し違うかな」
お茶を淹れてきた香霖は、3人にそれぞれ渡しながら、星羅に尋ねた。いまいち質問の意味を掴めていない星羅に、彼はふたりをジロッと見つめる。
「2人とも、話していないのか?」
「え?」
「話したぞ。ほら星羅、私達の“能力”の話、しただろ」
「……あー、【空を飛ぶ】とか【魔法を使う】とか、そっちの“能力”ですか?」
「なんだわかってるのか、悪かったな2人とも。そう、そっちの“能力”さ」
気を取り直し、香霖は切り出す。
「僕の能力は、【道具の名前と用途が判る程度の能力】。見ただけでその道具の正体が判る力さ」
星羅が外した腕時計を手に取り、香霖は続ける。
「僕の力で観た情報によれば……君のその腕時計は、何かしらすれば銃になる。それも、未知の脅威を滅ぼす程の力を宿したモノに……ね」
そう言うと、「まぁどうすれば使えるのかまではわからないけどね」と付け加え、その時計をしげしげと眺めた。
「そ…そんな危険な代物なの、これ?」
「話変わってくるんだが…」
「…でも使い方までは私、覚えてないよ」
「……調べてみましょう。危険か否かも含めて」
霊夢の提案に異論があるわけもなく。4人がかりでしばらく時計を調べてみた。
しかし、気になるところは中々見つからない。
時計の形状はというと、まずは左側に押し込み式のボタンが二つ。それぞれ横に『time』、『Alarm』と刻まれていた。その名の通りに信じるならば恐らく時刻調整機能とアラーム設定機能だろう、と香霖は言う。
怪しい箇所を言うならば、右側にある三つのボタン。
このボタンには、左側と異なり使い道が書いてなかった。
「…なんだろうねこれ」
「ちょっと押すのが怖いわね」
「なんだ霊夢、ビビってんのか。実際に使ってみねーとわからないだろ?」
「ちょっと魔理沙、下手に押したら壊れるかも知れないわよ? ただでさえ、星羅はぼろぼろな状態でここに飛ばされてきたってのに」
「大丈夫だって。見た感じそんな簡単にぶっ壊れるようなモノじゃなさそうだし。テキトーにボタン押せば何か思い出すだろ? 星羅、ちょっとやってみな」
「わ、わかった」
魔理沙に言われるままに、星羅は時計を手に取って、
「うーん……こう、かな」
直感で、右側の三つのボタンを、上から順々に押してみた。
「すげぇ安直に押すな…」
「シンプルなのはいいことだが」
「…いやーな予感がするわ」
3人の顔が険しくなった、その直後。
突如──数字盤が発光を始めた。
《
《
《
「…えっ?」
──と、その時。
《Buster-on》
響き渡る機械音声と同時に、腕時計が光り輝き四散した。
「うわぁっ!?!?」
光り輝くそれらは無数の小さな薄水色の結晶体に分裂、異常な速度で増殖すると、星羅の右腕へと渦を巻くように装着されていった。
腕時計の面影は、もはや欠片も残っていない。
「なっ…何!?」
「ま、眩しい……!?」
その際、迸った光と結晶が霊夢と魔理沙の横をも駆け抜け、ふたりは光に目を伏せてしまう。
「な、なんだ!?」
…同じく光に晒された香霖が、一番驚いていた。
そして、徐々に“それ”が姿を現してきた。
結晶同士は互いに合体し、右下腕を丸ごと覆う程の大きな銃へと変貌した。
現れた四角柱の蒼い銃身に、いくつかの結晶がまとまったウイングが4枚、一面ずつに装着され、ウイングが蓋のように、装着面に開いた排熱ダクトを覆って閉じた。
さらに形成された銃口が、先端部に合体していく。
先端に向かって絞る円錐形の先っ穂を切ったような形状で、くり抜かれたように、中に銃口が覗いていた。
最後に何かを挿入できそうなスロットと時計のパネルが出現し、“それ”はついに完全な姿となった。
《
その音声と同時、ブシュー、とつんざくばかりの排熱を伴って。
「……………………、思い……出した」
「え……?」
「星羅?」
「まさか……!」
その言葉と同時、星羅は何かを取り戻した様に顔を上げて。
「……これは、
……“
その輝きと同時…幻創銃【ライズバスター】が、幻想郷に顕現した。
香霖、描きずらくて大変です……
この人くらいしか男の子(?)いないんですもん。
一応これからも時々、要所要所で香霖はでてくる予定です。……多分。
とうとうライズバスター登場。
こいつはこれからのカギでっせ!
次回、ついに!やっと!侵略者現る!
戦闘シーンを描いていきます!
この中で、番外編やってほしいのは?
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紅魔館組
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レイマリ
-
うどみょん