東方幻創弾 〜Phantasm memories from Buster.〜   作:蒼いなんでも屋

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インベーダーとはご存知とは思いますが、「侵略者」の意味です。

という訳で今回はとうとう本作の敵が登場。
ようやっと敵とのバトルが始まります。













003. 異次元の脅威(インベーダー)

 魔法の森入口付近に位置する香霖堂。

 

 そこでは、信じられないような光景が広がっていた。

 

 

 

 

 なにせ、さっきまで腕時計だったものが、一瞬のうちに分解、変形、合体し、腕に取り付いた銃になったのだから。

 

 

 

 霊夢、魔理沙、香霖、そして星羅の四人は、星羅の腕に合体した(ソレ)を前に、呆気にとられていた。

 

 

 

 

 

《Rise-buster,Ready……link up-complete……》

 

 

 

 

 

 どこか無機質な声が、しかし冷淡ではない声が、内に情熱を感じられる声が、響く。

 排熱ダクトからは未だ薄っすらと蒸気が漏れ、それに被さるように取り付けられた4枚のスタビライザーウィングが、水蒸気で結露した事による反射光で光り輝いている。

 そして、ソレの銃口は赤い光で染まっていた。

 

 

 

 星羅はそれを、目を見開いたままじっと見つめ、呟いた。

 

 

 

「…………思い、出した……!」

 

 

 そして、

 

 

 

「これは、幻創銃、ライズバスター。私の……私の為の銃……!!」

 

 

 

と、まるで操られたかのように、自然に言葉を紡いだ。

 

 

 

 

 

 

「ライズ、バスター?」

「す、すっげぇ」

「これが、未知の脅威に対抗する為の武器、か……」

 

 

 

 

 三者三様の反応を見た星羅は、バスター銃身をさすりながら、

 

 

 

「……なんだけど、使い方はわかんない」

 

 

 

と、「テヘッ」といった顔で霊夢と魔理沙を見た。

 

 

「はぁ!?」

「えええ!?」

「……なんだって〜!?」

 

 

 三人が盛大にずっこけたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……記憶の断片をちょっと思い出しただけ、なのかい?」

「はい……」

「じゃあこれが結局どうすりゃ……その、脅威? に対抗する存在になんのか、わからねえな」

「宝の持ち腐れじゃない」

 

 

 解除方法もわからないので、四人は銃を眺めたりいじったり(といってもスタビライザーくらいしか動かなかったが)、色々試してみたものの、何も進展しなかった。

 

 

「はぁ」

 

 霊夢がため息を吐く。

 

「仕方がないわね。取り敢えず何とか解除して、今日のところはこれ以上詮索しない事にしましょ」

「手掛かりもねーしな」

 

 魔理沙も頷いた。

 

「僕も何かわかったら誰か経由で連絡を入れるよ」

 

 香霖も賛同し、星羅は、

 

「……まだ、何か思い出せそうなのにな」

 

と言いながらも承諾した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 __その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______パキィン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんの前触れも無く、正に唐突に、何かが割れる音がした。

 

 

 

「ん?」

「何だ?」

「……外から、よね」

「物が割れたにしてはうるさいな」

 

 

 何かを感じたのか、霊夢と魔理沙は席を立ち、

 

 

「ちょっくら外を見てくるぜ」

「星羅、アンタは霖之助さんといて!」

 

 

そう言い残しドアを開いて表に出ていった。

 

 

「う、うん」

「一応気をつけてな」

 

 そんなふたりを、星羅と香霖は不安気な表情で見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……な、なによこれ」

 

「どうりでやたらと音がでかい訳だ……!」

 

 

 

 外に出たふたりが見たのは、文字通り、

 

 

 

 

 

“空間が割れた”その裂け目である。

 

 

 

 

 

 裂け目は淀んだ青色をしており、何かのエネルギーが渦巻いていた。

 明らかに奥はこの世界と繋がっていない。

 

 しかもその裂け目から、なにやら赤色の点々が見えてきた。

 

 

 

 

「……俗に言う、次元の裂け目(空間が割れて中から敵が湧いてくる穴)ってやつか」

 

 魔理沙が、箒を握りしめて呟く。

 

「ふーん……それは、面倒な穴、ね」

 

 霊夢も大幣を取り出して答えた。

 

 

 

 

 赤い光は段々と黒い影を伴い、さらに近づくにつれて、くすんだ緑色のボディとして現れた、五体のずんぐりむっくりとして、裂け目から出てきた。

 

 

 

 

[…………]

 

 一体がゴーグルの中の赤い光__もとい、赤い単眼をじいっと動かして周囲を見渡す。

 

 

 しばらくきょろきょろとしていた各々だったが、そのうち先程の一体が言った。

 

 

[間違いナイ。ココは、幻想郷でアル]

 

 

「……!」

「分析しやがったのか?」

 

 霊夢、魔理沙が構えた。

 

[……]

 

 その様子を見た一体が、またじっと見つめ、

 

 

[背ノ高い方……巫女服……リボン………一致、対象ヲ【博麗 霊夢】と確認。

もう一人ノ方……帽子、箒……白黒……一致、対象ヲ【霧雨 魔理沙】と確認]

 

と一発でふたりを言い当ててしまった。

 

「うーわ、ばれてーら」

「何なのよ、コイツら……」

 

 ふたりが嫌な顔をすると、

 

 

 

[……間違いナイな]

 

 

更に裂け目からもう一体、アンテナのついた赤いずんぐりが出現。

 

 その単眼を光らせると、

 

 

[……排除対象ヲ視認、コレより排除行動に移ル]

 

 

 

 

 

 

と指示を飛ばし、緑ずんぐりどもと一斉に両腕を前方に向けた。

 

 

 

「「……はぁ!?」」

 

 

 

 ふたりが狼狽えるのが速いか、ずんぐりどもはその腕をなんと六連装のガトリング砲に変形させた。

 というかそもそも指先諸共砲身になっていた。

 

 

 

[…………撃テ!!!]

 

 

 そのまま、ふたりに向かって一斉射撃。

 

 

 慌てて避けるふたりだが、

 

 

「おい霊夢! 後ろは香霖の店だ!」

「あっ!?」

 

 

 

ばら撒かれたエネルギー弾は、香霖堂に虚しく連続ヒットしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 当然、香霖と星羅としては、なんの前触れもなく、店の壁が吹っ飛んできた。

 

 

「ぎゃー!」

 

 顔を引きつらせる香霖。

 咄嗟に物陰に隠れたお陰で眼鏡は割れなかったが、いくつかコレクションがなぎ倒された。

 

「あー!僕の商品!!」

 

 

 

 星羅は無意識的に掲げた右腕で顔を覆った。

 

「いてっ……!」

 

 

 案の定その右腕に、いくつか破片がぶつかった。

 

 

「……あれ?」

 

 

 だが、この時に星羅は気付く。

 

 

 

 

 

「……痛く、ない……?」

 

 

 

 

 

 破片を食らった筈のライズバスターに、かすり傷一つ付いていない事に。

 

 

 

「そうだ、霊夢、魔理沙……!」

 

 

 そして星羅は吹き飛んだ壁の穴から、外を見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう!何なのよ!」

 

 霊夢は展開した陰陽玉と共に弾幕を連射。

 霊夢本人は、火力重視で針状の弾【パスウェイジョンニードル】を発射していた。

 

 それをなんとバリアで弾く赤ずんぐり。

 むしろ反撃の機銃掃射をされてしまう。

 

 しかし当然当たる訳もなく、霊夢は弾丸の嵐を鮮やかに回避していった。

 弾同士の隙間を縫うように、機敏かつトリッキーな動きですれすれを飛んでいく。

 

 弾幕ごっこでは欠かせない技。

 相手の弾幕をすれすれで躱していく【グレイズ】とも呼ばれる芸当である。

 

 

 そんな霊夢をよそにひたすら弾丸をばら撒く赤ずんぐり。

 

 

 

 

 

[……排除……排除……]

 

「……物騒なヤツね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方の緑ずんぐり五体は魔理沙を狙って動いていた。

 

 四方八方から、バラバラと弾を撒く。

 

 だが、霊夢同様数々の戦いをくぐり抜けてきた魔理沙にとっては敵ではない。

 

 

 

 

「悪いが、私を敵に回した事を早々に後悔させてやるぜ!」

 

 

 

 ミニ八卦炉をジャキっと構え、叫ぶ。

 

「恋符!!【マスタースパーク】!!!」

 

 

 解き放たれた金色の極太レーザーが、ずんぐりのひとりを貫く。

 

 

[ウオッ!?]

 

 

「……ぐぐ、まだまだぁ……!! どりゃあっ!!」

 

 魔理沙は八卦炉を両腕で掴みながら、歯を食いしばり、空中でぐるりと一回転。

 

 

 回転斬りの要領でマスタースパークを横に一周させ、五体まとめて薙ぎ払った。

 

 

[……!!]

 

 ずんぐりどもは声もあげられず、爆散した。

 

 

「よし! 雑魚はなんてことないか。……霊夢!」

 

 残骸を一瞥し、魔理沙は霊夢の方を向いた。

 

 

 

 

 

 

 

[……しぶといナ]

 

「それはこっちのセリフ!」

 

 

 依然として霊夢は赤ずんぐりに手こずっていた。

 結界技でこちらはガードしつつショットを浴びせるのだが、赤ずんぐりはバリアを展開しており、なかなかダメージが通らなかった。

 

 

「霊夢! 大丈夫か?」

 

 魔理沙が駆けつける。

 

「ええ。ちょっと面倒くさい相手よ、コイツ」

「……むぅ」

 

 

 魔理沙も弾幕を発射するが、他のずんぐりとは比較にならない機動力であっさり回避してしまった。

 

[所詮、魔理沙は魔理沙、カ]

 

「んなっ!? 知ったような口を聞くんじゃねぇ!」

 

 サラリと馬鹿にされて憤る魔理沙。

 

「ていうか、お前ら何なんだよ?」

 

 魔理沙が問い出すと、意外にもあっさり答えた。

 

 

 

 

 

 

 

[ワレワレは機械であり、妖怪。

 

 

 ワレワレは【機怪(キカイ)】。コノ世界を滅ぼす者ナリ]

 

 

 

 

 

 

「……そりゃ、私達への今更の宣戦布告って事か」

 

 

 魔理沙が機怪を睨みつけた。

 

 

 

 しかし、その一方で霊夢は今の言葉を受け、少し訝しんでいた。

 

 

 

 

(…………そういえば、何でコイツら、私達の事を……?)

 

 

 

 __初見の筈の自分達を、あたかも初めから知っていたかのような言動で攻撃して来る。

 コイツらがやりたい事は……何?

 

 

 

 

 だが、悩んでいる暇を敵は与えなかった。

 

 

[……ム?]

 

 視線が二人から逸れる。

 

 

「おい? どこ見て……」

 

 魔理沙がつられて視線を向けると、

 

 

 

 

 

 

「……えっ?」

 

 

 

 壁が吹き飛んでがら空きになったそこに、星羅がいた。

 

 その様子に気付き、彼女はハッとする。

 

 

 

 

「しまっ……!?」

 

 

 魔理沙が狙いに気付いた時には、遅かった。

 

 

[……最重要目標ヲ確認! 抹殺スル!!]

 

 

 

 唐突に気が変わったように、赤ずんぐりは叫んだ。

 

 

 

 

「な……!?」

 

 豹変したずんぐりに動揺する魔理沙をよそに、ずんぐりは容赦なくガトリング砲を猛烈な勢いで速射した。

 

 

 

 

「星羅!!!」

 

 

 

 

 

 

 霊夢が手をのばすが、間に合わない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 数十発の“死”の凶弾が、星羅へと無慈悲に襲いかかった__

 

 




ノーマル雑魚機怪のイメージは某有名ロボットアニメの緑の量産機と赤い彗星です。
まぁ単眼で指揮官機が赤色っていっていう時点でもうそれっぽい気もしますが。


次回、狙われた星羅の運命はいかに?




この中で、番外編やってほしいのは?

  • 紅魔館組
  • レイマリ
  • うどみょん
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