東方幻創弾 〜Phantasm memories from Buster.〜 作:蒼いなんでも屋
星羅は果たしてどうなってしまうのでしょう?
ここからどうやって逆転するのか、しっかり見届けてもらえると嬉しいです。
因みに星羅のバスターには当然元ネタがあります。
もしもわかった方いらっしゃいましたら是非コメントをお願いします。
前置き長くなりすみません。
では本編のスタートです!
自分の腕時計に備わっていた、3つのボタン。
それを私は、無意識のうちに正しい順序で押した。
心の何処かで、私は、これで正しいって分かっていた。
ライズバスターが装備された時、私の中で何かが変わったんだ。
記憶が少しだけ、戻ってきたから……。
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まだ幼い頃、“僕”はヒーローに憧れた。
誰よりも強く、何よりも平和を愛し、正義の為に悪と戦う。
そんなヒーローに、気づけば憧れていた。
そんな中、特に憧れた存在があった。
世界征服を企む悪の人物に立ち向かう、一人の少年ロボット。
立ちはだかる敵の力を宿して。
時に危ない力を宿して。
そのロボットはゆく。
望まぬ戦いのその先に、平和な世界と、理想とする人とロボットとの共存の為に。
独りぼっちだった“僕”は、そんな「青いロボットヒーロー」に憧れ、いつしかそんな風になりたいと思うようになった。
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そして、それを思い出した“私”は──
[最重要目標ヲ確認!! 抹殺スル!!]
唐突な動きに動揺する魔理沙。
「……えっ?」
赤色の敵が、星羅にその銃口を向け、弾丸を連射してきた。
「しまっ……!? 星羅っ!!!」
霊夢の悲痛な叫びが聞こえる。
刹那、星羅の脳裏をひとつの思考が過る。
──このまま、死ぬの?
「……死……?」
思考は、たちまち広がっていく。
折角助けてもらったのに、何もできないの?
折角取り戻せた自分を失うの?
折角……霊夢と魔理沙という、“はじめての友達”ができたのに……それを、失うの?
そんなあらゆる思考が、星羅の感情を突き動かす。
「……っ嫌だ!」
右脚で大地を強く踏みしめ立ち上がり、腕の銃身に力を込める。
「……駄目だ。こんなところで終われない。霊夢と魔理沙に救われた命を…無駄になんか、できるか!!」
ポケットからガッと掴んだのは、先程のメモリカード。
そのイラスト……プラズマが描かれた部位がほのかに光っているように、香霖からは見えた。
「せ、星羅ちゃん……!?」
そして星羅はメモリを、バスターのスロットに勢いよく挿し込んだ。
「スペルメモリ、セット!」
ガキン、と音がして、メモリは吸い込まれるように内部へ入った。呼応したかのようにバスターの銃口が輝き始める。
《……Spell-memory, confirmed……Loading》
再び響く機械音声。
銃口にプラズマのような光が集い始め、星羅の周囲に蒼いエネルギーが漂う。
「──はぁぁぁっ!!」
右腕を前方に向ける。
徐々に高鳴る光のチャージを、左手でしっかりと支える。
青白いエネルギーが銃口に集中し、光が溶けては現れを繰り返した。
使い方なんて、今更だった。
自然にどうすればいいか、分かっていた。
何故なら──これは、私の力だから。
「……うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
そして、少女は叫ぶ。
《Ready,Go!》
「……
【プラズマチャージショット】!!!」
──くぐもったような発射音と衝撃が響き渡り、星羅の右腕は反動で真上まで上がっていた。
縦幅が身の丈程もある、超巨大な青き光弾は、プラズマエネルギーのオーラをまとって、敵のガトリング弾を全て相殺・貫通、そのまま高速で突き進むと、赤ずんぐり──もとい、機怪の指揮官機に命中。
[……な、ナンダト!?]
さらに命中時に現れた巨大なプラズマ放電球が、覆っていたバリアを粉砕し、数メートル先まで吹っ飛ばした。
[ウオォ……!?]
勢いのまま、彼は進行方向にあった木に激突。
しかしショットの凄まじさは留まるところを知らず、当たった木は尽く薙ぎ倒れてしまった。
[マ、まさか力を取り戻すトハ……!!!]
その言葉を最期に、機怪は粉々に爆散、ガトリング砲のみを遺して完全に消え去った。
……この出来事、わずか数秒である。
最も距離が離れていたこと幸いし、また瞬間的にチャージされたお陰で、星羅はスペルメモリを発動出来たのだ。
とはいえ、それでも初見の敵を一撃で倒したこともあって──
「星羅……アンタ、やるじゃない!! すっごく見直したわ!!」
「あのずんぐりむっくりを
「星羅ちゃん! 君は凄い力を持ってたんだね!!」
「わーわー、押さないでー……」
半壊した香霖堂で、星羅は三人によってたかって褒められていた。
未だにバスターは解除出来ていないが、さっきのメモリは勝手に
《Nice busting!》
と、スロット部分から排出されていた。
「…コホン、改めて。どうやら君のスペルカードは、そのメモリが引き出すみたいだね」
メモリカードを拾った香霖が、彼女へ返しながら告げる。
「スペルメモリ、だっけ。きっとそれは君の記憶を引き出すカギになるんだと思う。……大切にしなさい」
「……はい」
星羅はメモリ──弾符【プラズマチャージショット】を見つめる。
そして何かを噛みしめるように、それを強く握った。
「……それはそれとしてさ!!」
すると、香霖はある方向を指さして叫ぶ
「僕の店……どうしてくれるのさ!!??」
彼の背後には、辛うじてコレクションは無事なものの、壁が吹き飛んで野晒し状態な、無残な姿の香霖堂があった。
霊夢がよそを向き、魔理沙が苦笑いする。
星羅も、とほほ、と呟いた。
そう、その吹き飛んだ壁。実は星羅のチャージショットの煽りを食らって、三倍ぐらいまで広がってしまっただけでなく、周囲が焦げていたのである。
大元の原因は霊夢と魔理沙、二次災害は星羅…ということになる。
3人はめんどくさくなり、しらばっくれて
「ご、ごめーん霖之助さん……私達、帰るわ〜!」
「悪いな!! 今度お詫びするから!!」
「香霖さんごめんなさい! 私次来たらなんかします〜!」
と、すたこらと外へ逃げていった。
「ぅおーい! 僕の店〜っ!! かーえーせぇぇ!!」
彼女達の背中に届いた、絶叫にも似た香霖の悲痛な叫びが、魔法の森にそれなりに響いていた、というのは、後で魔理沙が知った事である。
「……にしても星羅、よく頑張ったぜ」
自分の後ろに乗った星羅に、魔理沙は言った。
「始めてのバトルがあんな風になるなんて思わなかったが、それでもアレは凄いぜ」
「いやいや、全然だよ。魔理沙だって機怪を五体もやっつけたじゃん」
「……私、今回まともに敵倒せなかったわねー」
霊夢が羨ましそうに言った。
「ま、アンタが少しでも記憶戻したんなら、別に良いわ。手伝わせるからには、ちゃんと全部の記憶を取り戻しなさいよ?」
言われて星羅はハッとする。
自分の記憶を取り戻して、記憶の中の“僕”を知らなければならない。
そんな風に思ったのだ。
《Buster-off……》
「わっ」
ふと、ライズバスターが勝手に解除され、光と共に腕時計に戻って左手に装着された。
「それについても、何かしらわかるといいな」
魔理沙がその様子を見て言う。
それを受け、星羅は心で呟いた。
謎は確かに増えた。気になる事もたくさんある。
でも、ふたりと一緒ならきっと思い出せる。
だって、このふたりは──
「よっし! 霊夢、帰ったら星羅にお手本がてらさっきの二回戦やろうぜ!!」
「あのねぇ、博麗の巫女を何だと思っているのよ」
「暇人だろ?」
「霧雨魔法店常に閉じてる奴が言うな!!」
──今の私にとっての、大切な友達なんだから。
「ふふっ……さ、早く帰ろっ!」
星羅は笑ってふたりに言った。
ニートだのサボりだの色々言い合っていた霊夢と魔理沙は、彼女の言葉に、自分達の行動がバカバカしくなって、あははっ、と笑い出し、
「「……勿論!!」」
と、博麗神社へぐんとスピードを上げていった。
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こうして、記憶喪失の少女は、楽園の素敵な巫女と普通の魔法使いに出会った。
幻想を創り上げてゆく物語は、ここから始まる。
──丁度、季節は春。
桜の花弁が散り、その横に薄っすらと、人魂が飛び回っていた。
Continued to the next phantasm……
次回から第二章スタート。
誰が出てくるかはお楽しみに。
匂わせ気味な事は書いておきましたが……。
次章から話数が増えるかもしれません。
この中で、番外編やってほしいのは?
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紅魔館組
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レイマリ
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うどみょん