氷の剣士と姉妹蝶   作:ラーメンは美味しい

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9話

 それからはいろんなことがあった。

 

 とある任務先で『炎柱』である『煉獄杏寿郎』やいつぞやの柱合会議に招集されていた『竈門炭治郎』にその柱合会議の原因となってしまった竈門君の妹であり鬼化してしまった『禰豆子』、さらには彼の友人であるという『我妻善逸』に『嘴平伊之助』らと偶然一緒になり、下弦の壱に襲撃されたこともあった。

 

 いやー、彼奴マジで厄介だった。何だよ、夢を見せてる間に殺すとか。反則じゃねーか。まあ、俺はなんか知らないけど起きれたんだけど。起きたら全員寝てるし。マジであん時は焦ったね。だって、起きたら刺されそうになってたんだもん。焦り過ぎて呼吸使って襲ってきた奴、斬り刻むところだったし。襲ってきてるのが俺と同じ人間だったから気絶させる程度で抑えたんだけど。

 にしても、煉獄さんヤバすぎでしょ。意識無いのに相手の攻撃防ぐとか。襲撃に対処した後、皆の様子を確認したんだけど煉獄さんだけなんか自力で防いでたもん。あ、もうこの人は大丈夫だって思ったもん。

 

 その少し後に竈門君が目覚めて、襲撃者の対処を一緒に行った。

 それが一段落したので下弦の壱を始末しようと思ったのだが、他の乗客も俺たちと同じような目に遭っているのでは、と思い下弦の壱は竈門君に任せて俺は乗客の安全を確保するために奔走した。

 俺たちが乗っていた車両から隣の車両へ。そこで、襲撃者を無力化してまた次の車両へ。それを繰り返していると、突如列車内の様子が一変する。

 列車内が生物の内部のような作りへと変化したのだ。肉の壁から次々と乗客目掛けて触手のようなものが襲い掛かる。それを呼吸を駆使し斬り捨てながら車内を進んでいると、俺たちが最初にいた車両辺りから轟音が響き渡った。

 

 まあ、煉獄さんなんだけど。あの人、いつもなんと言うか派手なんだよな。炎柱っていう派手な称号が与えられてるところからも分かるけど。

 

 半ば確信を抱きつつ、肉の壁の対処を行いながらこちらに迫ってくる轟音を待つ。

 すると、俺が今いる車両の扉が開かれる。そこに居たのは、やはり煉獄さんだった。

 

 柱として不甲斐ない、とか高らかに笑いながら言うところにこの人の器のデカさというか、そういうものの大きさを感じた。

 

 そこからは目を覚ました煉獄さんと車両の乗客を守るために再び奔走し、その間に竈門君の妹の禰豆子ちゃんや我妻君、嘴平君も目を覚まし乗客の防衛や下弦の壱の始末に協力してくれた。

 

 ぶっちゃけ、俺一人じゃ全車両カバーするのはギリギリだったから煉獄さんや禰豆子ちゃんたちが協力してくれて助かった。

 

 そんな感じで暫く車両内を駆けずり回っていると、今度は車両内が震え出す。まるで苦しみでのたうち回るように。

 乗客たちの安全が第一だと判断した俺は煉獄さんと協力し、可能な限り列車の揺れが収まるように尽力した。

 その甲斐あってか、怪我人も少数に留めることに成功し一件落着に思えたが、本当の戦いはここからだった。

 

 なんと『上弦の参』が姿を現したのだ。

 

 赤髪の短髪に顔や体に刻まれた刺青のような模様。そして、肩口ぐらいしか覆われていない羽織。

 しかし、それでも上弦。()()と同じぐらいの圧力を感じた。

 

 そこからは激戦だった。

 

『猗窩座』と名乗った上弦の参は初撃を傷を負い動けない竈門君に仕掛け、その行動に煉獄さんが激怒。俺も奴の行動は見過ごせないものがあったので、煉獄さんと協力し死闘を繰り広げなんとか両者ともに軽傷で撃退に成功。

 

 いやー、上弦の参はマジで強かった。何か動きを読まれてるのか攻撃当たりにくいし、一撃一撃が重いし。ありゃ当たってたら怪我じゃ済まなかったね、うん。まあ、攻撃の速度上げたら当たるようになったんだけど。やっぱ上弦相手に様子見とかしちゃダメだね。最初からある程度全力でやらないとこっちが殺られるわ。

 

 次に会う事が無いように、と祈りながら蝶屋敷に戻るといきなり胸の中に飛び込んでくる影二つ。

 

 カナエとしのぶだった。

 

「・・・・・・・・・ただい、ま?」

 

 よく見ると、二人の美しい顔には涙が伝っている。

 

 えぇ!?なんで!?ど、どうしよう!?こういう時、どうすればいいんだっけ!?えーっと・・・!えーっと・・・!

 

 必死に事態を収拾させる方法を考えていると、暫く黙っていた二人が口を開く。

 

「・・・・・・・・・心配したのよ」

「上弦の参と交戦中だって連絡があって・・・頭の中が真っ白になって・・・」

 

 ・・・なるほど。そういう事か。どうやら心配をかけてしまったようだ。確かに俺も二人が上弦と交戦してる、なんて聴いた日には遂行中の任務すら放り出して駆けつけるだろう。

 

 二人の気持ちは痛い程理解できるつもりなので、できるだけ二人の心配を拭えるように。

 

「・・・・・・・・・ごめん、心配かけた」

 

 二人からは痛い視線が向けられるが、ぐっと踏ん張り拙い言葉を尽す。それでも何もしないよりは良いと思ったから。

 

「・・・・・・・・・これからも心配はかけると思う。でも・・・」

 

 二人は静かに続きを待ってくれる。

 

「・・・・・・・・・俺の帰る場所はここ(二人の隣)だから。・・・・・・・・・だから、信じて待っていてくれると嬉しい」

 

 二人が少しでも安心できるように、優しい表情で語り掛けるように。

 

「・・・・・・・・・信じていいのよね?」

「・・・・・・・・・帰ってこなかったら許さないから」

「・・・・・・・・・ああ、分かってる」

 

 俺の気持ちが二人に伝わったのか、先程までの暗い表情は失せ一転して明るい表情になる。

 

「じゃあ、今日のお詫びとして白くんには私たちと一緒に寝てもらいます!」

「言っておくけど、白くんは真ん中だから」

「・・・・・・・・・ああ。・・・・・・・・・って、ん?」

 

 じゃあ、行きましょー!と今にも飛び上がりそうなカナエと、ふふふ、白くんと一緒に・・・と怪しげな笑みを浮かべているしのぶに両腕を引かれて屋敷の中へと入っていく。

 

「・・・・・・・・・待ってくれ。今、なんて言ったんだ?」

 

 二人には聴こえていないのか、返事が無い。

 

 ねぇ・・・・・・ねぇ、ちょっと待って!

 カナエさぁん!しのぶも聴いてぇぇぇ!

 

 ちなみにこの一件の後、宇髄さんや竈門君たちと『上弦の肆』と『上弦の陸』と死闘を繰り広げる事になるのだが、その時も今回と同じように二人の玩具にされるのだった。

 

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