「これが帳……」
帳を見て目を見開く。
そして、生得領域。
蠅頭とは桁違いの気配である。
そこで、誰を助ける、助けないの話が出た。
「なんか、こういうの新鮮だな。選択肢があるって良いよな。母さんのとこはどんな悪人でも、悪人だからこそ、救わないとみたいなお仕事だから」
「それで助けたやつが殺したらどうすんだ」
「救ったら真っ白になるからそれでもう終わりだろ?」
「……茨の母ちゃんの仕事何?」
「宗教系。詳しいことは言っちゃ駄目なんだって」
「「「やばい香りがする……」」っきゃ」
「おっと」
玉犬を突き飛ばし、穴が空いたので釘崎を引っ張り、虎杖と伏黒を蹴り上げる。
かなりの圧力を持った呪霊がいた。
実戦である。
ゴロゴロと転がってそこを離れ、TODOリストを思い出す。
斬魄刀で呪霊は倒せるのかどうかとか、色々調べないといけない。
ひとまず、義魂丸(イケてる男子はソウル☆キャンディの事を義魂丸というのだ)を飲み込む。
茨は体から飛び出した。
『ポチ! 釘崎を連れて避難!』
「逃げるぞ!!」
「「「了解!」」」
『え、俺は?』
皆は無反応である。どうやら、死神は見聞きできないようだった。
『あー……一人でどれだけ出来るか不安だけど。やってみるか』
斬魄刀を出す。
相手の攻撃を斬魄刀で受けた。
なんだか蒸気がじゅうっと出て、相手が痛がっていた。
『大丈夫か? 麗影姫! よし。次は覇道の四、白雷!』
大丈夫そうなので、次は鬼道。万一吸収なんて事になったらと心配していたが、これも無事効いた。
『死神としてはやっていけそう? 良かった。そろそろ終わらせるか。――始解。抱きしめろ、麗影姫』
影が蠢いて、呪霊を捉えていく。拘束した呪霊をざっくり切って、その後に指のようなものを見つけた。呪力の塊であることは間違いないようだ。
『……? なんだコレ?』
何気なく、斬魄刀で力いっぱい刺した。
20箇所で気配が爆発した。
『!?? 何だ!? どうすればいい!?』
どうやら、失敗してしまったらしい。オロオロしている間に、生得領域は消滅していった。そして、伏黒達も無事なようだった。
「虎杖!」
「虎杖!? ちょっとあんた、大丈夫!?」
「がああああああああああああああああ!!!」
「ええっと、大丈夫なのかだぞ!?」
『ごめん、ポチ、一旦体に戻る』
体に戻り、義魂丸(ナイスガイはソウル☆キャンディを義魂丸と以下略)をペット吐き出してしまう。
「誰だ、この俺の指を傷つけた奴は!!」
「指? 宿儺の指か?」
「も、もしかしてあそこに落ちてる指、虎杖の大切なものだったりするのか?」
大変なことをしてしまった。激昂していらっしゃる。
オロオロと茨が戸惑っていると、虎杖は指を手にとった。
「この俺様に毒!? 毒だと!?」
「虎杖……!」
「なんだ? 何が起こってる?」
「宿儺の器なのよ、こいつ」
宿儺の器。検索。ヒットなし!
甚爾がインプットしたデータだが、当然全ての呪術界の常識が入っているわけではないのだ。
「とにかく怒っているのか、虎杖。ご、ごめん。その指、ちょっとだけ傷つけちゃったの俺だっぐっ」
首をガッと掴まれる。怒っている。でも知らなかったのだ、仕方ないではないか。
何せ、呪術師一年生である。異世界で生まれ育ってもいる。ああ、だがそんなの虎杖には関係ない。
「ああ!? 呪力一つ練れぬ貴様に出来ることではない!」
ずしゃっと放り出される。
「虎杖、そんなに大切なものだったのか?」
「茨、そんな問題じゃない。虎杖は今、両面宿儺に乗っ取られているんだ」
「??? 両面宿儺?」
「ああもう、今の虎杖は呪霊だ」
「じゃあ、倒さないとなのか? とりあえず、切れば良いのか?」
「いや、切るな」
揉めている間に、なんとか虎杖が体の支配権を取り戻したが辛そうである。
呪専にも指が複数保管してあったため、すぐさま五条が呼び出されることとなったのだった。