『さあさあ遂にやってきやがったぜ雄英体育祭、ガチバトルトーナメント決勝戦ンンンンンンッッッ!!!!』
熱狂的な声があちこちから噴火のように噴き出していく、今日此処で一年最強の座が決まると言っても過言ではない。その決定戦の座に辿り着いたのは何方もA組の生徒、既に雌雄を決する両者はバトルフィールドへと立ちながら今か今かとその時を待ち続けている。
『此処まで多彩且つ圧倒的な力で勝ち上がってきたスーパーボーイ!!ヒーロー科ッ獣王 翔纏ッ!!!』
『誰よりも勝利を渇望、そして絶対的且つ完全勝利を望むエクスプロージョンボーイ!!ヒーロー科ッ爆豪 勝己ぃぃい!!!』
紹介をするだけで更に熱が上がる中でミッドナイトは互いの健闘を祈りつつも変身してから始めるという言葉を掛けられる、それに頷きながらメダルを装填していく。これこそが爆豪に宣言した最強のコンボ、コンボに慣れてきている今ならかなりの所まで行ける筈だしブラカワニで回復するという手も切れる。万端だっと思いながらオースキャナーを手に取る。
「さあ行くぞっこれが俺の最強のコンボ―――変身!!」
これまで何度も使われてきた昆虫系のメダル、それが遂にコンボで発動される。昆虫の中でも双角の王とも言われる一種たるクワガタ、相手の強さを問わずに戦いを挑む勇敢な戦士とも言われるカマキリ、群れを成せば現代でも重大な厄災をも引き起こす強靭な足を持つバッタ。それらを身体に纏うのが今の翔纏の姿、現状変身可能な中で最強と言えるだろうガタキリバコンボ。
『おっとぉ獣王っ自ら最強コンボと言わしめる姿を切ったぁぁ!!!それはまさかの昆虫だぁ!!』
『昆虫か……仮に人間サイズなら確かに一強とも言える力を発揮するな』
「それがテメェの言う最強か……ムシじゃねぇか」
「あんまりムシを舐めるなよ、その恐ろしさをこれからたっぷり教え込んでやる」
「やってみやがれぇ!!!」
遂に始まる最終決戦。開始の合図とともに爆豪は両手から爆破を行い加速しながら勢いよく蹴り込んでいく。がっ急に制動を掛けて引く、何故なら翔纏がその手にあるカマキリの鎌のような剣を構えながらバッタさながらの跳躍で迫ってきてくるからだ。
「ハァッ!!ダァァ!!」
「チィッ!!死ねぇ!!」
素早く振るわれるカマキリソード、振るわれた際に悲鳴を上げる空気からこの剣の鋭さと威力を察知して絶対に喰らってはいけない事を認識した爆豪は決して近づきすぎず離れすぎない事を心掛けながらの爆破にて攻撃を仕掛けようとする。だがその爆破を素早く察知しながらもバッタレッグの小ジャンプで距離を保ちながら回避するという芸当をし続ける翔纏。だが、それが爆豪を苛立たせる。
「その程度で最強だぁっ!!!?ザケんな殺すぞぉォ!!!クソがぁ!!」
「グッ!!」
一撃を回避しながらも両手を合わせながらの爆破を行う、だがそれも咄嗟に後方に跳ばれて回避される。確かにガタキリバコンボは強い。中距離は電撃、近距離はカマキリソード、そして高機動を備えるバッタレッグという近中距離に置いて此処まで使い勝手がいいコンボはないと爆豪でも思うが、これが最強だと言われたら肩透かしでしかない。これなら
「だったら味合わせてやる、こいつの強さを―――さあっショータイムだ!!」
脚を揃えてからカマキリソードを構え、地面をつま先で軽く蹴りながら改めて突撃する。爆豪は誰が二度とその剣の間合いで戦うかと言わんばかりに爆破が届くギリギリの距離を既に見極めているのか片手の爆破を機動に回しながら片手の爆破で攻撃する体術で凌ぐのだが―――
「死ねぇっ!!!」
「「さてっ殺せるかな?」」
「あ"あ"っ!!?」
攻撃を捌いて回避した翔纏の声がダブって聞こえて来た、幻聴かと振り返るとその光景に目を疑った。そこには同じガタキリバコンボの翔纏がもう一人存在していたのだから。
『ななななっ何だこりゃぁぁ!!?獣王がもう一人ぃ!?何が如何なってんだ!?』
『これまでのコンボは何かしらの特殊能力があった、つまり……成程な、確かに最強のコンボだな』
『おいおいイレイザー分かったのか!?教えてプリーズ仕事しろ解説!!』
『無理矢理押し付けたんだろうが』
「クソがぁっだがな、テメェが二人になろうが俺には敵わねぇんだよぉ!!」
と再度突進する爆豪は身体を回転させながら爆破の角度を瞬時に判断しながら攻めるという自らのセンスの高さを見せ付ける。それに対して翔纏は別々の角度、常に死角からの攻撃を狙い続けて行く。単純だが常に全方位に意識を分散させる事で爆豪の疲労も狙える、そして同時に互いが互いを庇い合いながら攻撃し、最強のコンボの真骨頂を見せる。
「「さぁて、二人かな?」」
―――ハァッ!!
「なっ!?」
その時更にもう一人の翔纏が出現して電撃を放出する、それに焦りながら後方へと爆転しながら飛び退いた爆豪は更に増えた翔纏に目を疑った。その場に立つ三人の翔纏、それらは互いにカバーしあえるように心掛けながら同時に切りかかってくる。それに舌打ちしながらも前転から爆破で進路を変えて回避していくが、三人目が電撃で攻撃してきてダメージ覚悟でそれを無理矢理突破して空中で状況を確かめつつも息を整える。
「クソがぁっ!!死ねぇぇ!!!」
「「「もう一人いたりして」」」
悪態を吐きながらも両手を合わせ、爆風が全て翔纏らへと向かうようにしながら連続で爆発を引き起こす。雪崩のように迫りくる爆風の嵐に対して登場する4人目の翔纏は電撃を纏ったカマキリソードを竜巻を作り出すように回転して爆風を完全に切り裂いてしまいながら脚を揃えたポーズを取った。
「俺もいるよ」
『つまり、今の獣王のガタキリバコンボの最大の強みは分身出来るって事だろう。たった一人であろうが分身によって数の暴力を仕掛けられる、確かに合理的に考えれば最強のコンボだ』
『おいおいおいおいおい一人ムービー大戦ってかぁ!!?』
『しかも……見る限り、分身系の個性にありがちな弱点が見当たらないな……最強コンボだな』
「「「「流石相澤先生、目敏いですね」」」」
『息ピッタリかよお前ら!!?』
『そりゃ全員獣王だからだろ』
これこそがガタキリバ最大の強み。完全な統率が取れた連携、そしてたった一人で軍勢を揃えられるという点が翔纏がガタキリバが最強だと言わしめる理由。何よりガタキリバ自身もこの能力を使わなくても普通に強いのも特徴。
「さあ如何かな」
「爆豪、これが御所望の」
「最強コンボ」
「ガタキリバだ」
「「「「これに勝てるかな?」」」」
4人が一直線に揃いながらワザとズラした後に揃えて喋る。それを見て爆豪は確かにこれが最強だという理由を察するのであった、たった一人で多数に対応出来て相手が一人なら逆に数の優位を揃える事が出来る。これは最強だと彼自身も思うがだからこそこれを倒す意味があると両手から更に爆発を引き起こす。
「勝つに決まってるんだろうクソがぁっ!!俺が取るのは完全な優勝だ、今のテメェに勝つからこそ意味があんだよ!!」
「「「「ならっ―――勝ってみろよ」」」」
「勝つに決まってんだろっクソがぁぁ!!!」
空中高く飛び上がりながらも突撃していく爆豪、それに対して翔纏たちは二人が電撃を同時に放ち対応する。その電撃を紙一重で回避しつつも懐に飛び込もうとする爆豪だが跳び上がった翔纏が背後を取って回し蹴りを喰らわせて真下へと蹴り飛ばすとそこには最後の一人の翔纏が電撃を纏った一撃を腹部へと叩きこむ。
「ガァッ……ッッッそがぁぁぁぁ!!!」
まだまだ戦意は削がれていないがそれでも実力差が開きすぎている、それだけではない。相手は実力が全く損なわれてない翔纏が4人いる状態、完璧すぎる連携に陣形を組み完全な集で襲いかかってくる。だったらもう取る手段は一つでしかない―――集団ごと吹き飛ばすしかない。立ち上がりながら両手に全神経を集めながら最大の爆破を繰り出そうとした時―――爆豪は見た。
『セイヤァァァァァァァァ!!!!』
自分目掛けて一斉に飛び掛かってくる翔纏たち、だがそれは4人どころの騒ぎではない。自分の視界を埋め尽くすほどになりながら青碧の閃光を纏いながら突撃してくる翔纏の群。昆虫の最大の強みである群体、それがガタキリバの最大の力だと悟りながら爆豪は鼻を鳴らしながら笑う。
「今は認めてやる、だけど次は―――それごとブッ殺す」
翔纏たちの必殺技、ガタキリバキックがバトルフィールドへと炸裂し、大爆発を起こす。そしてその爆風が消えた時、そこには倒れこんだ爆豪と変身を解除しながらも思わず座り込んでしまった翔纏の姿があった。
「爆豪君戦闘不能!!獣王の勝ち!!!」
ミッドナイトの判定が下りたが翔纏には聞こえなかった。何故ならば―――
「4人に、絞ったけど……やっぱりこのコンボ、きつすぎぃぃっ……」
ガタキリバコンボの代償とも言える超が付く程の疲労に動けなくなっていた。
分身生成:ガタキリバコンボの固有能力。分身体の名称はブレンチシェイド、最大で50体まで分身可能。分身体一人一人が翔纏という肉体と意思を持っており、分身能力にありがちなスペック低下は存在せずフルスペックで戦闘可能。つまり、最大で50倍の強さを発揮する。
但し、分身が受けた疲労やダメージは最終的に本体に還元されてしまう。自分以外の分身を自覚するので精神的な負担も分身するだけ増す、その負担は測り知れない。正しく最強コンボに相応しい力を発揮するが心身とも酷使する能力である為、最強ではあるが最悪でもあるので翔纏も軽々しく使えないコンボである。
皆さん大好きガタキリバでした。というかみんな好きじゃねガタキリバ。まあ私も大好きだけど。
今回は負担も考えつつも爆豪との爆破範囲とバトルフィールドを考慮して戦い易い4人だけでした。まあ4人だからウィザードのドラゴタイマーネタブッ込んだんですけどね。
この位の人数なら……なんとか許容出来るかな……。