ダンボール戦機 [手のひらの玩具(兵器)]   作:スーパーオロナミンC

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『LBX』(Little Battler eXperience)。

それは、全高15cmにも満たない、小さな小さな戦士。

様々な武器、パーツが存在し、それらをカスタマイズさせ、プレイヤーの思い思いの姿形が存在する。

2050年、彼らの戦場は、あらゆる衝撃を吸収する未来の箱、『強化ダンボール』の中となり、世界で爆発的人気となった。

しかし、彼らはただの小型ホビーだけではなく、軍事利用もされるようになっていき、それを利用して悪事を企てる者も後を絶たない。

これは、LBXを愛した少年少女が繰り広げた「War」から先の未来。第5回アルテミスの開催に向けて繰り広げられる1人の少年と新たにLBXを利用し、LBXを消そうとする組織との戦いの物語。




第1話

 

 

「「必殺ファンクション!」」

 

『アタックファンクションーーグロリアスレイ』

 

『アタックファンクションーービッグバンスラッシュ』

 

 

 

 

2052年、あの世界を恐怖に陥れた『パラダイス事件』から1年経った今日。表面、事件の首謀者であったアルフェルド・ガーダインは無期懲役で現在も服役中であり、そのガーダインを利用した檜山真実は姿を消した。

勿論、ビショップを始めとした他の部下達も同様に服役中である。

LBX管理機構「オメガダイン」総帥であったアラン・ウォーゼンはビショップにより暗殺されていたらしく、セト-50等、兵器を開発した「オメガダイン」は政府により解体されたが、新たな「オメガダイン」として生まれ変わり、「Mチップ」も健在。

一時は人気が落ち込んだLBXだが、半年も経たずに人気は復帰した。

そして、世界を救ったLBXを愛する少年少女達は、今度はライバルとして会おう、と別れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃい」

 

そして、ミソラタウン商店街、キタジマ模型店。地域密接型の経営を目指す北島小次郎とその妻、北島沙希の店だ。あの世界を救った山野バンや青島カズヤ、川村アミが行きつけの場所で、今まで何度も陰ながら3人を支えてきた。

そして其処に、無造作に纏めた髪の少年がLBXを無線操作する携帯端末「CCM」を片手に入ってきた。

 

「お、カガリ今日もテストか?」

 

「ちょっと今日はこいつの微調整がしたくて・・・」

 

そう言って少年、清田カガリがバッグから取り出したのは吸い込まれるような黒でオリジナルペイントされた『デクー』だった。オリジナルなのはペイントだけではない。

大きな赤いモノアイが特徴のヘッドパーツは緑に明滅するラインアイに改造され、ショルダーや手足等、全体的に装甲の形状が厳つくなっていて元のように丸みを帯びたイメージが無い。まるで、戦争に出された2足歩行兵器のようだ。

武器は背のバックパック右側面に装着された大型な実弾スナイパーライフル「アドバンスドライフル」。反対側には若干小さめのエネルギー弾スナイパーライフル「イルミネイトライフル」。完全に狙撃専門のLBXだ。

 

「ほぉ、随分出来上がったじゃないか。デクーも前に散々見たが、ここまで手の込んだ奴は初めてだ」

 

小次郎も唸るデクー、カガリの手によって改造されたその名を『スナイプ・デクー』。

今年開催される第5回アルテミスに向けて彼は愛機のカスタマイズで忙しいのだが、機体は取り敢えず形となり、一段落ついていた。

 

「おし、ちょっと待ってな。今準備するからな」

 

小次郎は指をポキポキとならし、CCMを取り出した。小次郎はこうして客の対戦相手もしてくれるのだ。

 

「こんにちは」

 

「ちぃーっす」

 

「こんにちはー」

 

カガリもCCMを開いてスナイプ・デクーを起動させようとしたとき、店に3人の男女が入ってきた。

 

「お、バンにカズにアミか。どうだ調子は?」

 

入ってきたのは有名な山野バン、そして共に世界中のLBX大会で名を残してきた青島カズヤ、川村アミの3人だ。LBXをやっている者で知らないものは居ないほどの有名人だ。

 

「まぁまぁ。店長は今からバトル?」

 

「あぁ。丁度カガリの機体のテスト稼働でな」

 

すると射撃が得意分野のカズヤがジオラマに立つスナイプ・デクーに興味を持ったらしく、筋肉質な手でやさしく持ち上げる。

 

「すげぇな。これデクーにしてはイカしたフォルムしてるぜ」

 

「本当ね。このデクーなら好きになれそう」

 

「カガリ、だっけ?ちょっと僕とバトルしないか?」

 

「え、あ、俺がバンさんと・・・?」

 

実はバン達とは初対面のカガリは緊張しながらバンとバトルできる事に興奮していた。

カガリはすぐに店のレジ側に移動し、CCMのキーを叩く。

 

「スナイプ・デクー。戦闘開始だ」

 

その声に応えるようにカズヤの手のひらのスナイプ・デクーが起動。カズヤに丁寧なお辞儀をするとその手のひらから跳躍。ジオラマに着地した。

 

「よし。行くぞ、アキレス」

 

バンが鞄から呼び出した愛機。『アキレス』

バンが初めて自分の物にしたLBXで第3回アルテミスで初優勝もした特別な機体だ。

赤い鶏冠が特徴の白いLBXで背中には同色の赤いマントが翻る。

 

(あれが、第3回アルテミスで優勝したアキレス・・・)

 

カガリがLBXを始めたのは今から3年前。第2回アルテミスに出場したこともあるが 1回戦目で敗退。それ以降はLBXのオリジナルカスタマイズに没頭し、今年出ることを決めたのだ。

 

「始めようか」

 

「は、はい」

 

「「バトルスタート!」」

 

 

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