太陽の男   作:ヤマトかわいいよヤマト

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第13話

━━拝啓ヤマト殿

あなたは今何をしているのでしょう。元気でやられておりますでしょうか?

わたくしですか?私は元気にやっております。

こちらはお天気が良くお洗濯日和で毎日毎日大量の洗濯物を洗っております。

男衆の汗臭い匂いが鼻に来て燃やしてやりたいくらいです。

ん?どこで何をしているのかだって?

ただいま私は━━

 

「新兵!遅いぞ!チャチャッと動かんか!」

「…へいへい」

「返事は一回で十分!それから"はい"だ!」

「うぃっす」

「"はい"と言わんかァッ!!!」

 

━━海軍で生活しております。

 

◆◆◆

 

海賊から船を奪い海に出たものの、ここで俺は重大な問題に直面していた。

 

「……遭難だな、こりゃ」

 

コンパスなし、航海士もおらずましてや航海術すら持っていない俺。

こうなるのは当然で、

 

「詰めが甘いな、ほんと。……なんで航海術を勉強しなかったんだ俺は」

 

そんな後悔を口に出しつつ、舵を取りながら海を眺めていた。

あの海賊たちは船にあった縄で体を縛り船内へと押し入れている。そこにいるだろう航海士を連れてくればいいんだろうがおもっくそ気絶してたから……まあ、死んでないとは思うけどとりあえずはこのまま行くしかないな。

幸い食料もたんまり蓄えてるようで数日は大丈夫そうだし、のんびりと行こう。

 

 

 

 

 

あれから、数日…多分3日かな?未だに島は見えない。

起きた航海士を引きづり出して案内させようとしたが俺の攻撃による余波でコンパス…記録指針(ログポース)が壊れて案内できないらしい。なんてこったい。

とりあえず航海士含め海賊たちは縛ったまま生かすか死ぬかレベルの水と飯を与えてる。

そんなこんなで今日も海を眺め舵を切る。

 

「〜♪声を上げて〜♪さあ出航だ〜♪我ら宝しょ……ん?」

 

鼻歌を歌ってる時前方に見える影。あれは船か?

 

「……望遠鏡はどこに置いたっけな?」

 

船内に戻り望遠鏡を手に看板へまた出て、そのまま影へと向かって望遠鏡を向けてみる。

 

「…あー、海軍か…ちょうどいいな」

 

そんなことを呟きつつ望遠鏡をしまい、用意していた旗を取りだした。

その旗は木の棒の先に白い布を取り付けた簡素なものだ。

 

その旗を海軍船へと向かって振る。

これで攻撃してこないだろう……多分。いや、サカズキあたり乗ってたら死ぬなうん。

 

と、そんな考えは杞憂で終わり俺の乗る船の横にその海軍船はピタリと横に止まってくれた。

 

「……君がこの船の船長か?」

 

そう言って顔を出したのは作品内でも時たま見る中将。モモンガだった。

 

それが出会いで諸々事情を話し海賊を海軍に引き渡した俺は、そのまま海軍本部へ向かっていたモモンガに厄介になりながら一緒にマリンフォードへと向かったのだった。

ちなみにこの時のモモンガは大佐だった。若いなぁー。

 

◆◆◆

 

そんなこんなで今の状況というわけで。

 

「そこ!ダラダラするな!」

「……あ、俺?」

「当たり前だ!お前以外に誰がいる!あと上官には敬語を使え!」

 

やべ、考え事してたら怒られちゃったぜ。テヘペロって会ったら許してくれないもんか。

とまぁ今はそんな感じで訓練中です。

みんなで校庭で体を動かしましょう。いぇーいと言うやつだ。

……つまらん。

そんでもってさらに俺の胃に穴が空きそうなことといえば━━

 

「お前は訓練中にタバコを吸うな!」

「あ?」

「君!なかなかのキレだ!そのまま続けたまえ!」

「は!ありがとうございます!」

 

━━煙のおじさんと黒い檻のちゃんねーが同期ってことなんすよね。

いや、なぜに?神様は俺の胃に穴開けたいの?

煙のおじさんはいっつも上官のおっさんたちと言い合いなってるし、黒い檻のちゃんねーは……真面目やな。うん、真面目。上官からの評価も高いし、特に文句はないな。うん。ただ、原作みたいなツンとした態度はまだあまり見ないな。

 

それにしてもあの二人の下っ端が着る制服は新鮮なもんだな。

スーツの黒い檻のちゃんねーもいいけどあの服装もなかなか良きだ。訓練中の良い癒しです。

黒い檻のちゃんねーが9歳上で煙のおじさんが11歳上だったかな?

となると……19歳と21歳か。そこに10歳のガキの同期もプラスと。これもうわかんねぇな。

 

にしても10歳でよく入隊させてくれたものだ。まあ、海賊船1つ鎮圧できる実力があってワノ国から逃げ出して行くあてない子どもだもんな。

まあ保護の名目もあるのかもしれんな。ま、生活出来る環境ならなんでもいいや。

いつかは海軍辞めるだろうけどそれまでは甘えておこう。

 

「そこ!」

 

……また注意された。もうやめよっかな。

 

◆◆◆

 

訓練も終わり夜中の時間。俺は海岸に来ていた。

何しにって?最近練習してるものがあるんだよね自分。

 

そして俺は海水に手を漬け、そのまま皿のようにして水をすくい上げる。

そして、

 

「"撃水(うちみず)"」

 

そのまま海に向かって手にある海水を投げる。

そう、俺は今魚人空手と魚人柔術を練習中なのだ。

まあ、能力者になっちゃったからね。海でも戦えるように海を利用する戦闘法を覚えとかんといざそうなったら動けないからね。

 

無人島で立ち往生してた時にわかったことなんだけど能力者だからといって海に入ったら動けなくなるのかと言われたらそうじゃない。力が入らない+能力が使いづらくなるだけだ。そう動けるわけ。体は浮かばないけど。

てことはだ、てことはだよ。海中での戦い方とその場に留まる方法さえ確立すれば能力者だとしても戦いを続行できるというわけだ。

弱点は埋めていかんとね。

そんなわけで今日も俺は海と触れ合いを続ける。


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