太陽の男   作:ヤマトかわいいよヤマト

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第14話

あれから幾ばくか時間が過ぎた。

結論を言えば魚人空手や魚人柔術は無理でした。

無理無理無理。無理寄りの無理。

 

まず水が言うことを聞かん。これは魚人空手とか魚人柔術の感覚が掴めないからなのか、それとも悪魔の実を食べたからなのか水を操れなかった。

まあ、人体に含まれる水分を利用した打撃系の技はなんとなくだが出来てるんだが水を操っての攻撃がまじで無理。

"撃水"とかあたりは馬鹿力にものを言わせてそれらしい事はできたけど多分本来とはまるっきり違うし。

なので諦めた。

その代わり、

 

「━━よし、それらしくはなってきたかな」

 

悪魔の実、太陽の力を魚人空手、魚人柔術に落とし込み指向性を持たせることにしてみた。

すると、まあなんてことでしょう。戦い方の幅が拡がったではありませんか。

 

"爆発(プロミネンス)"とかは手のひらとかから爆破を一面に撒き散らしていたけど、魚人柔術を使えば一点にさらに軌道も変えて飛ばせるようにもなった。

これは棚ぼただ。

 

おかげで無駄な破壊も無駄な火力も抑えることが出来た。

サイコーだね。

 

「てか、もう朝になるのか……とりあえず戻るか」

 

そろそろ朝日が昇ってくる。いつもの夜の特訓を切り上げ俺は寮に戻って行った。

 

◆◆◆

 

「ふあぁぁぁ……」

「最近あくびが多いわね」

「どうせただの夜更かしだろ。これだからガキは」

「……煙くせえよおっさん」

「あぁ!?」

 

1夜明け、ただいま煙のおじさん、"スモーカー"と黒い檻のちゃんねー、"ヒナ"と行動していた。

最近この3人での行動が多い。この前だって俺たちで一隻の海賊船を沈めたりした。

 

海軍に入って半年とちょっと。歳を1つ重ねてる間に俺たち3人は新兵の三等兵から一等兵へと階級が上がっていた。

 

「ハイハイ、2人とも喧嘩はやめて」

「……チッ!」

「ボクワルクナイ」

 

そんないつものやり取りをしながら町を歩いていた。

今日は近くの町の見回り。今日はというか、ほぼそんな毎日を送っている。

 

「にしても暇だなぁ」

「それに越したことはないでしょう」

「と言ってもやることないとそれはそれで…ねえ?おっさん」

「……まあそうだな」

 

いつもこうだ。

のんびりと3人で日がな1日歩きながら特に何事もなく終わる。そんな生活が続いている。

今日もそんなこんなで終わるのかとそう思っていた時、

 

「た、大変だ!」

「「「ん?(あ?)」」」

 

1人の漁師が慌てて街を駆けてきた。

その慌てようはかなりのものでなにかトラブルがあったのか。

 

「あ、海兵さんたち!」

「どうかされましたか?」

「か、海賊が!」

 

そう言って漁師が指さす方は海。

よく見てみれば奥の方に小さな影が見える。その数は5。あれのことだろうか。

 

「5隻あんね」

「おいガキ。お前のボートは?」

「停泊場に停めてるぞ。あの距離なら飛ばせば1分もかからない」

「それじゃあ私たちで行きましょう。近くのほかの海兵たちに市民の避難をお願いして……」

 

そんな会話をしながらも俺たちの足は走り出していた。

……いや、若干1名浮いて飛んでるけど。煙ってずるくね?

 

はてさて、そんなことを思いつつも十数秒で俺のボートまで来た俺たちは早速乗り込んだ。

後ろに取り付けたエンジン機構に手を当て能力を使う。

これは俺が作った蒸気船だ。初期の初期の初期段階でごちゃごちゃしてるがまあ、実用性はあるから使ってる。

 

タンクに入った海水を爆発的に熱して気体、蒸気へと変換。蒸気になると体積は1700倍になり膨張したそのタンクの体積は取り付けたパイプから海へと放出。それを推進力として進むことが出来るという訳だ。

まあ、改良の余地はあるわけなんだが。原作でエースの乗ってた小舟バリにスタイリッシュにしたいと思ってる。

 

「流石に速いわね」

「…お前の作ったそのエンジン、どういう仕組みだよ」

「企業秘密」

 

ちなみに俺は能力者ってことを隠してる。

そりゃ図鑑にものってない、四皇が求める程の実とか地雷しかせんわ。

海軍のお偉い五老星とかだって多分この実の存在知ってるだろうし、知ってて秘匿してるだろうし。なら、バレる方がリスク高いでしょ。

 

「ま、そんなことよりもう着くよ」

「……大砲の玉飛んできてるのだけど?」

「はい、おっさん働いて。俺はよけんよ」

「チッ、てめぇ後で覚えてろ…!"ホワイト・アウト"!!!」

 

そう言いながら前に広げた腕を煙へと変化させ広範囲に広げ大砲の玉を受け止めるおっさん。

さすが。

 

「ヒューヒュー、いいぞぉおっさん」

「うるせえガキだなほんと…!」

「はい、2人ともはしゃいでないで突撃するわよ。ヒナ突撃」

 

そう言ってヒナは左側の船へと飛んで行った。うわぁ、"月歩"使ってる。さすがエリート。

 

「チッ…」

 

おっさんも逆、右の方へと体を煙にして飛んで行った。

……俺どうしようかな。

 

「なんだ!?見捨てられたのかガキ!?」

「あ?」

 

目の前の船。そこの船首に立つ一人の男。

そいつが俺を見ながらそんなことを言っていた。

 

「まあ、いいさ!野郎どもあのガキを沈めろ!!」

 

その言葉に了解!なんて声が聞こえてきた。

いや、俺は大丈夫だけどさ、この小舟を壊されるとなるとマズい。俺まだ"月歩"使えないし。

てなわけで、文字通り突撃しよう。

そうして俺はさらに舟のスピードを上げた。

 

「あ?何してやがる?そんな小せえ船で俺の船に体当たりか?涙ぐましいな!」

 

そんな声を無視しながら船体に向けて……向けて……向けて、

よしここだな。

腰に携えた木刀。あの日親友から貰った愛刀を構える。

そして、

 

「"天柱(てんちゅう)"」

 

武装色と太陽の力を纏わせた木刀で下から上へ振り上げる一撃。

バレないように太陽の力は抑えに抑えてるが、本気でぶっぱなすと空へと上る柱のような熱の塊を飛ばす技だ。

 

今は船を壊して中に入るための穴を作るだけだからそこまで威力はないけど、とりあえずはこれで中には入れる。

ボートに乗ったまま中へそして、断面を登りながらそのまま甲板へと駆け上がった。

 

「はぁーい海軍さんだよ。てなわけで……お縄についてくれ」

「な!……くっ!野郎どもあいつをぶち殺――」

 

と船長らしき男はそこまで言って固まった。

 

「あとお前だけだな」

「え?……は?」

 

気がつけば船員たちは甲板に伸びている。

簡単な事だ。"圏境"使って一瞬で木刀でぶん殴っただけだ。

 

「ちょ、ちょっと待て!」

「ん?」

「な、何しやがったんだお前…」

「殴った。んじゃということであんたも…」

「いや、ま、待っ…!」

 

◆◆◆

 

「船を壊すなよお前。全員運ぶの大変だったんだが?」

 

無事に海賊たち全員をしょっぴいた俺たちは街に戻ってきて引渡しをしていた。

 

「ま、捕まえれたからよしということで」

「はあぁ…」

 

いつも俺は呆れられてる気がするな。

おっさんもヒナも少し離れたところで別の海兵と手続きをしていた。

 

「んじゃ俺も腹減ったんでお暇しまーす」

「……俺お前より上官なんだが?」

「え?あ、うん。知ってるけど」

「……はぁ、もういい。行け」

「うぃーす」

 

お許しも出たし、おっさんとヒナの方へ向かう。

ちょうど2人も終わったらしく、俺に気づいて近づいてきた。

 

「腹減ったー」

「確かにな」

「どこかで食べていきましょう」

「ラーメン食お。ラーメン」

「「昨日食べたでしょ(だろ)」」

 

いいじゃん、ラーメン美味いのに…。

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