元ヒトのインクリング : 旧   作:ノリと勢い

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年をとる=弱いではないらしい…

 

 

 

 

「それじゃあ、始めんぞ。

 合図頼む。」

 

 

 

どうしてこうなった?(迫真)

 

 

 

「あいよー。イサキ、頑張っとくれよ。」

 

 

 

いやイキリとかではなく本当に………

どうしてこうなった?(確認)

 

 

 

「ア、ウン………」

 

 

 

あれ?

どうしてこうなった?(認識)

 

 

 

「それじゃあ…………」

 

 

 

どうしてこうなった……………?(絶望)

 

 

 

「模擬戦、始めッ!!!」

 

 

 

 

 

どうして…………

どうしてこうなったんやろなぁ……?(遠い目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………なんて事を考えている内に、もう目の前にはローラーを振り上げた爺ちゃんの姿がある。

 

……本気出した上で負けんの嫌だけど………

 

やるしか、ないか。

 

 

せめて一撃、いや、三撃は攻撃を入れないと爺ちゃんにも失礼だし、気が済まない。

 

正直、今までのキッッッツい修行とかをさせられたのも苛ついてるし一泡吹かせたい………!!!(切実)

 

 

 

 

……スゥ……………………

 

 

おしッ!!!

 

 

 

「やったるでェ!!!!!」

 

 

 

「やってみろ孫よォ!!!!!!」

 

 

 

 


 

 

 

そう言うと同時に爺ちゃんはローラーを大きく振り上げ、そのまま叩きつけてきた。

まともに受け止めれば腕は痺れ、致命的な隙ができてしまうので、自分もローラーの側面で滑らせるように受け流す。

そして、すぐに反撃へと移った。

だが、それは簡単に避けられてしまう。

やはりそう上手くはいかないか………

 

 

「ホウ!成長はしているようだのゥ!!」

 

今度は横薙ぎに振るわれたローラーが襲ってくる。流石にこれは避けきれないのでかがんでやり過ごす。

その姿勢のまま、ローラーの回転軸となっている部分に蹴りを入れる。

すると、一瞬だけ動きが止まった。

今だ!!

 

「オラァ!!!!」

「ヌウッ!?」

爺ちゃんの顎に向けて全力で拳を叩き込む。

 

しかし、さすがと言うべきか爺ちゃんはすぐに反応して顔を逸らし、攻撃を躱した。

…だが、クリーンヒットとはいかなかったが少しはカスる事はできた。

 

自分の攻撃を避けた直後という事で体勢が崩れている上、かなりの近距離だ。絶対に外さない…!

 

俺は素早く力を入れやすい体制へと移行し、ローラーを構えて爺ちゃんの膝あたりへと狙いを定めた。

 

「シッ!!」

 

短く息を吐き、無駄をできる限り無くした最小限の動きで振り抜く。

すると、俺の攻撃は見事に爺ちゃんに命中した。

よしっ!

 

「グゥッ!」

 

痛みに耐えながらも爺ちゃんは何とか耐え抜き、再びこちらへ攻撃を仕掛けてくる。

しかも、今回はさっきよりも早い……!! マズイと思い、すぐさま後ろに飛び退く。

その直後、俺がいた場所に大きな窪みができている。……危ねぇ……。あとちょっとでも遅れていたら当たっていただろうな……。

冷や汗を流しながら構え直す。

爺ちゃんの方を見ると、膝から下が赤く腫れ上がっていた。

 

 

……正直、全力で振り抜いたはずなんだがな…

あの一撃を食らいながらもまだ動けるとは、やっぱり化け物じみた強さだなぁ………!

しかもまだ体力的には余裕そうだし、もうさっきの赤い腫れ上がりが無くなりかけているし…

 

やっぱ速さを重点的に鍛えといて良かった…

 

「……………」

「……………」

 

互いに睨み合い、間合いを測る。

そして、次の攻防が最後になると悟ったのか、2人とも自然と笑みを浮かべ始めた。

 

 

「イサキィ、」

 

「………どうしたん、爺ちゃん。」

 

 

 

 

「……………戦いは、楽しいか?」

 

 

「…………………戦い、かぁ……」

 

 

 

…………この世界に来てからはずっと修行ばっかだったけど、前世では友達とよくゲームしたり、ネットサーフィンしたりして遊んだりもしていた。

だから、楽しかった思い出もあるし、辛かった記憶だってある。

 

修行は勿論きつかったけども………、

そのお陰で年上として強いという面子は保てているしナワバリバトルもなんだかんだで負けた事が無いようにはできている。

 

 

 

だから、まあ、

 

 

 

「……うん、楽しかったよ。」

 

「フッ、そうか。なら良いわい。」

 

 

 

……あぁ、そういえばそうだったな。爺ちゃんはいつも俺に何かしらの勝負を持ちかけてきては、負けても笑って許してくれた。

本当に嬉しそうな顔をしながら、まるで子供みたいに無邪気に笑いかけてくるんだよな……

そんな事を思い出し、思わず苦笑してしまう。

そうだよな、爺ちゃん……

 

「ああ……」

 

「……?イサキ……?」

 

「確かに楽しいよ。こんなにも強い相手と戦う事ができて、ワクワクするしな。」

 

「そうか……………

 それじゃあ、ワシも本気でいくぞッ!!」

 

 

そう言って、爺ちゃんはまたローラーを構える。

俺もそれに習い、ローラーを構え直した。……これで、最後になるだろう。

 

「……爺ちゃん、行くよッ!!」

「おうッ!!来いやァ!!」

 

……最後の一撃は、全身全霊を込めた全力の突きだ。

爺ちゃんも同じ考えなのか、今まで以上に集中した表情をしている。……多分、この戦いが終わったら、少なくとも俺は気絶していると思うし、今のうちに言いたい事は全部言っとくか……。

「……爺ちゃん。」「……何じゃ?」

 

 

……ふぅー……よし!

 

 

「今までありがとう、爺ちゃん!!」

「……ッ!!」

 

 

爺ちゃんの目が大きく見開かれる。

 

 

 

そして、俺の目の前には、爺ちゃんのローラーが迫ってきていた。……もう避ける事もできないな。……仕方ない、このまま突っ込むか。

 

 

「うおぉぉおお!!!」

「ヌウゥゥゥアアアアッ!!」

 

 

互いの渾身の力が込められたローラー同士がぶつかり合う。そして、辺りに轟音が響き渡り、衝撃で地面が揺れた。

 

そして、しばらく拮抗した後、やがてローラーの片方にヒビが入り、砕け散った。

 

 

 

 

 

「……ワシの、勝ちじゃな。」

 

 

「……そう、か。負けちゃったか……。俺。」

 

 

 

「…………………………………」

 

 

 

 

「なぁ、イサキ。」

 

 

「…………何?爺ちゃん…………」

 

 

 

 

 

 

「ワシも楽しかったぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

「……………あはっ………そりゃ良かった。」

 

 

 

 

 

……爺ちゃんが満足してくれて良かった。

でも、そろそろ限界だな……意識保つのもキツいし、これ以上は無理そうだし……。

 

 

 

「……爺ちゃん、ごめん、もう眠いわ。」

「……そうか。なら、ゆっくりと休んどけ。」

 

 

……ああ、そうさせてもらうよ。

爺ちゃんの言葉を聞きながら俺は目を閉じ、眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ハッ!ここは!?」

 

 

目が覚めると、そこは知らない天井だった…

いや天井無いやん。なんで?

 

上体を起こして辺りを見回す……

普通に爺ちゃんが隣に居たわ。

 

ほーん、俺が寝かされていたのは縁側か。

通りで屋根が無いはずだ…

 

縁側に座り直し、足を下ろす。

 

 

「……………強く、なったな。」

 

 

 

…何々……?唐突だな………

いったいどうしたん…?

 

 

 

「でしょ?まぁ、向こうに行っても筋トレとか練習とかはやってたしね。」

 

 

「……………そうか。ならば、良かった。」

 

 

「?…うん」

 

 

 

意図が分からない…何が言いたいんだ?

 

 

 

 

 

「……イサキィ、別の質問だ。」

 

「あ、うん」

 

 

 

「………()()()()()()()、戦えるか?」

 

 

 

 

 

あー、そういうやつね察した。

 

 

 

「勿論。」

 

 

 

「…………本当に、良く考えたのか?

ワシは百年も前の、あの戦争の続きを、お前たち孫の世代にまで任せたくはない。

決着をつけるのはワシら老人連中だけで十分じゃ。まだ未来有る若者が踏み込んでいいような世界じゃあない。」

 

 

 

「考えたよ。ちゃんと考えた。」

 

 

 

主にシオカラーズがいるからだけどね……

 

 

 

「………そうか。まぁ、なら止めはせん。自分で考えた結果ならな……本当に大丈夫なのか?」

 

 

「しつこいって……お陰様で、強くはなれたからね。特訓したの爺ちゃんでしょ?」

 

 

「…あぁ、分かった。

 だが、怪我はするなよ。」

 

 

「善処するよ。」

 

 

「そうかい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉーい、そうめんできたよぉー」

 

 

 

 

「お、できたみたいだな。お前も食えイサキ。

まだ飯食ってないんだろう?」

 

 

「んじゃ、お言葉に甘えるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

いやぁ、やはりそうめんは美味しい。

心を豊かにし、冷静にさせてくれる………

最高やな!

 

 

 

「「ごちそう様でした。」」

 

 

「あいよー、お粗末さん。」

 

 

 

「んじゃ、そろそろ帰ることにするよ。いつまでも居ても悪いし、バイト休んでるし。」

 

 

「あー、そういやブキノサイの孫んとこで働いてんだっけか。なら仕方ねぇな。」

 

 

「うん。じゃあまたn…………

婆ちゃん、今俺の手に何を握らせたの?」

 

 

「帰ってからのお楽しみ、というものだよ。

黙って受け取っとき?」

 

 

「あ、はい。」

 

 

 

封筒の中に何かが入っている……

開けてぇ〜〜〜〜!開けてぇよ〜〜〜〜!

でもまあ帰ってからにするけども。

 

 

じゃあ改めて。

 

 

「またね。爺ちゃん、婆ちゃん。」

 

 

「おゥ、またな。」

 

「またねぇ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

「…………行ったか。」

 

「行ったねぇ。」

 

 

「んじゃあ…………()()潰すか。」

 

 

「ええ。」

 

 

 

そう言い、イサキの祖父と祖母は何も無い筈の空間を睨みつける。

その途端、空間が歪みそこから敵が現れる。

 

 

「オや、オya、キヅかレマsiタカ。」

 

 

「空気の流れすら遮断できていない程度で良く言えるな。そして……お前は誰じゃ?タコでは無いな。」

 

 

「ワタ9si、ノ名ナド、ドウデモイイデsyoウ。

saテ、失礼シマスガォ名前ト、採血ヨロsiイデsyoウカ」

 

 

「断るならどうなる?」

 

 

 

 

 

「soゥデスネェ、オ孫サggggggggggggg」

 

 

刹那、激怒した祖母は一瞬の内に懐からチャージャーのパーツを取り出し組み立て、寸分の狂いも無く飛んでいた超小型のドローンのプロペラを全て撃ち抜く。

 

 

「良くやった。データの回収と解析はワシがやる。分解だけしてくれないか。」

 

「分かっていますよ。」

 

 

"敵"は自爆装置を備えていた。だが────

瞬きをする間にその他のパーツと共に分解され、

たちまち火薬と電子基盤に分けられた。

 

 

「これで一応は済んだ。情報を解析すりゃあどこで作られたかとかは分かんだろ。」

 

「なら、アタシは火薬の売買ルートを調べるかねぇ。」

 

 

 

「あと心配なのはイサキとアヤメだが………」

 

 

「イサキは、衰えたとはいえあなたとも渡りあっていたし…まあ、平気でしょう。本人も言っていたしねぇ。」

 

「アヤメは、キサメが居るから大丈夫、か…

……………兎にも角にも、調べるぞ。」

 

 

「分かってますよぉ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





イイハナシダナー。

イイハナシカナー?



ちなみにカジキ(長男)が祖父母に心配されてないのは既に模擬戦でじっちゃんに勝ってるから。しかもイサキと戦った時より衰えてない爺ちゃんと。

転生者でもないのにそれはチートでは?
知らん。ワシはもう知らん。

まあ爺ちゃんはスピードよりパウワァに振ってるからね。しょうがないね。

???「当たらなければどうということはない」






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