御真祖様の同世代ぐらいに転生しました 作:嘲笑う黄金
吸血鬼。人の血を啜り、人を害する異形の者。
流水を嫌い、日光を嫌い、大蒜を嫌う。ホワイトアッシュの杭で心臓を貫かれたり特殊な銀の弾丸などで多くのダメージを負わせて漸く殺せる。殺せたと思っても、灰から復活する事もあるが。
そんな存在に、俺はなっていた。
前世と同じ日本の、その大昔に転生したのだと思っていたがどうやらそうではないらしい。日本では普通に妖怪とされていたが………。
織田のクソ野郎の起こした比叡山の焼き討ち。父が僧兵だったせいで巻き込まれて死んだ。まあ、生臭坊主共が毎夜毎夜色んな女と寝てたから誰が父かなんて解らねえけど。
特に吸血鬼に噛まれた覚えはない。そりゃ、地下に僧兵共が遊びの為に飼ってた妖怪……知恵もなく獣同然に人や動物を襲う吸血鬼は居たけど俺は悪趣味だと思ってたし関わってない。ていうか彼奴等に噛まれても中途半端な吸血鬼化しかしないし。
「じゃあ何だ? これはあれか、真祖って奴か?」
ブツブツ口に出しながら情報を整理する。口の中に指を突っ込めば牙の感触。本能で分かる、人が持ち得ぬ超能力。この力を使えば織田家なんざ滅ぼせる…………滅ぼせるか? 多分織田信長、あれ吸血鬼だったよな? それに、吸血鬼を殺す方法自体は存在してる訳だし。
まあ後数年でどのみち織田信長は終わる。別段恨みもない。巻き込むな、とは思うがここの僧侶達は死して当然のクズばかり。腹は減ってる。焼け焦げた死体の中にも血が残ってるのはチラホラと。ただ、食う気にはなれない。美食家なのかね、俺。
人を襲うことに耐する嫌悪感も特になさそうだ。微かに息をしている女性に噛みつき血を啜る。これまで食べたゴミみたいな飯より遥かに美味かった。
「これからどうするかねぇ」
この国の武士は頭おかしい。恐らくは吸血鬼だったであろう玉藻の前、酒呑童子なんかが殺されてる。叶うなら島の外に逃げたい。
近くの村の村長を催眠術で操り娘の血を少し頂いたあと、客間で考え込む。信長の件も合わせて考えるなら、日中はある程度力がある吸血鬼には即死にはならない。
試しに腕だけ陽の光に当ててみたが常にヒリヒリするが、慣れれば問題ない。回復速度の方が早い。露出を過分に押さえれば、火傷一つ負わないだろう。
少し念動力で大気の水分を操れば、曇らせる事もできる。そういや何時からだったか、信長の行くところ暗雲が立ち込める、なんて噂聞いたな。この世界が本来の歴史通りに進むなら、明智光秀はそんな織田信長と言う吸血鬼を倒せる程強いのだろうな。関わりたくねえ。まあ、俺には関係ないがな!
「君は、何者の血も介さず吸血鬼になったのだね? 死の宿命を覆した吸血鬼は得てして強力な力を持つが、君はその力を悪用していない。どうか私に力を貸してくれ」
私の名前は明智光秀という、そう名乗った男は俺に頭を下げてきた。
「聞いてくれたのなら、国の外、大陸へと続く船を用意しよう」
へー、明智光秀。
ところでそのやんべえ気配のする刀は何ですか?
あ、吸血鬼を滅ぼすために鍛えた剣ですか。そうですか。
御真祖様モデルドラキュラ伯爵のモデルヴラド三世は15世紀、主人公は16世紀。百年なんてこれから生きる年数に比べたら誤差だよ誤差
日本
作中の怪物全部吸血鬼だし、取り敢えず伝承の妖怪達は全部吸血鬼って事にしたら武士達がやばすぎる存在になった。さっさと逃げたい
織田信長
吸血鬼。そりゃ、死んだあとしたいが見つからないよな
ミッチー
吸血鬼殺しの武器を持った要請は頼み事ではない、命令という