さて、4年生へ。
てっきりマグル生まれが襲撃されると思っていたのだけど、なにもなかった。
警戒することに悪いことはないけれど、ちょっと拍子抜け。
魔法使いは現実逃避が好きらしく、例の犯罪者が生きていたことを信じたくないらしい。
どっちだったとしても警戒するに越したことはないのにね。
闇の魔術に対する防衛術の授業は座学中心になったが、
元々自分で呪文を調べて隠れて練習していたぼくにはあまり関係なかった。
(そもそもカリキュラムが固定されておらず、教科書やテストが教師に一任されているのに、
O.W.L試験という将来を大きく左右する試験が存在する時点で、
ホグワーツの教育は生徒の自主性にゆだねられていると言える)
そして魔法省からきたアンブリッジ先生の方針で校則が厳しくなった。
他の生徒は文句を言っているが、そんなに騒ぐほどかね?というのがぼくの意見だった。
一応彼女の言い分には正当な理由がある。
あまりに公平性を欠く校則は無視させて頂くが、それ以外は大人しく受け入れた。
ぼくは変わらず呪文の練習を続けた。
途中、ダンブルドア軍団とかいうクラブ活動に勧誘されたが断った。
禁止されているのによくやるな。
2,3人でこっそりやればいいのに
案の定ダンブルドア軍団は告発され、巻き込まれる形でダンブルドア校長も追放となった。
無論ダンブルドアが主導したなんて誰も信じていない。
顛末があまりにもお粗末だったからね。
結果アンブリッジ先生が校長になった。
彼女はマグル生まれが嫌いらしく、正直鬱陶しい部分もあったが、
元々呪文の習得以外に興味ないぼくはそこまで困らなかった。
怒られるようなことは無かったし、授業の内容以外で話す先生はマクゴナガル先生くらいだったからだ。
それから例年より少々騒がしくも実害はない学校生活が進み、
例の犯罪者が魔法省を襲撃したことで政府が例の犯罪者の生存を認めた。
なんかその場にハリーポッターも居合わせたらしい。
何かと巻き込まれるな。
気の毒に。
さて、4年生も終了。
列車で駅につくと、いつもどおり父の部下が迎えにきた。
そして帰り際に伝えられた。
父親は仕事でアメリカに行くらしい。
数年か、下手すれば十年はかかるとのこと。
着いてくるか残るかはお前が決めろ、といった伝言だ。
残る場合、家はどうすれば?
と問うと、何も聞かされていない、と言われた。
正直ホグワーツは危険だし、魔法は一通り覚えた。
アメリカに行ってもいいかな、とも思った。
しかしホグワーツには愛着があるし、ここまで育ててくれた恩もある。
死喰い人に狙われたくないから目立ちたくはないが、
隠れて戦力になってあげるくらいはしてあげたい。
そう思ったぼくはイギリスに残ることにした。
すると父親の部下は、
「そうか、じゃあせいぜい頑張れよ」
とだけ言って消えた。
最後に会うこともなく親との別れが決定するとは。
流石にびっくりである。
ぼくは取りあえずダイアゴン横丁に行った。
以前とは違いお小遣いは出ないので自分で稼ぐ必要がある。
取りあえずマクゴナガル先生にふくろう便でお願いしてみた。
次の日、事情を聞いた先生は頭を抱えながらもホグワーツの部屋に住むことを許可してくれた。
休みの間は屋敷しもべ妖精の作る料理を堪能しつつ呪文の練習をして過ごした。
今までで一番快適まである。
途中、ダンブルドア先生が現れた。
すごく遠回りな表現だったが、一緒に例の犯罪者と戦わない?と聞かれた。
いざという時は戦うけど、積極的には関わりたくないと伝えると、
そうかと頷いて去っていった。
表立って動くのは流石に怖いからね。
戦力になるなら、あくまで勝手にこっそりと、だ。
しかし色々バレてるっぽいな。
ドラゴンのこととかムーディのこととか。
流石は最強。
呪文の練習に夢中になっていたら学校が始まった。
世は大混乱だが、今年はO.W.Lの試験(通称ふくろう)の年。
今まで実用的な部分以外は捨ててきたが、試験をパスできる程度には勉強しなくては。
新しくスネイプ先生が闇の魔術に対する防衛術の先生へ。
そしてスラグホーン先生は魔法薬学の先生となった。
スネイプ先生の授業で、オリジナルの呪文や呪いの存在を知った。
なるほど、まったく知らない攻撃をされる可能性があるのか。
そして、新しい攻撃手段も得ることができる。
せっかくだし必殺技でも作ろうかな。
あと、相手に使われた時用に、その対策も。
スラグホーン先生はぼくに興味があるようだ。
優秀な生徒が好きらしい。
ふくろうにパスする為に歴史や占いの勉強に集中していると伝えると、
対策に有効な本を教えてくれた。
正直助かる。
そんなこんなで勉強を頑張った結果、ふくろうは全教科パスできた。
呪文学、変身術、薬草学、闇の魔術に対する防衛術、魔法薬学はO(優)。
古代ルーン文字学、魔法生物飼育学、天文学、占い学、数占い学、魔法史はE(良)だった。
やっと終わったな。
今年も大した事件はなかったなあ、と思ったらホグワーツが襲撃された。
マジかあ。
天文台の塔に闇の印が上がった。
ぼくは蝙蝠になって天文台の塔が見える場所へ移動。
人に戻った後、500m以上離れた場所に陣取り、懐から直径1cmほどの弾丸を取り出す。
昨年買った自衛グッツである。
一緒に銃も買っていたが、今回は使わない。
なぜなら魔法で飛ばすから。
ぼくは弾丸を浮遊魔法で浮かせて、改良した道案内の魔法をかけ標的を固定した。
如何にも悪そうな毛深いやつだ。
そして、停止の魔法をかけた状態で加速の魔法をかける。
込める魔力で威力を調整する技術は習得済み。
ぼくが本気で加速魔法を使えば音速は軽く超える。
それを重ね掛けすれば?言うまでもないだろう。
というかそのくらい出来ないとこの距離で戦えない。
準備が完了したので停止の魔法を解除して発射。
遠見の魔法で確認すると、毛深いやつの頭が吹っ飛んでた。
魔法使いでも狙撃を防げないようだ。
これは新しい発見だな。
スナイパーは仕事を終えたら速やかにその場を去るべし。
ということでぼくは蝙蝠に変身して逃亡した。
学生のぼくが1人殺しただけでも十分だろう。
あとは不死鳥の騎士団の皆さんでなんとかしてくれ。
と、思っていたが甘かった。
なんとダンブルドアが死亡したらしい。
こうなってしまえばマグル生まれのぼくは危ない。
例の犯罪者ことヴォルデモートはダンブルドアを警戒していたから、
ホグワーツを攻めることはなかったはずだ。
つまり、ホグワーツも危ない。
ぼくは蝙蝠に変身して隠れた。
とりあえず身を守る為だ。
しかし、取りあえずは問題なかった。
死喰い人連中は退散したようだ。
ヴォルデモートはいないのか?
じゃあダンブルドアは誰に負けた?
ぼくは蝙蝠になってハリーポッターたちの会話を盗み聞きした。
え?スネイプ先生?
死喰い人だったの?
あの人そんな強かったんか。
え?
杖を吹っ飛ばしたのはドラコ・マルフォイ?
疲労困憊だったから防げなかった?
そんなことあり得るか?
もしあり得るとしても、なんでそんな状態で戦いに?
そんな迂闊な人が100年以上英雄やれるか?
やばそうだなあ。
ダンブルドアがいなくなったんだとしたら魔法省も危ない。
来年はずっと隠れてようかな。
それで事態が好転するとも思えんが。
……いや、でもダンブルドアが死んだことが気になるな。
特にドラコに武装解除されたというところが。
いくら疲労しているからといえ、いくら油断したとはいえ、
ぼくがドラコに負けることはない。
彼の実力は把握している。
車に轢かれて足が千切れていたとしても、勝てる自信がある。
ぼくですらそうなんだ。
ダンブルドアがそんな愚を犯すはずがない。
要確認だな。
5年生が終わった。
ぼくはマクゴナガル先生にお願いして、継続してホグワーツに住まわせてもらった。
そして夜遅くに蝙蝠になって学校を探索した。
なにかダンブルドアには作戦があったはずだ。
それを突き止めよう。
もし何もなく、ただドラコとスネイプに殺されたんだとしたら、
その2人はぼくが始末をしよう。
そうやって探しはじめてすぐ、校長室に侵入した際に真実を知った。
案の定というか、ダンブルドア校長の肖像画があったからだ。
そこでぼくは全ての作戦を知った。
ダンブルドア校長はぼくが毛むくじゃら(狼男らしい)を始末したことを把握していた。
そんなぼくが暴走しないように、情報を与えてくれたのだ。
全てを知ったからには邪魔をするつもりはない。
普通に6年生を迎えてN.E.W.T(いもり)の勉強に専念した。
選択したのはO(優)を取った、
呪文学、変身術、薬草学、闇の魔術に対する防衛術、魔法薬学の5教科。
真面目に勉強していたのだが、魔法省がヴォルデモートにより占領され、
マグル生まれが強制退学となってしまった。
仕方ないので蝙蝠になってキッチンに隠れて、来る戦の為に呪文の練習をしたり、
武装の準備をしていた。
そしてハリーポッターに降伏を促す声明が出た時点で行動を開始した。
去年の疑似ライフルは前座だということを教えてやる。
マグルの狂気、殺戮の歴史をその身で感受しろ。
敵は余程自信があるのか、自分たちが攻めいる場所を隠すこともしなかった。
呼び寄せ呪文と炎の呪いを使ったコンボ、疑似ナパーム弾を放った。
国際法違反だが、魔法使いには関係ない。
消えない炎。
消える酸素。
焼ける匂い。
窒息死焼死ショック死。
地獄絵図がそこにあった。
念の為姿を隠しつつやっておいてよかった。
ぼくがやったとバレたら間違いなく引かれてたな。
まあ、おかげで多くの死喰い人を葬れた。
ある程度仕事をしたぼくは強そうなやつを見つけて奇襲していった。
死喰い人なんて大層な名前だが、ぶっちゃけ弱い。
これならヴォルデモート以外には負ける気しないな。
そう思っていたぼくに、やたらめったらテンション高くて強い女が襲い掛かってきた。
何発か放った呪いを完全に防がれ、恐ろしく速くて強力な死の呪文を撃ってきた。
ちょっとびっくりしたが、オリジナル呪文であるプロテゴ・バブルで全ての呪文を防ぎ、
さらにオリジナル呪いのアイアンメイデンで仕留めた。
実は2つともお気に入りの呪文なのだ。
アイアンメイデンは変身術を使って無数の鉛筆サイズの針を作り出し、
対象を囲うようにして突き刺すのだ。
元ネタはあの拷問器具だ。
鉄で囲うことはしないけどね。
360°針で覆うから必要ないのだ。
敵が立ってる地面を変身魔法で変えちゃうところがミソである。
そしてプロテゴ・バブルはアイアンメイデンの対策魔法だ。
自分を覆うように守りの膜を張り、攻撃の威力に応じて自動で魔力を消費して守る。
多数の敵から波状攻撃を受けたら魔力切れで負けるが、一対一ならそうそう破られない。
これが学生生活を呪文訓練に捧げた成果である。
まあ、もちろんこれだけじゃないが。
さて、生け花になった女は放置して死喰い人狩りを継続。
10人ほど殺した頃に、ヴォルデモート戦死の知らせが届いた。
ふう疲れた。
これでホグワーツの危機も終わった。
マグル生まれの迫害も終わるだろ。
さっきの女はベラトリックス・レストレンジというらしい。
敵戦力の中でも屈指の魔女だったようだ。
にしては隙だらけだったけどな。
油断でもしてたのかな?
いつ背後から攻撃されるか分からない戦場で油断してる時点で落第だと思うけど、
まあ死んだ人のことをとやかく言っても仕方ない。
ヴォルデモートが死んだ以上、目立たないようにする必要もないので、
武勇をアピールしても良いが、ぼくが殺した死体は割とえげつない仕上がりになっているので、
忌避されても困る。
大人しくN.E.W.T(いもり)で良い成績を残そう。
もう実力を隠す必要もない。
そして、色々あってスネイプも死んだようだ。
ダンブルドア元校長から聞いていた通り、二重スパイだったとのこと。
先走らないでよかった。
スネイプが死んだのでマクゴナガル先生が正式に校長になった。
今年は途中退学になってしまった(当然全員復帰となった)ので座学系が遅れてる。
頑張らなきゃな。
さて七年生。
平和だった。
平和だったが、純血主義は消えなかった。
マジかと思った。
親の多くが死喰い人であったスリザリン生は肩身狭そうにしているが、
それでもマグル生まれが、とか穢れた血が、とか言われる。
うーん、これは根深い問題だ。
せっかくぼくが戦争でマグルの恐ろしさを教えてあげたのに。
足りなかったらしい。
これはヴォルデモートのような純血主義の実力者が現れたら、
結局逆戻りだな。
これではマグル生まれが気の毒だ。
敵は何百年と歴史を重ねた純血一族。
これは不公平だ。
それに、今回の件で魔法使いの社会の脆弱性も知った。
せっかくだしマグル生まれの為に一肌脱いであげよう。
このままじゃあ可哀そうだしね。
少し過激なことをするが、まあ仕方ない。
より大きな善のために、という訳だ。
去年の戦いで気づいた。
ダンブルドアとヴォルデモートが居ない今、ぼくは魔法界でもトップクラスの実力だ。
死喰い人最強らしいベラトリックス・レストレンジも一蹴できたしね。
若き日のヴォルデモートもこんな感じだったのかな。
確かにこれは得難い万能感だ。
とはいえ、魔法界全体を敵に回せば流石に勝ち目は無い。
しかし今回の目的は魔法界のバランスを整えることだ。
通常は何十年かけてやることを少し加速させるだけ。
全員を敵に回すということはないだろう。
というわけで勉強の合間に作戦を考えた。
うんうん、良い感じ。
これは公平だと思うね、ぼくは。
何より、少ないながらも死んでしまった生徒たちやその親族に報いることにもなる。
我ながら素晴らしい案だ。
ぼくは呪文学、変身術、薬草学、闇の魔術に対する防衛術、魔法薬学
の5科目をパスして卒業した。
ヴォルデモートとの戦いはハリーの物語なのであっさり終わらせました。
主人公の活躍でホグワーツ側の死者は数人に留まってます。
グロい死体作成の犯人も主人公だとはバレてません。
しかしマグル生まれの生徒の証言で、マグルの兵器が使用されたのでは?
と噂になっています。