陽が昇ろうとする時刻、夜明け直前の空の下、孤島に身を隠している福音は僚機の一機から、全てのエネルギーを吸い上げて、自らの自己修復機能を一時的に強化しほぼ完全に修復を完了していた。
山田と大場の飽和攻撃や、弾の放ったパルスライフルによる直撃の傷はふさがり、子供のようにはしゃいでいるのか、歌って喜んでいるようにすら見える。
無差別の大量殺戮兵器と化した福音が歌う姿は、銀色のボディと水銀のような液体金属の中に閉じ込められた搭乗者が銀の彫像に見えて一見優雅で美しくもある。その足元に転がっている全てのエネルギーを奪い取られて、機能を停止した打鉄の姿がなければの話だが。
福音は美しくも、残酷なほどの攻撃能力を持ったウイングスラスターを広げ、福音を授ける」天使のように飛び立とうとした、その時 遠方から、大型のロケットや榴弾が飛来し、付近の地面を焼いた。
回復して、絶好の目覚めを邪魔された福音は攻撃態勢に移り、最悪のモーニングコールを行った不逞な輩を探す。その姿をとらえるやいなや、福音は怒りを露わにした。自身のボデイに直撃弾を浴びせて、打鉄を一機撃墜した、あの二つ目。ツインアイの高機動型の機体だった。
二つ目は大型の翼に戦闘ヘリや戦闘機のようにロケットやミサイルを搭載し、回復したボデイにまたしても傷をつけたのだ。
迎撃に、いや完膚なきまで撃墜しようと誓いを立てて、福音は飛び上り、全ての砲口を名も知らぬ敵機に向けて放った。
「畜生。やっぱり、上手くいかないか!」
弾はフルフェイスマスクの下で、舌打ちをした。マルチロールとしてのストライクラプターの攻撃機としての機能を用いて、ロケットとグレイイーグルから譲り受けた、グレネードシェル入りのショットガンで付近に放ったが、今まで打鉄による機関銃による中距離から、ブレードによる近距離の戦闘しか経験のない弾では、有効弾は望めなかった。
各戦場において、山田先生たちが交戦に入ることを通信で聞きながら、自身の戦闘に集中する。
「ラプターを除く各員は陽動を開始。撃墜もしくは無力化に成功したのちに、ラプターと合流を。」
簪の指示が飛び、教師にシャルロットが返答し、ユーリはレシーバーを二回叩き、工程の意を示す。
デッドウェイトと化した、ポッドとショットガンを投棄し、孤島から飛び上った福音から、閃光が放たれるのを視認した弾は高度を下げてのもぐりこみ、最初の十発を避け、バレルロールによる右上への急上昇でさらに飛来する光弾をすれすれで回避。さらにバク転のように後ろへとクルリと回り全てのエネルギー弾をさばき切った。
ラプターの高い運動性によるものもあったが、事前に飛ばしたUAVによる情報を簪の打鉄弐式を経由し、バックアップを受けていたことも相まって回避コースを知ることができ、
後は弾本人の実力でそれらの条件から導き出される最良の回避を行うことができていた。
それでも、弾は油断できない状況だった。
結局は自身の操縦に回避はゆだねられるのだから。
回避行動を終えた弾はパルスライフルで二射して、ブルーティアーズの弾道型を発射する。
シールドエネルギーに反応する弾道型は福音に吸い寄せられていくが、福音はウィングスラスターから、エネルギーを燃焼せずに放出し、即席のフレアを使ってこれらを誤爆させ、続くパルスライフルも、芸術的なまでの絶妙な機体制御で被弾せずに、ラプターめがけて突進してくる。距離が近づくたびに、エネルギー弾を乱射して、回避できるポイントを徐々に塗りつぶしていく、対する弾は三次元に動き回り、上昇と下降、前進と後退とランダムに動き回り、パルスライフルの代わりに軽機関銃をもち、福音に都合のよい行動をさせまいとしている。しかし、36の砲口とたった一つの銃口の軽機関銃では、どちらがより、優位に立てるかは明白だった。
光弾がラプターの装甲にかする。二発、三発とかすっていく数は増えていく。それに対して弾の機関銃はもう五秒もしないうちに全ての弾薬を使い切るところまで来てしまっていた。弾の頭の中では、この後の情景をリアルに想像できていた。弾切れと同時に理想のポジションに容易に着ける福音が無抵抗の羊と化した俺を漫画のチーズのごとく、穴だらけ
にされて撃墜されるだけだろう。
「なら・・・こうだ!」
軽機関銃を宙に浮かせて、アンダーバレルのグレネードランチャーのグリップに腕を伸ばす。掴んだランチャーを発射し、三発の弾頭が筒から飛び出していく。
福音が弾幕で中央の一発を迎撃し、榴弾が炸裂し、残る二発にも誘爆するが、福音の予想とは反して二発は煙幕弾で、視界がゼロになる。
声を発して、動揺を見せるが、すぐに視界をサーモに変化してラプターを追う、視界に映ったのは熱された銃身を持つ人型。すぐさま、それめがけて光弾を殺到させる。全弾が命中し、それは破裂した。見えたのは、機体ではなくただの風船。ダミーだった。
福音が殺気を感じて、後方へと機を向けると高度を下げて急上昇をして懐へと入り込んだラプターが猛禽類のような鳴き声を上げて、レーザーソードを振りかざして一閃する。
片方のウィングスラスターを切断したラプターは振りかぶった右腕に隠した、左腕のパルスライフルを福音の頭にこすりつける。引き金を引くと、独特な青いマズルフラッシュを放ち、頭部が光で視界が覆われてしまう。だが、撃った本人の弾は腹の底から侮蔑の言葉を吐いた。福音は頭をあえて銃身にぶつけて逸らした。ヘッドギアの頭部が、抉られたが
決定打にはならなかった。
「この、糞女!!」
右足で頭部を蹴り、レーザーソードを持った拳で胴体を殴りつける。距離の離れた瞬間に長刀と化したレーザーソードを突き立てに突撃をする。福音は片方のウィングスラスターの砲口にエネルギーを滞在ためて即興で光刃を形成して、つばぜり合いに発展する。
リーチと出力の差のせいか、単純な腕の差か、切り結び始めると、弾が押されだす。
翼をブレードとして使っており、その使い勝手は悪いはずだというのに、巧みに振りまわす。十五回目の斬り合いになって、福音は行動を変化させた。ラプターから距離を離し、最大速度で、距離を離していく。
「撤退か・・・?」
遠ざかっていく福音を望遠で見ると、福音は体を翻してこっちに向かってきた。
捉えた福音は最大速度のマッハ2.5で急接近し、光弾の連射で、こちらをけん制して、すれ違いざまに、ブレードを形成してブレードを十分な加速と共に、ぶつけてくる。
間一髪で、防ぎ切り、通り過ぎていくと後ろからソニックブームが襲い掛かり、衝撃波をその身に受けた。
歯を食いしばり、機体の姿勢を崩さないように保つ。
姿勢を直し終わると、すぐさま福音が通り過ぎてくる。二度目のブレードアタックをレーザーソードで弾いたが、激烈な威力で、ソードの形が揺らいだ。そして、続くソニックブームにシールドエネルギーが減っていくのを確認する。
レーザーソードがパワー負けしていることに気付き、冷汗が流れる。このままでは、押し負けてしまう。やはり、軍用ISとして最高峰の性能を誇る銀の福音は伊達ではない、と弾は再認識する。搭乗者の技能まで再現し、絶対防御のエネルギーすら戦闘に回している福音は本来のスペック以上の数値を叩きだしている。
距離を離されたときに、パルスライフルで迎撃できないのも、このためだ。
弾が狙うより、切り付けられるのが早く、間に合わない。ISとは言え、所詮は銃器 オートロックを持ち合わせているにせよ、複雑な軌道を行ってくる相手にいか程通用するかは想像に難くない。さらにパルスライフル程度の強度では神速で振りぬかれるブレードを受け止める、弾くなど夢のまた夢だ。
「弾、こちらの準備は完了した! ポイントまで福音を招きよせろ!」
弾の耳に、ヴィンセントからの通信が入ったが、集中しなくてはならない状況での通信をするほど、弾には余裕がない。
「今はそれどころじゃない! 少し待て!」
三度目の突入コースに入った福音は今度はけん制なしで、ブレードを形成し始める。自身のブレードが優っているので、この最大出力の光刃でレーザーソード諸共、弾を両断するつもりだ。この超音速の戦闘では、回避コースの算出は間に合わない。
弾は思考する。命の危機に瀕した人間の頭の回転数は飛躍的に向上するのか、束などと違い凡人程度の脳しか持っていない弾はこの時、一瞬のことではあるが、彼女に勝るほどの思考速度を発揮していた。
退く場所はない、回避もできない、射撃による迎撃も不可能。そして今回はレーザーソードで防げない。なら、どうするか?
答えはハッタリだ。
「ミサイルを時限信管でセット! ファイア!」
背部のミサイルハッチを開けて、六発のマイクロミサイルを発射した。
マイクロミサイルは放たれたのちにすぐに起爆し、爆炎と破片をまき散らす。福音は危険を察知して、突如回避行動をとる。
音速の世界では音速で飛行する自身が物体に衝突するだけで大きな損傷をこうむる。音速で飛行するISはシールドバリアと絶対防御があるため、従来の航空機で考えられないような防備の薄さ、衣服のまま、これが可能となっている。
最悪、衝突して、シールドが切れても、どこかに不時着し救援を待つか、エネルギーが貯まるのを待つなど選択肢がある。
しかし、福音の場合は話が少し異なる。あくまで暴走機でしかない福音に補給、救援などのバックアップなどは当然ない。どこかの施設を襲って電力等を奪うか、以前のように支配した機体からすべて奪う、など自力で取りに行かなくてはならない。
現在の福音は僚機が全て交戦状態に入り、今後の展開は予想できない。つまり、これ以上の被弾は福音にとって非常に避けるべきものだ。
当初は単機できた敵機の迎撃を楽観視していた福音は与えられたダメージが許容しにくいものになり、やむを得ずブレードを消失させて、シールドにエネルギーを回して防御に徹した。ミサイルの破片がシールドの表面を叩き、エネルギーが減っていく。
復帰した福音が見たのは、背を向けて逃走するラプターの姿だった。
散々、好き勝手やってきた弾のラプターは撤退するふりを見せて福音を招きよせていた。
福音はこの時自身も撤退するか、迷ったが敵機の撤退を好機とみて追撃に入った。
実弾中心のラプターに弾薬がないと判断し、ラプターを戦闘不能にしてエネルギーの補給を、と福音は考えたのだ。
弾は追撃してくる福音を見て、とりあえずの安堵の表情を浮かべた。
無事に引っかかってくれた、その一点が何より重要だからだ。しかし、弾の表情もすぐに険しくなる。戦闘速度ではない、最大速度の福音がバースト射撃で、光弾を放つ。
その精度は決して低くなく、至近を掠めていくエネルギー弾のほうが、外れるものより、
多い。
「そのままのコースを維持して、赤毛君。 福音の予想コースをできるだ単純にして。」
「束博士?! 何で・・・?」
通信に入ってきた博士の声に驚きつつ、後方から迫る福音にパルスライフルを連射、セミオートマチックで一定のテンポで撃たれる度に薬きょうが飛び上り、クリップの八発をすべて打ち切ると、グリップが排出される。
「事情は後! いいから、言うとおりにして!」
「了解!」
「そのコースのまま、三十秒後に射線に入ります。準備を!」
「わかったよ!」
アカネの忠告に続くように簪からの二式から、射撃コースのデータを送られる。いよいよ、クライマックスというところだ。エンディングがめでたし、めでたしで終わるにはここが正念場となる。誘導グレネードを持ち、福音に向けて投げて、パルスライフルを力の限り、撃ち続ける。クリップが排出され、装填、排出されて装填、と何度も繰り返し、シールドのエネルギーを削ごうと撃つ。その時、福音は四度目の被弾でエネルギー弾の撃ち方を変えて連射から、収束に変えだした。またしても、データにない戦闘方法であった。対応が遅れた、その刹那のような隙は命とりだった。その極太のビームはラプターの左半身を捉えて、シールドをいともたやすく貫通して、ラプターは被弾する。
圧倒的な熱量をまとった光の奔流が弾の左半身を焼いた。装甲とシールドによって防御されたが、その熱のいくらかは弾の体に伝わり、皮膚の表面に許容しがたい痛覚の刺激が走る。赤く光り熱された左半身の装甲から人生で一度も経験したことのない激痛を受けて、弾は絶叫する。
その激しさは聞くもの全ての者の背筋を凍り付かせた。
「弾!」
アカネが涙交じりに叫びに答える。彼女の頭の中では弾の死、彼女の憧れの人の死というイメージが浮かび上がり、それを振り払うように、頭を左右に振る。それでも、スコープから目をそらさないのは流石というべきだったかもしれない。
「弾・・!」
ヴィンセントが歯噛みをする。本来なら、火力の支援はできたはずだというのに、今はできないでいる。今のグレイイーグルは巨大なライフルの電源たるバッテリー程度のことしかできないでいるからだ。その無力な自分に腹を立てていた
「大丈夫よ!アカネ! ヴィンセント! 今は狙撃に集中して!」
鈴が二人にそういうが、彼女もまた親友の身を案じている。しかし、今の自分の役割を果たすことこそが一番の助けになると信じた。職務に集中することで不安を断ち切ろうとしている面もあったが
鈴の発言に従い、ヴィンセントは出力を上げていく。コアから放たれるエネルギーがハヤブサに送られ、それがライフルへと伝わる。唸りを上げてライフルの奥底では巨大なエネルギーが凝縮されて、溶鉱炉のよう光景を銃口から見せていた。
アカネは涙もぬぐわずに、スコープに集中する。本来、シャープシューターで、スナイパーではない彼女だが、この時のアカネは一流の狙撃種も舌を巻くほどの集中力を見せていた。弾の絶叫を聞いて、奥底にある能力が引き出されているようだった。
「鈴、左に三度、仰角を一度下げてください。」
「了解!」
銃身を支える甲龍を操り、繊細な作業をこなしていく。普段の彼女から想像もつかない、ミリ単位の作業を彼女は遂行していた。
「フライホイール臨界! エネルギー充填率は80パーセントで維持しろ!」
「銃身の冷却が追いついていない、注意を!」
整備班たちが数値を読み上げて、アカネたちに伝える。
「冷却液と消火剤を万が一に備えてください!」
整備課の女子たちが後方で万が一に備える。
「訓練用の機体を持ってきましょう!」
「アレじゃ戦闘はできないのよ、静寐?!」
「荷物運びくらいはできるでしょ!?」
生徒たちが自らの判断で、支援しようと動く。
「鉄砲ちゃん、観測データからの予想コース送るね、外しちゃ、やーよ!」
世界を引っ掻き回すウサギが他人のために働く。
「セントリーガンポッドを起動させろ、用心のためにな!」
外道とうたわれた男も他人のために動く。
皆が、皆、福音の撃墜と戦っている彼らのために自己の脳髄を働かせて、貢献しようと動き続ける。
「本当?! なら急いで向かって!」
簪が喜びの声を上げる。理由は単純だが、重要な事だった。
「五反田君、聞こえる? もう少しでユーリ達がそっちに到着する! だから、何とか頑張って!」
入ってきたのは囮役の全員からだった。シャルロットも、大場先生も、山田先生も ユーリも敵機を撃破したのだ。しかも幸いなことに、教師は無事らしい。
状況は好転してきた。しかし、肝心の弾から返信が帰ってこない。
「五反田君、応答を!」
簪が呼びかけると、何秒か遅れて弾のラプターからノイズと咳による雑音が入った応答が
帰ってきた。
「・・・生きてるよ・・・・まだ、戦える。 増援は?」
「一番早いので、山田先生。 五分程度で到着する。」
咳を抑えて、弾は呼吸を整えて自分が大した被害を追っていないことをアピールするかのように、普段と同じような話し方になるように徹した。
彼の中では、これ以上の士気低下につながることは避けたかったからだ。全員が最善を尽くせるようにと、気を回している。
ヒーローは泣きもしないのではない、泣くことが許されない、と彼の中で一つの持論ができていた。弱さを見せてはならない、せめて希望につながるように動かなければ、勝利の美酒を呷ることはできない。
熱による痛みを、ラプターが感知し、一種の麻酔のような物を弾に注入し、痛みを和らげる。最後まで戦闘できるようにと、節介な機能を取り付けたRインダストリーの開発陣の
おかげで、弾は冷静さを取り戻すはずだった。
「わかったよ、そんなに相手にしてほしけりゃ・・・やってやる。」
ところが、薬物のせいか、痛みやストレスによるものか、コンバットハイによるものか、完全に理性が弾けた。完全に射線コース付近で福音と相対する。
福音は被弾し、無様な絶叫を上げた敵機を嘲笑するかのように、歌い声をあげて、挑発する。対する弾はパルスライフルによって、その挑発に乗ってでた。
三発の青白色の超音速弾が先ほどまで福音の存在していた空間を貫いていった。
福音はウィングスラスターの砲口にエネルギーを纏わせて、疑似ブレードを作り上げて光度を上げて、上を抑えようとするラプターに突貫する。
距離の開いていない中でのトップスピードの突撃、ブレードを以前より広範囲に展開し、さらにラプターが持っているのはパルスライフルであるため、防御は不可能。福音は勝利を確信した。命中の瞬間に、福音は笑い声すらあげた。しかし、次に福音に襲ったのは衝撃だった。弾はパルスライフルを翼型のスラスターの付け根に挟み込ませて、背中に張り付いたのだ。危険すぎる賭けだった。弾は空いた左手に実体剣であるヒートブレードを逆手に持ち、福音の背部に突き刺し、取っ手がわりにした。
人で言う鎖骨の部分から、5.56mm弾のミニバルカンが火を噴き、福音の胴体にかすり傷にもならないような小さな傷を負わせつつ、スラスターによる押し相撲が行われる。高度5000mから一気に下降し、福音は上に乗り、小賢しく攻撃するラプターを振り落とそうと、バレルロールや宙返りを繰り返す。
弾はシェーカの中に入れられたかのように揺さぶられ、巨大なGを全身に浴びて、痛みに耐える。無駄だとわかっていながらも、ミニバルカンを撃ち続け、ナイフから手を離さず、力を籠め、より深く差し込んでいく。だが、そうしている間にもパルスライフルはひしゃげ、ナイフはひび割れていく。
そして、四度目の宙返りで、ヒートナイフが過負荷に耐えられず、柄の部分と刃と二つに分かれてしまい、弾の駆るラプターは海面に三度バウンドし、ダメージが入っていく。
ようやく、体勢を立て直した弾に収束されたエネルギー弾が放たれた。
弾が、死を悟った、その時女性の叫び声が木霊した。
「させません!」
山田先生の操るラファールがグレイイーグルの破損した装甲を無理やり貼り付けたシールドを展開し、弾の盾となった。
さらに得物であるショットガンを、その直前に射線に投げいれることでエネルギーの奔流を僅かに弱め、シールドで受け止めた。
過去にグレイイーグルの装甲を溶解せしめたほどの出力は片翼でも伊達ではなく、貼り付けた装甲は一瞬で融解し、シールドまで融解しようと迫る。
「今度こそ・・・叶えて見せる!」
シールドをパージし、長銃身のラファール用の標準的なスナイパーライフルを展開し、発砲した。狙ったのは命中しても効果がない胴体ではなく、ひしゃげたパルスライフルの機関部だった。着弾し、機関部へと容易く貫通した弾丸はパルスライフルの薬室にたどり着き、発火。青白い炎が福音の背中に広がった。
好機と見た弾は攻撃手段を失った福音にミニバルカンによる制圧射撃を加えていく。
さらに福音の後方から、シャルロット、大場と続き、ユーリのマーダも続く。
「全機! ラプターと共に弾幕で釘づけにして! 」
簪による指揮のもと、全機が福音に全火力を注ぐ。
シャルロットのラファールカスタムとユーリのマーダーが二丁持ちでのアサルトライフルで、頭を抑え、大場の打鉄と山田先生のラファールが正確に胴体を狙う。
弾のラプターが最後のミサイルを放ち、爆炎の渦にの中に福音を巻き込む。
全方向からの曳光弾が福音を襲い、穿っていき、福音を確実に破壊していく。
「アカネ!」
「捉えた!」
スコープに入った福音にシールドが照射され、二度目のトリガーが引かれる。
ライフルから、高濃度に圧縮された荷電粒子が飛び出し、シールドのトンネルに導かれて、福音へと飛ぶ。暴力的な力と轟音を伴った光は、一つの剣のようにすら見えた。そして、福音に光の剣が・・・・
戦闘だらけの今回。
最近ストーリに粗がかなり、できてしまい、申し訳ありません。
感想等お待ちしております。