IS to family   作:ハナのTV

6 / 137
初の戦闘描写です。 上手くできていることを祈ります


6

Rインダストリー社に無いモノはない。誰が言ったかわからない言葉だが、この言葉はおおむね正しい。

 

この企業の始まりは第二次世界大戦にさかのぼる。元はシャーマン戦車の部品や小銃の部品生産の下請けやライフル弾などの弾薬を製造する軍需工場とそこで働く人々の住む小さな町から始まった。ベトナム戦争時、アメリカが不景気の中、初代社長のウィリアム・ロックが民間用の銃器を多数設計して、特許権を売った利益で事業を拡大して成功させ、現在ではかつての労働者達1500人の小さな町を800万人が住む一つの大都市にまで発展させた。もう一つのNY、負け犬の大都市 など豊富なあだ名を持つこの都市はISが開発された今でも健在である。

 

そして現在、アメリカ東海岸にある大都市の中で一際目立つ本社ビル四階のオフィスで二人の男が対面していた。

 

一人はロイ・バッカスでもう一人はサングラスをかけ、口髭が濃く皮下脂肪が溜まった大きな腹を持つ、冬眠前の熊のような男、名をマイク・ガーナ―と言う。彼らは今後の労働環境について揉めに揉めていた。

 

「次の仕事場が日本のIS学園ってどういうことだよ?ロイ」

「君には目上に対してもう少し、言葉遣いに気を付けてほしいが、まあいい。パズルの一件で必要な人材を送るとヴィンセント達と約束してね。それで君に行ってもらおうと思ったんだ。」

と言って、書類をこちらに手渡してくる。

 

それを手に取って見てみるとIS学園の整備科の講師として受け入れる旨が書いていた。

 

「既にあちらの許可も取った、あとは君が首を縦に振ってくれれば助かるんだけどなぁ」

 

こちらをチラっと見て、笑っている。

冗談じゃない と思い、椅子から立ち上がって抗議した。

 

「いくら、パズルの件たって何で俺が日本に行く?俺まで行く必要ないだろ、むこうにも整備員の一人や二人いるだろ。それに女子高だなんて、勘弁してくれ、また前科、いや冤罪が増えちまう。絶対にヤダからな」

 

野太い声で拒否する。ロイはそれに構わず、机の上のショートケーキを平らげる。

 

「まあ、そう言うなよ、マイク。君だから行かせるんだ、他の誰でもない君だからだ。私たちの開発した機体がいかに重要か、君が一番よく知ってるじゃないか。私としても、あまり部外者にべたべた触られたくないんだ。それに上からの命令でもある」

 

一瞬、彼に同意しかけたが、やはり行きたくないので抵抗する。

 

「何だと、なら上司を呼べ。直接訴えてやる!。」

「いいとも、ジョンストン!」

 

名前を呼ぶと3秒でロイの同期のジョンストン開発部長が現れた。手にはアイスクリームを持ち、ロイの隣に座る。

 

「何だ、マイクじゃないか。日本行おめでとう。残念だが私では止めることは出来ないなぁ」

 

アイスクリームをほお張りながら話す。

 

「フザケやがって、ならアルフレッドだ。アルフレッドを呼んでくれ。」

目の前の二人は目を丸くする。

「本当に呼ぶのか? 私たちの直属のボスにご足労いただくのか?」

「いいから、呼べよ。俺は諦めないからな。」

 

受話器に手を掛けたとき、後ろから音がした。

 

「私に何の用だ?」

 

扉が開き、重役のアルフレッドが現れた。クレープを食べながらジョンストンの隣に座る。

 

「話は聞いたよ。日本行おめでとう。残念だが止めることは出来ない、いや実に残念だが」

 

三人はニタニタと白い歯をのぞかせて笑っている。ついでに仲良く頭も光らせている。

 

ここまで来て、三人がグルだと知る、現に彼らはニタニタと笑い、権力を傘にして強引にこちらを丸め込もうとしているので、憤慨する。

 

「このハゲトリオめ、いつから俺の敵になった?」

「自分の胸に聞け。あの時を忘れたなんて言わせないからな。」

トリオが口をそろえて言う。

「畜生、今に見てろ。俺の仲間が黙っていない、こんなのは不当だ。組合を使ってでも俺は行かないからな!」

 

オフィスを飛び出し、仲間のもとへ行こうとする。すると周りからクラッカーが鳴った。

丁寧に作られた垂れ幕がいつの間にか飾られていて「日本行おめでとう!Good luck」と書かれていた。彼の仲間は皆、チョコケーキを手にしながら、マイクの日本行を祝っていた。

 

 

 

 

訓練が始まって21日目。ここのところ、ヴィンセントは弾の飲み込みの早さに驚くことが多くなった。ISにおける回避機動の基本をマスターし、射撃や格闘術もそこそこに様になったと聞く。何回か弱音を吐くこともあるが、弾が訓練に精を出しているのは事実で結果も上々だ。これ以上求めるのは酷というものだろう。最も一番感心している所は、女ゴルゴのアカネとロシア製ターミーネーターのユーリの訓練にめげずに励んでいることだったが。

今現在、弾はヴィンセントの機体グレイイーグルの中でシュミレーション内でF18戦闘機五機と空中戦を繰り広げている。機体スペックとしては無論グレイイーグルが優っているが未だルーキーの域を出ない弾にとっては酷というものだが、手を抜くわけにはいかない。

ヴィンセントはシュミレーション内の自分の機体と弾を見守ることにした。

 

 

仮想空間内での戦闘は高高度の空中で行われ、既に30分が経過していた。弾はグレイイーグルを駆り、二機のF18と挌闘戦を繰り広げる。直進してくる一機目をLMGの弾幕で迎え撃つ。

 

F18も遅れて機関砲を放ちつつ、回避行動をとるが、間に合わず被弾してF18が火を噴く。オイルと破片をばら撒いたのち爆散した。

 

一機目の撃墜に喜ぶ間もなく右後方上空からF18が機関砲とガンポッドの二重奏を奏でながら、グレイイーグルに肉薄する。毎分6000発の機関砲による弾丸がグレイイーグルの強固なシールドを猛烈に叩き、およそ30発程の弾丸が貫通してグレイイーグルの左腕装甲に被弾する。一拍遅れて弾は反応する。機体を左に傾け、二機目のF18とすれ違う瞬間に左腕を伸ばしてF18の腹を引き裂く。

 

二機目を倒して、状況を確認する。先ほどの斉射をモロに喰らい、ここまででシールドエネルギーが6割を切った。機関砲の弾丸が関節部を砕き、左腕のパワーアシストに異常が起きたため、壊れたマリオネットのようにだらん,とぶら下がった状態になった。一旦体勢を立て直すため、雲の中で隠れ、LMGの再装填を試みようとするが、左腕がまともに動かない以上、無理な話だった。

 

ミサイル警報が鳴る。下方から2機のF18から放たれた4発のミサイルを確認して、グレイイーグルを加速させ、上方へと退避しながらフレアを放つが、迫りくるミサイルはフレアに反応しない。

 

―――ブルーティアーズ!! 

 

弾は対IS用のミサイルと認識する。シールドエネルギーにのみ反応するミサイル相手ではフレアは全くの無意味だ。即座にLMGで弾幕を張る。2発が命中し無力化したが残る2発を撃ち落とす前にLMGの弾が切れ、グレイイーグルに直撃し機体の高度が下がる。歯を食いしばりながら機体に踏ん張りを利かせて落下を止める。

 

また警告音が鳴る。今度は接近警報だ。グレイイーグルのカメラが接近する物体を捉えた。

 

目と鼻の先にこちらに直進してくるF18の姿だった。ホーネットが装甲に接した瞬間、画面が暗くなり、訓練が終了する。

弾は撃墜されたのだ。

 

 

 

 

機体の胸部装甲がせり上がり、弾が出てくる。深呼吸をし、狭い機体からの解放感をひとしきり堪能して、こちらに振り向く。

「ブルーテイアーズに、カミカゼってどんな設定だよ。あんなのできるかよ」

「その内できるようになってもらうさ。それに五機のF18でISを倒すのなら、かなりの無茶が必要だからな、アレくらいはやらないと。」

 

ニヤリと笑みを浮かべ、弾の肩を叩く。

キツイ訓練ではあるが、弾の素質は十分にあると判断して、このレベルの訓練を行うことにしている。予定より5日早い段階まで進む弾の素質は賞賛に値する。しかし、口にする事はしない。先生役として、甘い言葉は基本NGだからだ。

 

弾がこちらを恨むほど、実力は向上する。昔の自分が受けた時と同じ古いやり口だが効果は大きいのだ。

 

弾が恨み言を言うので、それを冗談で返していると、自分の名を呼ぶ声がする。聞き覚えのある声だ。声の主はサングラスをかけ、Yシャツがはち切れんばかりの腹を持った男。思った通りの男だった。

 

「マイクか! 久しぶり。」

 

昔からの知り合いに思わず、いつも以上に笑顔になる。

 

「ヴィンセント! やっぱりお前か。会えて……嬉しくないな。」

突然のトーンダウンにガクッと頭をうなだれる。弾は呆気にとられている。

 

「考えたら、お前達のせいで俺がここにいるから元凶はお前たちにある。

謝罪と賠償を要求する。」

「察するに希望した本社勤務が却下されたんだろ?仕方ないだろう、社内一の問題児なんだから。あのロイだって怒らせたんだぞ?」

「俺が何したって言うんだ?」

 

本気でわからないという顔をする。こういう所は昔と変わらない。

 

「ファミレスでパンツ一丁で駆け込むわ、酔っ払って半裸で人の家のアンテナでキリストごっこするわ、忘年会で役人トリオのカツラをキャンドルで燃やす、あといくつ聞きたい?」

「ファミレスのは事故だ、それにアンテナは誰かが俺を貶めるための工作に違いない。カツラは……思い出したくもない。ホレ見ろ、俺は何も悪くない」

 

胸を張って威張る。だからアンタはアホなんだ。

 

あの忘年会の時、酔っぱらったマイクは役人トリオのカツラを普段から想像もつかない俊敏さでカツラを奪い取り、ケーキに刺してたキャンドルで燃やした。

 

あの時、誰もが生唾を飲み込み、黙り込んだ。マイクは爆笑してたが、それも五秒後の報復の前に泡と消えた。

 

「ヴィンセント。この人は?」「ヴィンセント、誰だコイツ?」

弾とマイクが同時に聞く

 

「マイク・ガーナ―。僕たちの機体の開発主任。ロイが言ってた必要な人

材だよ」

 

弾が信じられないと言う表情をマイクに向ける

 

「五反田弾。最後のピースだよ。」

 

マイクがサングラスを外して見る。信じられないという顔だ。

 

「「嘘だぁ」」

 

これも同時に言った。案外気が合うんじゃないかと思った。

 

 

マイクに先ほどの訓練結果を見せるよう言われ、モニターに映す。

画面内ではグレイイーグルがF18に追い回されている。LMGを回避行動をとりながら、乱射するが射線を読まれ当たらないのがわかる。30分の攻防を見終えるとマイクが口を開いた。

 

「成程な、とりあえず回避機動の基本は取得してるのな。射撃は下手くそだがな。それにしても無茶な訓練をするなぁ、ヴィンセント」

「無茶って何ですか?」

 

弾が眉間にしわを寄せて聞く。

 

「グレイイーグルは元々、対地攻撃や拠点防衛のための動く要塞っていうのが開発コンセプトで、空中戦はあくまでオマケみたいな物にすぎないんだよ。機動性に関して言えば、速度以外は日本の打鉄に負ける」

 

アッサリと言ってしまう。余計なことを と思う。

 

弾が横目でこちらをジロッと見て、マイクに詳しい説明を求める。

 

グレイイーグルはRインダストリー製最初の機体で、分類としては第二世代型ISに相当する。制空権が取れてない状況下でも敵施設などに対する攻撃を行うための機体だ。重厚な装甲とシールドによる防御力は今までの常識を覆すほどの防御力を誇り、量子変換による火器の収納も大容量、まさに動く要塞。

 

欠点としては機動性と重装甲と重火器による重量バランスの悪さで、扱いが難しいモノとなってしまった点だろう。マイクの言う通り、最高速を除くすべての点において、格闘性能と防御力にしか取り柄のないと言われる日本製第二世代型IS「打鉄」に負ける。

 

「要するにお前の今までの苦労は機体特性を正しく教えなかったコイツのせいだ。この機体は初心者には荷が重いんだ。」

 

こちらに指をさしてハッキリ言う。本当に余計な事しかしない奴だ。

そこまでの説明を聞いて弾はこちらに詰め寄ってくる。おそらくキレてる。顔は笑顔だが目が血走って猛然と赤い布を見せられた闘牛のようだ。

 

「ヴィンセント君、事情を聞かせてもらうか?」

「今少しの時間をいただければ、いくらでも」

弾の剣幕に圧され、壁まで後ずさりする。

「弁解は罪悪と知れ!馬鹿野郎」

 

次の瞬間、ユーリ直伝の殺人術により地面に叩き伏せられ、足で顔のすぐそばをスタンプする。弾の成長に感心したいが今は恐怖感でいっぱいで、できなかった

 

「そういえば、マイクさんってIS学園に来るんですか?ロイさんが前に言ってたんですけど」

「ああ、女子高なんて本当は行きたくないが、ロイの命令だし、お前たち子供が行くから仕方なしにな。俺のほかにあと五人の整備要員が来る。お前達への必要なサポートの一環だよ」

 

マイクがホットケーキが作れるほどの砂糖とミルクを入れたコーヒーをすする。

 

「ガキばかりに仕事させるなっていうロイの計らいだな。いい上司だよ、アイツは」

「子供って……俺たちはコイツに乗って世界を変えるんだ、そんな風に思われるのは心外ですね」

 

表面的には笑顔だが不満を隠せない様子で弾が抗議するが、マイクは余裕の表情だ。

 

「子供だよ、15歳なら誰だって自分を特別視する、今のお前のようにな。さっきのシュミレーションの映像を見て、そう思ったんだ。」

「……どういう意味ですか? ISに乗れもしないのに何がわかったって言うんですか?」

 

弾がイラつきを見せ始める。対照的にマイクは余裕の笑みを浮かべている

 

「お前、20mmバルカン砲をたらふく喰らった腕でホーネットの胴体を引き裂いたよな?後先考えて機体を使ってるか?無茶な使い方すればISだってお釈迦になるぐらいわかんないのかよ。無鉄砲すぎる。俺はそこまでのサポートまでする気はないぞ」

「仕事放棄ですか?整備しかできないのに俺の扱い方に文句ですか?」

「じゃあ、お前に何ができる?ISに乗ること以外に何の能もない癖して。今さっきの発言からそうだ。ISに乗れる自分は偉いから俺の無茶に全部合わせろってか?ふざけるんじゃねえ」

 

マイクなりに諭しているかもしれないが、逆効果で弾はマイクに食って掛かる。これまでの訓練の成果を否定されたと感じたせいだろうか?

いやに、感情が高ぶっている。

 

「訓練は敵機を落とすことだった、なら多少の無茶だって必要でしょう?!それをできるようにするのがあなたの仕事だろうが!」

 

弾のセリフにピクリと眉を動かしたマイクは立ち上がって、巨体を弾の前に運んだ。顔の迫力と図体の大きさで少し弾がひるんだ。

 

「利いた風な口ぬかすな。結局失敗したお前が言っていいセリフじゃねえ。実戦なら死んでるぜお前。確かに20日でここまでの成長は凄いが、その能力に精神が追いついていないんだよ、だからガキなんだ。あの状況なら他にいくらでも手はあったしな」

「何だと!!」

「少し前を思い出せ、お前に何ができた?学校行ってバカ話、家に帰ってマスかくだけだったくせに。元々IS学園になんぞ入る予定のなかったお前に特別な何かできたか?何もないだろ。今のお前は偶然手に入れた幸運で勘違いしてるだけだ。そういうのを子供って言うんだよクソガキ」

 

今度は弾は反論せず拳を強く握りしめ、黙った。マイクの言うことが的を射ているからだろう。

 

「言われてムカつくか?俺はお前にもっとムカついてる。俺達だって、どんな状態だろうと、次の日には新品同様ピカピカにしてやる自信はある。だがな、戦闘中に無理な動かし方して死ぬようじゃあ、俺たちにだってどうしようもねえよ。自分なら死なないとか、自分なら何をしても大丈夫だと思ってるガキなんて付き合いきれない。自信過剰なガキなんて」

「うるせえ!!」

 

弾は思い切り叫んだ。しかし怒りとは違う。彼の顔には水滴が一筋流れていたからだ。

 

「ガキだ、ガキだ、って何回も言いやがって! 自慢して何が悪い⁉自信をもって何が悪い!?どいつこいつも否定ばっかしやがって!」

 

静粛がこの部屋に広まる。弾の発言は本音そのものだ。心の傷から来るものかもしれない、彼のこれまでのデータから見ると、中学二年までは中の下だった成績が中三の受験期までになると、上位三十位にまで上昇していたことが判明している。

 

彼の受験した高校は偏差値から見ても悪いところではないはずだ。しかし、彼の取り巻く環境は彼に自信を与える機会をことごとく奪っていた。IS学園入学によって努力の証である合格証はまるで紙屑のように消え、中学の友人もいなくなった と言う話だ。

 

極めつけは彼の保護者だ。ロイが弾の家族に弾の事について聞くと、彼らはこう答えたという。「色々、悩ませる子だったが運があって良かった。これで安心して妹のサポートができる」と。

 

彼らの発言だけを見ればIS学園に入れてハイ、おしまい という訳だ。不出来な兄より、期待できる妹にばかり気にかけていた様で、その証拠に連絡の一本も来ていない。だから、自分の訓練が思ったより早く進んでいる事に嬉しく思ったのだろう。

 

誰かに見てもらいたかったのだろう。

 

同情を禁じ得ないが、僕は彼のそんな状況を利用したことを思い出して、一瞬、嫌な罪悪感にさいなまれた。うなだれる弾にマイクは言葉を掛けた

 

「お前は子供だよ。だから死ぬようなマネはよせと言っているんだ。死んでからは大人になれはしないんだ」

 

それは彼の経験から来るものだ

 

マイクはその昔、趣味でバイクを作っていた。彼の友人のバイカーはいつもマイクのバイクに乗って、夜な夜な命知らずなレースに勤しんでいた。無論、マイクが整備していたのだが、彼の乱暴な扱いによって部品はみるみる疲弊していった。ある日、マイクは整備のために乗らないでほしいと言ったが、友人はとほど腕に自信があったのか、スリル満点と言って勝手に持ち出して公道レースに参加し事故を起こし死んだ。

 

その友人は才能に過信し、無鉄砲な運転で命を落としてしまったのだ。

弾はその話を黙って聞いた。マイクの言わんとする事の意図を察したからだ。

 

「お前に才能があることは認める。だが、自惚れるなよ。お前はまだ未熟だ。もし、ヴィンセントやアカネ、ユーリに近づきたかったら……後はわかるよな?」

 

一分も満たない静粛の後、マイクは弾の肩を叩いて部屋を出る、弾も僕も彼の背中を眺めるだけだ。

 

子供では大人に勝てない、たとえ彼のように一見子供みたいな大人でも。

実際、マイクのいう事は正しい、しかし同時に悔しくも感じる今の僕たちが大人には勝てないなら、今、自分達を磨き彼ら以上の大人になるべきなのだろう。

 

なら、やることは一つだ。

「ヴィンセント、もう一回頼めるか?」

 

弾も同じ気持ちのようだ。初めて同じ気持ちになったかもしれない。

 

「君が望むなら何度でもだ。 やるぞ!」

 

再び訓練を再開する。

 

次はガキなんて呼ばせない為に

 

モニターに再びグレイイーグルが映し出された。

 

誰も知らない空間で鷲は飛び続けた。

 

 

 

 




次話から原作突入です。
ご期待ください
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。