IS to family   作:ハナのTV

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人生初の学園祭。十五歳の少年である俺にとって、それがどのような物であっても思い出に残ることだろう。

 

織斑先生の計らいで、特別に謹慎も解けて、久々に廊下に出た俺を待っていたのは鈴やアカネ、ヴィンセント達の手厚い歓迎と、無数の白い視線だ。

彼女らがそうなるのも無理はない。

俺の事情も知らなければ、俺は親友である織斑一夏の申し出を暴力によって断った最低野郎でしかないだろう。

 

一組についても、ほとんどが距離を空けるか、敵意を込めて俺を見るか、だ。レジスタンスのように心配してくれているのはまれだ。

 

「ダンダン、お帰り~」

 

そういう意味では本音は相当の変わり者だった。レジスタンスでもないし、俺の事情を知っているわけもないのに、普通に接してくる。

稀有な人とはどこにでもいるらしい。

 

「ああ、どうも。のほほんさん・・・・なんか今日は機嫌イイな。」

「うん! だって、待ちに待った日なんだもの~ 楽しみだよねぇ」

 

片手にどこかの売店で買ったらしいチョコレートがコーテイングされたビスケットが詰まった袋を携えながら、彼女は言った。

ニコニコといつも通りの顔で笑って彼女はどこかへ行ってしまった。

 

眠たそうな顔をしている彼女が今日は目がさえるほどらしく、踊りながら廊下を人ごみをかき分けて進んでいく。

俺はその後ろ姿を見送っていた。

 

「お帰りなさいませ、ご主人さま?」

 

そう言われて振り返ると、アカネがエプロンドレスに身を包んだ姿で現れた。

可憐でありながら凛々しく、手の節々にライフルの引き金を引くためにできたタコが見えて所謂、漫画でありがちな戦うメイドを連想させた。

 

「レモネードなどいかがですか? それとも・・・」

「ノリノリだな。」

 

微笑んで言うと、彼女は少し顔を赤らめた。何だかんだで恥ずかしいようではある。

 

「イヴァナ先生にメイクされてなければ、やりませんよ、こんなの。」

 

手を腰に当てて、彼女はセミロングの髪の気をかき上げる。

僅かに香る石鹸の香りが心地いい。

 

「そう、いじけるなよ。似合ってるよ・・・今度部屋の中で着て見てくれよ」

「・・・助平」

 

アカネが胸を隠すように腕を組みながら、俺を見る。決して温かな目ではないが、頬が少し緩んでいるのを見て俺はニコリと頬を緩ませた。

アカネもソレを見て笑い出してしまう。

 

戦闘時の凛々しさも平時の可愛らしさも、これらすべてを含めて彼女だ。こんな彼女と共に過ごしているのは世界広しでも俺一人だろう。

 

「でも、断らないんだな?」

「今度、ガチの模擬戦をして私に勝てたら考えますよ。」

 

アカネは悪戯っぽく笑って言った。俺は頭を掻いた。彼女との模擬戦はまだしたことはないが、かなりの難敵になることは間違いないだろうからだ。

二人でそんな風に談笑してると、同じくメイド姿の静寐が来てアカネを連れて行った。

 

「はいはい、ご指名入りましたからいちゃついてないで仕事しましょうね~?」

「あ、あと五分だけ・・」

「ごめんね。五反田君、彼女借りてくね・・・・学園祭楽しんでね?」

 

鍛え方からして、アカネの方がパワーがあるはずだが、アカネはズルズルと何の抵抗もできずに連れてかれてしまった。

 

さすがはレジスタンスの頭領だけあって、カリスマ性のなせる業だった。今の静寐の目の奥には人を委縮させるだけのパワーがこもっていたのだ。

 

俺は手を振って、別れを告げた。

ここで、考えなくてはいけないのが今後何をするか、だ。定食屋のせがれでもあり、殺人容疑をかけられている男の俺は当然だが、一組の飲食店で働くことはない。

 

まず、需要がない。織斑一夏と言う輝ける存在の前では俺などは無いに等しい。何せ向うは血統から容姿、才能までそろった優良種だ。サラブレットと言えば、言いえて妙かもしれない。そんな彼と俺を比較すれば、誰だって前者を選択する。

 

この間の喧嘩騒動でも、やはり俺に不利な噂ができており、俺が出ては店に悪影響を及ぼすとして、俺は学園祭は完全にフリーとなった。

 

コレを喜ぶべきか、悲しむべきかは俺次第だ。

 

「アラ、一人で何してるの? 弾君」

 

偶然通りかかったイヴァナ先生が俺に話しかけてきた。今日は珍しくいつもより露出を少なくしてキッチリとスーツを着込んでいる。

その隣には山田先生もいた。彼女もまた、地味目なスーツを着ている。

 

「イヴァナ先生、それに山田先生・・どうしたんです? いつもと服が違うような・・」

「えっとですね・・・企業の方とお話をすることになりまして・・・」

「平たく言うと、色仕掛けして落としに行くの」

 

イヴァナ先生が言うと、山田先生が赤面しながら、それは違うと否定する。彼女はあくまでお話をするだけだと主張する。

その証拠に地味なスーツにしていると彼女は言ったが、イヴァナ先生は意見が違うようだ。

 

「だからこそよ、山田先生。見えないからこそ、見える魅力もあるのよ? ねえ、弾君?」

「そ、そうなんですか?」

「俺に聞かないで下さいよ・・」

 

そう言いつつも、二人を見る。キッチリとボタンを閉めてはいるものの、スーツの胸元は少しきつめに見えて、さらに黒いストッキングといい、タイトスカートから想像できる体の部位の形と、確かに男としてはアリだな、と思う。

 

「どうなの?」

俺は咳払いを一つして、視線をそらす。それを見てイヴァナ先生は勝ち誇ったように笑い、長い赤い髪をかき上げた。

魅力を認められることが至上の喜びと言わんばかりだ。

だからこそ、ISを纏った自分ではなく、自分だけを写すモデルを目指したのだろう。

 

俺の周りは変わり者ばかりだな。と再認識した。

 

「じゃあね」

「楽しんでくださいね、五反田君」

 

イヴァナ先生は俺の頭をなでたあと、山田先生と共に廊下を突き進んでいった。

俺は二人の背中を見送っていた。最初はいがみ合っていた二人はまるで性格が正反対であっても仲良しな姉妹のように見えた。

 

その姿が何故か羨ましく思えた。

 

そんな思いを胸の奥にしまい込んで俺は二組の教室へと向かった。香ばしい香りのする胡麻揚げ団子でも食べて気分を晴らそうと思ったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二組の中華喫茶に着くと、出迎えたのは鈴だった。ほぼ日本育ちと言っていい彼女だが、母国の服はやはり、似合う。真っ赤なチャイナドレスを着た彼女は店の看板娘として働いていた。

 

「いらっしゃい、弾。」

「おお。来たぞ鈴。早速だが・・」

「わかってるって…・ヴィンセント!」

 

鈴が呼ぶと店の奥から、中華服を着たヴィンセントがやって来た。本人はいたって普通だ。

元々、端正な顔つきなので、何を着ても似合うのだが、彼の性格を知っていると印象がガラリと変わる。俺から見ると、インチキな商人にしか見えず、サービスで出たお茶を吹きだして笑ってしまった。

 

「ね、笑えるでしょう? マジ、ウケる」

 

鈴は口元を抑えてくつくつと笑いをこらえようと必死に我慢している。涙目になるほどの我慢だった。

そこへ、仏頂面だったヴィンセントが鈴の近くまで行って、言った。

 

「中華まんじゅうに、胡麻団子~、おいしいのアルアルよ。」

 

そこで、鈴の笑いの堤防が完全に崩壊して、机を叩いて大爆笑をした。

ヴィンセントはすこぶる不機嫌な顔をして、彼女を見る。こめかみもひくついて、いつもの笑顔も引きつって苦笑いになっている。

 

「・・・・僕を大爆笑して、ただで済むと思うなよ。 いつか、必ず思い知らせてやる」

「だって・・・面白いんだもん・・くく」

構わずに笑い続ける鈴を見下ろしすヴィンセントを見て俺も思わず笑いそうになった。

フン、と鼻を鳴らしてヴィンセントは俺に注文を訊いた。

俺は点心と胡麻団子を注文し、ついでに温かい烏龍茶も頼んだ。

 

ヴィンセントは注文を取りに店の奥へと戻っていき、席には鈴と俺だけになった。

そこで、鈴は頬杖を突きながら訊いてきた。

 

「ねえ、所で聞いたんだけどさ」

「何だよ?」

「アンタとアカネってその・・・どこまでいったの?」

 

もじもじして、顔をそむけながら。鈴は訊いてきた。それが何を意味しているのかは俺でも容易に理解できた。

 

「・・・そんなの聞いてどうするんだ?」

「参考までに・・・どうかなって?」

 

俺は顎に手を置いて、答えた。

 

「焦らなくてもいいんじゃないか? ヴィンセントは女と見れば。飛びつくような奴じゃないしさ」

「まあ、そうなんだけどね」

 

俺は鈴の顔を見て思ったことを言った。素直な感想の様なモノだった。

 

「お前も変わったよな。最初は一夏だったのに・・」

 

鈴はため息を吐いて、俺の言ったことについて述べた。少し切なそうに見えた。

 

「わかったのよ。 アタシが求めていたのは理想の一夏だって・・・アイツは誰か、か 皆を守る。それはアタシじゃないのよ。 アタシを個人として、一人の女の子としてみてくれないのよ・・・だから、アタシの約束も深く考えないのよ」

 

鈴の約束、遠回しの告白の件だと俺は思った。友達としてしか見ていないなら、深い意味など考えない。それは当たり前だが、鈴にとっては悲しかったことに変わりはない。

 

鈴を今まで見てきて思ったのは彼女も異質な経験をしてきたという事だった。

その証拠に、戦闘に対する恐怖も人に後ろ指をさされることも他の物と比べると抵抗感なく、やっていた。

 

だから、求めていたのかもしれない。理想の一夏を。だが、それは思い出を美化させただけだと気づいてしまったのだ。

 

そして、今ヴィンセントとどう付き合うかを真剣に悩んでいるようだ。

今度は思い出にさせないために

 

「アタシ、実は前にヴィンセントに告白っぽいこと言ったんだけどね・・・でも単純に思いをつげたわけじゃないし・・・さ。 どうしようと思ってね」

 

その鈴に俺はごく単純な言葉を言った。

 

「言えばいいんだよ。今度は言えばいい。俺からはそれしか思いつかばないな」

 

アカネもそうだったことを思いだした。彼女もあの町で直接言ってくれたのだ。それまでに何度か、それらしい言葉を交わしてきたが、直接言われた時の嬉しさは言葉だけでは語りつくせなかった。

 

それを聞いて、鈴は少し間を置いて、一回頷いて、辛気臭そうな顔からいつも通りに戻った。納得したのだろうか

 

「・・・そうね。 ありがと」

 

彼女が席から立ち上がっていこうとすると、噂のヴィンセントが現れた。

彼は俺のテーブルに注文の品を言置いて、ごゆっくりとだけ言って去ろうとする。

 

鈴はヴィンセントを呼んで、振り向かせた。今する気なのだろうか

 

「ヴィンセント!」

「何だい?」

「その・・・あの・・・・烏龍茶追加で!」

 

俺はそれを見て、テーブルに頭をぶつけた。

素直でないせいか、結局本人を前にしたら、言えないのだ。

鈴の恋路が成就するのはずっと先の話かもしれない。

 

注文を効いたヴィンセントは短く応えて、再び厨房へと入ってしまった。

真っ赤な顔のまま、鈴は振り返って俺に言った。

 

「・・・・・笑いなさいよ」

「笑わないが言ってやる。 ヘタレ」

 

数秒後にお盆が俺に直撃したのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四組はコスプレ喫茶。一組と似たようなものかと思い入ってみると、そこにはユーリがいた。

ただし、コウモリをイメージしたヒーローの姿で無言で立っている。

元々、鋼の肉体を持つ彼がきることで、架空のはずのヒーローが本当にリアルに現れたかのようで、小さなお子様から、まだ中学生の女子から大人気を博していた。

 

黄色い声援を受けてもポーズを取ったりしないのも彼らしいとは言えば、そうだ。

 

「五反田君、いらっしゃい。」

 

そこへやって来たのは簪だった。髪を短髪に見えるようにいして、真珠のネックレスに黒のドレス、片手には簪の手には大きすぎるイスラエル生まれの大型自動拳銃のデザートイーグルのモデルガンが握られていた。

 

「昔の暗殺者の映画であったな、こんなの」

「イヴァナ先生がどうせならイメージとは真逆にって・・・」

「ユーリはまんまだけどな」

 

そう言って真ん中で、ちびっ子を相手にする四組のダークナイトを見る。

マスクをして表情は見えないが、簪は彼の今の心境がわかるようだ。

 

「何を思ってやってるんだろうな、アレ」

「・・・多分、どう扱っていいかわからなくて困ってると思う・・・・ちょっと可愛いかも」

 

身長190cmの大男がちびっ子と女子中学生相手にたじろぐ。見ている分には愉快だ。

やっている本人はどうか知らないが、簪にとっては可愛いらしい。

 

俺は時々彼女の趣向がわからなくなる。彼女も変わり者だ。

 

ラプターのレーザーソードやアカネのパルスライフルを無垢な子供の用に目を輝かせたりするが、反面女子が気に入りそうな小物には目もくれなかったりする。

 

大人しい女の子だと思えば、鈴から聞いた話だが家族から逃げるために高層ビルから飛び降りて逃げるなど大胆な行動もする。

 

もしかしたら、俺の知る限りで一番の変わり者かもしれない。

 

思わぬところで、誰も考え付かない行動やリアクションをする。

それは長所でもあり、短所でもあるだろう。

 

そんな彼女が口元を手で隠して笑う。

 

「でも、もっと面白いのがあるの。」

 

簪はニコニコと笑っていった。この子が言うのだから、相当に変なものが来るに違いない。

ここで、思い出したのが大場先生だ。あの人だけがこの場にいない。

あの先生は何だかんだで、人の頼みを断れない人であることを思い出して、俺は一体何が来るのかと期待した。

 

すると次の瞬間、ライトが消えてドラムが鳴り出した。ライトが動いて、何やら始まる予感だ。

 

すると、四組の生徒の一人がマイクを持ってここにいる全ての人に伝えた。

 

『お待たせいたしました! IS界隈で最近話題沸騰! 元自衛官から、怒涛の快進撃を続ける我が四組の担任、大場つかさ先生のご登場です! 皆様盛大な拍手と一緒にお迎えください!』

 

そうえいば、前にIS学園特集で、前まで着ていたスクール水着の様なISスーツ姿の写真が雑誌に載っていたことを思い出した。

ファンもいるのか、一部の女子中学生が黄色い声を上げていた。

隣にいる簪は期待に満ちた目で見ている。それと反対にユーリは目を背けているように見えた。いったい何が来るのか、と俺はライトの先を見た。

 

そこには元のISスーツを改造したのか、背中と胸元にスリットが入って大胆すぎる格好の大場先生がいた。

われた腹筋も見えるようにされており、大胆すぎた。

当の本人は自棄になっているのか、もう決め顔までしている。

 

本人は場が白けることをきたいしたかもしれない。

 

しかし、現実は何時だって残酷だ。

 

スーツ姿の男から、私服のお父さん、憧れ抱く女子中学生に現役の生徒も皆が、一斉に盛り上がった。

 会場からはわれんばかりの拍手と声援が送られて、男も女も皆で大場先生を称賛し、大場先生の名前を大合唱していた。

 

皆からの大声援を受けているはずの大場先生は段々と、涙目で顔を赤くしていった。それでも必死に笑顔を作るのは流石と言ったところか。

見る者からすれば、いじめに見えないでもない。

 

隣で簪は楽しそうにしていたが、俺はあとで大場先生に何か奢ってあげようと思った。

哀れかな、人間下手に人気を持つと苦労するものだ。

 

いっそ、哀れんであげた方がよかったのかもしれない。

 

俺は一人、合掌した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園を歩き回って、早二時間は経っただろうか、少し歩くのも疲れたため、適当な休憩場所でベンチに座り、売店で買ったタコ焼きなどの小麦粉とソースの香りがするものを頂こうとした時、俺の前に女性が立っていた。

 

「こんにちは 隣いいかしら?」

 

視線を上へと上げると、声の主は生徒会長の更識楯無だった。俺は特に警戒もいらないとみて、どうぞ、と言って了承した。

 

彼女が礼を言って座ると、たこ焼きを爪楊枝で食べる俺を見ていた。好奇心旺盛な猫のように見えないでもないが、観察されてるようで落ち着かず俺は彼女に訊いてみた

 

「何か御用でも?」

「うん・・・・少しね」

 

楯無会長は足を組んで、リラックスをして俺に質問をした。

 

「君は自分の所属している会社をどう思っているのかしら?」

 

訊かれてたのはRインダストリーについてどう思っているか、と言う世間話の様なモノだった。何を聞きたいのか、何のために来たのか、俺はその意図がつかめなかったが、素直に答えた。

 

「どうって、俺は好きですよ。」

「汚い話だってあるじゃない? それでも・・?」

 

彼女は俺の本音でも聞き出そうとしているのか、挑発するように言う。

気に留めるほどでもないので、俺は普通に話した。

 

「話の意図は知りませんが、それでも俺は気に入っていますよ。確かに皆が皆いい人ってわけじゃないでしょうよ。この学園みたいに。 でも、大人が助けてくれたり、頑張れって言ってくれて、仲間もいて・・・それで十分じゃないですか」  

 

楯無会長は無言で聞いている。目の動きから俺を細かく見ているのがわかる。

俺は嘘でも言ってるのかと疑っているのだろう。だが、俺はそんな真似はしていない。

構わずに言葉を述べていく。

 

「俺は見ての通り、普通の男です。そんな男をここまで気遣ってくれる場所は無いでしょう・・・・いや、違うな。あの場所が俺の居場所なんです。アカネにヴィンセントにユーリ、山田先生やマイクさんもいて、簪も鈴もいる。インダストリーのおかげで、こうなれたんです。」

 

話し終えた俺を見て楯無会長は目を閉じて、しばしの間、考えていた。

彼女の脳内ではどのようなことが考えられてるだろうか。会長、学園最強として、俺たちの扱いを考えているのだろうか。

 

ハッキリ言って俺たちのやってることは学園にとっては迷惑だ。訓練機で専用機を倒して、専用機持ちの威厳を崩しにかかってみたり、教師に反抗し、体制や秩序に反してみたりとやってることは、全て怒られることだらけだ。

 

だが、俺は間違ったつもりはない。最善を考えてこうどうしたつもりだ。

福音事件も、レーゲンの暴走も、俺たちは行動をしてきた。

 

楯無会長にとって俺たちはどう映っているだろうか、いや、どう見るかを考えるためにここに来たのだろう。

 

この人もこの人なりに学園をどうするか、決めあぐねているのかもじれない。

 

そう思考していると、会長はようやく言葉を口にした。

 

「そう、他の人からの話とかなり違うのね。ありがとう、参考になったわ。」

 

楯無会長は立ち上がって、去ろうとしたが何か思い出したらしく、俺に振り向いて言った。

 

「そうだ、一つ言い忘れていたわ。 学園祭楽しんでね。せっかくのIS学園の祭なんだから楽しまないと損よ?」

 

そう言う会長に俺は深く息を吐いて、答えた。

 

「仲間たちとなら行けますが、生憎悪い噂が流れていますから・・・」

「あら? そんなことないわ。評判なんて一瞬で変わることもあるのよ? 頑張って見なさい。少しくらいなら助けられるから。じゃね」

 

 

会長はコツコツと靴音を鳴らして去っていた。変な人だ。訊くだけ聞いて去っていしまった。

 

俺は昼食を再開しようとたこ焼きの入ったパックを掴んだ。

しかし、そこには空っぽの箱があるだけだった。

 

「・・・・・やられた」

 

俺の中で会長の印象は泥棒猫に変わった。

なるほど、印象も一瞬で変わるものだ、と一人納得していた。

 




短めです。亡国の連中も出ていませんが、次回あたりに出す予定です。
ちなみに次回は重めかもしれません。

感想、批評いつでも、お待ちしております


PS オリジナルにうつつを抜かして更新遅れて申し訳ありません
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