IS to family   作:ハナのTV

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赤い旗の御子

ほぼ無人の廊下を駆けていく。ほんの数十分前までは学園の皆にお客さんでにぎわっていた場所も今は誰もいない。

楽しげにコスプレなんかして接客していた、あの甘い時間はどこかへと消え去ってしまっていて、今は短いAKライフルを持ったユーリと一緒にシェルター近くまで走っている。

 

神様が恨めしかった。どんな楽しい時間も、何かに襲わせて台無しにされている気持だった。それで苦しんでいる私たちをどこかで見て楽しんでいるんじゃないかとすら思った。

 

走っている途中で誰かが踏んでいったのか、ひしゃげた出店の看板が目に入った。

一生懸命作られたそれは無残な姿にされて、そこに転がっている。

 

あれが今の私たちなのかもしれない。

 

楽しい思い出がいとも簡単に潰されていしまう。

 

そう思っていると、突然ユーリが立ち止まって、私の手を引いて壁によらせた。

彼はAKの安全装置を解除して、廊下の角の方まで行って、そっと奥を確認した。

 

「誰かいるの?」

 

小声でそう尋ねると彼は小さく頷いた。非難はほぼ完了しているはずで、ここには誰もいないはずだ。

それで、誰かいるとしたら三パターンに分類される。一つは逃げ遅れた人、二つ目は私たちのような人、もう一つは敵だ。

 

そのどれなのかは彼の先ほどの行動を見ればわかるというものだ。

ユーリは飛び出して、AKライフルをフルオートで薙ぎ払うようにして、私がまだ見ていない誰かに発砲した。

短いライフルのせいか、大きすぎる発砲音が鼓膜を叩いて、思わず耳をふさいだ。

数十発の空薬きょうがコンクリートでできた床に転がって、高い音を廊下に響かせた。

 

ユーリは替えのマガジンをマガジンキャップに押し当ててからになったマガジンを弾き飛ばし、新しいのと交換して、初弾を込めてジッと向う側をにらんだ。

 

まだ終わってない、そう彼の顔から知ることができた。

そこへ、少し枯れた男の愉快そうな声が聞こえてきた。靴音をわざとらしく大きくならせているのがわかる。

 

{懐かしい音だ。クスハ[AKs74U]とはな……相変わらず頑固な男だ。いつも言っているだろう、貫通力のあるVSS系の方にしておけと。}

 

聞こえてきたのはロシア語だった。語学にはあまり明るい方ではないが、男の言っていることは少し理解できた。

相変わらず、と男は言った。ユーリの知り合いという事なのか、と思ってユーリを見ると、彼はアイアンサイトで照準をつけながらも、目を見開いて驚いていた。

 

{スパルタク……何故、ここにいる? 貴様は4年前に死んだはずだ。そして、その返り血は何だ?}

 

 ユーリもロシア語に言語を切り替えて話した。見たことないほどの権幕で視線の先の男を見ている。驚きと怒りが半々の顔に見えた。

 

{死んではいないさ、私はあえて姿を消した。お前に任務だけ言ってな……おかげで楽しく過ごせただろう? どうだった、私以外の世界は?}

 

ユーリは構えたまま静かに言った。

 

{…すべては貴様の手のひらの上だったとでも?}

{いや、そうは言わない。だが、嬉しいよ、そうやって女の子と一緒に楽しそうにしていたお前を見てな…親心だよ、ユーリ}

 

私を置いて二人は相対して、話す。片方は喜びと親愛の表情をして、片方は鉄仮面の内に隠した怒りを滲み出しながら、二人は向き合う。

 

それは決闘のように見えた。壮健な老人と鋼のようなユーリの二人だけの世界で私が入り込むような余地は無かった。

 

しかし、そんな空気にも構わずスパルタクと呼ばれた男は私の方を見て、微笑んで訊いた。

 

「こんにちは、お嬢さん。 ユーリが世話になっているらしいな。時間があれば、お茶でも誘いたかったが、ひとまず礼を言わせてもらう…いい目をしている」

{黙れ!}

 

ユーリがライフルの銃身を突き出した瞬間にスパルタクは姿勢を低くして、神速ともいえるスピードでユーリに近づいた。遅れてユーリが射撃するが外してしまう。スパルタクはステッキに絵の部分い力を込めて、引き抜いて仕込み刀を露わにした。

 

仕込み刀で切り上げてハンドガードの部分から二つに綺麗に斬った。ユーリはすかさず、残った部分を投げつけて、コンバットナイフを取り出して応戦する。

 

スパルタクは空いた左手で、投げつけられた銃の残骸を払いのけて仕込み刀で刺突を数回行って、ユーリに迫る。

 

ナイフでいなして、彼はさらに踏み込んで、インファイトに持ち込む。刀身の短さを生かして有利に事を運ぼうと動く。

ナイフの柄で胴体を殴りつけて、さらに足払いでスパルタクを転ばせて、首もとに刃を突き立てようとするが、老人とは思えない俊敏さでユーリを蹴り飛ばして今度はリーチのある長刀の彼が攻めに転じた。

 

およそ、日本の刀剣術のようなか構えは見えないというのに、彼の斬撃は達人のソレを遥かに凌駕していた。

刀剣が空を切るごとにユーリに焦りが見られた。今のリーチでは彼に利となるものは無い。

さらに、男は片手で振っていた剣を両手に持って、パワーまで増してきた。

 

刀剣同士がぶつかる音が強くなって、三回目にしてユーリのナイフがポキリと折れてしまった。

 

ユーリが死んでしまうと、思って声にならない悲鳴を私は口にした。

しかし、ユーリは折れた刀身を蹴飛ばして、スパルタクを怯ませた。

 

三角とびのように床と壁を蹴って跳んで背後に回り込んだ。スパルタクも難なく反応を示して刀身を脇腹の横の空間に突き刺し背広の陰で見えないようにして、後ろのユーリの顔に切っ先を正確に狙った刺突を行うも、ユーリはそれを手の甲でそらした。

 

頬を切りつつも、ユーリはもう一度得意の距離に入った。残った刃の部分で切り付けに行くが、刀身がいつもより短いためか、スパルタクのスーツを浅く切りつけるのみだった。

 

スパルタクは左手で彼を掴んで壁に投げつけた。

窓ガラスが割れる音が鳴って、スパルタクがとどめの刺突をするべくして、ノーモーションから仕込み刀を必殺の速度で迫った。

 

だが、ユーリはもう一本のナイフを取り出して、彼にその切っ先をむけて引き金のようにナイフの柄を握った。

 

すると、ナイフの刃が飛び出して、スパルタクの顔面向かって飛んでいった。勝ったと私も本人であるユーリも思ったことだろう。

 

完全な不意の一撃のはずだ。だからこそ、あのタイミングでユーリが使ったのだろう。

しかし、彼はその上を行った。

 

{甘いぞ}

 

彼は指でその仕込みナイフを掴んで見せたのだ。白羽どりでは無く、片手で指の間に綺麗にそれを掴んで見せたのだ。

 

{スぺツナズナイフ…オモチャも随分とうまく使えるようになったな、流石だ}

 

飛び散る鮮血が目に入った。仕込み刀でユーリの左の鎖骨の上の部分を突き刺されていた。

ユーリの痛みに耐える声が聞こえた。

あれだけの刺突を喰らって、声を上げないのは彼の豪胆さゆえだろう。

 

「ユーリ!」

 

私は叫んだ。彼の名前を大声で呼んだ。何もできない自分が恨めしい。

こんな場所で、あんな彼らの状況ではISは強すぎて役に立たない。

私にできることは何一つない。

 

そんな私を見てユーリも叫んだ。

 

「来るな!」

 

久しぶりに聞いた彼の叫びを聞いて、スパルタクは刀身をねじ込ませてユーリを黙らせつつも、感嘆の吐息と共に言葉を口にした。

わざわざ、私のもわかるように言葉を選んでまでして。

 

「ほう、そういう仲か。これはいい。お前を野に放した甲斐があったというものだ。腕も上げて人間としても成長するとは……だが、まだだ」

 

彼は刀を引き抜いて彼に反撃のスキを与えた。数歩下がって仕込み刀をステッキの中にしまった。

 

「まだ、お前にはもう一つの力があるはずだ。出せ、お前の本気を」

 

私は好機とみて、打鉄弐式を呼び出して彼との間に割って入った。

ヘッドギア越しに見えるスパルタクは怪訝な顔をしたが、すぐにほほ笑んだ。

私は彼に向かって警告を発した。

 

「ユーリから離れて! それと投降をして! このまま続けるようなら…私が容赦しない!」

 

するとスパルタクは大きく笑いを発した。私を見て彼は愉快そうに見て、ステッキの先を私に向けて行った。

 

「中々、肝が据わっているじゃないかお嬢さん。聞いていた話とは違うが、いい面構えだ。

どうだ、ユーリ? お前はどうする? 彼女の背に隠れるか? それとも…」

 

そして、私の横を黒い影がすり抜けた。さっきの戦闘とは比べ物にならない思い金属同士がぶつかる音がハイパーセンサーを通さない私の耳に直接響いた。

 

見ると、スパルタクには全身装甲のユーリのとは違う有機的なデザインのISを身にまとってていた。彼は手に鍔のない長刀を一振り手に持って、ユーリの暗殺剣を防御していた。

 

あの一瞬で瞬時加速を超えた速度で攻撃しても彼の一撃は傷をつけることすら叶わなかった。私も訓練を積む前では反応すら不可能だったかもしれない

 

「簪、下がれ。 これは俺の戦いだ。」

 

人を心の底から震え上がらせるような冷たい声で彼は私に言った。でも私は引かずに、サジタリウスの矢と呼ばれるホーミングレーザーをスパルタクスの機体に放つ。スパルタクスはソードでレーザーを数本切り裂いて、直撃を回避する。

 

スパルタクは手りゅう弾を一個呼び出して、放り投げる。激烈な閃光が視界を追おうが、打鉄弐式の索敵能力の前では無意味だ。

 

さらにレーザーを放つ。今度は回避場所もなく、ドーム状に包み込むようにしてスパルタクスをその場で左足を軸にして回転して、しゃがみ込んでソードを振った。

光のドームが細かく切り刻まれて、赤い粒子が彼の周りを舞った。

 

「簪!」

「…嫌だ!」

 

スパルタクスの機体がロケットのような急加速をして飛び出して私に接近する。

それをユーリが受け止めて、その場で格闘戦に入った。

 

逆手に持ったヒートナイフで刀身を受け止めずに受け流して、対応して不意を突いて足払いをかける。

スパルタクはジャンプして天上に張り付いて、見上げたユーリのマーダーの頭部目がけて、腕をばねのように扱って加速をつけたドロップキックを放った。ユーリは見事に反応して回避し、スパルタクの機体は床を貫通して一つ下のフロアへと落ちた。

 

腕だけの力と短すぎる加速距離で分厚い鉄骨とコンクリートの複合体を貫いた。そのパワーは桁違いだ。

 

ユーリは空いた穴に手りゅう弾を二個投げ入れて、下のフロアを吹き飛ばすが反応が無い。

まだ、スパルタクが生きていることを感じて、警戒をしながら私になおも呼びかける。

 

「簪、退くんだ。これは俺だけの戦争だ。」

「…そう言って福音事件の時みたいに私を置いて一人で行っちゃうの?」

 

私たちは互いに背中合わせになりながら話す。私は索敵をして、彼はナイフを構えて、互いに後ろをカバーしながら話す。

 

「あの時は君はオペレータとして戦った。それで充分だ」

 

ユーリが私を諭すように言う。彼の心配は嬉しいけど、私は逃げたくなかった。

もう、誰かの後ろにはいたくない。今度こそ前に立とうと思う。

「簪、聞いてくれ。シールドを見ろ。機能しなくなっている…君の機体では装甲が少なく危険だ。退いてくれ、簪」

 

彼の言う通りに見ると、先ほどのグレネードによるものか、シールドが機能していない。

そんな未知の技術があるのか、と疑問に思いつつも私は恐怖していた。

 

IS神話は私に中にはもうない。私を守るものは少なく、死ぬ可能性がある。

今私にあるのは装甲と絶対防御だけだ。

 

極めて危険と言っても過言ではない。事実少し手が震えてならない。

でも、逃げたくない。

彼と共に生きたい。身勝手でもそう思うからだ。

 

「簪、こんな所で死ぬつもりなのか? 君の戦いは今じゃないはずだ!」

「違う、今がその時だよ! 貴方から見て、六時方向!距離三メートル!」

 

言った瞬間に私とユーリは互いの位置を交換した。フロアの床を突き破ってスパルタクの機体が姿を見せて、青いガスの炎を纏ったブレードを振りかざしてきた。一度、撃ち合って火花が散る。スパルタクの刀身にユーリは自分のナイフを滑らせて、頭部へと切り付ける。

 

スパルタクは反射的に顔を反らして、飛び退く。そこで私がホーミングレーザーを斉射して退路を断ち、スパルタクの後退を十分な距離に到達させる前にストップさせる。

 

ユーリが低い姿勢に構えて、クラウチングスタートのようにスパルタクに突進する。

私はその前に手渡されたマーダーのショートカービンで援護射撃を加えてスパルタクを追い込む。

 

だが、スパルタクは案山子でもなければ、射撃場に立つ的でもない。ブレードを回転させて銃弾を切り落として防御し、同時に空いた左手にサブマシンガンを展開してユーリの突撃を阻む。

 

ユーリは突撃を断念して、ダガーナイフを三本スパルタクに投げつける。

剣で振り払わず、サブマシンガンの残った弾丸で撃ち落して、弾切れになったソレを放り棄てて、ユーリと切り結ぶ。

 

ヒートナイフとブレードがぶつかって、マグマのような炎が飛び散った。

辺り一面を焦がしながら、刀と刀が触れ合うたびにコンクリートが溶け、木材の部分が燃え尽き、ガラスが透明な粘土と化す。

 

熱と煙を感知してスプリンクラーが作動するが、その程度の水では火事の大本の原因である二人を鎮めることはできない。

 

水が触れることで発生した水蒸気すら使って二人は戦闘を続ける。

 

片方は戦いに悦んで、片方は無言に烈しくしながら何十回と刃を交える。

神速の剣技と暗殺技が混ざり合った業を二人交える。

 

百を超えるのではないかと思えた時、変化が訪れた。スパルタクは一歩下がり足でユーリを蹴りつけた。

それをユーリは腕部の装甲で受け止めたが、その装甲がバターのようにスライスされていしまっていた。

 

靴底に仕込むような、暗器だ。装甲を失った部分にスパルタクは正確に刺突を行い、マーダーの左腕部に突き刺して使用不能にした。

 

ユーリが痛みに唸った。彼はいったん後退して、ダガーを持ち投げようと動くが、スパルタクは容赦なく追撃する。

 

それを阻もうと、私はレーザーをユーリーの体をすり抜けるように撃った。

まるで幽霊のようにマーダーをすり抜けて、スパルタクを襲うが、彼はやはり全てを叩き落として見せる。

 

「なら…これで!」

 

もう一度同じように斉射し、続けてスパルタクが通った穴にレーザーを撃ち、彼の足もとから急襲させる。

 

スパルタクは舌打ちしながら、後ろへとバック転をして回避行動に入った。胴体にようやく一発のレーザーが命中するが、対光学兵器用の装甲なのか、レーザーははじけ飛んでしまった。

 

「そいつでコレの装甲はやぶれんよ」

 

スパルタクは再び刀を構える。そこへ私はもう一度レーザーを撃つ。より効率的にではなく、相手に目を欺くために計算する。

 

今までの男の行動をデータとして、最も反応のしづらい部分を考え、複雑怪奇なレーザー網を形成する。

二本を校舎から突き抜けさせて、三本を下のフロアから、ダメ押しに残りを真正面からと、十字砲火のように彼を赤い閃光で埋め尽くす。

 

スパルタクは横から来る二本を刀身で弾き、下からの急襲をバレリーナのように回転して回避。残る、真正面をブレードで地面を切って瓦礫の壁を作り、威力を下げて装甲に受けた。

 

スパルタクの機体にか細くなったレーザーが命中してはじけた。それは、狙い通り彼の目をくらませるにはちょうど良かった。

 

スパルタクの真後ろから、ユーリがチーターのように迫った。無機質なカメラアイが光って紅い光の残像がスパルタクに迫っているようだった。

 

ユーリがナイフを彼の脇腹めがけてまっずぐに伸ばす。

不意を突いたはずの攻撃でもスパルタクはその場で刀を地面に突き立てすことでコレを防いだ。

奇襲も通じないことで私は一瞬諦めの思いを抱いた。しかし、ユーリはそこから相手の肩を掴んでその場でブレイクダンスのように体を回転させて、さっきとは逆に、マーダーの脚部に仕込んでいた小さなナイフでスパルタクの機体の頭部に一撃与えた。

 

よろけつつも、スパルタクは掌底でマーダーを突き飛ばし、刀を引き抜いて距離を取った。

 

私たちはその場で対峙した。激烈な戦闘を展開したにもかかわらず、今更ながら、ここに静粛が訪れた。

 

スパルタクは機体の頭部の傷跡をそっと撫でた。人間でいう頬に当たる部分だ。

それは愛おしそうにすら見えるほど緩慢な動作で、先ほどまで機敏な動きをしていたものとは思えない。

 

そして彼はフェイスマスク越しに笑って私たちを見た。

 

「素晴らしい、ユーリよ、お前の上達ぶりも良いがお嬢さんも大したものだよ。できることなら、君たちと同じ世代に生まれたかったものだ。」

 

それに足してユーリが返す。

 

「スパルタク、貴様の目的は何だ? 亡霊が何のために俺の目の前に来た?」

「お前の様子を見に来た。親心だといったろう? この成長を見るのは親の役目であり、喜びだ。」

 

この成長と、彼は言った。この男がユーリの親か親代わりと言うのだろうか。彼の人格形成の一端を担ったという男を見る。

 

親の手に握られているブレードには息子の血が付着している。子の血を被って、この男は喜んでいる。そのことに私は激しい怒りを感じた。

当のユーリも不快感を感じているのか、ナイフの柄を握る手に少し力が入っていた。

 

「お前は私の理想だよ、ユーリ。そうやって使えるものすべてを使って、戦う姿はやはり美しい。だから、もう一つ見せてくれ。」

 

彼は刀を何の名残惜しさも見せずに捨てた。そして、彼の手に得意な形のライフルが添えられた。

アカネの使うライフルに着けるようなスコープ、太目な銃身にカラシニコフに少し似たレシーバー。短い狙撃銃と言ったところだ。

 

「私の理想を……ユーリよ。我が同志よ。我が息子よ」

 

彼はライフルを構えて、銃口の先をユーリではなく、私に向けた。

私はとっさに回避行動をとろうと、スラスターに火を入れた。

その時、打鉄弐式のヘッドギアにアラームが鳴った。スラスターに異常発生、エネルギーが収束できず、吹かせなくなっていた。

 

躱せない。私はライフル弾を受けて死ぬ。そう直感した。

その僅かな隙が命とりだった。スパルタクの人差指が引き金を引いた。

 

「簪!」

 

銃声とユーリの声が私の耳に届いた。

 




少しだけの過去開示です。
ここの亡国さんは変な人ばかりです。

亡国内で主に動かすのはマドカ、スコール、オータムの三人と
今回の爺の予定です。

キャラ多すぎですかね?
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